化学2 [中央大・電情1年](令和元年度後期火曜1限)
[最終更新日時20/01/09 15:30]

本年度の講義は終了しました。

講義内容:有機化学

教科書:化学はじめの一歩シリーズ 有機化学(工藤・渡辺著 化学同人)2500円+税 [こちらに章末問題の解答あります]

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科目の目的・
到達目標
高校化学で学習する有機化学は,ほとんどが事項の羅列であり,「有機化学は暗記科目」という誤解の元凶になっている。本講義は,有機化学の基礎について「なぜそうなのか」に重点を置いて解説し,有機化学を科学的にとらえることを目的とする。また,その結果として,日常生活における諸事物を有機化学的視点で眺められるようになることを目標とする。
授業の概要 有機化学は分子の化学なので,まず原子論,結合論の初歩から初めて,分子のなりたちについて解説する。その後,分子の構造と物質の性質の関連性を眺め,次いで有機化学反応のしくみをみていく。また,分子の立体構造について考えるとともに,生活と有機化学の関連性にも触れる。
評価方法  講義時間中の小テスト(テキストの章末問題などから出題)を20%、学期末試験の成績を80%として評価する。
小テスト(クイズ)の採点ポリシー:1回分の得点を5点満点として採点。各回の点数のうち,高いものから4回分を合計したものを小テストの点数とする。(例:5点が4回であとは全部0点→20点,全ての回とも4点→16点)。ただし,クイズの提出3回以下の者は,自動的に小テストの点数は0点とする。
テキスト 化学はじめの一歩シリーズ 有機化学(工藤・渡辺著 化学同人)2500円+税

9/24
休講
10/1 〔第1回〕開始時点での有機化学の知識について簡単な調査を行った。次に有機化学における変化の方向性を概説し,有機分子の構造式の描き方を簡単に示した。また不飽和数の概念を説明した(教科書・1章)。
10/8 〔第2回〕分子の成り立ちについて解説した(教科書・2章)。理解度を調べる小テスト(分子構造から分子式を書く,およびその逆)を行った。
10/15 〔第3回〕最初にノーベル化学賞の解説を行った。そして前回の解説の続きを行い,次いでアルカンについて解説した(教科書・2, 3章)。理解度を調べる小テスト(分子構造から分子式を書く,およびその逆。水素原子から水素分子ができるときの軌道とそのエネルギー準位の図の説明)を行った。
10/22 〔第4回〕アルケンとアルキン,ならびにπ共役系について解説した(教科書・4章)。理解度を調べる小テスト(ヘキサンの構造異性体の構造式を列挙し,沸点が最も高いものを指摘)を行った。
10/29 〔第5回〕官能基について解説した(教科書・5章)。理解度を調べる小テスト(C=Cの2つの結合の説明,ポリアセチレンは電導性だがポリエチレンは絶縁性であることの説明)を行った。
11/5 [白門祭期間のため講義なし]
11/12 〔第6回〕官能基の続きについて解説し,その後芳香族化合物について解説した(教科書・5章,6章)。理解度を調べる小テスト(カルボン酸の酸性がアルコールよりも大きい理由の説明)を行った。ここまででquizに点数が付いた者(=4回以上quizを提出した者)9名。うち点数15点以上の者3名。20点に到達した者はまだいない。
11/19 〔第7回〕芳香族化合物の続きについて解説し,その後官能基の効果について解説した(教科書・6章,7章)。理解度を調べる小テスト(フェノールの酸性がアルコールよりも大きい理由の説明)を行った。ここまででquizに点数が付いた者13名。うち点数15点以上の者5名。20点に到達した者はまだいない。
11/26 〔第8回〕官能基の効果について解説し,その後有機化学反応について解説した(教科書・7章,8章)。理解度を調べる小テスト(アルコールとアミンで前者のほうが沸点が高い理由,ならびに後者のほうが水溶性が大きい理由の説明)を行った。ここまででquizに点数が付いた者16名。うち点数15点以上の者9名。20点に到達した者はまだいない。
12/3 〔第9回〕有機化学反応の続きについて解説した(教科書8章)。理解度を調べる小テスト(酸塩基反応と有機化学反応の共通点と相違点,ならびに置換反応が組み合わせによって起こったり起こらなかったりする理由の説明)を行った。ここまででquizに点数が付いた者17名。うち点数15点以上の者10名。20点到達者:19D5103034B 。
12/10 〔第10回〕脂肪族化合物の有機化学反応について解説した(教科書9章)。演習問題を渡し,試験問題との関連性を説明した。理解度を調べる小テスト(硫酸とエタノールからエーテルおよびエチレンができる機構の説明)を行った。ここまででquizに点数が付いた者19名。うち点数15点以上の者11名。新たな20点到達者はいない。
【演習問題訂正】第40問(誤)問37のエノラートと・・・ (正)問38のエノラートと・・・
12/17 〔第11回〕芳香族化合物の有機化学反応について解説した(教科書10章)。レポートを受け付けた。理解度を調べる小テスト(ケトンと強塩基から生成するエノラートとそれが反応してできるアルドール生成物の構造を示す)を行った。ここまででquizに点数が付いた者19名。うち点数15点以上の者11名。新たな20点到達者はいない。
12/24 〔第12回〕芳香族化合物の有機化学反応の続きを解説し,次いで立体化学について解説した(教科書10,11章)。レポートを受け付けた。前回提出のレポートを返却した。理解度を調べる小テスト(フリーデル‐クラフツ反応の反応中間体と生成物の構造を示す)を行った。ここまででquizに点数が付いた者19名。うち点数15点以上の者11名。新たな20点到達者:19D5102027L
1/7 〔第13回〕立体化学の続きを解説し,次いで生活と有機化学について解説した(教科書11,12章)。理解度を調べる小テスト(アミノ酸2種について,分子構造から(R)体(S)体のどちらであるかを決める)を行った。ここまででquizに点数が付いた者20名。うち点数15点以上の者11名。新たな20点到達者はいない。