製品の製造過程では、副産物が必然的に発生する。製品を使用する過程においても様々な
エミッションが発生する。製品の寿命が終了した後、これを再利用するために整備調整し、ある
いは解体する場合においても、再利用可能な部品・材料を回収したあとには残査がのこり、多
くは経済的価値のない、あるいは負の価値を持つ不要物と見なされる。
循環型を意識した現代社会では、製造プロセス(誕生)、その製品寿命の間(一生)、また寿
命終了後(永眠)の各プロセスにおいて、もし問題物質が発生するのであれば、その詳細を明
らかにし、社会的に容認される形で処置することが必要である。そのような社会的解決がない
限り、直列的に連鎖している物質の流れは、どこかで我々の認知不可能な形で放置されること
になり、結果的に未来の危険が高まることになる。
本研究では、たとえば微量有機有害物、少量有害物質、中量被汚染循環物(有害物を運ぶ
担体)、大量工鉱業副産物として次のような物質を対象に考える。これらの物質の水を介した
生態への循環について研究することを考えたい。
微量有機有害物例: PCBsを含むダイオキシン類、環境ホルモン(内分泌撹乱化学物質)
少量有害物質例 :重金属(カドミウム、クロム、水銀、鉛)、
非金属(砒素、セレン、アンチモン)
工鉱業副産物例 : 硫黄化合物、フッ素化合物
問題物質の水を介した循環について勉強する
前田 正史
前田正史(東京大学 生産技術研究所 教授)
中村 崇(東北大学 多元物質科学研究所 教授)
年会費 : 30万円
定 員 : およそ10社まで
運用方法: 年間2〜3回の研究会を開催する。