ワールド:なに、このヒゲもじゃのお兄さんは。
ワイド :知らないの。この人が小野さんと言ってね、今話題のWWWの生研のホームページの表紙(左上)をデザインした人なんだよ。
ワールド:ああ、あのコンピュータでマウスをカチカチってやると絵とか音がでてくるやつね。
ワイド :生研じゃ先日ホームページを一新して、研究成果を世界に向けて発信するようになったんだ。
ワールド:それむ観るときに最初に通るページをデザインした人なのね。でもこの人の顔、表紙のデザインのイメージと全然違うね。デザイナーか何かなの。
ワイド :実は生研の技術官で、第1部の中桐研究室で、数値構造解析なんてちょっと僕ら凡人には、判らない、難しいことを研究してるんだって。
ワールド:ふ−ん。しかし、吉田さん(生研ニュースNo.36参照)といいWWW関係の人はヒゲ面が多いね。
ワイド :だってWeb(クモの巣)って言うくらいだから、もじゃもじゃ絡み合ってるのが性に合うんじゃない。 (N.Y./K.F.)
国際・産学共同研究センターは、生産技術研究所と先端科学研究センターが主体となって、学内共同研究施設として平成8年度から設立が認められた全く新しいセンターです。このセンターの設立の主旨は、あくまでも大学における研究成果を基とする産学共同研究を行って、国際的に利用されるようなリーディング技術を作り出すことにあります。
日本の製造業が現在抱えている問題点は、まず、日本における高い人件費に由来する製造コストの高さで、そのために製造拠点が次々と海外移転をするという事態が発生しました。そして、現時点では日本における研究開発コストの高さが問題となっています。確かに、米国こ開発研究拠点を置くことによって、かなり経済的な開発研究プロジェクトを作ることができることも事実ではあります。しかし、研究開発のノウハウがどのような形で企業内に蓄積されていくのかといえば、それは研究を実施した研究者の体内あるいは脳内に蓄積されるのであって、海外に研究拠点を移すと、それによって研究成果を安価に得られることとは裏腹に、研究のノウハウを海外に置いてきてしまうという事態が起こることは明らかです。すなわち、10年程度のロングレンジで研究開発のあり方を考えると、このままでは日本国内の研究開発能力が失われてしまうという可能性があり、大変重大な事態を招きかねないとの考えが今回の基本認識となっています。
このような事態を対処するには、「大学が中心となって長期的ビジョンの構築およびそのビジョンに基づく産学共同研究を効率的に進めることによって、新しい価値観を企業内に築くこと以外にない。」これが国際・産学共同研究センターを企画した最大の理由です。
これまで、日本の大学は産業界に対してどのような役割を果してきたのか、これが次の問題です。産業界の研究りリーダーと思われる何人かの研究者との議論の過程で分かったことは、「日本の大学は、人材供給機関としての期待を除くと、研究上有用とは言えない。」との共通認識があるようです。たしかに、数年前まで、MIT、スタンフォードをはじめとする米国有力大学に、日本の企業はかなり多額の研究費を出していました。
それでは、日本の大学ではなぜ駄目なのか。これが次の問題です。今年の3月末に、約1週間のスケジュールでMIT、ハーバード、スタンフォードの各大学を訪問し、これらの大学における研究全体の進行状況と、技術移転を中心とする産学共同研究の現状を調査して来ました。その結果から得られた上記問題の解答ですが、米国大学が決定的に優れている点は、大学内に技術移転や特許を司る専門のオフィスを持っていること、特許の実施権に関する方針がしっかりと決められていること、大学の教官が企業のコンサルタントを1日/週程度は行うことが正式に認められていること、などがあり、制度上はたしかに天と地ほど違うことです。
制度だけの問題なのか、それ以外に大学としての問題点がないのだろうか。まず、考えられるのは意識の問題です。産学共同研究は、安田砦の攻防が行われた昭和40年代までは、むしろ罪悪であると考えられていた歴史があります。そのためか、東大の教官は、例え工学系の教官であっても、産学共同研究による直接的な社会への貢献よりも、真理の追求が最大の任務であると考えている場合が多いように思えます。さらに、基礎研究重視であることに加えて、大規模な応用的研究を行うには研究面積が十分ではないことも問題点かもしれません。これに加えて、このところ大学の設備が老朽化し、国立研究所などと比較するとかなり劣る状況になったことも無いわけではありません。しかし、「大学には知恵があるはずだ」、これも日本企業の研究者からの言葉です。要するに、教官がその気になりさえすれば、産学共同研究が大きな花を咲かせるようにできるのではないか。その条件を満足させる努力を大学側から積極的にやってみよう。これが国際・産学共同研究センターの理念です。
