織ることによる機能の複合化
吉川 暢宏
吉川暢宏 (東京大学 生産技術研究所 助教授)
桑水流 理(東京大学 生産技術研究所 助手)
桑水流 理
Tel  :03-5452-6105
Fax  :03-5452-6105
e-mail:kuwa@telu.iis.u-tokyo.ac.jp
 機能性繊維材料を織り、編み、あるいは組むことで成形されるテキスタイル材料は、繊維
自体の機能を容易に複合化できるため材料設計の自由度も高く、比強度・比剛性の点でも
既往のバルク材料より優っている。 その利点を生かして、航空宇宙、建設土木、高圧機器、
医療機器等、様々な分野での潜在的市場が開拓されつつある。
 その民生市場開拓の隘路となるのが、テキスタイル材料の強度に関わる信頼性評価であ
る。
 既往の金属系材料と異なり、連続体の範疇から大きく外れるテキスタイル材料に関しては、
工学的検討の歴史も浅く、信頼性確保のための方法論が未成熟である。
 本研究会では、このような状況を鑑み、テキスタイル材料の強度評価を高精度化するため
の検討を行う。
 非均質かつ高柔軟性のテキスタイル材料は、既往の工業材料に対する強度評価の方法
論は適用できず、実験的検討と有限要素法に代表される数値シミュレーションによる検討の
相補的運
用を礎として、新たな評価の方法論を構築する必要がある。
 そのための有力なツールとなる、平織テキスタイル材料に対する新たな有限要素解析プロ
グラムを、東京大学生産技術研究所吉川研究室で開発している。
 研究会では、このプログラムを用いて、参加企業の抱える。テキスタイル材料の強度評価
に付随して発生する種々の問題点の解決を図るとともに、強度評価の高精度化のための
実験ハードウエアの開発を行う。
(a)経糸方向引張り
(b)バイアス方向引張り
平織布のうねり状態評価例
年会費 : 50万円

会  員 : 最大10社