平成22年度顕彰

 顕彰審査ならびに選考結果

 平成22年度顕彰は、前年度(平成21年度)の海外派遣助成対象者6名を候補者とし、各候補者が提出した報告書をもとに、
平成22年8月19日開催の審査会での厳正なる審査の上、次の1名が選考されました。

木口雅司氏(東京大学生産技術研究所特任助教)
 『インド亜大陸北東部におけるプレモンスーン期の降水現象とそれに伴う水循環に関する研究』


〔選考理由要旨〕
東京大学の木口雅司氏は本財団の三好研究助成を受け、平成21年7月27日から8月17日にかけてインド亜大陸北東部にある
水文気象の研究機関・現業機関に滞在し、主としてプレモンスーン期の降水現象に関わる情報・データを収集するとともに、
インド・バングラデシュの研究者や現業担当者との意見交換を行った。

 乾季から雨季への遷移期であるプレモンスーン期は、モンスーン開始を何がどう駆動しているかを解明する上で、また当該
地域の多量の降水と世界的大河川の集まる地球水循環を考える上で重要である。本研究の対象とする現象は、農事暦や頻発
する自然災害など人間活動に大きく影響し、理学的かつ工学的な知識の集積を必要とする。

 本調査研究により、リモートセンシング技術で得られるデータに高時間分解能観測データを加えることにより詳細な解析を
進めることができた。さらに国際研究プロジェクト「STORM」に関する情報収集や意見交換を行い、プロジェクトへの参画とデータの
共有をなし得たことは、研究の推進だけでなく同氏の今後の研究活動を幅広いものにした。

 このように、同氏が三好研究助成によって行った調査研究は、プレモンスーン期の当該地域における降水活動や水循環の理解
だけにとどまらず、社会の減災に寄与するものであり、今後より一層の発展に益するところが大きい。よって同氏の成果をここに
顕彰するものである。


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