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IIS NEWS
1999. 8. 1, No.59

編集・発行 生研ニュース部会

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IIS TODAY
TOPICS
REPORTS

NEWCAMPUS

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PROMENADE

AWARDS

INFORMATION

  PLAZA

BREAK

FRONTIER

編集後記



IIS TODAY

 * 生研50歳の誕生日を迎える

Photo 東京大学第二工学部改組に伴って設立された東京大学生産技術研究所は平成11年5月31日に50歳の誕生日を迎えました。写真は千葉市弥生町時代のキャンパス、現在の六本木キャンパスと駒場II新キャンパスの写真です。生研の移り変りが良くわかると思います。すでに、駒場キャンパスへの移転も開始され、現在は六本木と駒場IIの両方のキャンパスで研究と教育活動を行っています。生研が西千葉から六本木に移転したのは1962年、約30年間の六本木キャンパス時代を経て、2〜3年後には全研究室が駒場IIキャンパスに移る予定になっています。
 生研では50周年を記念していろいろな行事も企画されました。生研が行った誕生会の内容を紹介するための特集号です。このニュースで生研が50年の間に何をしてきたのか?次に何をするのか?ということに対する答えの一端を読取っていただければと思います。駒場II新キャンパスでの「新しい研究・教育環境」と50年間に培った「良き伝統」をうまく融合させた生研の新たな飛躍に期待たいと思います。(香川 豊)

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TOPICS

 * 生産技術研究所創立50周年記念事業

 昭和24年5月に東京大学附置研究所として発足した本所は、今年で創立50周年を迎えた。これを記念して「50周年記念事業」が以下の内容で実施された。
 まず、6月1日(火)に「人間・環境システムの今日と明日」と題する記念シンポジウムが本所第1・2会議室で100名以上の参加のもとに開かれ、本所の教官7名による幅広い講演があった。
 次に、生研公開初日の6月3日(木)の午後に、尾上守夫、江崎玲於奈両氏による記念講演会が開催された。この講演会は、第1・2会議室が満杯となる盛況であった。その後、フロラシオン青山に会場を移して記念式典が挙行され、坂内正夫所長の式辞に続いて、有馬朗人文部大臣、蓮見重彦東大総長から心温まる祝辞を頂戴した。引き続いて行われた祝賀会には約300名が参加し、和やかな歓談が行われた。
 以上のイベントとは別に、記念出版として「生産研究50周年誌」(生産研究特別号)と本所における研究内容をヴィジュアルな形でまとめた「工学の絵本」が出版され、記念式典・祝賀会の参加者にも配布された。
(50周年記念事業特別委員会座長 橘 秀樹)
Photo2 シンポジウムを企画せよとのご下命に,これからは環境の時代かと,題目を「人間・環境システムの今日と明日」に決めた。司会者にも実質的なお話をいただいたのは,ご当人はともかく参加者には評判がよかった。登壇された安井(尾張)・吉識(西尾)・鈴木(迫田)・山本(前田)・安岡(柴崎)・須藤(ヘーラト)・村上(加藤)各先生に心よりお礼申し上げる(カッコ内が司会者)。サクラを動員するまでもない入りで,180 部の要旨集が品切れになったところをみると,どの講演も100 人内外の企業人が参加されたもよう。本所教官のほぼ5人にひとりが環境を見つめている事実をアピールできたと思っている。討論時間が短かったのは心残り。(計測技術開発センター 渡辺 正)


Photo2
 生研公開初日の6月3日、50周年記念講演会が開催された。尾上守夫先生は「生研半世紀の回顧と展望」と題して、まさに生研の50年間を回顧し、将来を展望する講演をされた。特に生研誕生前後のエピソードは、大先輩のご苦労が忍ばれ、後輩の我々にとって身の引き締まる思いのする内容であった。江崎玲於奈先生は「半導体と量子力学−物理学者が歩んだ50年の道−」と題して、先生の若かりし頃のエピソードやお得意の創造性のお話などを中心に、聴衆の笑いを何度も誘う面白い講演をされた。両先生のご講演は、会場の第1、2会議室が350から380人の聴衆で超満員となり、各休憩所もモニターを見るために詰め掛けた人で溢れかえる程の盛況であった。
(第2部 藤田骼j)


