LES研究会とは

さまざまな分野の研究者が集まりLESのモデルや計算法などの情報交換を行う場として、2008年9月にLES研究会が発足いたしました。現在2ヶ月に1回、東大生研にて研究会を開いています。LESに興味をお持ちの研究者、学生の方のご参加をお待ちしております。また研究会についてご質問ご要望がありましたら世話人までお知らせください。

世話人
半場 藤弘
東京大学生産技術研究所 基礎系部門
〒153-8505 東京都目黒区駒場4-6-1
Tel: 03-5452-6115
E-mail: hambaアットマークiis.u-tokyo.ac.jp
地図:
 東大生研へのアクセス https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/access/#sec-1
 キャンパスマップ https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/access/#sec-3


アナウンス

研究会のメーリングリストで開催のお知らせをお送りしています。メーリングリストへのメールアドレスの登録、変更、削除をご希望の方は、世話人までお知らせください。また、各分野のLESに関連する講演や研究会のアナウンスなどの情報交換にもメーリングリストをお使いください。

第86回LES研究会を9月2日(火)14時より下記のとおり開催します。

日時 2025年9月2日(火) 14:00-15:30
場所 Zoomによるオンライン会議 (URLは後日メールでお知らせします)

話題提供

「ミニマルチャネル乱流における流れの可視化を用いたサブグリッドスケール応力によるエネルギー輸送のアプリオリ解析」
稲垣和寛(同志社大学)
近年の機械学習の発展により,データ駆動による精緻な乱流モデルの発展が期待され研究が進んでいる.データ駆動型モデル構築における学習の手法は,DNSデータにフィルター操作を施すことで適切なモデル表現を探索する方法を取っており,従来のサブグリッドスケール(SGS)モデリングにおけるアプリオリ解析と同様な方法となっている.このため,DNSとの相関が高いと知られるスケール相似モデルと同様な形のモデルが優位となり,したがってスケール相似モデルと同様なバックスキャッターによる計算の不安定化が問題となっている.これまでのラージ・エディ・シミュレーション(LES)の知見で,バックスキャッターを生じない渦粘性モデルが乱流の統計性をある程度良く再現することから,サブグリッドスケール(SGS)モデリングにおけるバックスキャッターの必要性に関する議論はしばしば後回しにされ,議論は収束していない状況となっている.本研究では,改めてバックスキャッターの必要性に関しての知見を深めるため,ミニマルチャネル乱流におけるSGS応力によるエネルギー輸送のアプリオリ解析を行う.ミニマルチャネル乱流を用いることで,フィルター速度に対するReynolds応力の収支などの統計量と,流れの可視化で観察できる壁面近傍の乱流特有の動力学との対応関係を見ながら,SGS応力の動力学的な作用に関する考察を行うことができる.本発表では,壁乱流の異方性にも注目し,スパン方向速度に対するSGS応力によるスケール間輸送を中心とした解析結果を紹介する.特に,壁乱流でよく議論される,大きなReynoldsせん断応力が生じるバースト現象とSGS応力によるスケール間輸送との対応関係を議論する.