平成26年度有機化学I(反応化学既修者対象,2年冬学期前半 月・金3限)

本年度の講義は終了しました。試験は12/12(金)の3限目,試験会場は743教室 です。

昨年の試験問題はこちら

準教科書的書籍:ウォーレン「有機化学」(東京化学同人)本講義で主に扱うのは上巻の2,3,4,7,8,11,16,18章。
大きな主題は”酸と塩基””有機化合物の構造決定””立体化学”の3つ。
-------------------------------
工藤からのメッセージ:
有機化学は他人に教わるものではありません。自分で会得するものです。教科書の読破(できれば原書)と自ら手を動かすこと,これがなによりの勉強法です。

10/6 講義開始時点での有機化学の理解度を調査する目的でquizを行った。quizの模範解答とおおよその正答率はこちら(その1その2)。
官能基名や頻出の略称の確認を行い,命名法の体系を説明した(ウォーレン2章)。命名法の演習の模範解答はこちら
10/10 官能基をもつ簡単な有機化合物の命名法の解説を行い,続いて有機化合物の構造決定法(MS, IR, 13C NMR)について解説した(ウォーレン3章)。命名法の演習の模範解答はこちら
10/15 前半で有機化合物の構造決定法(MS, IR, 13C NMR)の続きを行いスペクトルから化合物の構造を推定する流れを説明した(ウォーレン3章)。後半は,原子軌道・分子軌道・混成軌道などについて基本的なところを説明した(ウォーレン4章)。3章の演習問題解答例1-4はこちら,5,6はこちら。4章の演習問題解答例はこちら
10/17 共鳴・共役・非局在化について説明し,後半では芳香族性について説明した(ウォーレン7章)。
10/20 芳香族性の続きの説明を行い(ウォーレン7章),ついで酸・塩基の説明を行った(ウォーレン8章)。
10/24 酸・塩基の説明の続きを行い,I効果・R効果が酸性に及ぼす影響について解説した(ウォーレン8章)。
10/27 塩基性の説明を行った後に,安息香酸の酸性に対する置換基効果の解説を行った(ウォーレン8章)。
10/31 酸・塩基の追加説明の後に1H NMRの説明を行った(ウォーレン8,11章)。8章の演習問題の解答例はこちら(その1その2その3
11/7 1H NMRを含めたスペクトルによる有機化合物同定の実例を解説し,その後で立体化学(立体配置)の説明を行った(ウォーレン16章)。
11/10 立体化学(立体配置)の説明を行った(ウォーレン16章)。11章の演習問題の解答例はこちら。有機1の範囲を逸脱するが,問題11で予期しない生成物が得られた機構はこちら
11/14 立体化学(立体配置ならびに立体配座)の説明を行った(ウォーレン16,18章)。16章の演習問題の解答例はこちら。質問の多かった「NMRはどこまで読めるようになっておけばいいのか」への対応の意味も含め,参考のために昨年の試験問題を掲載した(本ページタイトル下)。提出された質問(無記名)への回答はこちら
11/17 立体化学(立体配座)の説明の続きを行った(ウォーレン18章)。18章の演習問題の解答例はこちら。講義終わった後の即答しなかった質問への回答はこちら


【参考】有機化学関連の有用なサイト

1) 有機化合物命名法に関して
有機化学 plus on web (PDF, 33 pages)。このサイトは命名以外にもスペクトルの説明(含・演習),小テストなどもあって,初学者にはかなりよい。
http://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/yuki/web/
Wikipedia IUPAC命名法
http://ja.wikipedia.org/wiki/IUPAC%E5%91%BD%E5%90%8D%E6%B3%95

2) 有機化合物のpKa一覧
Bordwell pKa table
http://www.chem.wisc.edu/areas/reich/pkatable/index.htm

3) 芳香族化合物などの電子分布(静電ポテンシャル)図
Phil Baran lab’s HP
http://www.scripps.edu/baran/heterocycles/
の中から“•Patrick Lam's Electrostatic Potential Maps”を選ぶ

4) 分子軌道計算(主として半経験的分子軌道法)
winmoster(最初だけ登録必要。学生は無料)
http://winmostar.com/jp/
Avogadro(英語)
http://avogadro.openmolecules.net/wiki/Main_Page

5) 分子モデル表示
rasmol (英語)
http://www.bernstein-plus-sons.com/software/rasmol/

6) 構造式描画
Chemsketch(英語)
http://www.acdlabs.com/resources/freeware/chemsketch/

7) タンパク質構造データベース
Protein data bank
http://www.rcsb.org/pdb/home/home.do

8) 化学データベース(学内のみ)
Scifinder 
https://scifinder.cas.org/
詳しくは東大図書館のHPに情報あり
http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/manual/SFS/sfw_usreg.html

9) 有機化合物のスペクトルデータベース
ただいろいろな化合物のスペクトルを見るだけでも大変勉強になります。
http://sdbs.riodb.aist.go.jp/sdbs/cgi-bin/cre_index.cgi?lang=jp

10) スペクトルによる有機化合物同定の演習
UCLAのサイトですが,英語できなくても大丈夫です。
http://www.chem.ucla.edu/~webspectra/

上記は一例で,他にもいろいろあります。Web上で検索してみるとよいでしょう。

[番外編](有機)化学にまつわる最新情報など
化学者のつぶやき 
http://www.chem-station.com/blog/


戻る