Photo2 6月3日夕刻よりフロラシオン青山にて本所50周年記念式典と祝賀会が執り行われた.平素は見られない緊張感あふれる橘教授の司会で開式し,坂内所長の重厚な式辞朗読からは50年の重みがひしひしと感じられた.有馬文部大臣からは「東京大学生産技術研究所をお守りいただきたい」との力強いお言葉を,蓮實総長からは「東大の付加価値を増した」との高い評価を御祝辞として頂いた.引き続いて行われた祝賀会では,「半ば身内」と自称された猪瀬博学術情報センター所長とブレシャニク,カトリーヌ,仏国立科学研究センター長官よりご挨拶を頂き,中島尚正工学系研究科長の御発声で開宴となった.学内外より多数の方々に御臨席頂けたことにより,本祝賀会が一研究所の行事にとどまらず,アカデミックなサロンとしての場を提供し得たものと自負する次第である.(第1部 吉川暢宏)

  50周年記念出版については、「生産研究」本年5月号を50周年記念号として発行した。グラビア、寄稿、資料など刷り上がり360ページ余りの内容で、通常の生産研究と同様に所内のほか、奨励会・官庁・大学・会社などへあわせて1700部が配布された。また、最近の生研での研究内容のなかで絵や写真として美しいものを170余件選び「工学の絵本−生産技術研究所の挑戦」と題して本にまとめ、(株)オーム社より出版した。和文版3000部が初版として印刷され、そのうち2000部は所に納められ、主に献本として配布される。
 なお、工学の絵本については英文版も作製し、初版として100部印刷、うち700部が所に納められた。
(第4部 溝部 祐司 ) Photo2Photo2
Photo  現役教職員および数多くの事務部OBの合計約230名の参加者を得て,6月24日(木)の18時よりはあといん乃木坂の地階フルールの間で,生産技術研究所の創立50周年を祝う記念懇談会が開催された.会場は広かったが,人いきれがするほどの混雑であった.「非常に難しい情勢ではあるが,次の50年も頑張ろう」との坂内正夫所長の挨拶の後,記念事業の総括的報告と記念出版物の紹介が記念事業特別委員会の橘 秀樹座長よりあり,続く井手ノ上正己事務部長の乾杯で宴が始まった.しばらくの歓談の後,溝部裕司助教授のナレーションで生産技術研究所50年の歴史と駒場の新キャンパスを紹介するスライドショーが行われた後,吉川暢宏助教授の関東三本締めでお開きとなった.
(第2部 谷泰弘)

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REPORTS

 * オーストラリア・モナシュ大学情報工学部と交流協定を結ぶ

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 このたびオーストラリアのモナシュ大学情報工学部と学術交流協定を結びました。モナシュ大学はメルボルンを中心とする6キャンパスに9学部(教職員5千人,学生4万人)をもつ有数の総合大学で,情報工学部は5学科(教職員の総数 160 人,学生 3500 人)から成ります。4月 16 日,こぶし大のヒョウが車や飛行機に壊滅的被害を与えた直後のシドニー経由で今井教授(3部),井手ノ上事務部長と小職が出向き,学部長 Rosenberg 教授,副学部長 SchmidtとHurst 両教授,Zheng 講師(今井教授の教え子)ほか同席のもと,学部長室で調印式をとり行いました。なごやかな昼食会ののち,付属の日本研究センター所長・時田アリソン助教授(写真の女性)にご案内いただいた同センターでは,日本研究熱の高さをひしひしと感じました。気候はおだやか,南緯 38 度ゆえ4月に紅葉が始まるといった季節の逆転もおもしろく,ちょっと車で走れば広大な景観を楽しめるメルボルンの地で,情報工学・コンピュータサイエンスの共同研究が進むよう心より期待しています。(国際交流室長 渡辺 正)
 

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 * 生研記者会見
− ゼロエミッション社会の実現に向けて−