現在のところ、8名の教授、8名の客員教授、2名の助手からなる組織ですが、少なくとも8名の専任教授には、アメリカなみに週に1日は外に出て、企業などにどのようなニーズが存在しているかを感じて来ることを義務としてみようかと思っております。
まだ建物も、研究設備も何もない国際・産学共同研究センターですので、その母体となった生研および先端研にかなりの部分をおんぶしなければならない状況です。子算が成立しましたら、早速教授人事から始めなくてはなりません。これから順調に離陸ができるまでの数年間、両部局のご理解と絶大なるご支援をお願いしたいと思っております。
国際シンポジウム「衛星による地球環境モニタリング」(第16回生研シンポジウム)は、、平成8年2月26日(月)から28日(水)の間、生研の第1、第2会議室で開催された。この会議は、1993年に開かれた同名の生研シンポジウムの第2回として、また、文部省の国際シンポジウムとして、文部省及び生研の共催で開かれた。このシンポジウムは、衛星データを利用した地球環境の研究を推進するために、生産技術研究所が中心となって進めている「ネットワークに基づく衛星データセンター構想」と関連して、サブタイトル“-Processing,Archiving,andData Delivery via DistributedSatellite Data Centers and Associated Networks-”に示されているように、衛星データベース、データセット、ネットワークによる利用等の衛星データ利用のためのインフラストラクチャに的を絞っている。 会議は、海外から13名、国内から12名による招待講演で構成し、海外からの講演者から、今までこの方面の研究者が一堂に会したことがなかったので非常に有意義であったと喜ばれた。会場に10台近くの端末を用意し、講演の中でも、日本、イタリア、ドイツ、アメリカ、カナダ、台湾、韓国のデータベースを呼び出しながらデモンストレーションを行い、休憩時間には参加者の利用に供し、好評であった。論文集をオンライン化し、講演前のホームページにも、研究室のホームページ(http://www.tkl.iis.ac.jp/GEMS/games.html)からアクセス出来る。(第3部 高木幹雄)
・バンドン工科大学(インドネシア)
インドネシアのバンドン工科大学生産工学部と本学生産技術研究所との間の部局間学術交流協定の延長のための覚え書きの調印式が、バンドン工科大学のSularso学部長を迎えて3月15日(金)に生産技術研究所の所長室で行われた。調印式には棚澤教授、著者らが立ち会い、なごやかな雰囲気のもとで、鈴木基之生研所長とSularso学部長との間で、署名した覚え書きが取り交わされ、その後歓談に移った。
この部局間学術交流協定は、当時のバンドン工科大学生産工学部長K.T.Sirait教授を生産技術研究所に迎え、1991年3月に調印された。このほど5年間の期限が到来したために見直しを行い、これまでの交流実績と今後の見通しから、更に5年間延長して一層交流を深めることに双方の部局が合意し、今回の覚え書きの調印に至ったものである。
バンドン工科大学は、ジャカルタから陸路で3時間ほどの文教都市バンドンにある工学系の名門校である。学術交流協定の締結時から現在に至るまで、著者と同大学のSirait教授の研究グループの間で熱帯雷に関する共同研究が進められている。(第3部 石井 勝)
・ワシントン大学(米国セントルイス市)工学部
このたび生研として12番目の学術交流協定がSchool of Engi-neering and Applied Science,Washington University in St.Louisとの間に締結されました。ワシントン大学は1853年に設立された由緒ある大学で、1905年に開催された世界博覧会の会場は大学の一部になっています。工学部大学院は18学科、約250名の教官で構成されており、生研との共通点も多く、技術・人間学科、工学・政策学科、環境工学・科学科など従来の学科に加え、特色のある学科も多く、活発な研究、教育活動を行っています。
