化学2 [中央大・経シス1年](平成20年度)

10/17の講義中で,メタンの標準エントロピーを標準生成エンタルピーおよび標準生成ギブズエネルギーから求める方法の説明が不十分であったが,下記の通り。

メタンの生成反応
     

           C(グラファイト) +   2H2(g)   →  CH4(g)

   ΔHf°     (0)            (0)       -74.85
   ΔGf°     (0)            (0)        -50.74
    S°      5.74        130.68          x  

 求めたい数値は上記のxの部分で,これがメタンの標準エントロピーである。
 Hf°とGf°にはΔがついているが,S°にはついていないことに注意。これは,Hf°とGf°が標準状態で最安定な元素のもつ値を0としたときの相対値であるのに対し,S°は化合物に固有の絶対値であるため。
 まず,ΔHf°とΔGf°から反応前後のエントロピー変化ΔS°が,{-74.85-(-50.74)}*1000/298.15 = -80.87 J / (mol K)と求まる。ところでこのΔS°についているΔの意味するところは,(反応後の状態)―(反応前の状態)であった。これらより,x - (5.74 + 2 * 130.68) = -80.87という式が成立し,x = 186.23 J / (mol K)となる。 //