有機化学5(有機立体化学) 09/05/15分Quizの解説
正解
正答率 40%
NMRのカップリング定数の重要性を認識してもらうための問題。
先週学んだとおり,Hax-Haxは二面角が180°なのでカップリング定数は大(例:9 Hz), Hax-HeqやHeq-Heqは二面角60°なのでカップリング定数は小(例:4 Hz)。この例では,H4-H5ならびにH3-H4のカップリング定数が大。これより,4-OH, 3-OHはエクアトリアルと決まる(Hがアキシャルのため)。次にH2-H3のカップリング定数は小。このことから,H2はエクアトリアルであること(=2-OHはアキシャルであること)がわかる。その構造はH1-H2のカップリング定数が小さいという事実と矛盾しない。以上から上記の構造(α-D-マンノピラノシド)となる。一義的に構造の決まるカップリング定数の大きな部分に先に注目するのがポイント。
a)構造あっていた者
a-1)6員環の置換基の方向がきれいに描けている 27名
a-2)エクアトリアル置換基の方向に「難あり」 8名
b)構造間違っていた者
b-1)6員環の置換基の方向はきれいに描けている 16名
b-2)エクアトリアル置換基の方向に「難あり」 7名
b-3)アキシャル置換基の方向にも「難あり」 17名
c)お手上げ 13名
a-2)やb-2)の実例(赤で示した結合に問題アリ)
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“平行の原則”に従ってない |
同左 |
一見それらしくも見えるが・・・ |
b-3)の実例(赤で示した結合に問題アリ)
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アキシャルではありえない方向にOH |
H-C-OHが一直線 |
同じ側に描かれても・・・ |
おどろいたのはb-3)が17名もいたこと。いす形コンホメーションの置換基の方向ぐらいかけないと及第点はおぼつきません。