研究及び発表論文

研究部・センターの各研究室における研究

物質・生命部門

固体触媒を用いた新しい有機合成反応に関する研究(新規)
教授 荒木 孝二[代表者],助手・特別研究員 山川 哲, 教授 荒木 孝二
ゼオライトをはじめとする各種固体酸および固体塩基触媒を用いた新しい有機合成反応の開発を目的とし, メタノール, アリルアルコールなどを原料とする各種の有機合成反応について, 触媒の種類や反応条件などの最適化に向けた基礎的な検討をおこなった.

分子系超構造の設計と作製(継続)
教授 荒木 孝二[代表者],教授 荒木 孝二, 技術官 吉川 功 大学院学生 高澤 亮一・柳 卓
分子間相互作用の階層化という方法論に基づく高次組織構造構築を目指した研究の一環として, アルキルシリル置換ヌクレオシドが塩基間多重水素結合して形成する一次元テープ状ユニットについて検討した. その結果,一元テープ状ユニットが二次元シートを経て階層的に集積した新規な超分子ゲルについて,ゲルー液晶転移の機構などを明らかにし,超分子機能材料の構造制御に関する有用な知見を得た.また一次元テープ状ユニットを擬似高分子鎖とする超分子繊維の開発を目指した.その結果,分子設計および溶融紡糸で擬似高分子鎖を繊維軸廃校させ,しなやかな超分子繊維を初めて作製することに成功し,その力学特性などを明らかにした.

光電子機能性有機材料に関する研究(継続)
教授 荒木 孝二[代表者],教授 荒木 孝二, 助手・特別研究員 務台 俊樹 大学院学生 赤坂 哲郎・本多加代子・湯川 博
光機能性分子素子の開発に向けて,酸化還元応答型分子スイッチ部となるアゾ架橋型ビステルピリジル錯体への光励起エネルギー注入を行う光捕集部位として, フェニル置換ビピリジン錯体やクマリン誘導体を用いた系の検討を行った.また,有機フォトリフラクティブ材料の開発に向けて,優れた特性を持つ非線形光学物質の設計と合成を行い,速い応答速度を示す材料の開発に成功した.

機能性有機蛍光材料の開発(継続)
教授 荒木 孝二[代表者],教授 荒木 孝二, 助手・特別研究員 務台 俊樹 大学院学生 加藤・湯川 博・井関 大・岸本 章
蛍光性を付与して新規な機能性の高い有機蛍光材料を開発する研究を進めており, すでに多点分子間相互作用部位を持つポリピリジル化合物に蛍光性を付与した新規な機能性蛍光物質群の設計・合成に成功している. 本年度は,新規な蛍光性ポリピリジル化合物として主にアミノ置換テルピリジル誘導体を対象とした.アミノ基に金属イオン配位部位を導入することにより,希土類イオンへの励起三重項移動に基づく効率の良い発光を示す新しい機能性発光化合物を得た.また,アミノ基をジメチルアミノ化した誘導体は,溶液中と結晶で異なる蛍光を示し,その要因の解明をおこなった.さらに,固相における励起エネルギー移動についても検討を進めた.

輸送機能を持つ分子システムの構築(継続)
教授 荒木 孝二[代表者],教授 荒木 孝二, 助手・特別研究員 務台 俊樹, 技術官 吉川 功 大学院学生 藤田 幸介
選択性の高い分離・輸送系や光エネルギー変換系の構築を目的とした研究の一環として, 光やpH差を利用してキャリア分子の基質親和性のスイッチングをおこない, 高効率かつ高選択性の能動輸送系を実現する研究を進めている. 本年度は, 各種アルキルアミンの逆ミセルを超分子キャリアとするプロトン駆動型能動輸送の構築を行い,わずかなpH差で効率の良いアニオン能動輸送が起きることを見出し,その機構について検討した.

機能性金属錯体に関する研究(継続)
教授 荒木 孝二[代表者],教授 荒木 孝二, 助手・特別研究員 務台 俊樹 大学院学生 川口 聖司
遷移金属触媒による配位性アミド化合物からの効率の良いアミノ酸エステル生成反応について, 生体モデル反応という観点からの研究を行っている. 本年度は, テルピリジル配位部位を持つ新規な配位性アミド化合物のCu(II)触媒によるアミド加溶媒反応について, 活性種となる錯体の同定, 反応機構の検討などをさらに詳細に行い, 常温で極めて効率よく進む要因を解明した.

固体触媒を用いた新しい有機合成反応に関する研究(新規)
教授 荒木 孝二[代表者],助手・特別研究員 山川 哲, 教授 荒木 孝二
ゼオライトをはじめとする各種固体酸および固体塩基触媒を用いた新しい有機合成反応の開発を目的とし, メタノール, アリルアルコールなどを原料とする各種の有機合成反応について, 触媒の種類や反応条件などの最適化に向けた基礎的な検討をおこなった.

液体のガラス転移現象と水の熱力学異常の理論的研究(継続)
教授 田中 肇
液体はこれまで密度という秩序変数のみにより記述されると信じられてきたが, 我々は, 液体が局所的にエネルギーの低い構造(局所安定構造)を形成することを記述するために, 新しい秩序変数(ボンド秩序変数)の導入が必要であることを主張している. この液体の2秩序変数モデルは, 水の様々な熱力学異常を説明できるばかりでなく, 液体のガラス化とランダム磁性体のスピン・グラス化の間にアナロジーが成り立つことを示唆しており, 現在, 理論・数値シミュレーションの各面から研究を行っている.

液体のガラス転移現象と水の熱力学異常の理論的研究(継続)
教授 田中 肇
液体はこれまで密度という秩序変数のみにより記述されると信じられてきたが, 我々は, 液体が局所的にエネルギーの低い構造(局所安定構造)を形成することを記述するために, 新しい秩序変数(ボンド秩序変数)の導入が必要であることを主張している. この液体の2秩序変数モデルは, 水の様々な熱力学異常を説明できるばかりでなく, 液体のガラス化とランダム磁性体のスピン・グラス化の間にアナロジーが成り立つことを示唆しており, 現在, 理論・数値シミュレーションの各面から研究を行っている.

過冷却液体におけるドメイン形成
教授 田中 肇[代表者],教授 田中 肇, 助手 荒木 武昭, 大学院学生 又木 裕司
Triphenyl Phosphiteは, 融点19〜23℃, ガラス転移点−90℃前後の物質である. この物質を−60〜−50℃に急冷し過冷却状態にし放置すると, Glacial phaseと呼ばれる相が形成される. この相に関しては, アモルファス相説や微結晶説などの様々な説があるが, いまだ解明されていない点が多い. 我々は, 顕微鏡観察や透過光強度測定により, この相が光学的異方性を持つことをから, アモルファス相ではないことを示した.

計算機シミュレーションを用いた複雑流体の相分離現象(継続)
教授 田中 肇[代表者],教授 田中 肇, 助手 荒木 武昭
当研究室において, 高分子溶液系などの動的に非対称な系特有の全く新しい相分離様式が観測されることが実験的に見出され, それを粘弾性相分離現象と名付けた. この現象の起源や相分離メカニズムを明らかにするため, 粗視化した濃度場に対する相分離モデルを作成し, 数値シミュレーションを行った. その結果, 実験的に観測された相分離パターンの時間発展を定性的に再現することに成功し, その時間発展機構を明らかにした. その他, コロイド分散系や液晶系等に対する数値視ミュレーションも行っており, 複雑流体を用いた材料開発において, 有益な知見を与えるものと期待している.

位相コヒーレント光散乱法を用いた複雑流体の動的物性(継続)
教授 田中 肇[代表者],教授 田中 肇, 助手 荒木 武昭, 博士研究員 高木 晋作
媒質中に励起された様々なモードの熱ゆらぎによって散乱された光を分光する従来の動的光散乱法では, 熱励起ゆらぎの位相がランダムなためパワースペクトル(強度の情報)しか得られず, 位相の情報は失われる. 我々の開発した位相コヒーレント光散乱法では, 熱励起揺らぎに代わる様々なモードをレーザー光によってコヒーレントに励起し, 散乱光を位相も含めて検出するため, 実部と虚部からなる複素スペクトルを観測することができる. この手法を用いて, 液体二硫化炭素において, 7.6GHzという高周波の超音波を励起し, この超音波からの複素ブリュアン・スペクトルを観測することに成功した. この励起原理は他のモードにも容易に応用が可能で, 干渉縞にコヒーレントな温度分布の励起, あるいは偏光方向の変化による異方性分子の配向のコヒーレントな制御から, 対応するモードの複素スペクトルを観測できる.

高分子混合系相分離現象における粘弾性効果(継続)
教授 田中 肇[代表者],教授 田中 肇, 助手 荒木 武昭, 博士研究員 小山 岳人
これまで, 高分子混合系における相分離現象は, 流体モデルに属するものと言われてきた. しかしながら, 相図上深く温度クエンチした場合など, そのモデルでは説明できない相分離様式が現れることを新たに発見し, それが二つの成分間の粘弾性的性質の違い(動的非対称性)に起因するものと考え粘弾性相分離現象と名付けた. 現在, その相分離パターンの時間発展の分子量依存性やクエンチ温度依存性を中心にその構造形成の機構の解明を行っている. 実験手段としては, 顕微鏡像に対するデジタル画像解析法, 時分割光散乱法などを用いている.

リオトロピック液晶相転移における外場効果と動的相図(継続)
教授 田中 肇[代表者],教授 田中 肇, 助手 荒木 武昭, 大学院学生 礒部 衛
希薄な両親媒性分子水溶液の形成するリオトロピック液晶では, 格子定数が数100 nmにもおよぶ1次元の秩序を持つ状態を形成する. この系は, 非常に弱い相互作用により保持されているため, 流動場等の外場を加えることにより, 簡単に液晶相が融解したり, 構造が不安定化される. 本研究では液晶相間の相転移点近傍で, 流動場を1つの軸とした動的相図を作成した. 流動場下にある物理系は本質的に非平衡状態であり, 熱平衡状態で決定される静的相図と, この動的相図は物理的に全く異なる意味を持つ. すなわち, 動的相図を決定する要素には, 本来の静的相図においては意味のない, 粘性率・拡散定数・熱伝導率等の, 系の持つ動的な性質が本質的に重要になる.

レーザトラッピング法を用いた局所物性測定法の開発と応用(継続)
教授 田中 肇[代表者],教授 田中 肇, 助手 荒木 武昭, 大学院学生 岩下 靖孝
生物分野で知られるレーザーピンセットの原理はレーザーが屈折率の異なる微粒子を通過する際の運動量変化を反映した放射圧が微粒子に働く現象を利用したものである. 本研究ではこの技術を用いて高分子・液晶などのソフトマテリアルの局所的な力学的性質を探索するシステムを構築することを目的としている. 例えば, トラッピングビームのスキャンを用いて, 試料中に置かれた微粒子を振動させることにより, 試料のローカルなずり弾性率の測定を行うことができる. さらには2本のビームをコントロールすることにより, 界面張力, クーロン力などの測定等も試みる予定である.

高分子溶液の動的臨界現象における粘弾性効果
教授 田中 肇[代表者],教授 田中 肇, 助手 荒木 武昭, 大学院学生 田久保 直子
これまで二成分流体における動的臨界現象は, 静的な臨界現象と同じく構成物質の個性によらず普遍的なものであると考えられてきた. しかしながら我々は, 高分子溶液のように系を構成する二つの成分間の動的性質が大きく異なる場合には, その粘弾性的性質の差によって動的臨界現象の普遍性が破れるものと考え, 高分子分子量依存性を中心に, 動的光散乱法を用い研究を行っている.

過冷却液体におけるドメイン形成
教授 田中 肇[代表者],教授 田中 肇, 助手 荒木 武昭, 大学院学生 又木 裕司
Triphenyl Phosphiteは, 融点19〜23℃, ガラス転移点−90℃前後の物質である. この物質を−60〜−50℃に急冷し過冷却状態にし放置すると, Glacial phaseと呼ばれる相が形成される. この相に関しては, アモルファス相説や微結晶説などの様々な説があるが, いまだ解明されていない点が多い. 我々は, 顕微鏡観察や透過光強度測定により, この相が光学的異方性を持つことをから, アモルファス相ではないことを示した.

遷移金属カルコゲニドクラスターを担持した新規固体触媒の開発
教授 溝部 裕司[代表者],教授 溝部裕司, 技術官 大西 武士, 助手 清野秀岳 大学院生 鈴木 綱一
分子性の遷移金属クラスターについては,合成化学的手法を用いて望み通りの構造と組成をもつ多核構造を構築することが可能である.本研究では,架橋カルコゲニド配位子により強固に連結された金属多中心をもつクラスターを,その特異な骨格構造を保持したままで担体上に担持することにより,高い反応性を有する新規触媒の開発を目指す.

新規遷移金属反応場の高効率分子変換への利用
教授 溝部 裕司[代表者],教授 溝部 裕司, 助手 清野 秀岳, 大学院学生 國方 誠
有機金属錯体はその金属の種類や酸化状態, 金属中心を取りまく配位子の立体的および電子的効果などにより, その金属サイト上で多彩な化学反応を促進できる. 本研究では, 単核から多核にわたる様々な金属錯体について新規に設計・合成を行い, これら錯体上で進行する高効率・高選択的反応を検討することにより次世代の触媒の開発を試みる.

遷移金属−カルコゲニドクラスターの合成と利用
教授 溝部 裕司[代表者],教授 溝部 裕司, 助手 清野 秀岳, 技術官 大西 武士 大学院学生 長尾 正顕・藤井 俊平・篠崎 彩・藤村 友子
カルコゲン元素(第16族元素)配位子により架橋された強固な骨格をもつ遷移金属クラスターは, 生体内酵素活性部位モデル, 高活性触媒, 高機能性材料などとして幅広い学術的および工業的用途が期待される. 本研究では, 多様な遷移金属-カルコゲニドクラスターの一般性ある合成法を確立するとともに, 得られた新規化合物の詳細な構造と反応性の検討を行い, その高い機能の利用法を開発する.

遷移金属カルコゲニドクラスターを担持した新規固体触媒の開発
教授 溝部 裕司[代表者],教授 溝部裕司, 技術官 大西 武士, 助手 清野秀岳 大学院生 鈴木 綱一
分子性の遷移金属クラスターについては,合成化学的手法を用いて望み通りの構造と組成をもつ多核構造を構築することが可能である.本研究では,架橋カルコゲニド配位子により強固に連結された金属多中心をもつクラスターを,その特異な骨格構造を保持したままで担体上に担持することにより,高い反応性を有する新規触媒の開発を目指す.

真空工学に関する基礎研究
教授 岡野 達雄[代表者],教授 岡野達雄・助手 松本益明・技術官 河内泰三・研究員 小林正典
真空工学の基礎となる固体表面と分子の相互作用について研究を進めている.現在取り組んでいる課題は,(1)清浄超平坦化表面での分子散乱の研究を目標とした平坦化薄膜の製作と評価に関する研究,(2)表面散乱過程を利用した分子の回転配向制御についての理論的予測を実証するためのオルソ水素ビームの発生技術の開発,(3)コンダクタンス変調法による非蒸発ゲッタポンプの排気過程に関する研究などである.

超格子界面からの電界電子放射に関する研究
教授 岡野 達雄[代表者],教授 岡野 達雄・榊 裕之, 助教授 福谷 克之, 大学院学生 染谷英行
半導体超格子界面に局在する2次元電子系からの電界電子放射の研究を継続している.半導体/真空界面でのトンネル過程とトンネル電子のコヒーレンスと干渉現象の解明を目的として,電流ー電圧特性とエネルギー分析の測定を進めるための実験装置の開発を進めている.本年度は,界面の原子構造の観察と電界蒸発法による清浄化を行う電界イオン顕微鏡,超高真空へき開機構,半球型電子分光器の開発に取り組んだ.

放射光励起による内部転換電子放射の研究
教授 岡野 達雄[代表者],教授 岡野 達雄, 助教授 福谷 克之・小田 克郎, 助手 松本 益明, 技術官 河内 泰三
放射光励起内部転換電子放射の測定と表面すれすれ入射X線による核共鳴前方散乱測定を併用した固体表面の研究を進めている.ねじれベローズ型精密回転機構の開発により,超高真空装置内で10-4ラジアン以上の精度で試料表面を駆動することが可能となったことにより前方散乱配置での核共鳴X線散乱測定を,超高真空雰囲気で作成した資料表面について行うことができた.シリコン清浄表面に作成した鉄シリサイド薄膜での測定の結果,0.1nm程度の超薄膜についても十分高い計数率で時間発展スペクトルの測定が可能であることがわかった.また,低温金属表面に物理吸着したクリプトン層についても測定を行い,核共鳴非弾性散乱スペクトルの取得に成功した.

真空工学に関する基礎研究
教授 岡野 達雄[代表者],教授 岡野達雄・助手 松本益明・技術官 河内泰三・研究員 小林正典
真空工学の基礎となる固体表面と分子の相互作用について研究を進めている.現在取り組んでいる課題は,(1)清浄超平坦化表面での分子散乱の研究を目標とした平坦化薄膜の製作と評価に関する研究,(2)表面散乱過程を利用した分子の回転配向制御についての理論的予測を実証するためのオルソ水素ビームの発生技術の開発,(3)コンダクタンス変調法による非蒸発ゲッタポンプの排気過程に関する研究などである.

超音波精密計測に関する研究
教授 高木 堅志郎[代表者],教授 高木 堅志郎(代表者), 助教授 酒井 啓司, 技術専門官 小久保 旭,日本学術振興会特別研究員 山本 健
液体および固体中の超音波に関する新しい計測法と映像法の研究を行っている. 薄膜中の音波伝搬測定のために, 新しい計測法であるパルス・スペクトラム法の開発を行った. またゼロクロス追尾法を利用して, 細管に用いる超音波微小流量計を開発している. 特に今年度はアガロースなどのゲル状物質において,表面波とバルクのずり波の結合モードが伝搬する様子を可視化することに成功した.

フォノンスペクトロスコピーと物性研究
教授 高木 堅志郎[代表者],教授 高木 堅志郎(代表者), 助教授 酒井 啓司,助手・特別研究員 坂本 直人, 大学院学生 小俣 一由
光散乱法, パルス法などの手法を用いて物質中のフォノンの位相速度と減衰を測定し, 液晶・溶液・ゲル・生体系など複雑流体のダイナミックな物性の研究を行っている. 本年度は当研究室で独自に開発した光ビート分光ブリュアン散乱装置を応用した新しい分子緩和測定手法の開発に着手した. これは分子の内部自由度が熱揺動によって運動する際に弾性歪みとカップリングする効果を光散乱法により直接観察するものである.これにより従来多くの超音波測定手法を相補的に組み合わせて得ていた弾性緩和スペクトルを一度の測定で観察することができる.分子会合によるMHz域の緩和を示す液体について測定されたスペクトルは,理論計算から予想される結果とよく一致した.