工学部長のC.I.Byrnes教授は東大に滞在したことのある日本通で、この協定もByrnes教授の要望で推進されたものです。
協定は本所とワシントン大学の2ヶ所にわかれて行われました。3月27日、鈴木所長による署名が渡邉国際交流室長、国際交流室のメンバー、著者の立ち会いのもとに行われました。さらに、4月15日、ワシントン大学において、Byrnes教授の署名が、鈴木所長の代理として出席した著者の見まもるなかで行われ、調印が完了しました。 (第5部 半谷裕彦)
平成8年度の東京大学職員永年勤続者表彰式が4月12日に山上会館においておこなわれた.本年度被表彰者85名を代表して西澤久雄さん(工学部付属総合試験所)が吉川総長から表彰状を授与された.式に引き続いて祝賀会が催され、井手ノ上事務部長、坂本総務課課長補佐らを交えて、それぞれの20年間を思い語りつつ、和やかなうちに散会した.なお、本所の被表彰者は下記のとおり.(人事掛長 小林健二 記)
第2部 文部技官 上村康幸付属計測技術 文部技官 高橋岳生開発センター 事務部 文部事務官 竹内隆志 総務課情報普及掛長事務部 文部事務官 平井美智子 総務課第5部業務掛長事務部 文部事務官 三浦孝樹 経理課経理掛長事務部 文部事務官 日色勢津子 付属千葉実験所事務室主任
生産技術研究奨励会(奨励会)は、生産技術研究所の使命達成を援助し、産業界との連携を図ることを目的として、昭和27年に設立された財団です。以来、生産技術研究所を中心としたさまざまな研究活動の助成を進めてきましたが、平成6年よりは、助成対象を生研外にも拡げ、国内外の工学研究全体を視野に入れた助成活動を開始し、特定公益増進法人としての認定を受けるに至っています。
本年度も、生研講習会・生研セミナー・生研基礎講座などの技術者教育、研究委員会・学術講演会・研究集会開催などの研究交流、外国人研究者招聘・若手研究者海外派遣などの国際交流、グループ研究の育成などの分野で多岐にわたる助成活動が予定されています。
所外からの公募による研究助成も着実に根付いており、全国の大学・研究機関から応募をいただくようになっています。本年度は所外から多数応募されたものの中から審査委員会の厳正な審議を経て、研究グループ助成、国際研究集会派遣助成、海外研究・調査派遣助成の三つの募集分野で合わせて18件について助成させていただく予定です。(奨励会 常任理事 岡野達雄)
- 研究グループ助成では
「糖転移酵素制御物質研究グループ(代表畑中研一、東京工業大学)」、
「プラズマ溶射基礎研究会(代表福本昌宏、豊橋技術科学大学)」、
「ハイブリッド表面改質材料の疲労特性に関わる未解決問題研究グループ(代表小茂鳥 潤、慶應義塾大学)」
など6件についてグループ運営費の助成を行います。- 国際交流集会派遣助成には
村山 長(広島大学)、
プラダン・テージ(横浜国立大学)、
山田貴孝(名古屋工業大学)
他10名の方々が、- 海外研究・調査助成については
平田 拓(山形大学)、
渡邉 豊(東京商船大学)
の両氏が内定され、渡航費・滞在費等についての助成を受けられます。
3月21〜22日
退官記念講演会・パーティー
左から藤井教授、棚澤教授、岡田教授、高羽教授
4月25日
大学院学生歓迎会
生研ニュースホームページへ
第3部 教授 池内克史
MIT人工知能研、通産省電総研、CMU計算機科学部を経て、4月1日付けにて第三部の教授に就任させていただきました。この間一貫して、ロボットに三次元世界を理解させる研究を行ってまいりました。今後は、研究室間の垣根の低い生研の特色を生かしプロジェクト研究、特に、ロボットと人間が同一環境で互いに協力しながら共通のゴールを達成するフレンドリロボティクスの研究、ビジョンとグラフィクスを融合させたより高度なバーチャル空間を実現する研究なども始めたいと思います。宜しくお願いいたします。
第3部 助教授 リチャード ズラウスキー
この度第3部助教授に就任したズラウスキーです.生まれはポーランドで,オーストラリアで学位をとりました.オーストラリアのスインボーン工科大学電気工学科で助教授をつとめていました.専門は,ハイブリッドコントロール,インテリジェントメカトロニクス,実時間コミュニケーション,電磁場の生理学的影響などです.よろしくお願いいたします.
