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科目の目的・ 到達目標 |
有機化学の基礎的な知識を持ち、有機化学品の機能をその分子構造と関連付けて理解できるようになること、ならびに日常生活における諸事物を有機化学的視点で眺められるようになることを目標とする。 |
授業の概要 | 有機化学は基礎・応用の両面を併せもった化学の一分野である。我々の生活に利便性を提供している有機化学品を眺めてみると、繊維、プラスチック、洗剤、化粧品、塗料、接着剤、液晶、薬など枚挙にいとまがない。それぞれの有機化学品の機能は、それを構成する有機分子の性質によって説明することができる。本講義では、有機化合物の分子構造と物性の関係を中心に、有機化学を概説する。 |
評価方法 | 講義期間中複数回行う小テストを20点,学期末試験の成績を80点として評価する。出席はとらない。 小テストの採点ポリシー:1回分の得点を10点満点として採点。各回の点数のうち,高いものから2回分を合計したものを小テストの点数とする。(例:10点が2回であとは全部0点→20点,全ての回とも5点→10点) |
テキスト | 荒木・工藤,「有機化学 -基礎化合物から機能材料まで-」(東京化学同人) |
9/27 | 原子の構造からはじめ,軌道の形,エネルギー準位,混成軌道について解説した。また,有機物の構造や性質は電子間の反発が決めていることを解説した。メタンの構造について述べたあと,アルカンの分子構造の説明と構造異性体の数え上げを行った。(教科書関連ページ:p4.最初の段落,p.7-9)[ヘプタンの(鏡像異性体を考えない時の)異性体の数は講義では8といいましたが,ただしくは9でした。次回説明します。](教科書2章・3章) |
10/4 | 結合エネルギー,多重結合について解説した。また,分子の形について考察した。アルカンの燃焼によってエネルギーが取り出されること,メタン(天然ガス)の方がオクタン(石油)よりも単位重量当たりの燃焼熱が大きいことを結合エネルギーの計算から確認した。(教科書2章・3章) |
10/11 |
結合の極性,分子間にはたらく力の種類について説明した。分子間にはたらく力が強いほど沸点が高くなることを実際の化合物で確認した。(教科書2章・3章) キーワード:双極子-双極子相互作用,ファンデルワールス力,水素結合 |
10/18 | アルカンの命名法,反応性(ラジカル反応と燃焼反応)について解説した。石油化学工業はアルカンを熱分解してエチレン(またはプロピレン)にして,それを出発物質として使うものであることを説明した。(教科書3章) |
10/25 | エチレン(アルケン),ハロゲン化アルキル,アルコールについて説明した。化学反応が結合の組み換えであることを説明した。さらに付加反応はプラス性を帯びた反応種に対してπ電子があたかも電子対のようにふるまって,配位結合のような中間生成物ができることからはじまることを示した。また,フロンの説明を行った。(教科書3章) 前回の内容に関連するクイズを行った。 キーワード:分子軌道,HOMO,LUMO,付加反応,脱離反応,置換反応。 |
11/1 | (講義なし) |
11/8 | アルコール,ケトン,アルデヒド,カルボン酸などについて解説した。キーワードは結合の組み換え式。(教科書3章) 結合の組み換え式に関するquizを行った。 |
11/15 | 共役系を持つ化合物について解説した。ベンゼンの誘導体のうちの主なものと,その用途に関して解説した。(教科書4章) |
11/22 | 休講 |
11/29 | 11/15に講義した内容についてのquizを行った。20点到達者現在10名。 共役系を持つ化合物,とくに置換基をもつベンゼンの性質と用途について解説した。(教科書4章) |
12/6 | 11/29に講義した内容についてのquizを行った。20点到達者累積23名。 複素環化合物の化学について解説した後で,立体化学の解説をした。(教科書5,6章) |
12/13 | 12/6に講義した内容についてのquizを行った。20点到達者累積24名。今回は少し採点辛め。鏡像異性体の物性の比較は,「旋光度の符号が逆」だけでは不十分で,「旋光度以外の物性が同じ」まで必要。また,『比較せよ』という問いに対して,『旋光性を示す』ではそもそも答えになっていない。 生命を担う有機化合物の解説をした。(教科書6章) |
12/20 | 12/13に講義した内容についてのquizを行った。20点到達者累積25名。15点以上20点未満の者合計22名。2回以上quizを提出したが10点に到達していない者2名。 生命を担う有機化合物の続き,ならびに有機合成化学の解説をした。(教科書6,7章) |
1/10 | 12/20に講義した内容についてのquizを行った。20点到達者累積28名。15点以上20点未満の者合計19名。2回以上quizを提出したが10点に到達していない者3名。 生活と有機化学について解説した。高分子化合物の定義・合成法・性質について解説した。(教科書8章) |
1/11(土)5限 | 1/10に講義した内容についてのquizを行った。20点到達者累積32名。15点以上20点未満の者合計16名。2回以上quizを提出したが10点に到達していない者3名。 生活と有機化学の続きについて解説した。有機工業化学ならびに汎用の合成樹脂について解説した。(教科書8章) |
1/17 | 1/11に講義した内容に関連するquizを行う予定である。 生活と有機化学の続きについて解説刷る予定である。(教科書8章) |