リプロンスペクトロスコピーと液体表界面の物性研究
教授 高木 堅志郎[代表者],教授 高木 堅志郎(代表者), 助教授 酒井 啓司, 助手・特別研究員 坂本直人, 大学院学生 本多 浩大
液体表面を伝搬する高周波表面波の挙動を広い周波数帯域にわたって測定することにより, 表・界面の動的な物性を調べることができる. この技術をリプロンスペクトロスコピーと呼んでいる. 本年度はサーマルリプロンを測定する広帯域リプロン光散乱法をさらに高性能化し, 純水などの単純液体表面で40MHzを超える周波数領域でのリプロン測定を可能にした. これは我々自身が持つ記録を一桁近く拡張する世界最高性能の装置である. また光ヘテロダイン信号の処理に大容量メモリと相関計算を導入することにより,高い時間分解能でのリプロンスペクトルを得ることが可能になった.これによりmsのオーダーで刻々変化する液体表面分子の状態を実時間でモニターすることができる.

音響位相共役波の研究
教授 高木 堅志郎[代表者],教授 高木 堅志郎(代表者), 助教授 酒井 啓司, 技術専門官 小久保 旭,日本学術振興会特別研究員 山本 健
弾性波と電場の非線形相互作用を利用した音響位相共役波の発生, およびそのデバイスへの応用の研究を行っている. 位相共役波とは, 任意の入射波に対して周波数と位相を保存し, 伝搬方向を逆転させた波である. 光学における位相共役波の研究は非常に盛んであるが, 超音波の位相共役波についての研究はまだ例が限られている. 我々はセラミック圧電材料を用いることにより音響位相共役波を高効率で発生させることに成功している. 本年度は, 新しい位相共役鏡の材料としてレラクサー強誘電体結晶に着目し,音響位相共役波への変換効率の評価を行った.これにより従来のセラミクス素子より1桁高い効率が期待できる.

超音波精密計測に関する研究
教授 高木 堅志郎[代表者],教授 高木 堅志郎(代表者), 助教授 酒井 啓司, 技術専門官 小久保 旭,日本学術振興会特別研究員 山本 健
液体および固体中の超音波に関する新しい計測法と映像法の研究を行っている. 薄膜中の音波伝搬測定のために, 新しい計測法であるパルス・スペクトラム法の開発を行った. またゼロクロス追尾法を利用して, 細管に用いる超音波微小流量計を開発している. 特に今年度はアガロースなどのゲル状物質において,表面波とバルクのずり波の結合モードが伝搬する様子を可視化することに成功した.

電解コンデンサ用ニオブおよびニオブ合金電極材料の研究(新規)
教授 七尾 進[代表者],教授 七尾 進・助手 中村 哲也,渡辺 康裕・大学院生 平井栄樹
現在タンタルコンデサが高性能電解コンデンサとして使用されているが,タンタルは高価である上に資源的な不安定要素を抱えている.タンタルを代替する電解コンデンサ電極材料としてニオブが注目を集めているが,その誘電体被膜には温度的,耐電圧的不安定要素が存在し本格的実用化に至っていない.この欠陥を克服すべく,ニオブに合金元素を添加し液体急冷法によって微細組織化した新しい電極材料の研究を開始した.

軟X線磁気円二色性を使った磁気構造の研究(新規)
教授 七尾 進[代表者],教授 七尾 進・助手 中村 哲也・大学院生 宮川 勇人
磁気異方性は磁性材料の機能を制御する上で最も重要な性質である.磁気モーメントの軌道成分は磁気異方性の起源であり磁性材料設計に非常に重要な要素であるが,従来の実験手法では磁気モーメント全体から軌道成分の寄与を分離評価することはできなかった.本研究室では,磁性材料として重要な2種類の希土類ー遷移金属合金(DyCo5, SmFe2)について,新たに軟X線磁気円二色性の実験を行い,その軌道成分の抽出に成功し,磁気構造に関する重要な知見を得た.

共鳴X線発光分光によるRh化合物の電子状態の研究(新規)
教授 七尾 進[代表者],教授 七尾 進・助手 中村 哲也・大学院生 平井 栄樹
共鳴X線発光分光はX線光電子分光やX線吸収分光の情報を完全に包含するうえに,より詳細な電子状態の情報が得られるため,新たな電子構造解析手段として注目を集めているが,実験例が少なく基礎的実験データの蓄積が求められている.そこでRh化合物(Rh,Rh2O3,RhCl3,Rh(CH3COO)2)についてLβ2,15発光の共鳴スペクトルを系統的に測定した.Rh金属を除く化合物のスペクトルにおいては複数のピークの存在が観測された.そのうちRh2O3,RhCl3のピークはDV-Xα分子軌道計算によりt2gとt2g*によることを確認した.

準結晶の高分解能コンプトン散乱測定(継続)
教授 七尾 進[代表者],教授 七尾 進・助手 渡辺 康裕・大学院生 田村 純平
コンプトン散乱測定は物質中の伝導電子に関する定量的な測定が可能な唯一の測定手法である.放射光を用いたコンプトン散乱測定では伝導電子に関する様々な情報を得ることができる.我々はSPring-8,BL08Wにおいて準結晶の伝導電子に関する測定を系統的に行っている.これまでに,Cd系,Al系準結晶の測定を終えた.これまでの成果は,@d-AlNiCo準結晶はHume-Rothery則から外れる合金系であること,A[11000]入射及び[00002]入射のコンプトン散乱プロファイル間に異方性が現れ,フェルミ面と擬ブリルアンゾーンの相互作用から理解できること,BAl系,Cd系共にs-d混成が顕著に生じていること,を明らかにしたことである.

準結晶のBreak Junction によるトンネル分光測定(継続)
教授 七尾 進[代表者],教授 七尾 進・助手 渡辺 康裕・大学院生 田村 純平
準結晶中の伝導電子は,準周期的な原子配列を反映して@弱局在化傾向にある伝導電子の存在,A電子状態密度のフェルミ準位付近に幅数百meV程度の擬ギャップ存在,などの準結晶特有の挙動を示すと考えられている.しかしながら,これらの準結晶特有の電子構造は微細であるため測定が非常に困難である.Break Junction法とは液体ヘリウム温度で試料を破断させ,その破断面をトンネル接合としてトンネル分光測定を行う手法である.この測定手法の利点は,トンネル接合作製から測定にいたる一連の操作を液体ヘリウム温度で行うため,試料表面の汚染を避けた測定が可能である点である.これは微細な電子構造を捉えるためには大きな利点となる.これまでの成果は,@幅数meV程度の擬ギャップの存在の確認,A幅約60meVの擬ギャップの存在の確認,B1/1AllMnSi近似結晶系で幅20meVの擬ギャップを初めて明確に観測した,ことである.これらは準結晶特有の電子構造を捉えていると考えられる.

3次元準結晶合金のX線構造解析(継続)
教授 七尾 進[代表者],教授 七尾 進・助手 渡辺 康裕・大学院学生 田村 純平,宮川 勇人
Zn-Mg-Ho系F型3次元準結晶の単結晶を作成し,これを用いて放射光を用いたX線構造解析を行った.Ho吸収端におけるX線異常散乱実験を行い,通常の散乱の数%しかない異常散乱効果を精度良く測定した.今回測定した系は非常にP型に近いF型であり,パターソン解析から,6次元の超立方格子の格子点,体心,辺の中央に占有領域があることが判明した。

Al-Pd-Ru系準結晶合金の高温回折測定(新規)
教授 七尾 進[代表者],教授 七尾 進・助手 渡辺 康裕・大学院学生 田村 純平,森岡 稔博
準結晶の安定性の起源として,ランダムタイリングモデルがひとつの有力なモデルとして提唱されている。これの実証のために,Debye-Waller因子の高温における効果を測定した。この系では,高温での相変態が観測されていないにもかかわらず,500℃から600℃の間で熱ヒステリシスをともなう変化が観察された。ランダムタイリングではこの変化は説明できない。何らかの新しい相変化が起こっていると考えられる。

電解コンデンサ用ニオブおよびニオブ合金電極材料の研究(新規)
教授 七尾 進[代表者],教授 七尾 進・助手 中村 哲也,渡辺 康裕・大学院生 平井栄樹
現在タンタルコンデサが高性能電解コンデンサとして使用されているが,タンタルは高価である上に資源的な不安定要素を抱えている.タンタルを代替する電解コンデンサ電極材料としてニオブが注目を集めているが,その誘電体被膜には温度的,耐電圧的不安定要素が存在し本格的実用化に至っていない.この欠陥を克服すべく,ニオブに合金元素を添加し液体急冷法によって微細組織化した新しい電極材料の研究を開始した.

Al2O3-Ti(C,N)複合セラミックスの開発(継続)
教授 林 宏爾
切削工具用Al2O3- Ti(C,N)複合セラミックスについて,これまで室温機械的特性を明らかにしてきているが,本年度は,重要な被加工材である鋼に対する化学反応性を,焼結温度・時間との関係で明らかにした.

包析反応の遅滞現象に対する新仮説「核ー縁組織の核内の拡散寄与型原子空孔不足」の提唱(継続)
教授 林 宏爾
MnドープしたFeSi2は,高温相であるFeSiおよびFe2Si5との包析反応およびFe2Si5の分解によって生じ たSiとFeSiとの包析反応によって生じるとされているが,いずれの包析反応も極めて遅く200時間程度の高温加熱でもほとんど進行しない.類似組織の他の合金系でも同様な現象が見られる.このような包析反応の遅滞の機構として, 新仮説「核ー縁組織の核内の拡散寄与型原子空孔不足」を提唱してきていたが,本年度は有力な実験的証拠を得た.

高配向性板状WC粒からなる新型超硬合金の研究(継続)
教授 林 宏爾
切削・耐摩工具用のWC基超硬合金におけるWCの粒子形状は,結晶系を反映して,三角柱となる傾向にあるが,通常は,そのアスペクト比はほぼ1に近い.しかし,原料粉として,通常のWC粉の 代わりにW+C混合粉を用いると,アスペクト比が約0.3の板状三角柱となり,かつその板面がかなり一方向に配向した合金が得られる.このような合金の室温機械的性質は,通常の合金に比べて優れることを明らかにしている.本年度は,本系合金の高温機械的性質を前年度に続いて詳細に明らかにした.

Al2O3-Ti(C,N)複合セラミックスの開発(継続)
教授 林 宏爾
切削工具用Al2O3- Ti(C,N)複合セラミックスについて,これまで室温機械的特性を明らかにしてきているが,本年度は,重要な被加工材である鋼に対する化学反応性を,焼結温度・時間との関係で明らかにした.

粉末粒子の基板付着の機構に関する研究(継続)
教授 林 宏爾[代表者],教授 林 宏爾・大学院生 桜林太郎
粉末粒子は,それが置かれている基板に付着することがある.その原因は,粉末と基板間の静電気力であるとされているが,必ずしもそれだけでは付着の有無を説明できず,詳細な付着条件は分かっていないのが現状である.前年度に引き続き,粉末粒子の大きさ,基板材種,雰囲気の湿度と温度などを総ての要因を考慮し,さらに基板表面電位と粒子荷電量を測定し,付着条件を検討した.

新炭窒化物Cr (C,N)粉末の合成の研究(継続)
教授 林 宏爾[代表者],教授 林 宏爾 ・技術官 田中和彦
周期律表VI族の遷移金属のMoとWの炭窒化物は従来合成されたことが無い.これは,MoNとWNは原子の拡散が活発となる高温では常圧下で不安定な化合物であることに基づく.Le Chatelierの原理, Ostwald's step rule for chemcal reactionなどに基づくと,W(C,N)とMo(C,N)は,W+C, Mo+C混合粉末の高圧窒素ガス加熱およびW, MoのCH4+NH3混合ガス中加熱により合成可能であるとを予測し,実際合成可能であることをこれまでに明らかにしている.本年度は,同じVI族のCrの炭窒化物の創製を試みた.

焼結硬質材料の破壊靭性を破面面積と曲げ強さから求める新方法の開発(継続)
教授 林 宏爾[代表者],教授 林 宏爾・技術官 簗場 豊
サーメットやセラミックスなどの硬質材料については,曲げ破壊試験によって生じる破片の破面面積(Smf)は,曲げ強さ(sm)と破壊靭性(KIC)との間に,sm=Y・KIC・Smf1/2の関係があることを理論的に導出すると共に,本式は各種の硬質材料に対して適用しうることを実験的検証してきている.本年度は,破壊靱性が著しく高い材料である熱間工具鋼に対しても本式が適用出来ることを明らかにした.

粉末粒子の基板付着の機構に関する研究(継続)
教授 林 宏爾[代表者],教授 林 宏爾・大学院生 桜林太郎
粉末粒子は,それが置かれている基板に付着することがある.その原因は,粉末と基板間の静電気力であるとされているが,必ずしもそれだけでは付着の有無を説明できず,詳細な付着条件は分かっていないのが現状である.前年度に引き続き,粉末粒子の大きさ,基板材種,雰囲気の湿度と温度などを総ての要因を考慮し,さらに基板表面電位と粒子荷電量を測定し,付着条件を検討した.

地震地すべりの調査と地盤大変形の解析
教授 小長井 一男[代表者],教授 小長井 一男,大学院生 Jorgen Johansson, 沼田 宗純
火山屑砕物の堆積した斜面の崩壊は,その流下距離の大きいことで知られ,極めて悲惨な災害に繋がる.2001年1月13日に発生したエルサルバドル地震では,この地震の被害者の半分以上がLas Colinas一箇所の地すべりによるものである.この被害の実態を現地で調査するとともに,詳細な解析を新たな大変形解析手法(LPFDM)で実施している.

ディジタルホログラムによるセキュリティーデータ通信・ディスプレイ
教授 黒田 和男[代表者],教授 黒田 和男, 助教授 志村 努, 助手・特別研究員 的場 修, 技術官 千原 正男・小野 英信
近年,CCDセンサーおよび液晶ディスプレイの画素数の増加により,ディジタルホログラムによる3次元画像の計測,ディジタル再生,認識などの研究が盛んに行われている.本研究では,2重ランダム位相暗号化法による暗号化画像をディジタルホログラムとして記録し,それを実時間再生可能なデータ通信に用い,データ保護機能を有する2次元,3次元ディスプレイの構築を目指している.受信側では,あらかじめ送られた暗号化マスクのディジタルホログラムを用い,光学系で再生する.原理確認実験により,正しい鍵マスクを用いた場合に元画像が再生されることを確認した.

カスケード2次非線形光学効果を用いたフェムト秒光パルス圧縮(継続)
教授 黒田 和男[代表者],教授 黒田 和男,助教授 志村 努,助手 芦原 聡,大学院学生 仁科 潤
カスケード非線形光学効果を用いた超短光パルス制御の研究を行っている.とくに,カスケード非線形効果を利用した従来にない,コンパクトかつ高性能なパルス圧縮システムの開発を目指している.本年は特に,Frequency-resolved optical gating 法(FROG法)により圧縮パルスの波形を測定しながらシステムを最適化し,ベータほう酸バリウムBBO非線形結晶のみを用いて高エネルギーパルスを40フェムト秒にまで圧縮することに成功した.本システムでは,回折格子対などの分散素子が不要となり,システム構成を著しく簡素化することができる.

強誘電体周期分極反転素子の作成
教授 黒田 和男[代表者],教授 黒田 和男,助教授 志村 努,助手 芦原 聡,大学院学生 仁科 潤・池田 学
高機能な波長変換およびカスケード非線形光学素子の実現を目指し,ニオブ酸リチウムおよびタンタル酸リチウムの分極反転素子の作製を行っている.ミクロンオーダーの周期電極のパターニング,およびそれに続く電場印加法により分極反転を行った.光学顕微鏡による分極反転パターンの観察,および第2高調波発生による評価実験を行っている.

量子井戸フォトリフラクティブ素子(継続)
教授 黒田 和男[代表者],教授 黒田 和男・荒川 泰彦,助教授 志村 努,講師 染谷 隆夫,助手 西岡 政雄,大学院学生 岩本 敏
半導体量子井戸フォトリフラクティブ(PRQW)素子は,高速・高感度の特徴から光パルス整形への応用が検討されている.しかし,素子の感度波長帯域が狭い(4-5nm)ことが問題であった.我々は結合量子井戸構造を用いてPRQW素子の帯域を拡げる新たな方法を提案し,数値計算により従来構造に比べて高い回折効率と広い帯域が得られることを示した.実際に作製した結合量子井戸構造を持つPRQW素子の回折効率は0.36%,回折スペクトルの半値全幅12nmであり,従来構造のPRQW素子の実験結果と比較して3倍以上の回折効率と3倍近い帯域が得られた.

半導体ナノ構造の研究(5)−形成技術と構造評価−
教授 榊 裕之[代表者],教授 榊 裕之, 助教授 高橋 琢二, 助手 野田 武司, 技術官 川津 琢也・島田 祐二, 博士研究員 遊佐 剛, 大学院学生 近藤 直樹, 協力研究員 小柴 俊・田中 一郎
nm級の超薄膜に加えて, 量子細線や量子箱構造を分子線エピタキシーや先端リソグラフィ法で形成し, その形状や組成を原子スケールで評価し, 新しい電子材料・光学材料としての可能性を探索している. 特に, (1)結晶の(111)主軸から傾斜させた基板上での多段原子ステップの形成とそれを用いたGaAs/AlGaAs多重量子細線構造の形成とその構造評価, (2)メサ(台地)構造を持つ基板の上への細線の選択成長と均一性の評価を進めた. また, (4)GaAs結晶上にInAs系の島状結晶を堆積させ, 10 nm級の量子箱を形成し, FETメモリーや光素子への応用可能性を示している. これらの構造評価には, 原子間力顕微鏡, 蛍光線の線幅や電子移動度および磁気抵抗振動の計測と解析を総合的に活用すべきことを示している.

半導体ナノ構造の研究(1)−電子状態と物性の解明と制御−
教授 榊 裕之[代表者],教授 榊 裕之・荒川 泰彦・平川 一彦, 助教授(東京大)高橋 琢二・秋山 英文, 助手 野田 武司, 技術官 川津 琢也, 博士研究員 M. Lachab・遊佐 剛, 大学院学生 近藤 直樹・松岡 和・高田 泰彦, 協力研究員 井下 猛・田中 一郎・小柴 俊・Ph. Lelong・山内 美如, 教授(カリフォルニア大)S.J. Allen, 主任研究員(仏CNRS-ENS)G. Bastard
10ナノメートル級の半導体超薄膜を積層化したヘテロ構造やSiMOS構造内の極薄チャネルでは, 電子の量子的波動性が顕在化し, 新しい物性や機能が現われるので, 種々のデバイスの高性能化や高機能化に利用できる. 本グループは, これら超薄膜に加え, 量子細線や量子箱(ドット)構造を対象に, 電子の制御法の高度化と新素子応用の探索を進めている. 特に, 超薄膜の端面に形成するエッジ細線や, 結晶の微傾斜面上の原子ステップを活用した量子細線に加えて, 自己形成法で得られるInAs量子箱やナノ探針で誘起したドットなどを中心に, 電子の量子状態を理論解析するとともに, レーザ分光・フーリエ分光・コンダクタンス分光・サイクロトロン共鳴による解明を進めている.低次元の電子や励起子の量子状態, 電子の散乱・拡散・トンネル透過・緩和などの過程や, 電子正孔対の束縛・解離・再結合過程の特色や制御法に関し, 新しい知見を得た.特に,正孔を捕えたドットの周辺を電子がリング状に周回する系の特色を明らかにした.

