先進の半導体技術による新たなソフトコンピューティング・パラダイムを探る
柴田 直
柴田 直(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
三田吉郎(東京大学 大学院工学系研究科 講師)
20世紀にコンピューターは驚くべき進化を遂げたが、「ものを見て柔軟に理解・判断する」と
いった、ヒトにとっては日常茶飯事の情報処理が非常に苦手である。
コンピューターは、いわば四則演算の高速処理に特化したマシンであり、その上で走るソフト
ウェアの先鋭化だけでは、しなやかな情報処理実現は非常に難しい。
我々の研究室では、右脳的な情報処理の原理をまなび、これに最も適合したLSIハードウェ
アを新たに開発することで、この問題に取り組んでいる。 神経レベルで脳を真似るニューラル
ネットワークではなく、心理学レベル、つまり機能システムとしての脳をモデル化し、それを先
進の半導体技術でLSI化することを狙っている。
年3回研究の会合をもち、どんな回路技術があるか、どんな先進の材料・プロセス技術が応
用できそうか、システムが出来たらどんな応用が拓けるか、また、どんなビジネスに展開でき
るか、これらをじっくりと討論したい。
年会費 :30万円
定 員 :最大20社 LSIメーカの設計者、プロセスエンジニア、特に新たな応用分野に興味
ある会員の参加を募りたい。
運用方法 :年3回程度研究会を開催する。毎回、会員内外から講演を募り、それについての
質疑応答を通じて議論を深めるとともに、懇親会を開催し情報交換を促進する。
異分野、異業種間でニーズとシーズを出し合い、異分野融合による新たな技術
発展・ビジネス展開の可能性を探りたい。
ヒトがものを見て柔軟に理解するのは、多くの経験を記憶として蓄えており、脳が最も似通った事例を瞬時に連想想起することができるからである。こんな「心理学的脳モデル」を最先端のシリコンテクノロジーで実現する。