第3部 講師 年吉 洋
4月1日付けで第3部の講師に採用されました.光ファイバスイッチなどのメカニカル光制御デバイスを,マイクロマシニング技術を使って製作する研究に携わっています.この分野は光学,化学,半導体プロセス,電気,機械工学など,あらゆる技術の総合体ですから,まさに生研にぴったりの分野です.この恵まれた研究環境を十分に楽しんで,生産技術に貢献するつもりです.今後とも宜しくお願い致します.
事務部長 井手ノ上正己
本年4月1日に着任して1ヶ月近くを経過し、六本木の都心の空気にもすこしは慣れてまいりました。駒場の先端研で2年間、国際・産学共同研究センターの創設やら移転問題等生研と似たさまざまな仕事をしてまいりましたが、何かに役立てればと思います。仕事の中身は同じでも本研究所の組織が思った以上に大きいことや、会議の多いのにやや戸惑っております。いよいよ移転問題が具体化し大事業が始まることになりますが、これらを中心に大いに勉強させていただき少しでもお役に立てますよう頑張る所存です。また皆様の御支援を受けながら楽しく明るい職場作りにも努力したいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
第5部 教授 藤井 明
建築生産学部門で都市・建築の数理計画学を担当しています。現在の研究テーマは、東京の都市様相の定量的把捉と世界の伝統的な集落・住居の調査です。これらはいずれも形態・配列・配置を語る言稟を探す基礎的な研究で、いずれは実際の計画・設計に反映されるものと思っています。ほかに新しい構造を持つ建物の設計も並行して行っています。 生研の新営に際しましては、所内のハード面の取りまとめを行っておりますが、今後、何かと御迷惑をかけることが多かろうと存しますが、宜しくお願い致します。
第1部 助教授 半場藤弘
4月1日付で助教授に昇任致しました。専門は流体物理学で、特に乱流の数値計算とモデリングを研究しております。最近は高速流や高温の流れで重要となる圧縮性乱流に興味を持っています。現在、文部省在外研究員として米国スタンフォード大学に滞在しており、ここで友人たちと議論したり彼らの研究スタイルを見ることは良い刺激になります。これからはもう少し長く広い視野を持って研究にとりくみたいと考えております。今後ともご指導を宜しくお願いいたします。
材料界面マイクロ工学研究センター
第1部 助教授 酒井啓司
4月1日より材料界面マイクロ工学研究センター助教授に昇任致しました。液体表面に浮かぶ単分子膜やゲル、液晶、コロイド、エマルジョンなどおもに柔らかい物の物性を、光をあてたり音波や表面波を走らせたりして調べるのが専門です。これからは生研の他の分野の方々との交流も深めながら、より幅広い研究をおこなっていさたいと考えております。よろしくお願い致します。
第1部 助教授 福谷克之
4月1日付けで助教授に昇任いたしました。生研に参りまして丁度1年経ち、まだ実験室も十分には整わない状況ですが、ようやくいろいろな事に慣れてきたところです。専門は固体の表面物理学ですが、これからは生研という研究環境を生かし、自分の視野を広げつつ研究を進めて参りたいと思っております。今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
第4部 助教授 水野哲孝
この度、工学部応用化学科に配置換えとなりました.生産技術研究所の諸先生方、職員の皆様には、研究室の立ち上げや、実験ならびに事務処理などで本当にお世話になりました.ありがとうございます.工学部応用化学科では、心機一転して新しい仕事をしてみたいと考えています.また、本郷の方に来られた折には、ぜひお立ち寄りください.
