マイクロマシン実用化の近道は、応用システムの特定とインフラ構造の整備
藤田 博之
藤田博之(東京大学 生産技術研究所 教授)
年吉 洋(東京大学 生産技術研究所 助教授)
竹内昌治(東京大学 生産技術研究所 講師)
竹内昌治
1980年代の後半より、半導体の微細加工技術を援用してμm程度の寸法の機械や機構を作
るマイクロマシン技術が研究されてきた。現在までに、様々のマイクロアクチュエータや立体的な
マイクロ構造などが世界各国で作られている。また、更なる微小化によりナノ構造を作り、ナノテ
クノロジーやバイオテクノロジーへ用いることも注目されている。
このようなマイクロマシン技術の実用例として、加速度センサ、ディスプレイ、プリンタ、原子間
力顕微鏡用プローブなどがあるが、まだまだ限られた数に止まっており、より多くの有望な応用
を見いだすことと、それを実現するためのインフラストラクチャ整備が焦眉の課題となっている。
本特別研究委員会では、
(1) ニーズの面からマイクロマシン技術と整合性の良い有望な応用分野の探索。
(2) シーズの面から国内外での応用システムの研究開発事例と最先端のマイクロ・ナノマシ
ーニングプロセスの紹介。
(3) 設計・製作引き受け(ファウンダリー)サービス、プロセス標準化、信頼性の確認法
など、商品化を容易にするためのインフラストラクチャの検討。
の3つの方向により、上記課題に取り組むことを目的とする。
個別の応用システムを考えるだけでなく、マイクロマシン技術の特徴を生かしつつ従来の
システムへ段階的に導入できる応用分野やその導入法についても討議したい。
年会費・定員:15万円、最小5社、最高20社
運用方法 :マイクロマシン技術の応用に関する講演と討議を行う研究会および講演会を、
年に4回程度開催する。応用分野についてはその分野の専門家からの講演を
依頼する。 また、技術の最先端の動向については、マイクロマシンに関する国
際会議の出席報告、論文集の回覧などを企画したい。インフラストラクチャに関
しては、ファンダリーサービスやプロセス標準化に関わる企業や大学の研究者
と討議する場を設ける。
太さ0.1μmの可動ツインプローブ
静電マイクロモータ