2024.04.18 プレスリリース 【記者発表】株式取引の外生的・内生的要因を推定する 効率的なアルゴリズムを開発――COVID-19流行初期における東証市場のダイナミクスを網羅的に可視化―― #東大生研 の伊藤 真利子 特任講師、本間 裕大 准教授、立教大学 大学院人工知能科学研究科の大西 立顕 教授、東京大学 大学院経済学研究科の渡辺 努 教授、同大学の合原 一幸 特別教授/名誉教授による研究グループは、大量の株式取引データを網羅的に分析するため、異なる時点間における外生的・内生的要因の相互依存性を考慮しつつ、計算コストも勘案したアルゴリズムを開発し、COVID-19の流行により不安定化した2020年3月の東証市場において、日銀による金融緩和政策や米国の景気刺激策のニュースに対する市場の反応を捉えることができました。提案したアルゴリズムは、金融庁・東京大学間の連携協力協定に基づく研究にも適用されています。より詳細な研究用データに基づく分析により、市場の動きをより精密に把握し、市場の安定性・不安定性の解明に貢献することが期待されます。
2024.04.15 プレスリリース 【共同発表】磁性半金属の特異な磁性をゲート電圧で変調することに成功――スピントロニクスへの応用展開に期待――(発表主体:大学院工学系研究科) 東京大学 大学院工学系研究科 附属量子相エレクトロニクス研究センターの中野 匡規 特任准教授(研究当時、研究当時:理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター創発機能界面研究ユニット ユニットリーダー兼任、現:芝浦工業大学 工学部 教授)、同研究科 物理工学専攻の岩佐 義宏 教授(研究当時、研究当時:理研創発物性科学研究センター創発デバイス研究チーム チームリーダー兼任、現:理研創発物性科学研究センター 副センター長、同センター創発デバイス研究グループ グループディレクター)、梶原 駿 大学院生(研究当時)、王越(オウ エツ)大学院生(研究当時)、 #東大生研 の松岡 秀樹 特任助教(理研創発物性科学研究センター創発デバイス研究チーム客員研究員兼任、研究当時:同センター基礎科学特別研究員)らの研究グループは、同大学 大学院工学系研究科 附属量子相エレクトロニクス研究センターの平山 元昭 特任准教授(理研創発物性科学研究センタートポロジカル材料設計研究ユニット ユニットリーダー兼任)、同大学 先端科学技術研究センターの野本拓也講師(研究当時、現:東京都立大学理学部物理学科 准教授、理研創発物性科学研究センター計算物質科学研究チーム 客員研究員兼任)、有田 亮太郎 教授(理研創発物性科学研究センター計算物質科学研究チーム チームリーダー兼任)と共同で、磁性半金属と呼ばれる特殊な強磁性体において、強磁性転移温度、磁気異方性、磁気輸送特性などの性質を、ゲート電圧で変調することに成功しました。強磁性転移温度の大幅な上昇、磁気異方性の完全な切り替えなどの劇的な変化が観測され、その起源として、半金属的な電子構造と磁性の強い結合が示唆されました。本研究の結果を利用することで、磁性半金属を主役とする新原理スピントロニクスデバイスへの応用展開が期待されます。
2024.04.11 プレスリリース 【記者発表】軸索で結合させた大脳オルガノイドは複雑な神経活動を示す――脳の発達と機能の解明に新たな手法を開発―― #東大生研 の池内 与志穂 准教授(兼務:同大学 Beyond AI研究推進機構、同大学大学院工学系研究科 化学生命工学専攻)、大崎 達哉 特任助教(研究当時)、周小余 特任助教、池上 康寛 特任研究員(研究当時)、ドゥンキー 智也 同大学大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 博士課程、ボルドー大学のロマン・ボボワ 博士課程、ティモテ・レヴィ 教授、鹿児島大学の玉川(中川)直 助教、宮崎大学の平野 羊嗣 准教授の研究チームは、ヒトの脳の複雑な神経回路網を再現するための新しいモデルを開発しました。ヒトiPS細胞由来の大脳オルガノイド同士を軸索で結合させた組織(コネクトイド)は、複雑かつ強い、同期した神経活動を示しました。また、光遺伝学的にオルガノイド間の神経束を刺激すると、神経活動の引き込みと短期的な可塑性が観察されました。本研究は、脳の領野間結合の発達メカニズムや機能の解明、および疾患治療法開発に新たなアプローチを提供します。