試作工場 技術官 山崎勝広
試作工場 技術官山崎勝広氏は、去る4月14に急逝されました.享年59歳でした.同氏は、昭和53年本所に入所以来一貫して工作加工技術の職務に精励され、実験用機器・試験材料、試作機器の設計製作を担当し、特に伝統的な技術である鍛造加工技術の指導にも当たってこられました.同氏はおだやかな人柄で人望も厚く、試作工場にとって常に主力的存在であり、職務半ばで逝かれましたことは試作工場はもとより本所にとってもまことに大きな損失であります.ここに慎んでご冥福をお祈り申し上げます.(試作工場)
最近、研究費等の申請書を書く機会が増えてきた。そこでいつも感じるのが、申請書の題目等に顔を出す”catchy”な単語のことである。学会での研究発表や申請書類等の情報があふれている今日、もちろん魅力的な申請書を書くためには、魅力的な単語をちりばめることが必要であるが、自分も含めて、その度合いが最近特にエスカレートしていることに気づく。多くの申請書に「超...」、「極..」とあるが、人間の心が強い刺激の麻薬に次第になれてくるように、「超..」→「スーパー..」→「極/ハイパー..」とエスカレートしてゆくと、「超..」とあっても大したインパクトを感じなくなってしまう。私の研究分野でたとえて言うと、外部の人から「あなたのデバイスはどのくらい速いですか?」と聞かれて、「チョー速いですヨ」と言っているようなもので、これでは某社の缶コーヒーのCMに出てくる「チョーOKですヨ!先輩」と言う新人類っぼい若者と変わりがない。もう少し接頭詞に定量性を持たせるために、たとえば従来の値と比べて2倍程度の改善が見込めるなら「超」、5倍程度の改善なら「スーパー」、10倍以上の改善なら「極/ハイパー」というように使用基準を作ってみるのもおもしろいかもしれない。
私はたまたま研究分野の関係から、工学系の方と理学系の方の両方に接する機会がある。その時に感ずることであるが、工学系の我々は比較的カタカナ等を多く用いたcatchywordで、その研究が新しい分野・概念(パラダイム)のものであることを強調するが、理学系の方々は、どちらかというと漢字文化を守りながら研究分野の専門性・深みを強調されているような気がする。”catchy”な単語の付け方が、学問分野によって大さく異なっているのは、その分野固有の文化といえよう。以前、ある人から、「mの発音で始まるカタカナの研究分野は流行る」と開いたことがある。その真偽のほどや、いかに。(第3部 助教授 平川一彦)
- 第2部 元講師 池野順一、助教授 谷 泰弘
1996.3.7
砥粒加工学会論文賞(社団法人砥粒加工学会)
超微細砥粒の表面活性を利用した物質移送に関する一考察- 第4部 技術官 冨安文武乃進、大学院学生 稲見晃宏、阿部雅一、教 授 二瓶好正
1996.3.26
俵論文賞(社団法人日本鉄鋼協会)
サブミクロン二次イオン質量分析装置を用いた鋼中非金属介在物粒子の粒別分析- 第4部 助教授 前田正史
1996.3.26
西山記念賞(社団法人日本鉄鋼協会)
金属製造プロセスの物理化学的研究- 第2部 助教授 須田義大、教 授 R.J.Anderson(カナダ クイーンズ大学)
1996.4.3
1995年度日本機械学会賞(論文賞)(社団法人日本機械学会)
Improvement of Dynamic Performance of Trucks with Longitudinally Unsymmetric Structures by Semi-Active Control for Rail Vehicles
生産技術研究所の教官が中心となり、それぞれの研究分野の基礎知識や最新情報を懇切丁寧に講義いたします。本年度のスケジュールは下記のとおりです。講義概要、時間割、受講料、申し込み方法は、生産技術研究奨励会(Tel.Faxとも03−3402−1331)までお問い合わせ下さい。平成8年度 生研セミナー場所 東京大学生産技術研究所 207コース 最新超精密研削技術一電気泳動現象を利用した研削技術一 講師 谷 泰弘 助教授 外3名 1996年10月8日(火) 208コース 射出成型現象の可視化実験解析(第6回)一金型内現象編一 講師 横井 秀俊 助教授 外1名 1996年10月23(水)(六本木)、24日(木)(千葉実験所) 209コース 射出成型現象の可視化実験解析(第7回)一加熱シリンダ内現象編一 講師 横井 秀俊 助教授 1996年10月25(金)(千葉実験所) 210コース 結像光学系の基礎 講師 黒田 和男 教授 1997年1月24日(金)
