平成25年度顕彰

 顕彰審査ならびに選考結果

 平成25年度顕彰は、平成24年度中に助成金の交付が終了した、特定研究奨励助成の対象者4名と三好研究助成の対象者4名の
計8名を候補者とし、各候補者が提出した報告書をもとに、平成25年8月20日開催の審査会での厳正なる審査の上、次の1名が選考
されました。

新野俊樹氏(東京大学生産技術研究所教授)
 『完全3次元MID製造技術の研究開発』

〔選考理由要旨〕
 東京大学の新野俊樹氏は東日本大震災被災者支援・復旧・復興等社会ニーズ対応の研究に助成することを目的とした、本会の
平成23年度特定研究奨励助成を受け、東日本大震災で大きな津波被害を受けた陸前高田市において、大きな雇用を生み出している
三共精密金型株式会社が主力製品としているMIDの製造技術の高度化を目標とし、その加速をもって被災地における雇用の促進に
資することを目的として、平成23年8月1日から平成25年3月31日の期間、「完全3次元MID製造技術の研究開発」を行いました。
MID(Molded Interconnect Device)とは、射出成形によって製造される表面上や内部に電子配線を有する部品のことで、従来の
回路基板等と比較して、立体配線が可能で、部品点数削減などにも貢献しうることから、携帯電話用内蔵アンテナ等に広く用いられて
おります。同氏は、このMIDをさらに発展させ、新しいメカトロデバイスを実現することを目的として研究活動を進めており、三次元的な
形状の内部に電子配線を有するような成形品を実現するための新しい製作法の開発を手がけてきました。特に本特定研究においては、
3次元的な冷却用微小流路を内部に有する冷却管構造の製作法に加え、流路内壁に銅薄膜による配線を施す方法を実現し、従来法では
製作ができなかった部品の製造に成功いたしました。本方法は、生分解性プラスティックを用いた犠牲構造に対して銅薄膜を形成し、
成型加工を行った上で、犠牲構造を除去するもので、材料間の密着性を考慮することによって、流路内壁への配線を行うことを可能と
したものであります。これら同氏の研究成果は、精密工学会をはじめとする学会においても発表されており、MID製造技術の高度化に
大きく貢献するもので、その応用範囲の拡大に資するだけでなく、広く生産技術の発展に寄与するものであります。よって同氏の成果を
ここに顕彰するものであります。


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