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 ゼロエミッションとは、ある生産プロセスでの無用の排出物を別の生産プロセスの原材料として循環利用する、すなわち「廃棄物ゼロ」の実現という理念・哲学で、国連大学が5年前に提唱しました。本所の迫田章義助教授は、工学研究の立場から、各種産業から排出されている未利用物質の量を炭素や窒素といった物質レベルで把握するという手法や蒸煮爆砕処理や高温高圧水処理によって農業や林業から出る未利用の素材を糖や有機酸といった工業原料に変換する技術を開発しています。平成11年5月12日に、「ゼロエミッション工学の萌芽」と副題が付けられて、その理念の解説と最近の研究成果についての記者会見がおこなわれました。ゼロエミッションの社会の実現には物質の変換技術が重要なキーになります。変換された物質を介して、複数の業種間に物質の供給と受領の新しいリンクができあがることになります。迫田助教授の研究成果が、まさにゼロエミッション社会の実現のための「萌芽」の一つとなることが期待されます。
(研究推進室長 浦   環)

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 * 第20回イブニングセミナー報告

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 5月 7日から7月 9日までの毎週金曜日に、第2部の教官有志によるイブニングセミナーが開催された。「機械工学の先端を探る」というタイトルのもとに、浦教授の「海中を動く機械」、須田助教授の「次世代の鉄道車両と走行メカニズム」、藤田教授の「免震・制振・スマート構造」、鈴木講師の「非ホロノミックロボット」、川勝助教授の「ナノメートルオーダの振り子で原子を測る」、柳本助教授の「環境負荷低減と金属材料加工技術開発との関わり」、横井教授の「プラスチックの流れを視る」、西尾教授の「熱制御とエネルギーそしてサステナビリティ」、谷口助教授の「流れの数値シミュレーション」が講義された。
 今回は最近のイブニングセミナーの中では盛況であったと言えよう。この理由として、講師が積極的に聴衆を集めたこと、開催が一般新聞で報じられたこと、生研のホームページに案内が掲載されたこと、SNG活動で得られた中学校や高等学校の先生達にも案内を出したことなどがあげられる。(第2部 藤田骼j)

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 * 生研公開開催される

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6月3、4日の2日間、生産技術研究所の公開が行われた。6月3日には生産技術研究所50周年記念講演会が行われ、尾上守夫氏(株)リコー中央研究所技術最高顧問による「生研半世紀の回願と展望」、江崎玲於奈氏(財)茨城県科学技術振興財団理事長による「半導体と量子力学−物理学者が歩んだ50年の道−」という講演が行われ、聴講者全員が会場に入りきれないほどの盛況であった。6月4日には所内の岡野達雄教授(第1部)、都井 裕教授(第2部)、池内克史教授(第3部)の各教官による講演が行われ、興味深い内容が初心者にもわかりやすく説明された。各研究室ではポスター形式での発表に加えて、ビデオや新しいAV機器を用いた工夫された発表が多くなった。本年度は、昨年度より訪問者が10%も増え、生研からの情報公開と訪問者との情報交換の場として、充実した生研公開であった。(第4部 香川 豊)

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 * 中学・高校生のための生研公開

Photo SNG(Scientists for the Next Generation)グループが企画している中高校生のための生研公開も今年で3年目を迎えた。今年も例年にならい3つの研究室を集中的に見学してもらう中学生を対象としたプログラムと、訪れた中高校生に対して引率の大学院生をつけて自分の興味のある研究室を見学して貰う一般公開形式との二つのプログラムを用意した。中学生を対象としたプログラムには60名定員のところ90名近くの応募があり、急遽あらたに2グループを編成し、当初予定していた第1部小長井研・第3部今井研そして海中工学研究センターの3研究室以外に他の研究室を見学してもらった。
 また、今年は名古屋から参加した親子、2日間とも朝の10時から5時まで見学していた埼玉の高校生、あるいは千葉県からと郊外からの参加もあり、2日間にわたり約130名以上の中高生が生研を訪れた。1997年の活動開始以来構築してきたメーリングリスト、ホームページそして口コミなどを通してSNGの活動が知られるようになったのだろうが、予想外の反響にSNGメンバーもびっくり。
 最近では青少年の理科教育に対する関心が高まっているためか、SNGの活動についての問い合わせが多くなってきている。生研内でも研究室、教職員や大学院生の多くの方々から協力を得ることができ、年々活動が充実してきている。来年はまた一段と生研公開に訪れる中高校生が増えるのであろうが、今後とも所内の多くの方々のより一層の協力と支援をお願い致します。問い合わせ E-mail:marie@iis.u-tokyo.ac.jp
(第2部 大島まり)