8年4月1日から経理課研究協力掛が総務課専門職員(研究協力担当)と経理課経理掛(名称変更、旧研究協力掛)に分かれました。
従来、経理課研究協力掛では、受託研究費、民間との共同研究、奨学寄付金、科学研究費補助金等に関する受け入れ(申請事務)と執行(経理事務)を一掛で全て行っておりました。新体制では新しく誕生した総務課専門職員(研究協力担当)が受け入れ(申請事務)を取り扱い、経理課経理掛では執行(経理事務)を行うことになりました。
また、国際・産学共同研究センターの発足に伴い、総務課に国際産学共同研究掛長が誕生しました。
国際・産学共同研究センターは駒場Uに本拠を置きますが、施設の建設はこれからになります。センター長室、会議室、事務室は当分の間、駒場Uキャンパスの13号館(時計台建物)等の一部を借用しますが、生産技術研究所内にも事務分室を置きます。
総務課専門職員(研究協力担当)及び分室の執務室は正面玄関入って左手です。
対象者は、旋盤。立フライス盤加工の基礎からの習得を希望する研究室職員、大学院学生・研究生で、特に研究室職員に主眼をおき研修期間は5日間です。詳細については、5月30日発行の「試作工場ニュース」をご覧下さい。なお、不明な点は試作工場(内)2711岡本、菊本までお問い合わせ下さい。
織詩絵エリザベド
ORSIER, Elisabethフランスから見て日本はなじみがあるようで、驚くほど知られていません。誰もが日本製のハイテク製品を使ったり、テレビアニメを見たり、また相撲や芸者の存在を(名前だけでも)知っていたりして日本に親しんではいます。また多くの人が武道をたしなむ事に段々と興味を抱き始め、今ではフランスには5万人以上の合気道選手がいます。また大きな町ではどこでも畳や布団を手にいれることができます。しかし日本を本当に知っている人、言語文化や生活習慣の2重の壁を越えている人はまれす。
実際、長期滞在者はコミュニケーションに必要な基礎知識を手に入れたいと思うようになります。この基礎知識を持って日本を「発見」した人と、特に何の準備もなく来日した人の反応は大変違います。一般に少しでも知知識のある人はこの壁に参ってしまうことはありません.これは科学者達も同じで、二つの国が出会い実り豊かな科学技術協力を築く難しさにも反映しています。ですから高い科学レベルと、そこで知り合う人々の多様性のおかげで開放的である環境で約2年間滞在することは、2つの意義があると言えます。1つは全ての問題の局面と推論に捕われない革新的思考を容易に受け入れられるよう、人間性を豊かにすることです。もうひとつは仏人科学者と日本人科学者のち密な関係を築く意志、根拠のなさに因る断絶を越える意欲につながります。これらの基本的な「仕事」は長期間の投資を必要としますし、そこから得る結果は、もし長続きする関係をフランスや日本の様々な研究機関のなかで作り出すなら、この上なく貴重なものになるでしよう。その第一歩が日仏共同研究所LIMMSで、大きな成功を収めた事です。
私自身を説明するために2つ例を挙げますと、仏人はよく日本人を排他的で自分の考えを決してはっきり言わないと思っています.しかし1ヶ月一緒にいると、普段わたしたちがヨーロッパで使っている「No」と判断する物差しの範囲を広げれは、あの独自のニュアンスを読み取ることが簡単になるとわかります。日本ではコミュニケーションを取ることは簡単です。人の話をよく聴きますし、話し手は相方の反応を見て、それに応じて自分の話を合わせます.私の耳に入ってくる声の調子は、まるで日本の生き方のひとつの美しい凝縮のように思われます。この手記は4月1日こ書きました。それは私がちようど我々2つの国が同じ「習慣」(エイプリルフール)を持っていると知った日です。ガンパリマショウ!
