イベントレポート詳細

【大漁旗プロジェクト】ワークショップ「もしかするなんと~自然×科学×まちづくり~」が富山県 南砺市で開催されました。

2020年8月7日(金)、富山県 南砺市で、ワークショップ「もしかするなんと~自然×科学×まちづくり~」が開催されました。このワークショップは、昨年の釜石、函館、舞鶴に続き、大漁旗プロジェクトの一環として行われたもので、南砺市エコビレッジ推進課の全面的な支援をもとに南砺市内の3つの高校に呼びかけ、企画されました。

新型コロナウィルス感染症対策を徹底するため、富山県 南砺市役所と東京大学 生産技術研究所をオンラインでつないだ上で、南砺市側は、高校単位で南砺市役所内の個室に分かれてワークをするなど、工夫しての開催となりました。

ワークショップは、岸 利治 東京大学 生産技術研究所 所長による開会のあいさつから始まりました。科学自然都市協創連合および、記念事業の「大漁旗プロジェクト」についての紹介がありました。

ステップ1では、東京大学 生産技術研究所 次世代育成オフィス 中井 紗織 学術支援専門職員によるSDGsの導入・解説が行われました。また、南砺市 久保 剛志 総合政策部次長・エコビレッジ推進課長より「SDGs未来都市」である南砺市のSDGsへの取り組みの紹介がありました。南砺市は、五箇山の合掌造り集落(世界文化遺産)や、城端曳山祭り(ユネスコ無形文化遺産)をはじめとする、有形無形の文化財に富んでおり、それらを守りながら【小さな循環による地域デザイン】を基本理念に、教育・次世代の育成やソーシャルビジネス、森や里山の活用などを主要テーマとした「エコビレッジ構想」を策定し、実践していることが紹介されました。その後、生徒たちはSDGsを切り口に南砺市の魅力について考えるグループワークを行いました。

ステップ2では、東京大学 生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター長 大口 敬 教授による「まちを活かすモビリティ・デザイン」をテーマとした講演が行われました。信号機の種類やその設置方法の意味、海外との違いの説明がありました。生徒たちが通う高校近くの信号機・道路の写真を用いての説明もあり、身近な場所の事例で、理解はさらに深まったようでした。また、実際に運用が始まっている自動運転についての紹介がありました。自動運転には、AIの活用など、技術的な話に注目が集まることが多いが、自動運転を受け入れるための、社会全体の整備が必要であること、また、「技術」はヒトや社会に役立って、使われてこそ価値のあるもの、それを学ぶ「工学」に興味を持ってほしいと、大口教授から、次代を担う生徒たちへ、メッセージが伝えられました。

ステップ3では、東京大学 生産技術研究所 人間・社会系部門 松山 桃世 准教授が開発した、「生研道具箱カードゲーム」を楽しみました。生徒たちは、研究所で開発を進めている最先端の技術を「道具」として組み合わせ、南砺市をさらに輝かせるアイデアを考え、高校別に発表を行いました。「世界中の人々がどこからでも南砺をナマ体験できるまち」「自然豊かでエネルギー生産量が高く災害の少ないまち」など、ワークシートに書ききれない具体的なアイデアと熱気であふれるワークショップとなりました。

ワークショップ後、生徒たちは未来の南砺市について、さらに話し合いを深めました。今後、ワークショップや話し合いで得られたアイデアをもとに、大漁旗のデザイン制作をする予定です。

初めてのオンラインによるワークショップは、南砺市と東京大学 生産技術研究所の間で、事前に綿密な打ち合わせや準備を行いました。途中、トラブルもありましたが、その都度対応し、なんとかすべてのプログラムを終えることが出来ました。今後のワークショップも、情勢を見極め、オンライン・対面の両方にて、引き続き実施してまいります。

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