半導体ナノ構造の研究(2)−高性能ヘテロFET・超微細MOSFETと新電界効果素子−
教授 榊 裕之[代表者],教授 榊 裕之, 助手 野田 武司, 技術官 川津 琢也, 博士研究員 遊佐 剛, 教授(フィンランド国立技研(VTT))J. Ahopelto, 大学院生(VTT)M. Prunilla
AlGaAs/GaAsなどのヘテロ構造を用いた超高速FETとSiO2/Si 構造を用いたMOSFETは, 電子工学の最重要素子のひとつである. これらの10nm級の伝導層を用いたFETと関連素子の高機能化と高性能化の研究を進めている. 特に, ヘテロ系FETに関しては, チャネル近傍に電子を捕縛する量子箱を埋め込んだ素子のメモリー機能や電子散乱の解明, 傾斜基板上のステップに沿う結合量子細線をチャネルとするFETの開発, さらにInGaAsやGaAs系ダブルヘテロ系FETの容量・電圧特性や移動度に関する研究を進めた. また, 絶縁基板上の Si 超薄膜をチャネルとするSOI型MOSFETや窒化物を用いたFETについても, 電子や正孔の量子状態や界面凹凸散乱などを明らかにする研究を行っている.

半導体ナノ構造の研究(3)−トンネル素子と単電子素子−
教授 榊 裕之[代表者],教授 榊 裕之, 助手 野田 武司, 技術官 川津 琢也, 博士研究員 遊佐 剛, 教授(カリフォルニア大)S. J. Allen
トンネル障壁を2重に設けた素子構造では, (1)特定波長の電子波が共鳴的にトンネル透過したり,(2)2枚の障壁間に蓄積される電子の静電的な作用で伝導が抑制されることがあり,その応用可能性を探っている.特に, 自己形成InAs量子箱を埋め込んだGaAs/AlGaAs二重障壁ダイオードを対象零次元電子の関与した共鳴トンネル効果とヘテロFETのチャネルの近傍にInAs量子箱を埋め込んだ素子において単一の電子の捕捉とメモリーや光検出器応用の検討を進めている. また, 20 nm程の周期の界面凹凸を持つヘテロ接合に量子ポイント構造を作り込み,弾道伝導が量子化コンダクタンスと大きくずれることなどを見出した. さらに, 収束形の静電界の作用で量子井戸中に零次元状態や一次元状態を誘起した時の電子の量子状態とそれを介する伝導の特色を検討した.

半導体ナノ構造の研究(4)−光学的性質とフォトニクス素子応用−
教授 榊 裕之[代表者],教授 榊 裕之, 助手 野田 武司, 大学院学生 近藤 直樹・松岡 和, 助教授(東京大物性研)秋山 英文, 博士研究員 M. Lachab・遊佐 剛, 協力研究員 井下 猛・小柴 俊・天内 英隆, 教授(カリフォルニア大)S. J. Allen, 主任研究員(仏CNRS-ENS)G. Bastard, 教授(フィンランド国立技研)J.Ahopelto
先端的な光エレクトロニクス素子用の材料として注目されている量子井戸, 量子細線, 量子箱について, その光学特性を調べ, その素子応用を探索している. 特に, 10 nm級の寸法のInAs量子箱に赤外光を照射した時の電子の占有状態の変化を調べ, 光書き込みメモリーや光検出器としての特性の検討を続け,単一光検出のための素子設計を進めている.また, 各種の量子箱構造について光吸収や蛍光スペクトルとその電界依存性を解析し, 光変調器への応用可能性を探っている.さらに,テラヘルツ光照射時の歪誘起量子箱の蛍光特性の特異な変化から, 箱内の準位間の緩和過程を議論した. さらに量子井戸の端面に形成したGaAs/AlGaAs系のT型量子細線やステップ型量子細線の理論計算と光学計測により, 一次元励起子の束縛エネルギーや不均一性の効果などを検討した.

半導体ナノ構造の研究(5)−形成技術と構造評価−
教授 榊 裕之[代表者],教授 榊 裕之, 助教授 高橋 琢二, 助手 野田 武司, 技術官 川津 琢也・島田 祐二, 博士研究員 遊佐 剛, 大学院学生 近藤 直樹, 協力研究員 小柴 俊・田中 一郎
nm級の超薄膜に加えて, 量子細線や量子箱構造を分子線エピタキシーや先端リソグラフィ法で形成し, その形状や組成を原子スケールで評価し, 新しい電子材料・光学材料としての可能性を探索している. 特に, (1)結晶の(111)主軸から傾斜させた基板上での多段原子ステップの形成とそれを用いたGaAs/AlGaAs多重量子細線構造の形成とその構造評価, (2)メサ(台地)構造を持つ基板の上への細線の選択成長と均一性の評価を進めた. また, (4)GaAs結晶上にInAs系の島状結晶を堆積させ, 10 nm級の量子箱を形成し, FETメモリーや光素子への応用可能性を示している. これらの構造評価には, 原子間力顕微鏡, 蛍光線の線幅や電子移動度および磁気抵抗振動の計測と解析を総合的に活用すべきことを示している.

化学物質による生物・環境負荷の総合評価手法の開発
教授 迫田 章義[代表者],教授 迫田 章義, 講師 酒井 康行
肝細胞などの動物細胞系に有機塩素化物, 重金属, 農薬などの環境汚染物質を負荷し, その増殖阻害や機能阻害などを指標として毒性評価を行っている. 本研究は様々な研究機関との共同研究であり, 本邦では類を見ない大規模な培養細胞による化学物質毒性データベースを構築しつつあり, バイオアッセイによる水環境管理に大きな指針を与えることになろう.

水中溶存オゾンの吸着を利用する新しい水処理技術の開発
教授 迫田 章義[代表者],教授 迫田 章義, 技術官 藤井 隆夫 大学院学生 藤田 洋崇
シリカ系吸着剤には水中溶存オゾンに高い吸着性を有するものがある. しかも, 吸着されたオゾン分子は自己分解が抑制されることから, バルク水中よりもはるかに高密度で長時間の貯蔵が可能である. また, 有機物とオゾンが高濃度に濃縮されて共吸着する場合には, バルク水中に比べて非常に大きな有機物の酸化速度となる. これら現象の基礎と水処理への応用の検討を行っている.

バイオマスリファイナリーをめざしたフルフラールの分離精製
教授 迫田 章義[代表者],教授 迫田 章義, 技術官 野村 剛志,助手 下ケ橋雅樹 大学院学生 清水 健介
物質資源として再生可能資源であるバイオマスで石油の代替を行おうというバイオマスリファイナリー構想においてフルフラールは中心的な物質となろう. その分離精製法に関して現状の材料とプロセスの全体像を把握すると共に, その理解に基づいてエネルギー消費を現状に比べて大幅に削減することを可能にする独自の分離精製法を開発することを最終的な目的として, パーベーパレーションによる省エネルギー型の同時反応分離プロセスの開発を行っている.

新しい水処理のためのCarbon Whisker膜の開発
教授 迫田 章義[代表者],教授 迫田 章義, 技術官 野村 剛志 日本学術振興会特別研究員 李 元堯, 大学院学生 べー 尚大
Whisker膜(CWM)の開発を行っている. この新規の機能性炭素系膜は, セラミックス等の単体の上に炭素の膜が形成され, さらに設計した面密度で直径数ミクロンの炭素のヒゲを有している. このような構造から, 例えば水中の揮発有機物(VOC)の除去や微生物分離等の新しい水処理技術への応用が有望と考えられ, 材料とプロセスの同時開発を進めている.

活性炭膜を用いた小規模分散型浄水処理法の開発
教授 迫田 章義[代表者],教授 迫田 章義, 技術官 野村 剛志
今日一般に行われている排水処理および浄水処理は, いずれも多種の汚染物質を除去対象とするため, 複数の単位分離操作(沈澱, 濾過, 吸着など)を組み合わせる必要があり, このことにより水処理装置・設備は大規模にならざるを得ない. そこで, 小形で簡便な一括処理の実用化を念頭に置いて, これを可能にすると思われる活性炭膜とそれを用いる新しい水処理プロセスの開発を行っている. これまでに, 独自の技法である微粒子凝集法による活性炭膜を試作・開発している.

吸着式天然ガス貯蔵のための技術開発
教授 迫田 章義[代表者],教授 迫田 章義, 技術官 藤井 隆夫
エネルギー供給の効率化や石油代替エネルギーの利用が重要となっており, 簡便かつ有効な新規のエネルギー環境技術の開発が急務となっている. 本研究の目的は, 天然ガス導入を促進するために, 従来の天然ガス貯蔵方法よりも高密度かつ安全な貯蔵方法を提案・開発することである. 本年度, 吸着剤を利用した天然ガスの吸着貯蔵を提案し, 小型実験装置による実験と簡便な数理モデルを用いた計算機シミュレーションによる検討を開始した.

高温高圧水処理による未利用素材の資源化
教授 迫田 章義[代表者],教授 迫田 章義, 技術官 鶴 達郎,助手 下ケ橋雅樹 日本学術振興会特別研究員 申 鎭壽
生産活動から環境への汚濁負荷の削減と資源の有効利用の観点から, 廃棄物を「ごみ」として処分するのではなく「未利用素材」として有効に利用する技術の確立が望まれている. ここでは, 各種未利用素材からの有用物質の合成・抽出に対し, 水熱反応に代表される高温高圧(超/亜臨界)水反応の利用を目的として, 種々の原料および反応条件に対する生成物・素反応に関するデータベースの構築を行ない, 反応残滓を含めた用途開拓を試みることでトータルとしての再資源化に関する検討を行なっている. また, 水熱反応と物理的な粉砕の双方が期待できる蒸煮爆砕処理の導入や大量処理を念頭に置いた超/亜臨界水連続処理プロセスの開発を連携することで, 未利用素材の資源化プロセスの設計・構築に資する知見の集積を行なっている.

化学物質による生物・環境負荷の総合評価手法の開発
教授 迫田 章義[代表者],教授 迫田 章義, 講師 酒井 康行
肝細胞などの動物細胞系に有機塩素化物, 重金属, 農薬などの環境汚染物質を負荷し, その増殖阻害や機能阻害などを指標として毒性評価を行っている. 本研究は様々な研究機関との共同研究であり, 本邦では類を見ない大規模な培養細胞による化学物質毒性データベースを構築しつつあり, バイオアッセイによる水環境管理に大きな指針を与えることになろう.

生分解性プラスチックの設計と合成
教授 畑中 研一[代表者],教授 畑中 研一, 助手・特別研究員 粕谷 マリアカルメリタ, 技術官 奥山 光作
目的に合った物質特性を有する高分子材料に生分解性を付与していこうとする積極的な立場で新素材開発に取り組んでいる. 本研究では, 種々の高分子材料の分子鎖中にオリゴ糖鎖を組み込み, 材料本来の物性を損なうことなく分解性を付与していくことを目標としている.

ポリアニオンによる線維芽細胞増殖因子の活性制御
教授 畑中 研一[代表者],教授 畑中 研一, 助手・特別研究員 粕谷 マリアカルメリタ, 大学院学生 奥田 章博
線維芽細胞増殖因子(FGF)はグリコサミノグリカンなどの硫酸化多糖によって活性化される. 本研級では, 精密に合成した硫酸化糖質高分子(硫酸化O−グルコシルエチルメタクリレートポリマー)とFGFとの相互作用を分子レベルで調べることによって, 化学構造と生化学的機能の相関を明らかにしている.

ヌクレオシドを有するポリマーと細胞膜表面の糖転移酵素との相互作用
教授 畑中 研一[代表者],教授 畑中 研一, 助手・特別研究員 粕谷 マリアカルメリタ, 大学院学生 谷地 義秀
糖転移酵素は糖ヌクレオチドの糖鎖部分を受容体糖鎖上に転移する. 本研究では, 細胞膜表面のガラクトース転移酵素を利用して, ウリジン, ガラクトース, N−アセチルグルコサミンを有するポリマー上への特異的な細胞接着および細胞移動などに関して調べている.

シーケンスを精密制御したヘテロ多糖の合成
教授 畑中 研一[代表者],教授 畑中 研一, 助手・特別研究員 粕谷 マリアカルメリタ, 技術官 奥山 光作
天然多糖にはグリコサミノグリカンやプルランのようにオリゴ糖単位の繰り返し構造を持つものがある. 本研究では, 酵素の力を借りない化学反応のみでシーケンスを精密制御したヘテロ多糖を合成している. 位置特異的な保護基の導入と重縮合反応を組み合わせることにより可能となるが, 高分子量の多糖を得ることが課題である.

糖鎖プライマーを用いた細胞による糖鎖生産
教授 畑中 研一[代表者],教授 畑中 研一, 助手・特別研究員 粕谷 マリアカルメリタ, 大学院学生 渡邊 洋介
長鎖アルキルアルコールのグリコシド(糖鎖プライマー)を培地中に添加して細胞を培養すると, 糖鎖プライマーは細胞の中に取り込まれ, 糖鎖伸長を受けた後に培地中に出てくる. 本研究では, 長鎖アルキルの末端にアジド基や二重結合などの官能基を導入した糖鎖プライマーを用いて, 細胞内における糖鎖伸長を観察し, 糖質高分子の構築を試みている.

体外循環による血中病原性微粒子除去システムの開発
教授 畑中 研一[代表者],教授 畑中 研一, 助手・特別研究員 粕谷 マリアカルメリタ, 大学院学生 宮川 淳
血液透析膜を用いて血中の病原性細菌やウイルスを選択的に吸着・除去する装置を開発することを目的としている.具体的には,化学合成した糖質高分子や細胞を用いて合成したオリゴ糖鎖(病原性微生物や病原性たんぱく質に特異的に結合するもの)を元に調製される糖質高分子を中空糸に固定化し,血液の体外循環によって,血中の病原性微粒子濃度を著しく低下させる装置を開発している.血中の病原体数を減少させることにより,その後の治療効果を上げると考えられ,抗生物質の過大投与を避けることも可能となる.

生分解性プラスチックの設計と合成
教授 畑中 研一[代表者],教授 畑中 研一, 助手・特別研究員 粕谷 マリアカルメリタ, 技術官 奥山 光作
目的に合った物質特性を有する高分子材料に生分解性を付与していこうとする積極的な立場で新素材開発に取り組んでいる. 本研究では, 種々の高分子材料の分子鎖中にオリゴ糖鎖を組み込み, 材料本来の物性を損なうことなく分解性を付与していくことを目標としている.

量子ナノ構造の超微細加工プロセス
教授 平川 一彦[代表者],教授 平川一彦(代表者), (東大)小宮山進・助手 島田洋蔵・協力研究員 李 承雄, 川口 康・大学院学生 Minkyung Jung
量子ナノ構造電子材料系は, 高性能光・電子デバイスの根幹となる材料系であり, ますますその重要性を増しつつある. 我々は, 半導体表面・ヘテロ接合界面におけるミクロな電子構造の解明と制御, また原子レベルでの超微細加工プロセスの研究を行っている. 本年度は, (1)引き続き自己組織化InAs量子ドットの成長プロセスに関して検討を行うとともに,(2)単一分子エレクトロニクスを視野に入れた超微細電極作製の検討を開始し,エレクトロマイグレーション効果を用いたブレークジャンクション法により,数nmのギャップを有する電極の作製に成功した.

テラヘルツ電磁波バーストを用いた半導体中の超高速現象サンプリング技術の研究
教授 平川 一彦[代表者],教授 平川 一彦・助手 島田 洋蔵, 大塚由紀子・協力研究員 S. Madhavi・大学院学生 阿部 真理, 長嶋知行
半導体にフェムト秒レーザパルスを照射すると, 様々な機構により半導体からテラヘルツ光のバーストが放射される. このテラヘルツ光バーストは, 半導体中でおきる超高速現象の情報を含んでおり, それらの理解には, このバーストを超高速にサンプリングする技術が重要である. 我々は, 超高速・広帯域テラヘルツ電磁波検出技術の開発を目標に研究を行っている. 本年度は, ZnTeやGaPなどの電気光学結晶を用いることにより, テラヘルツ電磁波の振幅と位相を検出できるシステムを構築した. また, 様々な材料系での分光実験を可能にするため,1-10ミクロンの範囲で波長可変なフェムト秒レーザシステムを導入した.

時間分解テラヘルツ分光法を用いた半導体中のキャリアダイナミクスの解明
教授 平川 一彦[代表者],教授 平川 一彦,(明治大学)冨澤一隆・助手 島田洋蔵, 大塚由紀子・協力研究員 S. Madhavi・大学院学生 阿部 真理, 長嶋知行
フェムト秒レーザパルスを用いた時間分解テラヘルツ(THz)分光法を用いて, 半導体中のキャリアの超高速運動が放出するTHz電磁波を実時間領域で検出することにより, キャリアのダイナミックな伝導現象を解明することを目的に研究を行っている.本年度は, (1)電気光学効果を用いて, 半導体空乏層を伝導する電子が放出するTHz電磁波を検出し, 電子の過渡速度を実験的に決定した.また,(2) 定量的な解釈には,試料の形状効果を考慮することが必要であること,(3)10kV/cm以上の電界では,正孔の伝導も無視できないこと,などを明らかにした.さらに,(4)短チャネルトランジスタにおける真性遮断周波数の決定を行った.

半導体超格子中の電子のミニバンド伝導とその応用
教授 平川 一彦[代表者],教授 平川一彦・助手 島田洋蔵・協力研究員 S. Madhavi・大学院生 長嶋知行
時間分解テラヘルツ分光法を用いて, 半導体超格子中のミニバンドを伝導する電子が放出するテラヘルツ電磁波を実時間領域で検出することにより, 超格子中のダイナミクス, およびブロッホ振動を用いたテラヘルツ電磁波の発生・増幅・検出の可能性について探索を行っている. 本年度は, (1)電子の散乱を介したミニバンド伝導から, シュタルク梯子状態への移行の様子を明らかにした. また,(2)明瞭なブロッホ振動の観測には,光励起キャリアの初期分布関数の制御が重要であること,(3)ジーナートンネル効果によるブロッホ振動の減衰,(4)放射されたテラヘルツ電磁波と電子の伝導度,等に関する考察を行った.

自己組織化量子ドットを用いた超高感度赤外光検出器の開発
教授 平川 一彦[代表者],教授 平川 一彦(代表者)・榊 裕之, 助手 島田 洋蔵, 協力研究員 李 承雄, 大学院学生 藤本 真一
自己組織化InAs量子ドット構造の特異な電子状態を利用して, 超高感度の赤外光検出器を実現することを目的として研究を行っている. 特に, 自己組織化量子ドットと高移動度変調ドープ量子井戸を組み合わせた横方向伝導型量子ドット赤外光検出器を提案・試作し, その評価を行った. 本年度は, (1)電子状態および遷移確率の計算結果と実験結果の比較により,量子ドットと濡れ層は電子的な結合が弱いこと,(2)量子ドットのサイズと量子準位のエネルギー位置の関係を明らかにするとともに,正孔の量子準位は量子ドットサイズにほとんど依存しないこと,等を明らかにするとともに, (3)さらなる高感度化を行うために電極構造の最適化を行いつつある.