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NEWCAMPUS

 *  第 II 期研究棟(B棟)竣工へ/所長・坂内正夫

Photo31  駒場新キャンパスへの移転も、第一陣の研究室が移動を行ってから早くも半年余りが経過しようとしています。事務処理、管理体制も徐々に整いつつあり、既に入居した方々にも大分落ち着きが出て来た頃ではないでしょうか。第I期に続きまして工事の進んでおりました第II期工事分(B棟)がいよいよ内装仕上げの段階に入りました。1階ロビーのタイル張りも終了し、竣工も間近という状況になっています。C棟に続き今秋以降にはB棟への1部と5部を中心とした研究室の移動が開始される事でしょう。また、このB棟は駒場キャンパスの東門の正面に位置しています。東門を入るとB棟ピロティを通り抜けて中庭に至る構造になっているため、さながら東の玄関といった存在にもなっています。第III期工事分(D棟)は鉄骨組み上げも終り、各階床のコンクリ−トの打設作業等が順調に進んでおり次第にその全容を現しつつあります。さらに、研究棟としては最後の工事となる第IV期工事分(E、F棟)につきましても、すでに着工の運びとなり、基礎工事が始まっています。一方、外構工事としまして、正門近く東側エリアの駐車場の整備も進んでいます。この様に、各期工事、外構工事の整備が順調に行われる中、懸案となっている食堂の整備、更には事務棟となるA棟の計画等が具体化していないのは、今後に残された課題といえるでしょう。第IV期の着工により駒場キャンパスにおける生研の最終的な姿が見えて来るのも、そう遠いことではなくなって来ました。折しも今年は、「工学と工業の連携」という理念の下に生産技術研究所が設置されて50周年という節目の年にあたります。草創期の千葉、そして現在の六本木と歴史を重ね発展を遂げて来た当研究所も、半世紀の時を経た今、駒場新キャ ンパスとともに将に新たな段階を迎えたと言えましょう。

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SnapShots

 * 5月25日
構内環境整備の実施
              

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PROMENADE 幻の千年科学技術研究所

  新しい世紀に向けて生研が生まれ変わるとしても「新世紀」ではもはや陳腐であ り、「千年科学技術研究所(千年研)」がいいと考えた。千年研なら、英語でも Millemium Institute of Integrated Science and Technology (MIIST) などとなり、悪くない。 なぜ千年研なのか?そもそも科学技術は、脆弱な人間を自然への隷従から解き放ち 労働に伴う理不尽な苦痛と自然災害や疫病による不慮の死を軽減させ、人の生活圏 と自由な時間そして知の領域を拡大してきた。しかしながら、自然の多様性と複雑 さとに比べると現在の科学技術はまだまだ未熟であり、人類がこれまでに獲得して きた基本的人権や幸福追求の権利、そして世界的な友好を維持していくためには、 今後とも科学技術を継続的に進展させることが必須である。 そのためには、ちょうど新たな千年紀を迎えることもあり、これからの千年を見 据えて科学技術をリードしていく気概を持った研究所、千年研が是非とも必要であ ると考えたのである。また、千年研が10 年で潰れてしまってはみっともないので、 科学技術や社会の変化発展に柔軟に対応して、常に組織を見直しながら新しい融合 型の研究分野を内部で創成していくことにより、1000 年持続できるような研究所 となります様に、という期待も込められていた。 だが、この千年研のアイディアは「10 年先のこともわからないのに1000 年な んて駄目だ」という天の一言で闇に葬りさられてしまった。考えてみると、筆者の 学んだ土木や建築の建造物は、そのものの耐用年数だけでも100 年内外、定期的な 補修や部材の交換によっては1000 年以上も継続して利用される。さらには、ある 機能を持つ建造物が一旦作られるとその周囲にも特有の町並みや景観・機能が形成 され、その建造物が跡形もなくなった後々にまでも影響が及び、情報が伝えられて いく。これに対し、歴史が浅く技術者の社会的責任に対する認識が未熟な領域では、 自らが作り出したものがどのくらい長く利用され、どんな社会的影響力を持つのか について技術者自身の自覚がまだまだ充分ではないのだろう。その端的な例として 計算機の2000 年問題が生じている様な今日であるからこそ、長期的視野を持った 千年研がこれからの人間社会には必要だと思うのである。
( 第5部 沖 大幹)

