ヒントで述べたように,1)のシクロプロパンが最も対称要素が多くて難しい。
このため,まずは,2)のクロロシクロプロパン,3)のジクロロシクロプロパンを
先に考える。
これらは,下記に示したような対称要素をもつ。
3−3)に示した1,2-トランスジクロロ体がキラルであり,あとは全て
アキラル。(σ面が存在)。
ヒントで述べたとおり,これらの置換シクロプロパンのもつ対称要素は
かならずシクロプロパン自身がもっている。つまり,シクロプロパンは
最低でも2枚のσ面と1本のC2軸をもつ。
それは,下記の左上の図のようなものである。ところで,シクロプロパンには
それ以外にも三員環が構成する平面に垂直なσ面を2枚と,そのσ面
に含まれるC2軸を1本ずつ計2本持つ。それらは下図の右上と左下に示した。
それ以外に三員環の重心をとおってそれに垂直なC3軸があり,これはまた,
S3軸でもある。
この化合物はσ面をもつのでアキラルである。
以上