量子ナノ構造の超微細加工プロセス
教授 平川 一彦[代表者],教授 平川一彦(代表者), (東大)小宮山進・助手 島田洋蔵・協力研究員 李 承雄, 川口 康・大学院学生 Minkyung Jung
量子ナノ構造電子材料系は, 高性能光・電子デバイスの根幹となる材料系であり, ますますその重要性を増しつつある. 我々は, 半導体表面・ヘテロ接合界面におけるミクロな電子構造の解明と制御, また原子レベルでの超微細加工プロセスの研究を行っている. 本年度は, (1)引き続き自己組織化InAs量子ドットの成長プロセスに関して検討を行うとともに,(2)単一分子エレクトロニクスを視野に入れた超微細電極作製の検討を開始し,エレクトロマイグレーション効果を用いたブレークジャンクション法により,数nmのギャップを有する電極の作製に成功した.

トータルパフォーマンスに優れたセラミックス材料の開発
助教授 岸本 昭[代表者],助教授 岸本昭,大学院学生 佐藤尽,大学院学生 下川幸正,大学院学生 中村乃梨子,外部研究生 谷村淳一
多様な電磁気特性を有するセラミックスを機能材料として利用する際,化学的および熱的安定性はその利用域を広範なものとしている.しかしながらこれらの利点は,製造に高温を必要とする,不使用時の解体が困難,等の問題点につながる.セラミックスを実用化するには,その物理的および化学的安定性を高め利用域を更に広げるとともに,製造からリサイクルまでを考慮した総合的な材料設計が必要となる.これを考慮した研究として,隔壁とイオン伝導層を兼ね備えた用途に適合するよう,イオン伝導度を低下させないセラミックスの強化法を開発している.また,比較的低温で大気中成膜できる自己制御ヒーター(PTC材料)の作製に成功している.更に,供用時には高い信頼性を有し,不要時には強度を低下させることができるリサイクル性に優れた材料の提案を行っている.

電気的手法による構造信頼性評価法の提案および高信頼化法の開発
助教授 岸本 昭[代表者],助教授 岸本昭,大学院学生 関寿毅
セラミックス材料は,高温強度,耐腐食性などに優れる反面,強度のばらつきが大きいという欠点を持つ.強度分布を部材使用前に把握するために,従来は煩雑な力学測定を行う必要があった.当研究室では,絶縁性セラミックスの電気的破壊が,機械的破壊源と同種の欠陥に左右されることを見出し,機械強度分布の簡便代替評価法としての絶縁試験法を提案している.この方法を種々の組成,微細組織を有する絶縁性セラミックスに適用し,評価法としての妥当性を検証した.また,機械強度分布幅を小さくして信頼性を向上させるため,従来は製品に対して応力を印加し,脆弱部材を取り除いていたが,上記評価法を応用して,高強度部材のみを電気的に選別するスクリーニング法の開発も試みている.これらは,従来法に比べ,簡便で資源を有効活用する手法といえる.

自己破壊検知機能を有するセラミックスの設計
助教授 岸本 昭[代表者],助教授 岸本昭,大学院学生 沼田喜光
複合材料作製の主要な目的は力学特性の向上であり,種々の物質間の組み合わせが試みられている.複合材料に使われる個々の物質にはそれぞれ固有の電磁気特性を有しており,複合化により新しい特性の出現が期待されるにも関わらず,ほとんど省みられることはなかった.当研究室では,異種物質複合という一つの手法で力学特性向上と機能性付与という複数の利点を構造材料に与えるための研究を行っている.特に後者が力学特性に対応して変化する系では,材料自身が破壊や損傷の検知機能を有するインテリジェントな材料となりうる.具体的には,添加物の相対位置変化に伴う電気抵抗変化によりセラミックスに生じた歪みを検出できる材料の開発を行っている.また,無負荷時の残留抵抗変化による損傷検知が可能な系を提案している.

トータルパフォーマンスに優れたセラミックス材料の開発
助教授 岸本 昭[代表者],助教授 岸本昭,大学院学生 佐藤尽,大学院学生 下川幸正,大学院学生 中村乃梨子,外部研究生 谷村淳一
多様な電磁気特性を有するセラミックスを機能材料として利用する際,化学的および熱的安定性はその利用域を広範なものとしている.しかしながらこれらの利点は,製造に高温を必要とする,不使用時の解体が困難,等の問題点につながる.セラミックスを実用化するには,その物理的および化学的安定性を高め利用域を更に広げるとともに,製造からリサイクルまでを考慮した総合的な材料設計が必要となる.これを考慮した研究として,隔壁とイオン伝導層を兼ね備えた用途に適合するよう,イオン伝導度を低下させないセラミックスの強化法を開発している.また,比較的低温で大気中成膜できる自己制御ヒーター(PTC材料)の作製に成功している.更に,供用時には高い信頼性を有し,不要時には強度を低下させることができるリサイクル性に優れた材料の提案を行っている.

機能性ペプチドの創製を目指したα-ヘリックスペプチドライブラリの作製
助教授 工藤 一秋[代表者],助教授 工藤 一秋, 大学院学生 千葉 晋哉,小中 隆太
ペプチド分子が本来持つ柔軟さを考慮に入れた機能性ペプチド設計の新しいアプローチとして,構造がある程度確定していてかつ会合性が期待されるペプチドのライブラリを作り, 会合体の形成時に機能が発現する系の構築を目指している.本年は, 両親媒性のα-ヘリックス構造をとることが期待され,かつ末端付近にcatalytic triadとして知られる3つ組アミノ酸のうちの1つを持つようなオリゴペプチドのライブラリを作製し,それらの混合物の加水分解反応活性とCDスペクトルから得られた構造情報との相関について調べた.

光学活性ビナフチル化合物を補助基とする不斉合成反応
助教授 工藤 一秋[代表者],助教授 工藤 一秋, 大学院学生 川村 真人
2位に2-ピリジルアゾ基を,2'位に水酸基をもつ軸不斉ビナフチル骨化合物を合成し,これをアクリル酸のエステルとした後に,ルイス酸存在下でのDiels-alder反応を行なった.その結果,エキソ付加物が優先的に生成し,しかも高いジアステレオ選択性が観察された.この反応について詳細に調べたところ,ピリジン窒素のルイス酸への配位が選択性発現の鍵となっていることが分かった.

新規多座配位子を用いた触媒的有機合成反応(継続)
助教授 工藤 一秋[代表者],助教授 工藤 一秋, 大学院学生 小川 源,研究生 相浦 一志
我々は, 酸素, 窒素, リンの3種の異なる元素を配位座として持つような新規不斉配位子の設計・合成を行い, その不斉触媒反応への適用を行ってきている. これまで, 配位子について,合成ルートの探索といくつかの不斉触媒反応への適用を行なってきたが,本年は配位子の合成ルートの改良と他の反応への適用について検討を行なった.

イタコン酸類の合成化学的利用に関する研究(継続)
助教授 工藤 一秋[代表者],助教授 工藤 一秋, 教務職員 高山 俊雄,研究生 岸田 陽介,吉澤 拓也
イタコン酸誘導体とシクロペンタジエンとのDiels-Alder反応生成物から容易に得られる三環性スピロ二酸無水物の合成素子としての利用を検討している. 昨年までに, この二酸無水物の特異な反応性を利用して高分子主鎖中のモノマーの向きに規則性のある定序性ポリイミドが合成できることを見出している.本年は, この二酸無水物と2種のジアミンとを用いてone potで交互共重合ポリイミドを作ることに成功した.また, 本二酸無水物の光学活性体を使って, 光学活性でかつ定序性のある初のポリイミドの合成も行った.

機能性ペプチドの創製を目指したα-ヘリックスペプチドライブラリの作製
助教授 工藤 一秋[代表者],助教授 工藤 一秋, 大学院学生 千葉 晋哉,小中 隆太
ペプチド分子が本来持つ柔軟さを考慮に入れた機能性ペプチド設計の新しいアプローチとして,構造がある程度確定していてかつ会合性が期待されるペプチドのライブラリを作り, 会合体の形成時に機能が発現する系の構築を目指している.本年は, 両親媒性のα-ヘリックス構造をとることが期待され,かつ末端付近にcatalytic triadとして知られる3つ組アミノ酸のうちの1つを持つようなオリゴペプチドのライブラリを作製し,それらの混合物の加水分解反応活性とCDスペクトルから得られた構造情報との相関について調べた.

第一原理計算/量子ダイナミクス計算による水素の散乱と励起過程の研究
助教授 福谷 克之[代表者],研究機関研究員 Wilson Diño・助教授 福谷克之・教授 岡野達雄
密度汎関数に基づく第一原理電子状態計算により粒子の多次元ポテンシャルを求め,さらにそのポテンシャル面上での粒子のダイナミクスを量子力学的に解くことにより,粒子の散乱と励起過程を明らかにすることを目的として研究を行っている.本年度は,PtCu秩序合金表面での水素分子の吸着・散乱・回転励起に関する計算を行い,吸着と回転励起確率が水素の入射角度と運動エネルギーに大きく依存することを見出した.

表面吸着水素の拡散と非局在化に関する研究
助教授 福谷 克之[代表者],助教授 福谷克之・教授 岡野達雄・助手(特別研究員)Markus Wilde・助手 松本益明 大学院学生 鈴木 涼
表面に吸着した水素の拡散と非局在性について,窒素イオンと水素との共鳴核反応を利用した研究を進めている.本年度は,Pt(111)-Sn と Pt(111)-Ag 表面秩序合金に吸着した水素の零点振動測定を行った.Ptに比べると,SnやAgは水素との相互作用が小さいことが知られており,合金表面ではSnやAgをはさむ複数のPtサイトに水素が広がって存在する可能性が期待される.しかし現在までのところ,清浄なPt表面と同程度の零点振動エネルギーが観測されており,Pt同様,水素は局在して吸着していると考えられる.また希土類薄膜の水素化過程を調べるために,電子衝撃型とレーザーアブレーション型の蒸着源を準備した.

共鳴イオン化法による水素のオルソ・パラ転換過程の研究
助教授 福谷 克之[代表者],助教授 福谷克之・教授 岡野達雄・助手 松本益明,助手(特別研究員)Markus Wilde・技術官 河内泰三・研究機関研究員 Wilson Diño・大学院学生 吉田康一
固体の表面では水素分子の核スピン状態が1重項から3重項へと転換することが知られており,本研究ではその微視的な機構の解明と新たなスピン計測法の開発を目指して研究を進めている.本年度はアルミナ多結晶表面での熱脱離スペクトルの高精度化をはかり,この表面でのオルソーパラ転換時間の測定に成功した.また分子配向効果の測定を行うために,これまで利用していた(2+1)共鳴イオン化法を改良し中間状態としてB励起状態を経由する(1+1')共鳴イオン化法の開発を行った.超高真空槽にLiFレンズを介して希ガスセルを取り付け,これを用いて真空紫外光を発生させ,偏光方向を選択することで分子配向を測定できることを明らかにした.またこの手法を用いて,Ag薄膜表面での光脱離・オルソパラ転換の実験を開始した.

単結晶クロム酸化超薄膜の作製とその物性
助教授 福谷 克之[代表者],助教授 福谷克之・教授 岡野達雄・助手(特別研究員) Markus Wilde・助手 松本益明・大学院学生 小屋茂樹
単結晶クロム基板上に膜厚を制御した単結晶超薄膜を作製し,その電子的・光学的性質に関する研究を進めている.本年度は,酸化条件を変化させて膜厚の制御を行い,種々の膜厚の酸化膜について走査トンネル分光による電子状態測定と赤外吸収分光による光学フォノン測定を試みた.走査トンネル分光では,膜厚が増加するにつれてエネルギーギャップが増大し,4.5nmでは2eVになることを見出した.また赤外吸収スペクトル測定では,新たに720cm-1に薄膜の光学フォノンに起因する吸収ピークを発見した.このフォノンの振動数はバルクに比べて8cm-1ほどソフト化していることを見出した.

絶縁膜/Si基板における水素挙動の研究
助教授 福谷 克之[代表者],助教授 福谷克之・助手(特別研究員) Markus Wilde・助手 松本益明
SiO2/Si界面およびSiO2膜中に存在する水素がSiデバイスの特性に大きな影響を持つことが知られている.本研究では,核反応を利用して界面水素量を定量しデバイス特性との関連を明らかにすることで,デバイス特性の向上を目指している.本年度は,界面近傍の水素量とデバイス特性との関連を調べた.670Kで水素処理を行うことで界面近傍に水素が蓄積し,さらに1000Kで加熱するとこの水素は界面から脱離することを見出した.

第一原理計算/量子ダイナミクス計算による水素の散乱と励起過程の研究
助教授 福谷 克之[代表者],研究機関研究員 Wilson Diño・助教授 福谷克之・教授 岡野達雄
密度汎関数に基づく第一原理電子状態計算により粒子の多次元ポテンシャルを求め,さらにそのポテンシャル面上での粒子のダイナミクスを量子力学的に解くことにより,粒子の散乱と励起過程を明らかにすることを目的として研究を行っている.本年度は,PtCu秩序合金表面での水素分子の吸着・散乱・回転励起に関する計算を行い,吸着と回転励起確率が水素の入射角度と運動エネルギーに大きく依存することを見出した.

転位の基礎的性質に関する研究
助教授 枝川 圭一
結晶転位の芯構造や動力学的性質に関する計算機を用いた研究を引き続いて行っている. 今年度は, 以下の研究を行った. 1)ダイヤモンド型結晶中のらせん転位の運動を2次元パイエルス・ポテンシャルを仮定して扱うことにより実験で得られている降伏応力の温度依存性を定性的に説明することに成功した. 2)転位のパイエルス機構による運動を遷移経路計算法を用いて調べることにより, パイエルス・ポテンシャルを仮定して外応力の効果をwork-done項の形で取り込む従来の扱い方の妥当性を検討した. 3)運動する転位がフォノンを放出する過程を調べた.

転位の基礎的性質に関する研究
助教授 枝川 圭一
結晶転位の芯構造や動力学的性質に関する計算機を用いた研究を引き続いて行っている. 今年度は, 以下の研究を行った. 1)ダイヤモンド型結晶中のらせん転位の運動を2次元パイエルス・ポテンシャルを仮定して扱うことにより実験で得られている降伏応力の温度依存性を定性的に説明することに成功した. 2)転位のパイエルス機構による運動を遷移経路計算法を用いて調べることにより, パイエルス・ポテンシャルを仮定して外応力の効果をwork-done項の形で取り込む従来の扱い方の妥当性を検討した. 3)運動する転位がフォノンを放出する過程を調べた.

準結晶のフェイゾン弾性
助教授 枝川 圭一[代表者],助教授 枝川 圭一, 助手 上村 祥史, 技術官 橋本 辰男
準結晶にはその特殊な構造秩序を反映してフェイゾンとよばれる特殊な弾性自由度が存在する. 準結晶のフェイゾン弾性は, そもそも準結晶構造秩序がなぜ安定に存在しうるかといった基本的な問題と深く関係しており, また準結晶の電子物性, 熱物性, 力学物性の特殊性の源とも考えられている. 従ってその性質を明らかにすることは重要である. 本年度は, 準結晶中のフェイゾンの熱的ゆらぎを初めて高分解能電子顕微鏡を用いて直接観察することに成功した. また, 昨年度に続きフェイゾン弾性に起因した比熱の変化をDSC法により実験的に調べた.

半導体の塑性変形機構
助教授 枝川 圭一[代表者],助教授 枝川 圭一, 助手 上村 祥史 技術官 橋本 辰男・片倉 智
昨年度までに高圧下での変形実験により閃亜鉛鉱型III-V族化合物半導体結晶の低温における塑性変形が拡張していないらせん転位により支配されていることを明らかにした. これは部分転位の運動が変形を支配している室温以上の場合と異なる機構である. 本年度は, さらにII−VI族化合物半導体であるCdTeで同様な実験を行った. III-V族の場合のように降伏応力の温度依存性に明確なhumpはみられなかったが, すべり線の観察から低温における変形機構がIII-V族と同様である可能性が高いことがわかった.

準結晶のSTMおよびSTS
助教授 枝川 圭一[代表者],助教授 枝川 圭一, 助手 上村 祥史, 技術官 橋本 辰男,大学院学生 佐野 史明
特殊な構造秩序をもつ準結晶表面について走査トンネル顕微鏡観察(STM)および走査トンネル分光(STS)を行った. これまで準結晶構造を直接観察する方法としては高分解能電子顕微鏡法が使われてきたが, この方法は電子線入射方向の平均構造を反映した像となるためその解釈に難点がある. この点STM法では表面一層の原子配列を観察できるため有利である. 本年度は昨年度に引き続きAl-Ni-Co正10角形準結晶について10回対称面, 2回対称面のSTMおよびSTSを行った. 両面とも原子分解能の像を得ることに成功した. 2回対称面の観察から層間のフェイゾン欠陥が極端に少ないことを初めて明らかにした. またSTSにより表面電子状態を調べた.

準結晶のフェイゾン弾性
助教授 枝川 圭一[代表者],助教授 枝川 圭一, 助手 上村 祥史, 技術官 橋本 辰男
準結晶にはその特殊な構造秩序を反映してフェイゾンとよばれる特殊な弾性自由度が存在する. 準結晶のフェイゾン弾性は, そもそも準結晶構造秩序がなぜ安定に存在しうるかといった基本的な問題と深く関係しており, また準結晶の電子物性, 熱物性, 力学物性の特殊性の源とも考えられている. 従ってその性質を明らかにすることは重要である. 本年度は, 準結晶中のフェイゾンの熱的ゆらぎを初めて高分解能電子顕微鏡を用いて直接観察することに成功した. また, 昨年度に続きフェイゾン弾性に起因した比熱の変化をDSC法により実験的に調べた.

リラクサー型強誘電体薄膜の作製とその評価
助教授 小田 克郎[代表者],助教授 小田 克郎,大学院学生 瀬田 崇
強誘電−常誘電相転移をする際に散漫相転移をするリラクサー型強誘電体は通常の強誘電体であるチタン酸バリウムやPZT等と比較して室温において高い誘電率,圧電係数,焦電係数を持つ.これらの特性より多層膜セラミックスキャパシター,多層膜電歪アクテュエーター,赤外線センサーなど様々な機能素子材料として期待できる.本研究では基板上反応性イオンビームスパッタ装置を用いて構造欠陥の少ない高品質のリラクサー型強誘電体薄膜を作製する.作製した薄膜の評価は強誘電性と結晶性を調べる.特に,鉄を含む系ではメスバウアー分光法を用いて散漫相転移において結晶中の極微細構造がどのような役割を果たすかを調べる.

巨大磁気抵抗効果を示すペロブスカイト型酸化物の電磁気特性
助教授 小田 克郎[代表者],助教授 小田 克郎,大学院学生 山本 晃生
ペロブスカイト型結晶構造を持つLaMn系酸化物は磁場を印加することにより巨大な磁気抵抗(GMR)効果を引き起こす.このGMR効果は電子のスピンによるキャリアーの散乱に関連したものであるため,電気伝導を磁場でコントロールできる.この特性から次世代のMR素子や磁場制御機能性材料への応用面に期待をもたれ,同時に基礎物性の面では3d遷移金属酸化物における磁性と伝導の複合した物質として注目を浴びている.LaMn系酸化物における伝導バンドのフィリング制御にはMn4価はキャリアーを担う重要なファクターであると考えられる.LaMn系酸化物中の既存の研究の多くはLaサイトを他の2価金属イオンで置換したもので行われている*1.それに対して本研究ではBサイトのMnをNiで一部置換した試料を作製しMn4価量と電気的性質の相関を調べた.