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AWARDS

 * 教職員

第3部 教授 石井 勝
受賞日:1999.5.20
受賞名[団体名]:電気学術振興賞 論文賞 [ (社)電気学会)]
受賞項目:数値電磁界解析手法による鉄塔インピ−ダンスの検討

第5部 技術官 星野富夫、兼担教授 魚本健人、名誉教授 小林一輔
受賞日:1999.5.28
受賞名[団体名]:土木学会吉田賞(論文部門)[ (社)土木学会]
受賞項目:土木学会論文集No592,X-39,107〜120,1998,5
       15年間の海洋暴露実験を行ったエポキシ樹脂塗装鉄筋コンクリ−ト梁の持久性と防食効果

第3部 教授 石井 勝
受賞日:1999.6.15
受賞名[団体名]:小平記念賞[(財) 小平記念会]
受賞項目:数値電磁界解析手法によるインピ−ダンスの検討

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INFORMATION

 * 第7回平成11年度東京大学技術職員研修の実施について
  機械工作技術関係、木工工作技術関係、ガラス工作技術関係および溶接技術関係

Photo31  今秋も試作工場におきまして第7回技術職員研修を実施することになりました。今年度は要望の多かった溶接技術関係を新たに設けまして、計4テーマで実施することになりました。新設の溶接技術関係では、隣接の物性研究所工作室のご協力をいただき、真空装置の製作などに用いる溶接法を見学する予定になっております。また好評であった木工工作技術関係は、指導担当職員が年度末に定年を迎えるため、今年度が最後の実施となります。いずれの研修も10月5日(火)より10月8日(金)の日程で実施いたします。研修実施期間中、試作工場利用の皆様にはご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。

   URL=http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/~shisaku
(試作工場)


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 * イブニングセミナ−
 物の性質と構造を探る −ミクロからマクロまで−

 ミクロからマクロまで工学の対象となる様々な物の性質と構造についてわかりやすく解説いたします。予備知識は必要ありませんのでお気軽にお越し下さい。なお、講演の内容は都合により変更になることがあります。ご了承下さい。

開催日 講師 演題
10/1 助教授 志村  努 自律する光 −物質を介した光の自己制御−
10/8 教 授 高木堅志郎 タイタニック −その神秘性と科学性−
10/15 教 授 田中 肇 ソフトマテリアルの世界
10/22 教 授 岡野 達雄 真空を極める
10/29 教 授 寺倉 清之 量子シミュレーションが明かすミクロの世界
11/5 助教授 枝川 圭一 固体の原子配列と物性 −結晶、準結晶、アモルファス
11/12 教 授 渡邊 勝彦 強さと寿命 −何故壊れるか−
11/19 助教授 吉川 暢宏 形と強さ
11/26 助教授 畔上 秀幸 物体や流れ場の形を最適に決める
12/3 助教授 中埜 良昭 地震被害と建物の性能 −地震災害の軽減を考える−
12/10 助教授 半場 藤弘 乱流 −乱れの中の秩序−
○時間:午後6時から7時30分
○場所:生産技術研究所第1会議室(正面玄関真上、3階)
○参加費:無料、なお事前の参加申し込みは必要ありません。
○協力:(財)生産技術研究奨励会
○問い合わせ:生産研究技術研究所総務課庶務掛

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 * 技術官等による技術発表会の開催(第8回)

今年も、技術系職員を中心に「技術発表会」を開催します。 この発表会は、技術職員の知識および能力の向上を図り、お互いの技術交流、情報交換の場として続けられ、今年で8回目を数えます。多くの皆様に来て頂けるよう、お待ちしています。 技術官以外の方々の参加も大歓迎です。是非一度、聞きにいらして下さい。

