科目名称
|
有機資源化学 |
科目名称(英語)
|
Organo-Resources Chemistry |
授業名称
|
有機資源化学 |
教員名
|
工藤 一秋 |
開講年度学期
|
2017年度 前期 |
曜日時限
|
火曜5限 |
|
|
|
単位
|
2.0 |
|
|
|
|
|
|
|
|
有機資源化学は,有機資源(石油、石炭、天然ガス、バイオマス、廃炭素資源など)について,その生成・採掘方法・利用法を化学的に理解する分野である。本講義の内容には化学的に新規な概念はわずかしかなく,本講義はこれまでに学んできた基礎化学,特に有機化学と物理化学に立脚して,有機資源に関する理解を深めることを目的とする。有機資源は生物起源なので,その成因の理解のために生化学的な内容についても取り扱う。工業化学科の人間に求められるのは,「現実世界のいろいろなものや事を,化学の視点で理解し,さらにはそれを有効に活用する力」である。そのような力をもった人間になるためのワンステップを本講義では提供したい。 |
|
|
電子(対)の移動をあらわす「曲がった矢印」によって有機化学反応のメカニズムを記述するため,理解が不十分な者は「曲がった矢印」による反応機構の記述について復習をしておくこと。
また,物質の標準生成ギブズエネルギーΔGf°,反応のギブズエネルギー変化ΔGrやエンタルピー変化ΔHrも多用されるので,必要に応じて復習しておくこと。 |
|
|
第2回以降の講義は,事前に教科書の指定範囲を読んできたことを前提に,その範囲に含まれる特定のトピックに絞って解説を行う。講義開始時に,前回の講義内容に関するクイズを行う。また,講義期間中に2回,レポートを課す予定である。 |
|
|
クイズとレポートを合わせて67%,試験33%で評価する。 |
|
|
S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている A:到達目標を十分に達成している
B:到達目標を達成している C:到達目標を最低限達成している D:到達目標を達成していない |
|
|
新・有機資源化学 ―エネルギー・環境問題に対処する― (平野勝巳ら著,三共出版) |
|
|
|
|
|
1 有機資源化学−概要 有機資源の種類、存在量、利用の現状と将来の動向について
述べる。(教科書pp.2-6) また,わが国のエネルギー消費の現状について
概観する。(教科書の対応部分なし)
2 石油資源(1) 石油の形成、存在、採掘法、組成、蒸留精製について説明する。
(教科書pp.96-112)
3 石油資源(2)
石油精製の方法論について述べる。 (教科書pp.113-128)
4 石油資源(3)
石油化学工業を概観する。 (教科書pp.128-151)
5 石油資源(4)
前回に続き,石油化学工業を概観する。(教科書pp.151-168)
6 天然ガス資源(1) 天然ガス資源の成分、存在と採ガス方法について述べる。
(教科書pp.170-183) 7
天然ガス資源(2) 天然ガス資源の利用法について述べる。(教科書pp.183-198)
8
演習(1) ここまでの範囲で演習を行う。 9
石炭資源(1) 石炭の由来、成分、性質、化学構造を概観し、次いでコークスとコール
タールについて述べる。(教科書pp.46-75)
10 石炭資源(2)
石炭のガス化・液化技術について述べる。(教科書pp.75-93)
11 バイオマス バイオマスの分類と利用について述べる。(教科書pp.8-28)
12 腐植資源・廃炭素資源 腐植資源について解説し、次いで廃炭素資源について述べる。 (教科書pp.30-44。後半は教科書の対応部分なし)
13 グリーンケミストリー 従来の有機資源利用技術の問題点と今後の方向としての
環境調和型プロセスについて述べる。(教科書の対応部分なし)
14 演習(2) 石炭資源以降の部分の範囲で演習を行う。
15 到達度確認 試験と解説を行う。 |
|
|
|
|
|
|
講義の成績や単位とは直接関係ないが,8月上旬もしくは9月上旬に石油精製プラント(横浜)の見学会を予定している。有機資源化学は机上のものでなく,我々の日常生活の根幹を担うスケールの大きなものであることを実感する良い機会なので,奮って参加されたい。参加希望者の調査を5月中旬ごろに行う予定である。(なお,この見学は本講義の受講者以外の参加も認める) |
|