都市環境防災計画工学 第5部 尾島俊雄客員教授
1994年8月より多次元数値情報処理部門の客員教授として、東京首都圏におけるヒートアイランドの数値解析研究を行った。 その結果、東京臨海工業地帯の排ガスが都心に環流し、それが上空でオキシダントに変化して、郊外のニュータウンに落下することをシミュレーションで確認した.その対策には工場の再配置か、ヒートアイランド現象を分散するための都市分節化による新しい都市計画が不可欠となる。こうした現象は、東京のみならず、これから急成長するアジアの諸都市においても起こるであろう。 欧米の都市化に半世紀遅れた東京首都圏は、20世紀の100年間に10kmから100kmに拡大し、しかも重厚長大型産業を内包した高効率の都市形成により、安全面においても、健康面においても、さらにはアメニティ面においても幾多の問題を提超している。こうした物理的状況と問題点を三次元大気乱流モデルを用いて解明できたのは、村上周三研究室との共同研究でMellow−Yamadaモデルを用いたことによる。膨大な数値シミュレーション結果を用いた20世紀の都市モニタリングから21世紀への具体的なモデルを考えた結果、安全性の面からは超高層空間と大深度地下利用空間による幹線ライフライン網の建設、ヒートアイランドを分散するための対策としてはクラスターモデル、さらにはアメニティ改善のためには都心居住モデルを作成した。これをインターネットのホームページによって、日本の学識者や行政の専門家に加えて、多くの市民、さらにはアジアの都市関係者や欧米の有識者に対しても評価を受け(http://www.iis.u−tokyo.ac.jp/dept5/ohJima.html)、これをもとに東京首都圏のヒートアイランド対策として、21世紀における郡市モデルを研究したいと考えている。
「エコロジカルシティ構想」
アマゾンのごとき原生林と、マンハッタンのごとき超高層建築群が、東京という世界でもっとも高価な土地に定着する。超近代都市と原始の自然が調和することによって、私たちに豊かな安心感を与える都市となる。
生研ニュースは本号で40号を数え、新年度から編集室員も大きく入れ替わった。都井新編集室長の舵取りで更なる飛躍を目指す。読者の皆さんの意見にも耳を傾け、フレッシュな紙面作りに務めていきたい。乞うご期待! (T.H.)
室員2年目の最年長者が務めるという慣例にしたがって、本年度の生研ニュース編集室長を拝命した。若手職員の奔放な感性に、中年の節度(?)を加えることが役目らしい。年度初めに当たり、所長と室員の懇談の機会を設けていただいた。その時に出た話を受けて、本号から発行部数を大幅に増やすことにした。より多くの方々に生研に対する親しみを持っていただければ幸いである。皆様の諸事万端に渡るご支援をお願いいたします。 新室長 第2部 都井 裕