巨大磁気抵抗効果を示すペロブスカイト型Mn酸化物薄膜の作製
助教授 小田 克郎[代表者],助教授 小田 克郎,大学院学生 中村 進一
本研究ではヘリコンスパッタ法を用いて結晶配向性の揃った[RE](Mn,Met)O3ペロブスカイト型Mn酸化物薄膜[RE:希土類金属,Met:3d金属]を作製してそのGMR効果を調べることを目的とする.特に,薄膜を作製する際に酸素のアシストガンを併用した"基板上反応性スパッタ法"を用いて,高品質の結晶配向性の揃った薄膜の作製を狙うのが独創的な点である.この方法では複数のヘリコンガンでメタルのターゲットをたたいて酸化物を校正する金属イオンを基板へ跳ばし,基板上に別のアシストガンからラディカルな酸素原子を入射して基板上で酸化反応を起こさせるガンへの投入エネルギーと酸素の入射エネルギーを調節してペロブスカイト型構造の結晶配向性を制御する.

磁性強誘電体薄膜の作製とその物性
助教授 小田 克郎[代表者],助教授 小田 克郎,大学院学生 瀬田 崇
強誘電体の磁気特性についてはバルク材について少し調べられているが,薄膜についてはほとんど調べられてきていない.本研究ではこのような強磁性と強誘電性を組み合わせた新しい電磁気機能性を持つペロブスカイト型結晶構造の薄膜の作製し,その薄膜の強誘電,強磁性特性を調べることを目的とする.薄膜の作製方法としては優れた強誘電特性を得るためには必要不可欠な結晶配向性のそろった薄膜を作製するのに適したイオンビームスパッタリング法を用いる.

リラクサー型強誘電体薄膜の作製とその評価
助教授 小田 克郎[代表者],助教授 小田 克郎,大学院学生 瀬田 崇
強誘電−常誘電相転移をする際に散漫相転移をするリラクサー型強誘電体は通常の強誘電体であるチタン酸バリウムやPZT等と比較して室温において高い誘電率,圧電係数,焦電係数を持つ.これらの特性より多層膜セラミックスキャパシター,多層膜電歪アクテュエーター,赤外線センサーなど様々な機能素子材料として期待できる.本研究では基板上反応性イオンビームスパッタ装置を用いて構造欠陥の少ない高品質のリラクサー型強誘電体薄膜を作製する.作製した薄膜の評価は強誘電性と結晶性を調べる.特に,鉄を含む系ではメスバウアー分光法を用いて散漫相転移において結晶中の極微細構造がどのような役割を果たすかを調べる.

分子構造設計によるフォトリフラクティブポリマーの高機能化
助教授 志村 努[代表者],助教授 志村 努,教授 黒田 和男・荒木 孝二,助手 的場 修・務台 俊樹,技術官 千原 正男・小野 英信,大学院学生 丁 景服に楝_加代子
高速(ms程度)で高い回折効率を有するフォトリフラクティブポリマーの開発を行っている.めざしている.本年度は,PVK:DMNPAA:ECZ:TNF系での高速化を目指し,非線形分子DMNPAAに側鎖を付加することにより,ポリマー中での回転の高速化し,これによるフォトリフラクティブ応答の高速化を目指した研究を行った.DMNPAAに側鎖C3H7-C4H9を導入した非線形分子BNPAPB(4-butoxy-3-propyl-1-(p-nitrophenylazobenzene)を合成し,これを非線形分子として用いたフォトリフラクティブポリマーにおいて,電場配向速度20ms(@54V/mm),回折効率の立ち上がり速度120ms( I=870mW/cm2, E=54V/mm)を得た.これはDMNPAAに比べてそれぞれ3400倍,210倍の高速化である.

フォトリフラクティブ効果を用いた不揮発性ホログラフィック光メモリの研究
助教授 志村 努[代表者],助教授 志村 努, 教授 黒田 和男, 助手・特別研究員 的場 修 技術官 千原 正男・小野 英信, 大学院学生 藤村 隆史・丁 景福
フォトリフラクティブ効果を用いたホログラフィック光メモリは読み出し時に記録した情報が消えていくという大きな問題がある. 我々は, ダブルドープ2波長記録方式において,高速かつ高効率書き込み可能な不揮発記録材料の開発を行っている.今年度は,Fe,Mn:LNにおいて外部電場印加による不揮発記録の高効率化の研究を進めるとともに,RuとPrをドープしたSBN結晶に着目し,不揮発記録の研究を行った.

リラクサー系材料の光学的特性(継続)
助教授 志村 努[代表者],助教授 志村 努, 教授 黒田 和男, 助教授 小田 克郎,助手 芦原 聡,技術官 千原 正男・小野 英信, 大学院学生 安倍 沙織
様々なリラクサー系強誘電結晶のなかで,0.91 Pb(Zn1/3Nb2/3)O3 -0.09 PbTiO3は,大きな圧電性と電気光学効果を示す.0.91PZN-0.09PT単結晶をフラックス法で成長させ [111]方向にポーリングし,はじめてフォトリフラクティブ効果を観測した.2光波混合実験を波長633 nmのHe-Neレーザー(異常光)で行いフォトリフラクティブ効果を確認した.2光波混合ゲインの格子間隔依存性の測定(書き込み光強度 720 mW/cm2 )から,格子間隔1.8 mmにおいて2光波混合ゲインの最大値 7 cm-1 が得らた.大きなフォトリフラクティブ効果を示す新材料としての研究をすすめている.

Gain-Clamped半導体光増幅器内部のキャリア密度分布および熱発生機構
助教授 志村 努[代表者],助教授 志村 努,教授 黒田 和男, 大学院生 野村 政宏,教授 (スイス連邦工科大ローザンヌ) B. Deveaud, 大学院生 F. Salleras, L. Kappei, (仏Alcatel) J.-Y. Emery・B. Dagens
Gain-Clamped半導体光増幅器(GC-SOA)は,WDM通信用の光増幅器としての応用が期待され,近年注目を集めている.半導体レーザーや光増幅器内の不均一なキャリア密度分布や高いキャリア温度は,デバイスの性能を落とす原因となる.我々は,1.55μm波長域で動作するGC-SOAの活性層に沿った各点で自然放出光スペクトルを測定し,その結果の解析から活性層のキャリア密度および温度分布を得ることができた.これらの分布の関係と理論計算から,デバイス内部で観測された高いキャリア温度が主にAuger再結合とInter-valence band吸収によって引き起こされることを確認した.

分子構造設計によるフォトリフラクティブポリマーの高機能化
助教授 志村 努[代表者],助教授 志村 努,教授 黒田 和男・荒木 孝二,助手 的場 修・務台 俊樹,技術官 千原 正男・小野 英信,大学院学生 丁 景服に楝_加代子
高速(ms程度)で高い回折効率を有するフォトリフラクティブポリマーの開発を行っている.めざしている.本年度は,PVK:DMNPAA:ECZ:TNF系での高速化を目指し,非線形分子DMNPAAに側鎖を付加することにより,ポリマー中での回転の高速化し,これによるフォトリフラクティブ応答の高速化を目指した研究を行った.DMNPAAに側鎖C3H7-C4H9を導入した非線形分子BNPAPB(4-butoxy-3-propyl-1-(p-nitrophenylazobenzene)を合成し,これを非線形分子として用いたフォトリフラクティブポリマーにおいて,電場配向速度20ms(@54V/mm),回折効率の立ち上がり速度120ms( I=870mW/cm2, E=54V/mm)を得た.これはDMNPAAに比べてそれぞれ3400倍,210倍の高速化である.

レーザ光照射走査トンネルスペクトロスコピーによる単一量子細線の光吸収計測
助教授 高橋 琢二[代表者],助教授 高橋 琢二・大学院学生 高田 幹
単一量子ナノ構造の光吸収特性を評価するために,レーザ光照射STMによるトンネルスペクトロスコピーを行っている.これまでに,照射レーザ光の波長に依存してトンネルコンダクタンスが変化することを確認し,またその変化分を通常のSTM凹凸像と同時に取得することにより,GaAs微傾斜基板上InAs単一量子細線での光吸収効果の可視化に成功している.

表面近傍量子ナノ構造の走査トンネル分光
助教授 高橋 琢二[代表者],助教授 高橋 琢二・技術官 島田 祐二・大学院学生 屋鋪 大輔
表面近傍に二重障壁や量子ドット構造などの量子ナノ構造を埋め込んだ半導体試料において,走査トンネル顕微鏡/分光(STM/STS)計測を行い,二重障壁による共鳴電流や埋め込み量子ドットを介して流れる電流などをナノメートルスケールの分解能で測定して,それらナノ構造に起因する電子状態変調効果を調べている.さらに,5K程度の極低温,10T程度の強磁場中でのSTS計測を通じて,ナノ構造中の電子状態を明らかにすることを目指している.

表面近傍量子ドット構造における走査プローブ分光
助教授 高橋 琢二[代表者],助教授 高橋 琢二・大学院学生 山本 洋
表面近傍量子ドット構造の諸物性の解明を目指して,光照射走査トンネル顕微鏡(STM)や走査容量顕微鏡(SCM)による電子分光計測を行っている.これまでに,InAsの電子蓄積効果による表面空乏層の低減効果や,InAs/GaAs界面のショットキー障壁高さの低減と量子ドットのサイズの関係などを明らかにした.また,量子ドットへの単電子帯電効果の観測も試みている.

導電性探針を有する原子間力顕微鏡による静電引力測定
助教授 高橋 琢二[代表者],助教授 高橋 琢二・大学院学生 川向 貴志
導電性探針を有する原子間力顕微鏡(AFM)において,探針−試料間に電圧を印加した際に働く静電引力を測定する.特に交流電圧を印加すると両者間の容量性結合の大きさについて調べることができる.この手法によって,GaAs表面近傍の空乏化が最表面に置かれたInAs量子ドットによって変調されることを見いだした.

ケルビンプローブフォース顕微鏡によるInAs微細構造の表面電位計測
助教授 高橋 琢二[代表者],助教授 高橋 琢二・大学院学生 小野 志亜之
導電性探針を有する原子間力顕微鏡(AFM)において,探針−試料間に電圧を印加した際に働く静電引力の印加電圧極性依存性がなくなるように直流バイアスを重畳して試料表面ポテンシャルを計測する,いわゆるケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)モードを利用して,InAs薄膜・細線の表面ポテンシャルの計測を行った.これまでに,InAs薄膜の表面電位(フェルミレベル)が膜厚に依存して変化すること,InAs微細構造の形状,例えば細線構造によって表面電位が変調されること,などを明らかにしている.

レーザ光照射走査トンネル顕微鏡による半導体表面電子状態の評価
助教授 高橋 琢二[代表者],助教授 高橋 琢二・大学院学生 山本 洋,高田 幹
半導体表面にレーザ光を照射するとフォトキャリアが生成され,これによって表面付近の電子状態は変調される.これとSTMによるナノ領域電流計測を組み合わせることによって,電子状態の局所的な変調現象を測定することが可能となる.これまでに,最表面InAs量子ドットによるGaAs表面空乏化現象の抑制効果などを明らかにした.

レーザ光照射走査トンネルスペクトロスコピーによる単一量子細線の光吸収計測
助教授 高橋 琢二[代表者],助教授 高橋 琢二・大学院学生 高田 幹
単一量子ナノ構造の光吸収特性を評価するために,レーザ光照射STMによるトンネルスペクトロスコピーを行っている.これまでに,照射レーザ光の波長に依存してトンネルコンダクタンスが変化することを確認し,またその変化分を通常のSTM凹凸像と同時に取得することにより,GaAs微傾斜基板上InAs単一量子細線での光吸収効果の可視化に成功している.

交通可視化システムの開発
講師 上條 俊介
交差点に進入しようとする車両にとって,前方停止車両等による死角は事故を起こす原因となる.そこで,当該車両の運転者に交差点交通の鳥瞰図等を提供することにより,運転者自らが視覚的に危険を回避すること促すことが事故防止に有効であると考えられる.そこで,本研究室で開発した車両トラッキングアルゴリズムにより認識した車両をモデル化し,視覚的に解りやすい画像を提供するためのシステムを開発している.

0.5V動作超低消費電力VLSIデバイスに関する研究(継続)
助教授 平本 俊郎[代表者],助教授 平本俊郎・教授 桜井貴康・客員教授 生駒俊明 博士研究員 任玄植・大学院学生 犬飼貴士・研究実習生 大澤淳真
携帯機器の普及により,VLSIチップの低消費電力化は必須の課題である.本研究は,0.5Vという低電圧で動作し,超低消費電力と高駆動力を両立させるデバイスを実現することを目的とする.そのため,しきい値電圧をダイナミックに制御できるデバイスを検討している.これまでに,しきい値制御デバイスにおける基板バイアス係数の役割を定量的に評価し,通常のMOSFETでは基板バイアス定数が小さい方が有利となるが,しきい値電圧制御デバイス(VTMOS)においては臨界電圧より大きな基板バイアスを印加すると,大きな基板バイアス定数が高性能化のために有利であることを明らかにしている.本年度は,VTCMOSにおける臨界電圧の起源について検討し,これが2つの成分からなることとデバイス微細化とともにこの電圧もスケールされることを明らかにした.また,縦積み回路におけるVTCMOS特性について検討し,通常基板バイアスが大きいと特性が劣化する縦積み回路においても,VTCMOSでは大きな基板バイアス定数が効果的であることを示した.

微細MOSFETにおけるばらつき抑制に関する研究
助教授 平本 俊郎[代表者],助教授 平本俊郎・客員教授 生駒俊明 大学院学生 犬飼貴士,劉 慶艶
MOSFETが微細化されるとデバイス特性のばらつきが大きくなり,集積化に支障をきたす可能性が指摘されている.本研究では,デバイス特性のばらつきがVLSIの性能に与える影響について検討を行っている.VLSIのスタンバイ電力の最大値に関しては,従来しきい値電圧が最も低いワーストケースのデバイスを想定して議論されてきた.本研究では,ばらつきが存在する場合のスタンバイ電力を解析的に検討し,しきい値電圧のばらつきの標準偏差に応じてわずかにスタンバイ電力が増大する程度ですむことを明らかにし,従来の手法がスタンバイ電力を過大評価していることを示した.また,上記のしきい値電圧制御デバイスは,ばらつきの抑制にも極めて効果的であり,ばらつき抑制の観点からデバイスの制御法を検討している.

サブ0.1ミクロンSOI MOSデバイスの評価に関する研究(継続)
助教授 平本 俊郎[代表者],助教授 平本俊郎・客員教授 生駒俊明・助手 更屋拓哉 大学院学生 南雲俊治
薄膜SOIデバイスは従来のバルクMOSデバイスと異なり,様々な問題点を有している.本研究では,SOIデバイス特有の種々の問題点を実際の測定により明らかにし,その結果をサブ0.1μm SOIデバイスの設計にフィードバックすることによりSOI構造の実用性を実証することである.SOI基板上の高密度細線構造をチャネルとするMOSFETで,短チャネル効果が効果的に抑制できることをシミュレーションと実験により示した.本デバイス構造はゲート電極をチャネル直下に設けなくとも短チャネル効果が抑制されるのでプロセスが極めて簡便であるとともに,基板からチャネル電位を制御することが可能であり,将来的に増大するばらつきの抑制に効果的であると考えられる.

極微細シリコンMOSFETにおける量子力学的効果の研究(継続)
助教授 平本 俊郎[代表者],助教授 平本俊郎・客員教授 生駒俊明 大学院学生 間島秀明・研究実習生 齋藤裕太
シリコンMOSFETは性能向上のため微細化が続いているが,そのサイズがナノメートルオーダーになると量子効果が顕著に特性に影響を及ぼす.本研究では,極めて細いチャネルをもつMOSFETにおける量子力学的効果を実験とシミュレーションにより検証している.実際にチャネル幅が10nm以下のMOSFETを試作し,しきい値電圧が線幅の減少とともに上昇する量子力学的狭チャネル効果を観測することに成功している.本年度は,1つの素子でNMOSとしてもPMOSとしても動作するデバイスを試作し,チャネル幅が10nm以下で両方のデバイスでしきい値電圧が上昇することを確認した.また,量子効果を積極的に利用することで,デバイスのしきい値電圧調整や移動度向上が可能となることを示した.これらの成果は2001年12月の国際電子デバイス会議(IEDM)で発表を行った.

シリコン単電子トランジスタにおける物理現象の探究(継続)
助教授 平本 俊郎[代表者],助教授 平本俊郎・客員教授 生駒俊明 大学院学生 齋藤真裾ΩΦ羲遜_捲村上 祐
シリコンにおける単電子帯電効果を明らかにすることは,VLSIデバイスの性能限界を決める上で必須であるとともに,新しい概念をもつデバイスを提案する上でも極めて重要である.本研究では,Siにおいて極微細構造を実際に作製し,単一電子現象の物理の探究を行っている.これまでに,VLSI互換プロセスを用い室温でクーロンブロッケード振動を示す単電子トランジスタの作成に成功している.本年度は,シリコンドット中の量子準位が伝導特性に及ぼす効果について研究を行った.直列寄生抵抗を大幅に低減する新プロセスを用い,単電子トランジスタのピーク電流値を大幅に向上させるとともに,より明瞭な量子効果を観測可能とした.特に,チャネル中のシリコンドットが極めて小さい場合にはドット中の量子準位間隔が大きくなり,基底準位と励起準位へのトンネル確率の違いにより,負性微分コンダクタンスが観測されることをシリコン系デバイスで初めて観測した.また,これらの現象を積極的に利用したデバイスについても検討を進めている.

水和金属酸化物の中温域でのプロトン伝導特性
助教授 日比野 光宏
中温領域(150〜300℃)で作動するPFC燃料電池の実現を念頭に置き,プロトン伝導膜の開発を目指し,無機-高分子複合膜に利用可能な無機化合物を探索している.これまでに水和酸化タングステン,水和酸化スズなどを例にとり,中温域を含んだ範囲で温湿度を制御して測定したプロトン伝導性と構造や水和水量との関連を調べてきた.WO3・2H2Oにおいては構造内で二次元の水素結合ネットワークによるプロトン伝導が中温域で優勢となることを示しているなど,興味深い事実が明らかになった.現在はさらに高い伝導性を示すと期待される三次元のプロトン結合ネットワークをもつ系を探索している.

非晶質酸化バナジウム/炭素系複合電極のスーパーキャパシタ用正極としての評価
助教授 日比野 光宏
ハイブリッド電気自動車等では,高エネルギー密度かつ高速充放電が可能な補助電源すなわちスーパーキャパシタが要求される.高表面積炭素電極などを用いたイオン吸着によるスーパーキャパシタと比較して,リチウムインターカレーションを利用することで高エネルギー密度が期待できる.当研究室では,酸化バナジウムゲル/炭素複合電極の作成及び評価を行っている.また,リチウム以外のイオンの高速インターカレーション挙動も調べている.

