第54巻・第5号(2002年) 

目次

特集 生研公開


生研公開講演

鏡面を創る新しい研磨技術 −複合粒子研磨法−
河田研治


半導体デバイスはどこまで小さくなるか?
平本俊郎


産学共同で実用材料ができるまでの道のり・セラミックス系複合材料の例を通して
香川 豊

覆水を盆に返す:位相共役光の発生とその応用
志村 努




一般投稿


研究速報

損傷力学モデルによる金属材料の低サイクル疲労寿命予測
都井 裕・広瀬智史


形状記憶合金コイルばねの超弾性有限変形挙動の有限要素解析
都井 裕・李 宗ビン・田谷 稔・松永泰弘


構成材料の空問的特性を考慮したコンクリートの拡散性状のモデル化
加藤佳孝


ハンドル操舵角速度に着目した地震時運転者の反応評価
丸山喜久・山崎文雄


道路橋における鉄筋コンクリート床版の防水工に関する研究(その6)
−基層アスファルト混合物のひびわれ追従性の検討−

野村謙二・魚本健人


道路橋における鉄筋コンクリート床版の防水工に関する研究(その7)
−基層アスファルト混合物の耐流動性・防水性の確保方策−

野村謙二・魚本健人



アブストラクト

特集 生研公開


生研公開講演

鏡面を創る新しい研磨技術 −複合粒子研磨法−
河田研治



半導体デバイスはどこまで小さくなるか?

平本俊郎



産学共同で実用材料ができるまでの道のり・セラミックス系複合材料の例を通して
香川 豊



覆水を盆に返す:位相共役光の発生とその応用
志村 努



一般投稿


研究速報

損傷力学モデルによる金属材料の低サイクル疲労寿命予測
都井 裕・広瀬智史

 本研究においては,連続体損傷力学に基づいて弾粘塑性構成方程式モデルを定式化した.Lemaitreの等方損傷発展式において,繰り返し荷重を負荷した場合の塑性損傷と繰り返しでない場合の塑性損傷とに対し,異なる材料パラメータを仮定した.この構成式モデルによる低サイクル疲労寿命予測計算結果を森野らによる実験結果と比較することにより,本モデルの妥当性を確認した.


形状記憶合金コイルばねの超弾性有限変形挙動の有限要素解析
都井 裕・李 宗ビン・田谷 稔・松永泰弘

 本報告では,はり,コイルばねなど一次元的形状を有する形状記憶合金素子の超弾性大変形挙動の有限要素解析法を提示した.計算例として,TiNi合金製コイルばねの超弾性大変形挙動を解析し,ワシントン大学知的材料システム研究センターによる実験結果との比較により,本解析法がほぼ合理的であることを確認した.


構成材料の空問的特性を考慮したコンクリートの拡散性状のモデル化
加藤佳孝

 本研究は,コンクリートをセメントペースト,遷移帯,骨材の3相構造と仮定し,それぞれの空隙特性を考慮して拡散係数を算出し,さらに全体の配置特性を考慮することによりコンクリート全体の拡散性状を表現した.これにより,任意の配合条件に対してコンクリートの拡散性状をシミュレートすることが可能となる.また,試算した結果よりコンクリート中のひび割れ内の拡散係数の最大値は,コンクリート全体の見かけの拡散係数の約80倍であることが明らかとなった.


ハンドル操舵角速度に着目した地震時運転者の反応評価
丸山喜久・山崎文雄

 東京大学生産技術研究所に導入されたドライビングシミュレータを用いて,地震時の高速道路の車両走行に関する模擬実験を行った.ハンドル操舵角速度に着目し実験結果を整理した結果,地震動が大きくなるとハンドル操舵速度の最大値が大きくなる傾向が確認できた.地震動強さ指標については,最大加速度よりも計測震度の方が運転者の反応量との相関が高いように見られた.また,免許歴の短い運転技術の比較的未熟と考えられる被験者と,年齢の高い運転者のハンドル操舵速度の最大値が大きくなっていた.


道路橋における鉄筋コンクリート床版の防水工に関する研究(その6)
−基層アスファルト混合物のひびわれ追従性の検討

野村謙二・魚本健人

 鉄筋コンクリート床版上面のひびわれの開閉による基層アスファルト混合物へのひびわれ伝播パターンは,床版防水工を敷設した場合と敷設しない場合では違いがあることを実験的に確認した.また,その基層アスファルト混合物へのひびわれ伝播パターンは,アスファルト混合物の厚さによっても違いがあることを確認した.


道路橋における鉄筋コンクリート床版の防水工に関する研究(その7)
−基層アスファルト混合物の耐流動性・防水性の確保方策−.

野村謙二・魚本健人

 鉄筋コンクリート床版上に床版防水工を敷設すると,その上に舗設されるアスファルト混合物の流動性が増加する.アスファルト混合物の耐久性の面から流動性を抑え,アスファルト混合物に防水性を確保するため,瀝青塗膜防水材を用いることの妥当性を確認している.また,床版防水工の効果の検証が困難であることから,路面排水の円滑化に着目した橋面排水構造を提案している.


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