酒井 啓司 (1.67MB)

極限の液体物性計測

 (RC-54)
 ナノレオロジー研究会

1.代表幹事

  酒井 啓司(東京大学 生産技術研究所 助教授)

  連絡先

  美谷周二朗/平野太一(酒井研究室)
   Tel: 03-5452-6122
   Fax: 03-5452-6120
   e-mail: sakailab@iis.u-tokyo.ac.jp
   http://sakailab.iis.u-tokyo.ac.jp/kenkyukai.html

2.主 旨

 ミクロン程度の微小な液滴や液体薄膜を制御する技術は、従来の印刷・コーティングといった工業プロセスに加え、有機デバイス作製のための微細パターニングや細胞・生体物質のマイクロマニピュレーションなど様々な分野に応用され、今や工学における重要な要素技術となりつつあります。

ここで鍵となるのは流体プロセスの微細化・高速化ですが、一方現在でも流体の運動を記述する方程式に登場する物理量は粘弾性と表面張力程度のもので、μm以下の微小で高速な世界で実際に起こる流体現象を記述することはなかなかに困難です。

 例えば微小流体粒では帯電による静電エネルギーが容易に表面エネルギーを超えることによって不安定な自励発振が生じ、高速の変形は表面への分子吸着の非平衡状態を生じて予測不可能な挙動の原因となります。

 本研究会では、これら現在の技術では「測りようのない」μm以下の微小な流体の挙動や物性を調べる新しい手法や1,000,000s-1を超える超高速変形下におけるレオロジー計測法についての最新の技術紹介や情報交換、討論を通してナノレオロジーを扱う新たな技術の枠組みを作り上げていきたいと考えています。

 研究会では実際の装置の運用、結果の解析を通して新しいレオロジー現象に関する知識を蓄積し理解を深めるための活動を進めていきます。

  活動内容
  ・ 研究室が独自に開発したナノレオロジー・高速レオロジー計測技術の提供、および測定結果の解析に対する支援
    (例)非接触表面張力・粘弾性測定装置
       顕微レオロジー測定システム
       歪速度106s-1を超える高速レオロジー計測法
       高速フォノンスペクトロメータ、リプロンスペクトロメータ 他
  ・ 新規の流体物性測定法開発に向けた技術相談
  ・ 未知のレオロジー現象に関する情報交換 
 

3.その他

 年会費:

  10万円

 定 員:

  特になし

 運用方法:

  年3〜4回程度研究会を開催予定

非接触で顕微鏡下の局所的粘弾性を測定する電界ピンセットシステム