微細デバイス作製のためのダイヤモンド表面終端構造制御(継続)
助教授 光田 好孝[代表者],助教授 光田 好孝, 研究員 川原田 洋, 大学院学生 鍋田 朋哉
ダイヤモンド表面の電気物性は, 表面に化学吸着するHやOなどの原子種に大きく依存し, 高い絶縁性から良好なp型半導体特性にまで変化する. H原子で終端された場合に形成されるp型表面伝導層を利用すれば, 新たな半導体電子デバイスの可能性が開ける. そこで, CVD合成ダイヤモンド表面の終端構造を任意に制御する手法, 得に, H原子終端とO原子終端構造とを互いに変換するプロセスを構築することを目的とした. この終端原子変換プロセスをモデル化した実験を超高真空下でCVD合成多結晶ダイヤモンドを用いて行った. H原子およびO原子の試料表面への吸着は,加熱した試料に対してH2分子およびO2分子を一定圧力下で一定時間吹き付けることにより行った. 未吸着表面にH原子を吸着させると,(111)単結晶において報告されているようにAESピークシフトが起こり,1500Kまでの加熱により吸着H原子はH2分子として熱脱離した.このとき,ドース量に比例した熱脱離量が観測され,AESピークシフトも可逆的に起こることが判明した.また,未吸着表面へのO原子の吸着では,600Kの試料表面には,O原子が吸着し表面絶縁性を示した.この吸着O原子は,CO分子の形で熱脱離することが明らかとなった.一方,1000Kの試料表面にはO原子は安定吸着せず,試料表面のエッチングが起こることが判明した.これらの結果は,現在行われているダイヤモンド膜のエッチングプロセスにおける反応機構を示していると考えられる.

共鳴核反応を用いたダイヤモンド表面および内部の水素原子密度測定(継続)
助教授 光田 好孝[代表者],助教授 光田 好孝, 福谷 克之, 助手・特別研究員 Markus Wilde
ダイヤモンドの表面物性は表面終端元素により大きく変化し, 通常の気相合成時にはH原子で終端されていると云われている. ダイヤモンド膜デバイスの作製には, 表面終端H原子密度および薄膜内部のH原子濃度の測定法が重要であるが, H原子の表面や内部の密度を精緻に測定することが難しい. そこで, 15N2+イオンを用いた共鳴核反応により, ダイヤモンド表面近傍のH原子濃度の測定を行った. これまでに, Si基板上に堆積した多結晶ダイヤモンド膜,およびIr基板上に堆積したヘテロエピタキシャル成長膜について測定を行ってきたが,今年度は,高圧合成(001)Ib基板上にホモエピタキシャル成長させたダイヤモンド膜について新たに測定を試みた. ホモエピタキシャル膜の場合, ヘテロエピタキシャル膜と同様に(001)最表面のダングリングボンドはほぼ完全にH原子で終端されていることが明らかとなった. また, 内部に存在するH原子は,測定条件による検出限界以下であり, 多結晶膜,ヘテロエピタキシャル膜,ホモエピタキシャル膜の順に激減していくことが判明した.これは,H原子が粒界や積層欠陥などに捕獲されていることを意味しているものと考えられる.

非晶質硬質炭素膜の反応性スパッタリング形成(継続)
助教授 光田 好孝[代表者],助教授 光田 好孝, 研究員 鈴木 哲也
非晶質硬質炭素a-C膜は硬さ・平滑性に優れているため, ダイヤモンドに代わる表面処理材料として利用されている. しかし,低い密着性のために,高負荷がかかる機械部品への適用ができない現状にある.そこで, 成長表面へのイオン照射の効果が期待できる,炭素固体ターゲットを原料とした拡散磁場型のターゲット電極を用いたスパッタリング法によって,a-C膜の形成を試みた. このとき, C原子の結合をsp3化するため微量H2の雰囲気中への導入も同時に行った. イオン照射効果を行うためには,プラズマ中で発生するArイオンの平均自由行程がターゲット-基板間の距離と比較して比較的長い必要がある.これは,同時にスパッタ粒子の散乱現象を回避できることから,堆積速度を向上させる効果も期待できる.そのために,昨年度までよりも,更に低圧環境下でのスパッタリングを試みた.この結果, 1桁程度のスパッタリング圧力の低下により,明らかに堆積速度が上昇し,得られる膜質もより硬質のものとなった.現在,500nm程度のマイクロスクラッチテストによる密着性の評価を試みている.

微細デバイス作製のためのダイヤモンド表面終端構造制御(継続)
助教授 光田 好孝[代表者],助教授 光田 好孝, 研究員 川原田 洋, 大学院学生 鍋田 朋哉
ダイヤモンド表面の電気物性は, 表面に化学吸着するHやOなどの原子種に大きく依存し, 高い絶縁性から良好なp型半導体特性にまで変化する. H原子で終端された場合に形成されるp型表面伝導層を利用すれば, 新たな半導体電子デバイスの可能性が開ける. そこで, CVD合成ダイヤモンド表面の終端構造を任意に制御する手法, 得に, H原子終端とO原子終端構造とを互いに変換するプロセスを構築することを目的とした. この終端原子変換プロセスをモデル化した実験を超高真空下でCVD合成多結晶ダイヤモンドを用いて行った. H原子およびO原子の試料表面への吸着は,加熱した試料に対してH2分子およびO2分子を一定圧力下で一定時間吹き付けることにより行った. 未吸着表面にH原子を吸着させると,(111)単結晶において報告されているようにAESピークシフトが起こり,1500Kまでの加熱により吸着H原子はH2分子として熱脱離した.このとき,ドース量に比例した熱脱離量が観測され,AESピークシフトも可逆的に起こることが判明した.また,未吸着表面へのO原子の吸着では,600Kの試料表面には,O原子が吸着し表面絶縁性を示した.この吸着O原子は,CO分子の形で熱脱離することが明らかとなった.一方,1000Kの試料表面にはO原子は安定吸着せず,試料表面のエッチングが起こることが判明した.これらの結果は,現在行われているダイヤモンド膜のエッチングプロセスにおける反応機構を示していると考えられる.

セメント系材料の相互依存水和機構の解明と水和発熱モデルの一般化
助教授 岸 利治
ポルトランドセメントおよびポゾラン系混和材の反応を構成鉱物ごとに記述する複合水和発熱モデルに,高炉スラグ微粉末およびフライアッシュに対応する要素を組み入れた混合セメントの水和発熱モデルを提案している.一般的に使用されるセメント系材料であれば,試験を代替するところまで達しつつあり,更に低水セメント比配合が高温履歴を受けた場合の拘束水解放の影響など,微視的な機構の解明を通した高度化・一般化を進めている.

セメント系材料の相互依存水和機構の解明と水和発熱モデルの一般化
助教授 岸 利治
ポルトランドセメントおよびポゾラン系混和材の反応を構成鉱物ごとに記述する複合水和発熱モデルに,高炉スラグ微粉末およびフライアッシュに対応する要素を組み入れた混合セメントの水和発熱モデルを提案している.一般的に使用されるセメント系材料であれば,試験を代替するところまで達しつつあり,更に低水セメント比配合が高温履歴を受けた場合の拘束水解放の影響など,微視的な機構の解明を通した高度化・一般化を進めている.

RC構造の能動的破壊制御のための埋め込み型人工デバイスの開発
助教授 岸 利治[代表者],教授(東大) 前川 宏一,大学院学生 田中 泰司
コンクリート部材にとって致命的なせん断破壊を,あらかじめ部材内に埋め込んだ装置により人工的に誘発される亀裂によって制御できる見込みが既往の研究から得られている.この結果を受けて,ねじりを含む任意方向からの荷重入力に対する装置の信頼性や施工におけるシステムの実現可能性を考慮した最適な人工デバイスの開発に取り組んでいる.主として実験的な検討を行い,破壊制御による安全性能の向上と同時に,装置による破壊の誘発といった危険性も合わせて検討している.

コンクリート中の空隙構造の配合・温度依存性に関する研究
助教授 岸 利治[代表者],研究実習生 伊藤 一聡
コンクリート中の空隙は,構造物の耐久性に影響を及ぼす種々の物質の移動場となっている.したがって,物質移動に対する抵抗性を適切に評価するためには,配合および養生温度などの環境に依存する空隙構造の形成プロセスを詳細に把握することが必要である.しかし,空隙形成の温度依存性が物質移動抵抗に及ぼす影響については十分に明らかにされているとは言いがたい.特に,低水セメント比配合となる自己充填コンクリートや高強度コンクリートが高温履歴を受けた場合の空隙構造については不明な点が多い.そこで,本研究では異なる温度履歴を受けたセメント硬化体の異なる水セメント比における空隙構造形成プロセスの相違を明らかにし,空隙構造評価モデル構築へ向けた知見の蓄積を図る.

膨張コンクリートのひび割れ抵抗機構の解明とその評価
助教授 岸 利治[代表者],大学院学生 Raktipong Sahamitmongkol
膨張コンクリートの優れた特徴である高いひび割れ抵抗性や変形性をもたらす機構の本質をとらえ,その定量的な評価を行うことを目指している.膨張コンクリートの汎用化へ理論的裏付けを与えることで,コンクリート構造物の高機能・長寿命化と信頼性向上に貢献することがねらいである.ケミカルプレストレスト部材では,曲げ・せん断耐力やひび割れ抵抗性が向上することが知られているが,その機構は極めて複雑である.膨張材量一定の条件下で鉄筋比を変化させることにより,膨張コンクリートに蓄積された圧縮力であるケミカルプレストレスと拘束鋼材の伸びひずみであるケミカルプレストレインが,CPRCのひび割れ抵抗性に与える影響について検討を行っている.

膨張系自己修復高機能コンクリートの開発
助教授 岸 利治[代表者],大学院学生 田中 泰司
低水結合材比配合の膨張コンクリートでは,許容ひび割れ幅程度以下のひび割れであれば外部から水分を供給するとひび割れが徐々に閉塞することを確認し,@全体的な追加膨張,Aひび割れ近傍の局所膨張,B新たな水和物の析出の少なくとも3つの機構が存在すると考えている.このコンセプトを軸に,自己修復高機能材料としての可能性について,検証と応用を視野に入れた研究を行っている.また,低水結合材比とすることによって未反応の膨張材を内部に残存させると遅れ膨張破壊につながるとの指摘を踏まえて,自己崩壊の回避機構についても検討を進めている.

低品質再生骨材の改質による解体コンクリートのリサイクルに関する研究
助教授 岸 利治[代表者],大学院学生 小島 昌太郎
持続可能な社会システム実現の一環として,解体コンクリートの再資源化をコンクリートの改質に関する技術開発によって達成することを目指している.今後ますます増加していくことが予想される解体コンクリートの資源化を促進するためには,再生骨材を低品質なまま用いることを可能とする技術の開発も必要と考えられる.そこで,低水セメント比配合をベースとして,再生モルタルの強度特性に着目した研究開発を行っている.特に,硬化過程における水分,イオンおよび水和生成物の相互移動に着目した機構解明と改質技術の実現可能性について検討している.

実構造物中におけるコンクリート品質のばらつきと信頼性に関する調査研究
助教授 岸 利治[代表者],研究実習生 伊藤 一聡
現場施工によって製造されるコンクリート構造物の品質は,材料特性のみならず施工の良否によって構造物ごとに大きく異なることが知られている.設計においては,構造物中における材料品質変動リスクを安全係数によってカバーしているが,係数設定の合理的根拠となる実構造物における材料品質のばらつきの程度は十分には明らかにされていないのが実情である.特に,変状が明らかになるまでに相当の年月を要するコンクリート構造物の耐久性に関しては,耐久性照査における係数設定の妥当性についての十分な検証が必要であり,実構造物からのコアサンプリングによってデータの蓄積と検討を行っている.

RC構造の能動的破壊制御のための埋め込み型人工デバイスの開発
助教授 岸 利治[代表者],教授(東大) 前川 宏一,大学院学生 田中 泰司
コンクリート部材にとって致命的なせん断破壊を,あらかじめ部材内に埋め込んだ装置により人工的に誘発される亀裂によって制御できる見込みが既往の研究から得られている.この結果を受けて,ねじりを含む任意方向からの荷重入力に対する装置の信頼性や施工におけるシステムの実現可能性を考慮した最適な人工デバイスの開発に取り組んでいる.主として実験的な検討を行い,破壊制御による安全性能の向上と同時に,装置による破壊の誘発といった危険性も合わせて検討している.

情報・システム部門

CED(き裂エネルギ密度)概念による破壊力学の構築(継続)
教授 渡邊 勝彦
現実のき裂端近傍における現象はほぼ例外なく非弾性現象である. 現在広く行われている破壊力学はこの非弾性現象を弾性き裂の力学により評価しようとして来たものであるといえ, そのため種々の限界, 矛盾が生じている. 本研究においては, CED概念を中心とした非弾性き裂の力学とも呼ぶべきものを構成し, その各種破壊問題への適用を通じて従来の破壊力学における限界, 矛盾を克服し, あらゆるき裂問題に適用可能な破壊力学体系の構築を目指して研究を進めている.

CED(き裂エネルギ密度)概念による破壊力学の構築(継続)
教授 渡邊 勝彦
現実のき裂端近傍における現象はほぼ例外なく非弾性現象である. 現在広く行われている破壊力学はこの非弾性現象を弾性き裂の力学により評価しようとして来たものであるといえ, そのため種々の限界, 矛盾が生じている. 本研究においては, CED概念を中心とした非弾性き裂の力学とも呼ぶべきものを構成し, その各種破壊問題への適用を通じて従来の破壊力学における限界, 矛盾を克服し, あらゆるき裂問題に適用可能な破壊力学体系の構築を目指して研究を進めている.

非線形破壊パラメータの高精度評価法
教授 渡邊 勝彦[代表者],助手・特別研究員 永井 学志, 大学院学生 瀬川 太郎
線形破壊力学においては, 応力拡大係数に代表される破壊パラメータを非常に高い精度で得ることができるが, 一方で弾塑性破壊力学においては, J積分をはじめとする非線形き裂パラメータの理論解や信頼できる解が殆ど存在しないこともあって, 数値解析的手法により得られた解の精度に対する検討が不十分なまま用いられているのが現状の専らである. 本研究では, 第ゼロ節点法を拡張し, HRR特異場で表現できる弾塑性破壊問題に適用することにより, 信頼できる非線形破壊パラメータを高精度に評価する手法を検討している.

異材界面の破壊と強度評価法に関する研究(継続)
教授 渡邊 勝彦[代表者],助手・特別研究員 永井 学志, 技術官 土田 茂宏, 大学院学生 半谷 禎彦
異材界面においては, 弾性解における界面き裂端での応力の振動特異性, 界面端部での応力特異性を見ても分かるように, 均質材では見られない特殊な挙動を示し, その強度評価法の確立に向けて解決さるべき問題が多い. 本研究では上の界面き裂と界面端部の強度評価法の開発・確立に向けての理論的, 実験的研究を進めており, 前者においては, 脆性破壊を対象にした応力拡大係数をパラメータとしての研究, また一般にはき裂端近傍での非弾性挙動を考慮に入れる必要があることから, 弾性から非弾性まで統一的に扱うことを可能にするCEDを中心とした界面き裂パラメータに関する検討を行っている. 後者については軸対称問題, さらには熱応力も考慮に入れての特異性について二次元, 三次元問題を対象に研究している.

混合モードき裂の破壊挙動評価に関する研究(継続)
教授 渡邊 勝彦[代表者],研究員 宇都宮 登雄, 技術官 土田 茂宏
き裂の破壊挙動評価は, 混合モードき裂がどの方向に, どのような条件を満たしたときどの破壊モードで起こるかを判断できて初めて完全なものとなる. 本研究ではCEDをパラメータとして用いることにより, 上記の条件を満たす, 脆性破壊から大規模な塑性変形をともなった破壊まで統一的に扱える混合モードき裂破壊挙動評価が可能となることを均質材中き裂について実証してきており, 現在は, 異材界面においては一般に混合モード状態となることから, 本研究での手法の, 降伏応力が異なる同種材料を溶接したときの界面上および界面近傍のき裂問題への適用性につき, 材料の組合せや温度の影響も含め,検討を進めている.

分子動力学法, 個別要素法の破壊問題への適用性に関する研究(継続)
教授 渡邊 勝彦[代表者],大学院学生 張 万石
本研究は分子動力学法によるシミュレーション, また同法の手法を取り込んだ個別要素法の開発とそれによるシミュレーションを通じて破壊現象の本質に迫り, その理解を深めると共に通常の連続体的強度評価手法の今後の展開に資そうとするものである. 前者においてはbcc Feマトリックス中のCu析出物周りの内部応力評価, 三次元問題を含むいくつかのき裂問題の解析等を進めており, また後者については繊維強化複合材料の衝撃破壊等への適用性についての検討を行っている.

熱応力下応力拡大係数の特性とその構造物健全性評価への応用(継続)
教授 渡邊 勝彦[代表者],研究員 飯井 俊行
熱サイクルを受ける構造物においては, 熱応力によりいったんき裂が発生, 進展を開始しても, その後停留してしまう場合も多い. これにつき従来, 熱応力下においてはき裂の進展に伴い始め応力拡大係数は増加するがその後減少していくためであろうと概念的に考えられているが, 定量的には殆ど議論されていない. 本研究においては, 各種の熱応力下応力拡大係数を系統的にかつ簡便に評価する手法の開発を行ってき裂停留の本質を明らかにすると共に, 停留現象を構造物のより合理的な, 健全性評価・設計に活かす方法について研究している.

圧電材料の破壊力学に関する研究(継続)
教授 渡邊 勝彦[代表者],助手・特別研究員 永井 学志, 大学院学生 南 秉群
圧電材料はセンサーやアクチュエーターとして用いられ, 将来の知的材料の構成要素として期待されているが, その破壊力学的強度評価法は未だ確立されるに至っていない. 本研究はその確立を目指すものであり,切欠き・き裂における特異性, 力学的効果, 電気的効果のカプリングの現れ方等, 基本的性質の把握を, 評価法の有限要素解析による妥当性の検証と平行して進めている.

コンクリート材料の圧縮破壊解析のためのイメージベース有限要素法の開発
助手・特別研究員 永井 学志, 教授 渡邊 勝彦[代表者]
建設系の主要な構造材料のひとつであるコンクリート材料は, 微視的に見ると様々な脆性材料から構成される複合材料であるが, 介在物としての骨材が母材の脆性破壊の進行を妨げる働きをするために, 巨視的に見ると擬脆性的な力学挙動を示す. 本研究では, 巨視的な圧縮破壊を微視的な引張による破壊から詳細に説明することを目標として, 母材−介在物−界面の微視構造モデルに変位の不連続性を考慮した三次元イメージベース有限要素解析手法を開発している.

弾性複合材料の分散性を考慮した波動伝播モデルの開発
助手・特別研究員 永井 学志, 教授 渡邊 勝彦[代表者]
弾性複合材料中を伝播する応力波は, 波長が複合材料の微視構造の特徴長さよりも十分に長い場合には, 等価な均質材料を考えることによりモデル化できる. しかしながら, 波長が短くなるにしたがって, それぞれの微視構造に特有の分散性を示すために, 均質化してモデル化する際にはこの分散性を考慮する必要がある. 本研究では, 多重時間スケールと2つの空間スケールを用いた波動方程式に対する高次均質化法から導出される微視と巨視に関する方程式を基礎として, 波動の分散性を考慮した応答解析のためのモデル化手法を開発している.

