IIS NEWS 1995. 10. 1 No. 36


IIS TODAY

Dot 吉田 茂樹  助手

電子計算機室 (兼) 第3部   喜連川研究室

Photo1 インターネットは、その代表的な機能であるWorld Wide Web の名が示すように、まさしく蜘蛛の巣のごとく広がりつつある。その生研蜘蛛の巣と他の蜘蛛の巣のやりとりの案内人がポストマスター(郵便局長)である吉田さんである。風貌のみならず仕事においても教祖様であり、毎日多数の悩めるユーザーが教えを請いにくる。お導きのご苦労は大変なものであろうと察せられるが、生研のユーザーは研究の補助として利用する人がほとんどで、そのぶん素直で洗脳し易いそうである。インターネット関連の著書も多数あり、布教の範囲は生研内に留まらない。
 吉田さんは、将来の計算機ネットワークの充実のために請われて生研に来られた。以来、吉田さんをはじめとする電子計算機室の方々の御努力のおかげで、生研のネットワークは東大内では最も整備されたものとなっている。この情報インフラを活用して、良質のアカデミック情報の発信源となることが、都市型研究所である生研の役割である。( N. Y. )

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REPORTS

Dot 生研をよりよい環境に!

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 7月10日(月)午後3時から4時半まで本所構内の清掃が行なわれた。これは全学で行われている「春の環境整備週間」の一環として取り組んだもので、1部から5部と事務部を含めた総勢約330人が6つのブロックに分かれて、植え込みの雑草取り、ドライエリアの清掃、屋上の清掃、落葉等の清掃、排水溝の泥さらい、構内のいたる所に散乱する空缶や煙草の吸い殻の清掃、駐輪場その他に放置されている自転車・バイクの整理を行った。
 この日はかんかん照りの30度を超す猛暑であったが部によっては部主任が率先垂範、玉の汗をかきながらも和気藹々と身体を動かして約1時間半の清掃を終えた。
 なお、長期に放置されている自転車・バイクについては既に営繕委員長名で一定の周知期間後に本所で処分を行う旨通知を行った。
 また、本学の環境整備週間は春と秋の2回行われているが、本所の秋の清掃は11月中旬に行われる不用物品の整理にあわせて行う予定である。( T. M. )

 清掃後に問題提起があったのでぜひ皆さんの知恵をお借りしたいと思います。研究室等が禁煙のため外で喫煙する人達が急増。屋上や各ゲートが喫煙場所になり煙草の吸い殻が散乱していたり、灰皿代わりの空缶・バケツ・アルミ缶が放置されていて、その中に雨水がたまって悪臭を放つまで放置されているのが現状です。
 年2回の清掃時にはきれいになるが、こうした場所に灰皿を用意すべきという提案があります。しかし、誰が掃除をするのか。業者に委託すれば研究費を削ることになるという意見。さらに、ゲートの数は多く、灰皿を置くとかえって汚れが拡散するから喫煙者のモラルに期待するという意見。事務部を含む各部で定期的に清掃をするという提案等百出。
 小さな事柄ながら大変に頭を悩ます問題にみなさんの積極的な知恵を総務課長がお待ちしています。( T. M. )

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Dot 第2回中学生科学実験室の見学行われる

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 8月17日(木)13時から17時まで、100人の中学生(男子72人、女子28人)と約20人の高校生等のボランティアが本所と物性研究所を訪れた。
 この催しは、昨年からはじめられた国立オリンピック記念青少年総合センター主催の「中学生科学実験教室」で、その目的は近年の理系離れ現象を防止するために小さな時から科学に触れてもらうことである。中学生は約千人の全国からの応募者の中から抽選で選ばれた。
 今回は5日間のプログラムの一部として、生研第2部浦研の「海中ロボット」、第5部片山研(INCEDE)の「バーチャルリアリティーによる迷路体験」と物性研極限物性部門の「超高圧」、「表面物性」の4つの研究室を4班に分かれて見学した。
 中学生達は各研究室の先生・院生達の工夫をこらした分かりやすく楽しい説明や、浦先生の懸賞付きクイズに強行軍の疲れも癒えて矢継ぎ早の鋭い質問をするなど深い関心を示していた。( T. M. )

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Dot 中国蘭州大学材料科学技術研究所と本所との学術交流協定調印さる

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 7月27日、鈴木所長、木村国際交流委員長、平野事務部長、南雲庶務掛長と筆者は、途中、平砂万里人煙を断つという形容が感じられるような世界を見下ろしながら、甘粛省蘭州市に到着した。甘粛省は井上靖の小説「敦煌」の舞台である。翌日、蘭州大学において李発伸学長以下多くの大学の代表が見守る中、鈴木所長と王天民材料科学技術研究所長が署名、協定書が取り交わされた。蘭州大学は1909年に設立された中国の重点大学の一つである。材料科学研究所は約300名の教職員および大学院生が所属しており、研究分野としては材料物理、先端材料、薄膜、半導体デバイス、高分子材料、グリーングループなどがある。今回の協定調印にあたり、お世話になった生研の多くの方々に感謝申し上げる。1997年の7月下旬−8月上旬、シルクロード都市の酒泉でワークショップ開催が予定されているので、生研の多くの方々の参加を期待したい。(4部 山本良一 記)