 日時:10月28日(木) 10時00分〜17時00分
 場所:東京大学生産技術研究所 第一、第二会議室

なお、発表会終了後に懇親会を予定しています。(技術発表会実行委員会)

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 * 平成11年度生研基礎講座案内
  金属素材の創形創質加工

講   師: 東京大学生産技術研究所  教授 木内 学
時   間: 10:00〜16:20
受講定員: 25名
開 催 日:10月13日(水)、14日(木)
      11月11日(木)、12日(金)
      12月 7日(火)、 8日(水)
       1月20日(木)、21日(金) 
受講料:生産技術研究奨励会賛助員の方   48,000円
     一般の方                  96,000円
     なお、お申込みと同時に入会された場合は賛助員扱いとなります。
申込先:〒106-8558  東京都港区六本木7-22-1
     (財)生産技術研究奨励会  生研基礎講座係宛
     FAX 03-3402-6372
問い合わせ先:受講に関するお問い合わせは上記FAX宛お願いいたします。
主 催: (財) 生産技術研究奨励会
協 力: 東京大学生産技術研究所
申込締め切り:開催日の1週間前とします。

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 * セクシュアルハラスメント相談窓口

前58号でお知らせしましたセクハラ相談員が、変更になりました。

部局総括相談員 内線 E-mail
坂内正夫所長 2000 s-director@iis.u-tokyo.ac.jp


相談員 内線 E-mail
大島まり助教授 2232 marie@iis.u-tokyo.ac.jp
佐藤國雄総務課長 2002 satokuni@iis.u-tokyo.ac.jp
真取秀明経理課長 2050 matori@iis.u-tokyo.ac.jp
武原稔子研究担当専門職員 2024 take@cc.iis.u-tokyo.ac.jp
平井美智子試作工場業務掛長 2710 hirai@iis.u-tokyo.ac.jp
野村剛志技術専門官 2435 nomu@cc.iis.u-tokyo.ac.jp
相談補助者 内線 E-mail
小池嘉弘人事掛長 2008 koikey@iis.u-tokyo.ac.jp

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PLAZA

 * 30歳を超えた生研山の会

第1部 西島 勝一

Photo 職場サークル「生研山の会」が、発足30年を過ぎても、まだ歩き続けている。月1回程度の山行(この1年間では10回、平均参加人数7.7人)が絶えなかった原動力は?静かで奇麗な空気や自然がいっぱい・・・、勿論、山が大変魅力的である事が最大の要因。
 自分の気力と足・汗で登り切った時の充実感も最高。途中で引き返すのにも自分の歩行努力以外は役たたず。足を進めることにすべてを集中する、何でこんな苦労をしに来てしまったのだろうと自問する、その努力が頂を極めた時の喜びを強調してくれる。風雪雨などの困難を克服した時は、喜びも倍加する。苦しくてもまた出かけてしまう。広大なお花畑に突然遭遇、雨を突き抜けて雲海上へポッカリ・・・忘れられない光景が無限。しかし、月夜ばかりでもない。残雪で道が無い! 暗い雨中の水汲み! 仲間の不調!・・・困難も多い。そんな時、人は地が出る。激励しあって問題解決に努める人、泣き事を言う人・・・。職場のつきあいと山生活の双方を通して、信頼し合える仲間が生まれ、集ってくる。生研外へ転出していった人々も、山では今も現役。次の山は何時、何処?・・・と催促が来る。
 「中高年登山」が話題になっている。生研山の会も、中高年パワーが目につく。登り方は年齢や体力に合わせて対応している。2日で登れる山を3日かけてもよい、行程途中にテントを作って荷物を軽くして登頂する・・・条件の異なる構成員の職場サ−クルに適した登り方で、希望の山へ。子連れで日本5大高峰を5年かけて完登したり・・・目標は引き下げないで、工夫して、遭難事故零で今日まで来た。定年まであと3回しか冬を迎えられない西島の目標は、山の会で厳冬期南アルプス3000m峰全13座登頂(残り2峰)。同行者を募っています。便利に成り過ぎた感がある都会生活、ちょっと迂回して、自然の中で汗をかいてみませんか? 忘れかけていた感激に出合えます。気が向いたら、西島(内線2131)又は山の会会長の近藤(内線2545)までご連絡下さい。
 