薄型シリコンチップの強度評価法に関する研究
教授 渡邊 勝彦[代表者],助手・特別研究員 永井 学志, 技術官 土田 茂宏, 大学院学生 南 秉群
ICカードのような電子デバイスに組み込まれる半導体チップには薄さが要求されるために, 数10μm厚のものが開発されつつあるが, 材料である単結晶シリコンは欠陥に対して敏感であることや微小であること等も加わり, 従来の強度評価手法をそのまま適用することは困難となっている. このような現状を踏まえて, この種の材料に対する強度評価手法について検討を行っている.

非線形破壊パラメータの高精度評価法
教授 渡邊 勝彦[代表者],助手・特別研究員 永井 学志, 大学院学生 瀬川 太郎
線形破壊力学においては, 応力拡大係数に代表される破壊パラメータを非常に高い精度で得ることができるが, 一方で弾塑性破壊力学においては, J積分をはじめとする非線形き裂パラメータの理論解や信頼できる解が殆ど存在しないこともあって, 数値解析的手法により得られた解の精度に対する検討が不十分なまま用いられているのが現状の専らである. 本研究では, 第ゼロ節点法を拡張し, HRR特異場で表現できる弾塑性破壊問題に適用することにより, 信頼できる非線形破壊パラメータを高精度に評価する手法を検討している.

低温排熱の動力化に関する研究(継続)
教授 西尾 茂文[代表者],教授 西尾 茂文, 助手 永田真一,大学院学生 田中久嗣,研究生 内山直和
エネルギー問題は, 石油資源の枯渇を中心とした資源制約と, 地球温暖化を中心とした環境制約との両面を有する. 近未来においていずれが主たる制約となるかについては様々な見解があるが, いずれにしても同一の生産過程などにおけるエネルギー消費を押さえる省エネルギー技術と, 未利用のエネルギーを利用する未利用エネルギー利用技術とは, エネルギー有効利用技術の核である. 本研究では, 後者の中で動力化が難しく熱利用として注目されている低温排熱を再動力化するソフトエンジンシステムの開発を目指している. 本年度は, ガス排熱を対象とし,熱音響エンジンによる動力化の可能性を解析的に検討し,ループ構造が有望であることを示した.また,熱電素子に注目し,その温度差利用率を飛躍的に高めるための高効率フィン構造を細径ヒートパイプにより構築する研究を開始した.

液相の相変化現象における素過程と熱伝達(継続)
教授 西尾 茂文[代表者],教授 西尾 茂文, 大学院学生 田中 宏明
蒸発・沸騰や凝固・凍結などの液相の相変化現象は, 相変化分子運動論・界線動力学・界面安定性を媒介として異相核生成・異相成長・界面形態形成により異相構造が形成されるため, 物理的に興味深く, またエネルギー・熱制御・素材製造・食品保存などの工学事象とも関連が深いため熱伝達の解明・制御の観点からも重要である. 本研究では, こうした素過程および熱伝達に関する研究を現象の物理的理解を深め,その知見から技術展開を図る研究を継続的に行っている. 本年度は, 1)マイクロメッシュを付加した蒸発面におけるメニスカス蒸発に関する実験的検討, 2)単結晶サファイアを用いた高熱流束沸騰における固液接触構造の可視化とそのモデル化, および3)希薄噴霧冷却における熱伝達特性に関する熱伝達特性測定実験とモデル化などを行った.

電子機器の統合冷却システム
教授 西尾 茂文[代表者],教授 西尾茂文,助手 永田真一,技術官 上村光宏,大学院生 吉田大輔,岩上健,多田佳弘
高集積化・高密度実装により発熱密度が急増しているLSIチップについては, notebook PCに代表されるように空冷が基本となるが, 発熱密度は在来の空冷技術で処理できる範囲を超えつつある. そこで, 本研究では, (a)チップからの発熱を再電力化し放熱負荷を低減する要素, (b)放熱面積の拡大要素, (c)高性能なヒートシンク要素, (d)導入空気の低温化要素を総合・統合した冷却技術, すなわち統合熱制御システムを提案し, 要素開発を開始した. 本年度は, 放熱面積の拡大要素として, 1)加振機構を内蔵したCOSMOS heat pipe型ヒートスプレッダーの熱伝導率を最大にする最適条件の解析的導出および振動流駆動仕事の実験的把握, 2)内径0.8mmのSEMOS heat pipeの試作とその動作確認, 3)マイクロチャネル型ヒートシンクの最適化計算と熱伝達特性の測定,4)JT膨張を利用したマイクロミニチュアスポット冷却器の検討などを行なった.

低温排熱の動力化に関する研究(継続)
教授 西尾 茂文[代表者],教授 西尾 茂文, 助手 永田真一,大学院学生 田中久嗣,研究生 内山直和
エネルギー問題は, 石油資源の枯渇を中心とした資源制約と, 地球温暖化を中心とした環境制約との両面を有する. 近未来においていずれが主たる制約となるかについては様々な見解があるが, いずれにしても同一の生産過程などにおけるエネルギー消費を押さえる省エネルギー技術と, 未利用のエネルギーを利用する未利用エネルギー利用技術とは, エネルギー有効利用技術の核である. 本研究では, 後者の中で動力化が難しく熱利用として注目されている低温排熱を再動力化するソフトエンジンシステムの開発を目指している. 本年度は, ガス排熱を対象とし,熱音響エンジンによる動力化の可能性を解析的に検討し,ループ構造が有望であることを示した.また,熱電素子に注目し,その温度差利用率を飛躍的に高めるための高効率フィン構造を細径ヒートパイプにより構築する研究を開始した.

ガラス潤滑切削加工に関する研究
教授 谷 泰弘[代表者],教授 谷 泰弘・助手 柳原 聖
環境問題を考慮して切削油剤を代替できる固体潤滑剤,ならびに固体潤滑法の検討を行っている.その中で,熱間押し出し加工においてガラスが利用されていることに着目し,切削加工にガラスを主体とした固体潤滑を適用することを試みている.現在のところ,小径ドリル加工にてその効果が得られることが明らかとなっている.

固定砥粒ワイヤ工具の開発(継続)
教授 谷 泰弘[代表者],教授 谷 泰弘・客員助教授 榎本 俊之・大学院学生 千葉康雅
8インチ以上の大口径シリコンインゴットの切断にはこれまでの内周刃切断にかわってワイヤソー切断が採用されている. しかし, ワイヤソー切断は低作業能率, 悪作業環境, 加工後の洗浄が困難という問題を有する. したがって固定砥粒ワイヤ工具の開発が望まれているが, 砥粒をワイヤに電着する電着工程の短縮が問題となっている. これまでレジンボンドダイヤモンドワイヤ工具の開発に着手してきたが, 今年度はメタルボンドダイヤモンドワイヤ工具の高速製造法について検討した.

超微細シリカ凝集砥粒を使用した固定砥粒開発工具の開発(継続)
教授 谷 泰弘[代表者],教授 谷 泰弘・客員助教授 榎本 俊之・大学院学生 高 綺
シリコンウェーハの表面を鏡面化するには超微細シリカ砥粒を使用するのが好ましい. しかし, 超微細シリカ砥粒を固定砥粒加工工具に用いると工具は容易に目づまりする. そこで, 超微細シリカ凝集砥粒を用いた固定砥粒加工工具を開発している. 本年度は,加工液として純水のみを使用して,高速に鏡面加工が可能な超微細シリカ凝集砥粒を用いた固定砥粒研磨パッドについて検討を行った

複合粒子研磨法の開発(継続)
教授 谷 泰弘[代表者],教授 谷 泰弘・客員教授 河田研治・客員助教授 榎本俊之・助手 柳原 聖・寄付講座教員 盧 毅申・大学院学生 周 文軍
鏡面研磨においては研磨布が一般に利用されている. しかし, 研磨布は目づまりや切れ味の劣化を起こしやすく, 研磨加工を安定させる際の足枷となっている. そこで, 研磨布の代わりにポリマー微粒子を添加することで研磨布を利用しない研磨加工複合粒子研磨法の実現を試みている. 本年度はこの複合粒子研磨法で使用するのに適した工具プレートやポリマー微粒子について検討した.

紫外線硬化樹脂を利用した精密切断ブレードの開発(継続)
教授 谷 泰弘[代表者],教授 谷 泰弘・助手 柳原 聖・大学院学生 李 承福
半導体ウェーハの精密切断には厚さ数十μmの薄刃の砥石が利用されているが, 熱硬化性樹脂を利用しているために焼成工程に時間がかかってしまう. そこで, 紫外線硬化樹脂を利用して精密切断ブレードを大量に短時間に製造する技術を開発した. 本年度はスピンコータを利用した極薄ブレードの製造方法について検討した.

二焦点レンズを利用したシリコンウェーハの厚み計測(継続)
教授 谷 泰弘[代表者],教授 谷 泰弘・技術官 上村 康幸
シリコンウェーハの製造工程において, その厚み測定には表面と裏面の変位量から算出される手法が用いられており, 片面からの計測で厚みを計測する手法が望まれている. そこで, 赤外線がシリコン単結晶を透過するという性質を利用して, あらかじめ焦点距離のわかった二焦点レンズを用いながらウェーハ表面での反射波と裏面での反射波を捉えることで厚さを計測する方法を開発した. 本年度は被測定物の表面粗さや表面品質が測定結果に及ぼす影響について検討した.

ガラス潤滑切削加工に関する研究
教授 谷 泰弘[代表者],教授 谷 泰弘・助手 柳原 聖
環境問題を考慮して切削油剤を代替できる固体潤滑剤,ならびに固体潤滑法の検討を行っている.その中で,熱間押し出し加工においてガラスが利用されていることに着目し,切削加工にガラスを主体とした固体潤滑を適用することを試みている.現在のところ,小径ドリル加工にてその効果が得られることが明らかとなっている.

リニアモータを用いた単結晶引上げ装置用アクティブ・パッシブ切換え型免震装置
教授 藤田 隆史[代表者],教授 藤田 隆史・研究員 鎌田 崇義・受託研究員 古川 裕紀・研究実習生 櫻木七平
単結晶引上げ装置は,弱地震動によって,機器自体ではなく製造中の単結晶が破損する.本研究は,このような単結晶引上げ装置の地震対策のために,リニアモータを用いたアクティブ・パッシブ切換え型免震装置を開発している.リニアモータを用いることによって,弱地震動に対しては良好なアクティブ免震性能を発揮して単結晶の破損を防止し,強地震動に対してはパッシブ免震によって引上げ装置自体の破損を防止することができると考えられる.本年度は,実験装置を設計するための予備解析を行った.

自動車用タイヤの総合的状態モニタリングに関する基礎的研究
教授 藤田 隆史[代表者],教授 藤田 隆史・助手 大堀 真敬・大学院学生 斉藤 正英・大学院学生 吉田 英樹
本研究では,自動車用タイヤの空気圧,温度,タイヤ発生力を計測し,計測データを無線通信によってリアルタイムに車体側へ伝送するシステムを開発している.タイヤ発生力の計測に関しては,タイヤ・路面間に作用する6分力をホイールのひずみを通して計測する方法を研究している.本システムによって,タイヤ・路面間の力をリアルタイムで直接測定することが可能になれば,制動性能を向上させるABS,駆動時の安定性を向上させるTCS,旋回時の横滑りを制御するVSCなどの車両運動制御システムの性能や信頼性は現在のものより格段に向上すると考えられる.

ピエゾ素子を用いたスマート構造による精密機器のパッシブ微振動制振
教授 藤田 隆史[代表者],教授 藤田 隆史・大学院学生 服部 高弘
本研究では,ピエゾ素子を用いたスマート構造による精密機器のパッシブ微振動制振の研究を行っている.電子顕微鏡モデルに取り付けられた8個のd31型ピエゾ素子(60mm×60mm×5mT)の各々にはオペアンプで模擬されたLR直列回路から成る分岐回路が接続され,LとRの調整により,動吸振器に似た原理によって制振がなされる.本スマート構造によってアクティブ制御では困難であった高振動数での微振動制振が安定に,効果的に行えるようになった.

超磁歪アクチュエータを用いた天井懸架型手術顕微鏡用アクティブ微振動制御装置
教授 藤田 隆史[代表者],教授 藤田 隆史・大学院学生 山田 直秀
脳外科手術や眼科手術など細密な手作業を要する手術では,患部を拡大して見るために最大倍率25倍程度の手術顕微鏡が用いられる.病院によっては,空調機器などの機械や人間の歩行などを振動源とする床の微振動が許容レベルを超え,手術に支障をきたすことがあることは以前から問題になっていた.2000年度は,天井懸架型手術顕微鏡を対象として,ピエゾアクチュエータを用いた6自由度アクティブ除振装置を適用する場合の制御側について基礎的研究を行った.

免震された精密生産施設のためのピエゾアクチュエータを用いた総合的アクティブ微振動制御システム
教授 藤田 隆史[代表者],教授 藤田 隆史・技術官 嶋ア 守
半導体工場などの精密生産施設には,建物内部の設備機器をも効果的に地震から守るために,免震構造の採用が望ましい.本研究では,4基の多段積層ゴムで支持された2層建物モデル(3m×5m×4mH,総質量6t,免震層と上部構造物の柱と梁にピエゾアクチュエータを装着)を用いて,免震された精密生産施設の,設備機器や人間の歩行によって発生する内生微振動と,地盤振動や風による外来微振動を総合的にアクティブ制御するシステムを研究している.

ピエゾアクチュエータを用いた可変摩擦ダンパによる建築構造物のセミアクティブ免震
教授 藤田 隆史[代表者],教授 藤田 隆史・協力研究員 佐藤 英児
ピエゾアクチュエータを用いた可変摩擦ダンパによって,免震効果を損なうことなく免震構造特有の大きな相対変位を出来るだけ小さくし得るセミアクティブ免震システムの研究を行っている.可変摩擦ダンパとして,ピエゾアクチュエータが作動しない場合でも,大地震時にはダンパとして機能し得るフェールセーフ機能を有した摩擦ダンパを開発している.本年度は,シミュレーションによって,セミアクティブ免震システムの制御則に瞬時最適制御理論を適用することの妥当性を検証した.

リニアモータを用いた単結晶引上げ装置用アクティブ・パッシブ切換え型免震装置
教授 藤田 隆史[代表者],教授 藤田 隆史・研究員 鎌田 崇義・受託研究員 古川 裕紀・研究実習生 櫻木七平
単結晶引上げ装置は,弱地震動によって,機器自体ではなく製造中の単結晶が破損する.本研究は,このような単結晶引上げ装置の地震対策のために,リニアモータを用いたアクティブ・パッシブ切換え型免震装置を開発している.リニアモータを用いることによって,弱地震動に対しては良好なアクティブ免震性能を発揮して単結晶の破損を防止し,強地震動に対してはパッシブ免震によって引上げ装置自体の破損を防止することができると考えられる.本年度は,実験装置を設計するための予備解析を行った.

Unconditionally Secure Electronic Cash
教授 今井 秀樹
Many electronic cash schemes have ever been proposed in literature, but to the best of our knowledge, all of them rely on computational assumptions for their security foundation. Nevertheless electronic cash is expected tobe an infrastructure of the future monetary system, if we keep relying on computational assumptions only, the development of quantum computer for example, may bring a destructive risk to our monetary system in the future. The current direction of our research is to assume a trusted third party who participates only in the system set-up phase and never engages in other protocols such as withdrawal and payment. Our goal is to achieveunconditionally (or information theoretically) secure and unconditionally untraceable electronic cash schemes under this assumption.

Unconditionally Secure Electronic Cash
教授 今井 秀樹
Many electronic cash schemes have ever been proposed in literature, but to the best of our knowledge, all of them rely on computational assumptions for their security foundation. Nevertheless electronic cash is expected tobe an infrastructure of the future monetary system, if we keep relying on computational assumptions only, the development of quantum computer for example, may bring a destructive risk to our monetary system in the future. The current direction of our research is to assume a trusted third party who participates only in the system set-up phase and never engages in other protocols such as withdrawal and payment. Our goal is to achieveunconditionally (or information theoretically) secure and unconditionally untraceable electronic cash schemes under this assumption.

マルチキャリヤ変調,ターボ符号,およびLDPC符号による高信頼通信方式の研究
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 受託研究員 松本 渉
近年のブロードバンド化により,限られた周波数帯域で可能な 限り通信容量を確保することが要求されており,周波数利用効率が高いOFDM変調方式が一つの有効な通信方式と考えられている.また,通信の多様化により電話線や電力線など劣化要因の多い伝送路での通信の要求が高まっており,低いSNRにおいて誤り率特性の優れたターボ符号や低密度パリティ検査(LDPC)符号等による符号化が通信品質の確保の面で効果的である. 我々はOFDM変調方式の課題であるマルチパス・フェージングに起因するシンボル間干渉の解決法としてシンボル長を半分に短縮しガードインターバルを大幅に拡張する手法を提案している.また,ターボ符号およびLDPC符号において良好な誤り率性能を維持しながら任意の符号長に確定的な符号構成を与える手法を提案している.

McEliece公開鍵暗号の改良方法およびその安全性の評価に関する研究(継続)
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 助手 古原 和邦
McEliece公開鍵暗号は, 一般の線形符号の誤りを訂正することの難しさに基づいた公開鍵暗号方式である. この方式の暗号化は, ベクトルと行列との掛け算一回と, ベクトルの足し算一回のみでおこなえるため非常に簡単に行える. しかしながら, 現在までに様々な攻撃方法が提案されているため, オリジナルのMcEliece公開鍵暗号は安全な方式であるとは言えない. これに対して我々は, 非常に簡単な処理を付け加えるだけで, このMcEliece公開鍵暗号を今までに知られている全ての攻撃に対して十分な耐性を持たせる方法を提案した. 現在, この提案方式の安全性を詳細に評価する方法について研究を行っている.

グラフィカルモデル上の確率推論の幾何学的解析(継続)
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 技術官 渡辺曜大
ターボ符号や低密度パリティ検査符号の復号アルゴリズムは,ループをもつグラフにおける確率伝播アルゴリズムと等価であることが知られている.そして,これらのアルゴリズムは,ループをもつグラフ上で動作しているにもかかわらず,非常によい特性を示すことが実験的に確かめられている.本研究では,グラフィカルモデル上の確率推論を解くアルゴリズムについて,微分幾何学的手法を用いて解析する.

グラフ上の符号の信頼度に基づく反復復号法に関する検討
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 博士研究員 井坂 元彦
グラフ上で定義される符号は,目的関数が局所関数の積として表現されることから,低複雑度の反復復号に適している.このクラスの符号では,符号長が十分に大きい場合には優れた特性を与えることが多いが,有限長の場合にはグラフ上に現れるサイクルの影響による特性劣化が免れない.本研究では,反復復号に線形符号に対する復号法を適用することで特性の改善を図る.さらに,その振る舞いを検証することで,反復復号法そのものの非最適性についてその性質を明らかにする.

Structured ID Model and Its Application in Key-Agreement Protocols
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 講師 松浦 幹太
User IDs and their public/private keys are used as basic parameters inkey-agreement protocols (KAPs) based on public-key infrastructure (PKI).PKI helps entity authentication. So IDs should have relatively static "name" attributes. For the purpose of message delivery, IDs should have relatively dynamic "address" attributes as well.We investigate security roles of ID in KAP, and their address attributesin particular: they can contribute to protections against network attackssuch as Denial-of-Service (DoS). Our informal model of ID structure allows a DoS-resistant KAP which can be implemented in conjunction with firewall functions.

