平成29年度顕彰

 顕彰審査ならびに選考結果

 平成29年度顕彰は、平成26年度から28年度の特定研究奨励助成ならびに平成27年度の三好研究助成の7名を候補者とし、各候補者が
提出した報告書をもとに、平成29年8月25日開催の審査会での厳正なる審査の上、次の1名が選考されました。

清田隆氏(東京大学生産技術研究所准教授)
 『合理的な液状化予測手法と、新しい液状化地盤改良技術の開発

〔選考理由要旨〕
 清田隆氏は、地盤工学・地盤耐震工学分野において、防災・減災に資する活動に取り組んでいる。特に地震時における液状化予測と
地盤改良技術に関する研究については、関連分野において高い評価を受けている。具体的には、地盤の微視的構造と液状化挙動との関係を、
精緻な実験に基づく微小変形特性を利用して検討している。従来、評価が困難であった地盤の年代効果の影響を考慮できる液状化予測の開発に
つながる成果として、当該分野において大いに期待されている。
また、同氏は戸建て住宅の液状化地盤改良技術として浅層盤状改良工法の適用を
提言し、設計地震動に対する家屋の液状化被害が許容範囲内に収まる地盤改良範囲を明らかにするとともに、同手法のコスト評価も実施した。
これらの技術は、東日本大震災を受け、液状化防災への関心が高まっている地域および社会に対して大きく貢献している。
微小変形特性を
利用した液状化予測手法の更なる発展に加え、ライフラインのメンテナンスに伴う地盤の掘削性を考慮した地盤改良技術の開発を目的として、
同氏は本会の平成26年度特定研究奨励助成を受け、イギリス・ブリストル大学に平成26年9月18日〜平成27年9月
17日まで1年間滞在し、
訪問先の研究室が所有する特殊かつ先進的な実験施設(立方体セル載荷装置)を利用して、地盤供試体を伝搬するせん断波速度の異方性を検討した。
また、フライアッシュ系改良土の三軸応力条件における破壊規準と液状化強度特性を検討し、フライアッシュ系改良土は液状化対策効果と掘削性の
両方を満足する可能性が示された。現時点において、5編の学術論文がこれら一連の研究成果をベースにして発表されている。

以上のように、同氏が本助成によるイギリスでの研究滞在中に上げた成果は、液状化防災の高度化に大きく貢献するものと高く評価できる。
また、滞在中の成果は現在、土木・建築分野の実務調査技術レベルで実現可能な液状化予測法の開発にも繋がっており、生産技術の発展に
寄与するところが大きい。よって同氏の成果をここに顕彰するものであります。


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