* 写真は、北アルプスの槍ガ岳(3180m)頂上でのもの、後列右から2人目が西島。

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BREAK 原稿募集

  生研ニュースでは「Break」の原稿を随時募集しています。内容が宣伝や特定の個人の誹謗中傷でないことだけが条件です。しかし、今月は次号に向けて特に生研50周年関連の「Break」投稿を幅広く募集します。「生研50周年に際して」「生研の50年と私の50年」、「生研の100周年へ向けて」「生研100周年と私」など、教官、職員、研究員そして学生のみなさんの思いをどうぞご投稿ください。200〜300字程度にまとめて、8月20日(金)必着までに情報普及掛(joho@iis.u-tokyo.ac.jp)あて原稿をお寄せください。

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FRONTIER

 * 半導体素子の冷却技術

第2部 西尾研究室

  SIAの予測によれば、single chip packageにおける発熱密度は、2006年には(蒸気ボイラーや軽水炉において水蒸気を生成する場合に印加される密度に匹敵する)50W/cm2を超える勢いで増大している。可搬形情報機器を想定すると、この発熱を空気により除去し、チップを80℃程度以下に保つ必要がある。空気は熱伝導率の低い典型的流体であり、したがって熱伝達率も低いので、この冷却技術の開発は熱工学に携わる者にとってエネルギー有効利用技術などと同様に挑戦的課題である。
 本質的解決策は低消費電力チップ(図のA)の開発であるが、これが開発されても、いずれかは再び発熱密度の問題に遭遇することは歴史が証明しているところである。こうした冷却技術に対して、まず考えられるべきことは、発熱量を少しでも有効利用し、冷却負荷を低減する技術の開発(図のB)である。私の研究室では未だ着手していないが、熱電素子などを利用して発熱量の一部を電力として回収することが考えられる。
 残りは、冷却技術に頼るほかはなかろう。冷却技術における課題の第一は、高性能ヒートシンク(図のC)の開発である。高性能ヒートシンクの典型は、マイクロチャネル・ヒートシンクMCHSである。伝熱学の知見によれば、流路内の層流熱伝達率は(希薄気体効果が顕在化するまでは)流路断面寸法の逆数に比例して増大するので、MCHSは有望である。我々は現在、こうした伝熱学の知見がどの程度の寸法のMCHSにまで適用できるかを検討している。第二の課題は、導入空気の冷却による温度差増大技術の開発(図のD)であり、筐体に設置するマイクロクーラーなどの開発が必要である。第三の課題は、熱放散面積を稼ぐ技術の開発(図のE)である。これには、二つの手段がある。一つは機器筐体内部に設置する熱拡散板であり、もう一つは機器筐体表面(例えば液晶パネル裏面)に熱を輸送する熱輸送管である。前者については、熱拡散能力の高い銅やアルミニウムでも熱拡散能力が不足するので、細径熱輸送管を内蔵して見かけの熱伝導率を飛躍的に高めた熱拡散板が必要である。いずれにしても、見かけの熱伝導率と限界熱輸送量とがともに高い高性能な細径熱輸送管の開発が不可欠であり、振動励起熱輸送や相変化現象を利用した高性能な細径熱輸送管の開発を行っている。


Photo

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 * 編集後記

  今回の生研ニュースは50周年記念特集号です。生研ニュースが創刊されてから始めて初めて表紙に「人」以外の登場となりました。インターネットが普及した時代ですが、「紙」を媒体にしたニュースも電子情報とは異なる重要な役割がありそうです。ニュース部会でも「生研ニュース」のあり方を真剣に議論して魅力ある紙面造りへ努力しています。読者の皆様からの「紙」を活かしたニュースへの提案や投稿を歓迎します。お問い合わせは「iisnews@iis.u-tokyo.ac.jp」まで。なお、生研の50周年についてさらに詳しいことは「50周年誌(生産研究、Vol.51、No.5、1999)」に記載されています。
(香川 豊)