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Dot 所内レク、第4部が完全優勝

 6月12日から7月26日にかけて、恒例の各部対抗弥生会親睦レクリエーション大会が開催された。種目ごとの結果は下記のとおりで、第4部が完全優勝の栄冠に輝いた。
種目 日 程 第1位 第2位 第3位
将 棋 6/12〜6/14 第4部 第2部 第1部
排 球 6/15〜6/21 第4部 第3部 第2部
囲碁 6/22〜6/26 第4部 第2部 第3部
卓球 6/29〜7/4 第4部 第2部 第3部
庭球 7/5〜7/26 第4部 事務部 第5部
総合順位 第4部 第2部 第3部

※ Netscape 拡張機能使用

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Dot 学内レク「野球の部」(1部)惜しくも4位!

 学内レクリエーション行事「野球の部」は6月7日から7月24日まで農学部グラウンドおよび硬式野球場にて開催され、生研Aチームは1部トーナメント(20チーム参加)において4位入賞した。活躍した選手は以下のとおり。

平野信、小林健二、榎本道雄、西村次男、大場琴也、小野口幸雄、笹田敬顕、八島崇、白髭民夫、岡島義則、板倉善宏、塚本一文、鎌田崇義、平田純一、中山晋、金田明幸、葭岡成、加藤佳 孝。

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3番鎌田選手 レフトスタンドへホームラン

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Dot 生研イブニングセミナー「エレクトロニクスの最先端と夢」

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 本年度前期のイブニングセミナーは、今年も第3部が担当し、「エレクトロニクスの最先端と夢」と題し、毎週金曜日の夕方に11回にわたって開催された。本セミナーは、大学の学部学生から一般の方まで広い範囲を対象としており、内容もマルチメディアからロボット、核融合、半導体デバイスまでの多岐にわたっている。各講師が、これらの最先端技術をわかりやすく解説した。
 毎週、出席者は100名を越え、講演終了後の討論も非常に盛況であった。特に若い学生諸君がセミナー後、講師と遅くまでディスカッションしている姿が印象的であった。これからも、最先端技術の夢を語りつつチャレンジしていきたいと思う。( T. H. )

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Dot 生研のWWW ( World Wide Web ) は今

 昨年7月より運用が始まった生研のWWWサーバへのアクセス件数が順調に伸びつつあり、インターネットへの関心の高さがうかがえる。特にNTTのWebサーバリストに載った7月には一時的ではあるが週5000件近いアクセスがあった。とりあえず各研究室のホームページは揃っているが、二度三度とのぞいてくれるリピーターを増やすためには発信情報の鮮度を保つ必要がある。この生研ニュースも前号より生研ホームページのPublicationをクリックすると閲覧できる。( N. Y. )

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FRONTIER

Dot ネットワークに基づく衛星データセンター構 想

概念情報工学研究センター 高木・喜連川研

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 地球環境の解明のためには、衛星で観測される情報が不可欠である。特定研究「宇宙からのリモートセンシングデータの高次利用に関する研究」、重点領域研究「衛星による地球環境の解明」を主宰して、研究のインフラストラクチャの整備が火急の問題であることを痛感して来た。
 そこで、衛星データの受信、処理、配布、アーカイブ体制、データベースと処理環境の充実、ネットワーク利用の推進等のインフラストラクチャの整備に取り組むため、若手研究者を中心としたグループで検討し、「ネットワークに基づく衛星データセンター構想」を提唱した。
 この構想の実現に向けて、学術情報センターのSINET利用に加えて、学術情報センターとNTTとの「マルチメディア通信の共同実験」に「衛星画像データの広域利用を目的としたネットワークの利用」という実験計画名で参加し、NTTの御好意により各参加機関に光ファイバーが敷設され、10月より利用実験を行う。図1は、ネットワーク構成を示し、本所は、そのハブの役割を果たすことになる。
 1980年代初頭より気象衛星NOAAの受信を行い、データを配付して、地球環境の研究を推進して来たが、昨年度に地球環境工学研究設備が導入され、GMS、NOAAを受信し、ネットワークに基づく衛星データセンター構想の中核としての役割を果たすことが可能となった。受信されている衛星のデータ量は非常に大きく、日に3GB強、年に1TBを越える。更に、今年度の研究基盤重点設備費「情報スーパーハイウェイ直結型並列メディア情報ベースサーバーの基礎研究」により、100TBに近いサーバーが設置される。又、千葉実験所の水文気象情報収集処理室にもサーバーを置き、学術情報センター千葉分室と光ファイバーで結び、全国の利用者が学術情報センター経由で利用できる形態とする計画である。
 現在、図2のNOAA画像、図3のGMS画像を提供しているが、60ヶ国からの8万件以上の検索がある。http://www.tkl.iis.u-tokyo.ac.jp/で御覧頂きたい。重点領域研究「衛星計測による水・熱エネルギーフローの解明」及びGEWEXのGAMEの衛星データの拠点としての役割を果たして行くことになる。