平成24年度顕彰

 顕彰審査ならびに選考結果

 平成24年度顕彰は、前年度(平成23年度)の三好研究助成対象者4名を候補者とし、各候補者が提出した報告書をもとに、
平成24年8月17日開催の審査会での厳正なる審査の上、次の1名が選考されました。

樋山恭助氏(東京大学生産技術研究所助教)
 『BIMにより実現する仮想ビルディングと環境設計への展開 ―米国におけるBIM技術開発動向と普及策の調査―』

〔選考理由要旨〕
東京大学の樋山恭助氏は本会の三好研究助成を受け、平成24年3月6日から3月25日にかけて、シラキュース大学(米国・ニューヨーク州)に
滞在し、BIM(ビルディングインフォメーションモデル)の技術開発動向を調査するとともに、同校のJensen Zhang教授が主導するBuilding Energy
and Environmental Systems Laboratoryの研究チームとのワークショップを行いました。同氏は、このワークショップを含む共同研究により、建築
設計におけるデジタルエンジニアリング化を促進するBIM活用の新分野を開拓いたしました。これは、BIM活用において、既存建築物の設計データ
ベースを合理的に活用するもので、従来にない合理的な設計支援システムの枠組みとなります。

 BIMは、建築設計において、従来の2次元における図面ではなく、部品化された図面要素の集合であり、各要素に建材仕様、建物の使用方法や
建設工程等の情報などあらゆる属性の定義を付加した3次元CADデータであり、このデータを用いて共同作業となる設計時の円滑なコミュニケー
ションを可能として、合理的に設計を進める手法となります。BIMは、建築設計を効率化・高度化させることが期待できる事から、建築業界の国際
競争力を強化するため、各国で導入の検討が進んでおります。中でも、米国は強力な官主導の下、先導的な研究開発と事業展開が見られます。
そこで、米国における研究動向を調査したほか、同国の研究機関と同氏のオリジナルな発想に基づく共同研究を行い、新たな展開を得ました。

 同氏の研究は、BIMで構築された建築のデータベースを用いた経験の蓄積により、新規プロジェクトにおける設計の効率化・高度化を図る点に
おいて、独創性と、社会実装への即時性が高く、この点で共同研究機関からも高い評価を受けています。
このように、同氏が三好研究助成で行った
調査研究は、BIMの研究動向調査にとどまらず、BIMを用いた建築設計の効率化・高度化の実現に寄与するものであり、今後より一層の発展に益
するところが大きい。よって同氏の成果をここに顕彰するものであります。


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