Interference Cancellation in CDMA Cellular Systems(継続)
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹,大学院学生 Jonas Karlsson
Code Divison Multiple Access(CDMA)is going to be usedin many of next generation of cellular systems. Nextgeneration of cellular system will provide services with awide range of demands. From low rate voice services tohigh rate video services.To increase the capacity in these kind of systems,interference cancellation is one promising method. Ourresearch aims to find methods applicable in particular tothe next generation of cellular system, based on theso-called Wideband CDMA(WCDMA)standard.The current direction of the research is to adoptso-called single-user detectors(SUD)to the WCDMAstandard and finding suitable algorithms around the corealgorithm. This includes algorithms for channel estimation,rate detection, tracking, and so on.

デジタルタイムスタンプに関する研究
教授 今井 秀樹[代表者],授 今井 秀樹,大学院学生 Jonas Karlsson
デジタル文書は, その扱いやすさゆえにデータの信憑性の確保が大きな問題となっている. この実現のため, 秘匿性を確保するための暗号技術およびデータの作成者を保証するためのデジタル署名技術に加え, 第三の要素技術としてデジタルタイムスタンプが必要となる. これはそのデジタル文書が過去の一時点に存在していたことをいくつかの暗号プリミティブを利用することで実現するものであり, 電子政府の実現を始めとする今後の本格的なデジタル社会の到来には必要不可欠な要素技術である. このデジタルタイムスタンプには, デジタル文書と実世界での時刻を直接結び付ける絶対的タイムスタンプと, デジタル文書間の相対的な順序づけを行う相対的タイムスタンプが存在する. いずれも信頼できる第三者機関が必要となるが,特に後者においては全ての文書の順序づけを行うためにはこの機関は一つしか存在してはならない. しかし現実的な観点からは, 信頼分散や負荷分散のために複数の機関の存在を仮定するのが自然である. 我々はいかなる相対的タイムスタンプをも複数の機関のもとで動作するよう拡張するための手法を提案している.

情報量的安全性に基づく暗号系の研究 (継続)
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 大学院学生 花岡 悟一郎
現在利用されているさまざまな公開鍵暗号系のほとんどは,計算量的な安全性に依存したものである. しかし, 近年, 高速な計算アルゴリズムや, 量子計算機をはじめとするさまざまな技術の進歩により, その安全性は危ぶまれている. そこで, 本研究ではいかなる計算能力をもつ攻撃者による攻撃にさえも安全性が保障される暗号系の研究を行う. 具体的には, 情報量的安全に基づく鍵配送方式であるKPSの効率化を行い, また, 情報量的安全性に基づく電子署名方式の機能の拡張および効率化手法の研究を行う.

高速無線通信のための要素技術の研究
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 大学院学生 蓑輪 正
今日無線技術を利用するブロードバンド(高速・広帯域)通信が急速に求められている. しかし,このブロードバンド通信を実現するには,解決すべき課題が山積している.本研究は近年脚光を浴びるターボ原理「ソフト入力とソフト出力による繰り返し処理」を積極的に応用することで,これらの課題に対する解決策を探る.

Study of the security aspects of mobile communications
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹,大学院学生 Mohammad Ghulam Rahman
Security is a critical issue in mobile radio applications. Wireless network uses air as the medium of transmission, which allows easy access to transmitted data by potential eavesdroppers. Security and privacy is very much needed in wireless network. The integration of the security features into wireless communication must take into account restrictions that may apply such as mobility, limited processing and storage capacity of the mobile terminal, low communication bandwidth high transmission costs and real time constraints. An essential function for achieving security in mobile communication is reliable authentication employing appropriate cryptographic algorithms. Another concern is to keep the identity and location of the user secret. Session key establishment for communication is also an important concern. To achieve all this features in a single security protocol an anonymous authenticated key agreement protocol for mobile communication has to be developed. Multi-party communication is also becoming popular due to the advance in distributed communication system. To achieve a conference setting in mobile environment with multi-party authentication and conference key establishment is also the goal of this research. Other security features like domain boundary crossing, device vulnerability etc. will also be studied.

フィンガープリンティング方式に関する研究
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 大学院学生 金 美羅
インターネットの普及により,コピや加工が簡単であるといた特性をもつデジタルコンテンツの著作権侵害問題が深刻になっている.この問題を抑制する一つの方法としてフィンガープリンティング方式がある.この方式は,デジタルコンテンツに購入者のIDを埋め込んで配布するので不正者を追跡することができる.本研究ではより効率良いフィンガープリンティング方式について検討する.

侵入検知とプライバシ保護の両立に関する研究
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 大学院学生 山中 晋爾
侵入検知技術とは,コンピュータやネットワークに対する 不正アクセスを検知する技術である.近年,不正アクセスは 増加の一途をたどっており,その対策は必要不可欠となって いる.しかし,従来の侵入検知技術はユーザのプライバシに 結びつく情報を無造作に扱うことが多く,利用者のプライバ シ保護がなされていない.そこで,本研究では侵入検知性能 を低下させること無くまた利用者のプライバシも保護される ようなシステムに関する研究を行っている.

PKIにおける信頼の定量化(トラストメトリック)に関する研究
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 大学院学生 田村 仁
オープンなネットワークが広がるにつれて,ユーザがどうやってお互いを認証,信頼するかということが困難になってくる.その解決の一つとして近年代表的なものでいえば信頼機関(認証局)を用いたPKI(Public Key Infrastructure)方式があげられる.しかしながら,全エンティティが単一の認証局からの認証を受けることは現実的に難しいので,証明書の連鎖を利用することになる.その結果,多数の証明書を入力情報として,認証局も含めエンティティ同士がどうお互いの信頼度を定量化し評価するかというトラストメトリックが重要になっている.トラストメトリックは,PKIに限らず,より一般の場合についても重要な研究課題であり,今までもいくつもの研究がなされている.本研究は,効率的で意味づけが明確,かつ直感的に反さない結果を出力する信頼度の定量化方法に関してである.

Foundations of Classical and Quantum Cryptography
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 大学院学生 Anderson Clayton Alves Nascimento
The search for the most basic assumptions to base the security of crypto protocols is awell-known problem in cryptography. Cryptographic primitives were proposed as a tentativeanswer to this question.Cryptographic primitives are basic tasks than work as building blocks to achieve morecomplicated cryptographic tasks. Oblivious transfer, bit commitment and zero knowledgeproofs are examples of cryptographic primitives. A cryptographic protocol is said to be weaker than others if its implementation somehowdemands weaker assumptions. Our aim is to investigate the relationship among existent cryptographic primitives. Additionally, we aim topropose new primitives that are weaker than the current primitives but achieve the same cryptographic tasks.

Instance Revocation Regarding Digital Signature
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 大学院学生 張鋭
This work is to have significant instance-management functions regarding digital signature. While a wide variety of the certificate revocation technology has been studied, an idea for instance revocation of digital signature without revoking the certificate has not been investigated. In this research we study different singnature schemes and try to enable instance revocation of digital signature on top of the existing signature schemes. Efficiency and sementic security are of great interest of this research.

一方向アキュムレータに基づくブラインド署名に関する研究
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 大学院学生 Boonying Srivanasont
将来に向けて,電子マネーの研究は急速に研究されている.その電子マネーの実現において,署名の技術が必要とされている.電子マネーを含めて,デジタル情報はとても取り扱いやすいものですがその反面に,データの複製や改ざんなども簡単に行われる.このような状況を避けるために,デジタル情報の保護を行なければならない.電子署名が1つの方法として,その役割を果たしてくれる.電子マネーの実現において,署名の1種であるブラインド署名がよく使われている.ユーザのお金の使い方など個人的な情報を,電子マネーを発行した機関から守るために,開発されたものがブラインド署名である.本研究において,我々は一方向アキュムレータに基づく電子署名に注目するようになった.この署名方式を利用し,電子マネーの実現の可能性を試みた.ここで,実現に向けて,我々はこの署名方式に改良を加え,ブラインド署名の実現を提案する.

署名つき文書に対する漏洩者追跡方式に関する研究
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 大学院学生 米沢 祥子
電子署名技術は今日のネットワーク社会で非常に有用なツールとなっている.しかし,電子署名が施された署名つき文書が署名者の意図に反して不当に流通すると,署名者に対し甚大な被害が生じる場合が考えられる.これは一般に"署名の一人歩き問題"と総称されている. 本研究では,このような問題への対策として,基本的には通常の署名と同様に全体検証可能性を有するが,係争の際には署名つき文書から不正者追跡を可能とする手法を提案し研究している.

必須処理付きアクセス制御モデルに関する研究
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 受託研究員 工藤 道治
近年,個人や企業において,情報資源に対するセキュリティポリシー,(例えば,電子商取引におけるプライバシーポリシー,デジタルメディア使用権ポリシーなど)を使用する場面がますます増えてきている.ところが,同じようなポリシーを異なる書式で指定したり,同じ書式に異なる意味を持たせてしまうことにより,多くの問題が起きている.セキュリティポリシーのための統合的な枠組みを提供することを目的とした,必須処理付きアクセス制御モデルについての研究を行っている.これは,従来のアクセス制御モデルに新しく必須処理という概念を組み込むことで,システムで執行される多様なセキュリティポリシーを,アクセス制御モデルの下で統一的に表現し,それをシステムが執行できるようにするものである.

共通鍵ブロック暗号の安全性評価に関する研究
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 共同研究員 盛合 志帆
共通鍵ブロック暗号は,データの秘匿のために一般的に用いられている暗号方式である.2001年に正式に制定された米国標準暗号AES(Advanced Encryption Standard)もこの暗号方式の一つである.多くの公開鍵暗号が,計算量的に困難とされている問題に帰着することで,その安全性が保証されているのに対し,共通鍵ブロック暗号は,速度や実装性能を重視して設計されることが多く,統一的な安全性保証理論は確立していない.本研究では既存の共通鍵ブロック暗号の安全性評価や新しい安全性評価手法の確立,および共通鍵ブロック暗号の利用モードに関する研究を行なう.

音響信号に対する電子透かし
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 大学院学生 石井 円力
電子透かし(Watermarking, Fingerprinting)は古くから情報セキュリティの分野で使われている通信手段を秘密にするステガノグラフィ(Steganography)に端を発するものである.ステガノグラフィと違って電子透かしは著作権情報を対象のコンテンツ情報そのものに対して埋め込み(embed)を行い,また攻撃に対して耐性がなければならない.研究している手法の特徴はスペクトル拡散の周波数ホッピング法を応用して音響信号の音量成分の変化量に透かしを埋め込む手法である.この手法は変化量の値が統計的にガウス分布に従うことを利用しており,信号処理に対する頑強性も強い.またこの手法を元にして,周波数変換法の違いによる検出率の変化や透かしの強さと検出率の相関,また検出率の向上の方法についての考察をしている.

Stacking-order-key Visual Cryptography and its applications.
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 協力研究員 盛 拓生
Since the paper by Naor and Shamir in EUROCRYPT '96, a lot of researches of Visual Cryptography have been performed. However most of these uses the same operation between pixels as that of the first paper. In SCIS 2000 we proposed a new Visual Cryptography called Stacking-order-key Visual Cryptography (SVC) which uses different operation from the first paper and makes it possible to manage more images than conventional ones and to give a kind of hierarchical structure to decoded images. Moreover we proposed a new digital signature called Digital Visual Signature (VDS) based on SVC. In VDS, it is possible to verify a signature by using only human visual system. The evaluation of VDS with respect to the security, efficiency has been performed.

A light identification scheme for mobile terminals based on a new Visual Cryptography and Challenge-response identification schemes.
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 協力研究員 盛 拓生
The e-commerce has been focused on more and more recently.Especially, the use of mobile phones in e-commerce is reallyexpected. However, to use mobile phones in e-commerce systems,the identification of a user and a mobile phone is neccesary.Now, most of e-commerce sites uses SSL protocol to identify a user. However, SSL uses a public key cryptosystem to exchange common keys. To perform such computation, a lot of computing power is required.In this research we propose a light identification scheme for mobile terminals. In this model, it is assumed that a mobile terminal has the ability of communication, displaying images, and has a little computing power such as the Java Virtual Machine. The identification protocol consists of a new Visual Cryptography and a Challenge-response identificationscheme. The operation used in the new Visual Cryptography isthe "exclusive-or" operation. Thus, the decoding process isreally light. Recently we have tried to select a challenge-response identification scheme suitable for this system and to implement the system.

A scheme to probe an creator of a digital content
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 協力研究員 盛 拓生
Digital watermarking schemes are expected to protect thecopyright of digital contents. However, the use of digitalwatermarking leads to the quality degradation.In this research, we propose a scheme to authenticate acreator of a digital content without changing the contentitself. If someone copies the contents illegally, it ispossible for the creator to probe that the content is created by himself. We call this concept the "digital tally".In digital tally system, a creator divides an original content into a low quality content and residue and the creator keeps the residue in secret and publishes the low quality content in public. To probe that the creator is an original creator, he re-generates the original content by using the low quality content and its residue. It is impossible re-generate the original content without the residue.

How to protect mobile agents from malicious servers.
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 協力研究員 盛 拓生
It is expected that the use of mobiles agent will release human beings from trivial works. However, to realize a mobile agent system. the security of mobile agents is one of the most important factors as well as that of servers.In mobile agent systems, an agent has no ability to computesomething. Thus, the agent must ask a server to computesomething. In such a scenario, the agent must give the server its owner's secret key. If the server is malicious, the key may be used maliciously. In this research we propose a new signature scheme which make it possible to obtain a signature from a server withoutshowing the user's secret key.

2次配布に対して安全な電子透かしシステム
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 共同研究者 岩村 恵市
従来の電子透かしシステムは,配布者は完全に信頼できる機関であることが前提となっている.もし配布者が信頼できる機関ではないとすると,従来のシステムでは不正配布を行っていないユーザに罪を押し付けることが可能である.この問題に対していくつかの手法が提案されている.しかし,これらの手法において前提としているシステムは基本的に配布者とユーザの2者からなるシステムであって,著作者,代理店,ユーザの3者からなり,著作者から代理店,代理店からユーザへと2次配布が行われるシステムとして考えられていない.本論文では,著作者,代理店,ユーザの3者からなる2次配布システムにおいて互いの不正を防止する電子透かしシステムを提案する.

安全な改ざん位置検出用電子透かしに関する考察と提案
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 共同研究者 岩村 恵市
従来の改ざん位置検出用電子透かしの安全性はそのアルゴリズムが秘密であることを根拠とする場合が多く,その安全性について十分考察されている手法は少ない.本論文では,アルゴリズムが知られた場合の従来の改ざん位置検出手法の安全性の考察を行い,その考察に基づいて電子透かし手法のアルゴリズムと埋め込み位置が知られても,改ざん位置の偽造が行えない手法を提案する.これによって,誰でもアルゴリズムを実装でき,標準化などが容易に行える.

グラフで表現されたアクセス構造を持つ視覚復号型秘密分散方式
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 共同研究者 岩村 恵市
機密情報を復元する際のアクセス構造をグラフで表現した視覚復号型秘密分散法について考察をおこなう.グラフの頂点をシェアと対応づけ,グラフにおける距離により複数のシェアを重ねあわせたときに復元される機密画像が異なるような構成方式とその応用について触れる.

複数の機密画像を埋め込み可能なグラフタイプ視覚復号型秘密分散方式の拡張
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 共同研究者 岩村 恵市
(k,n)-しきい値視覚復号型秘密分散法は,復元するための権限としては平等に分散情報が分配されるため,さまざまなアクセス構造が想定される実利用においてはうまく適用できないことが多い.以上の背景のもと,グラフで表現されたアクセス構造を持つ視覚復号型秘密分散法が D.R. Stinson らにより提案されている. 本稿ではこの概念を拡張して,辺の有無ではなく2頂点間の距離に基づいたアクセス構造を持つ視覚復号型秘密分散法を提案する.2枚のシェアを重ねあわせたときに,シェアの距離により復元される機密画像が異なるような視覚復号型秘密分散法を構成することを実現した. また復元画像のコントラストの改善を検討し,より見やすい構成方法についても新たに提案する.

MCMPを利用したコンピュータウィルス対策
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 共同研究者 末松 俊成
近年のインターネットの急激な拡大・普及に伴い,多くの人々が電子メール,WWW(world wide web),電子商取引などのサービスを利用するようになった.その一方で,コンピュータウィルスや不正アクセスなどのインターネット上の犯罪も増えてきている.インターネットやコンピュータのセキュリティを考える上で,コンピュータウィルス対策は非常に重要な課題の一つであるが,現在のコンピュータ環境においては,いまだに抜本的な対策が見出されていない.本稿ではMCMP(Multipurpose Crypto Microprocessor)を利用したコンピュータウィルス対策方法について述べる.

MCMPを利用したソフトウェア保護方式に関する一考察
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 共同研究者 末松 俊成
現在のコンピュータ/ネットワーク社会において,ソフトウェア(プログラムやディジタルデータなど)の違法コピーや不正使用を防ぎ,著作者の権利を保護することには困難な問題が多く残されている.このような現状を改善するにはMultipurpose Crypto Microprocessor(MCMP)が有効である.MCMPは,内部に暗号化/復号機能を内蔵したマイクロプロセッサであり,ソフトウェアを安全に実行することができる.しかし,現在すでに多くのコンピュータが普及しており,この全てのCPUをMCMPに切りかえることは容易ではない.本稿では,MCMPが必要な背景について説明し,MCMPを導入する一つの手段として,MCMPを搭載した拡張ユニットを用いたソフトウェア保護システムについて考察する.

素体を利用したターボ符号用インタリーバ
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 共同研究者 須田 博人
ターボ符号は符号化利得が高く所要の処理量も現実的なことから,誤り訂正符号の中でも特に注目を浴びている.実際に,第3世代移動通信(IMT-2000)の標準方式にも必須技術として採用されており,まさに実用化段階に入った技術といえる.ターボ符号器は,複数の組織的畳込み符号とそれらを組み合わせるインタリーバを柱として構成される.ターボ符号におけるインタリーバの効果は符号の特性に大きく影響し,その重要度はもう1つの構成要素である組織的畳込み符号よりもむしろ大きいともいえる.本論文では,ターボ符号のインタリーバ(交錯アルゴリズム)を研究対象とし,符号化利得の高さと設計の自由度とを両立させることを狙いとした新しい交錯アルゴリズムとして素数インタリーバを提案する.本稿では,提案する素数インタリーバの設計の基本的な考え方およびアルゴリズムについて詳細に述べ,次にシミュレーッションにより復号のビット誤り率特性を評価する.さらに,従来の方法(ランダムインタリーバおよびprunableインタリーバ)との特性の比較結果も示す.なお,本稿で提案する素数インタリーバは,IMT-2000の標準技術(IMT-2000 CDMA Direct Spread)として採用されている.

Advanced Analysis and Design of Stream Ciphers
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹,共同研究者 Miodrag J.Mihaljevic
Stream ciphers are well recognized as the importantcryptographic primitives for developing of secure andhighly efficient encryption techniques.On the other hand, our highly ranked recent achievementsare a promising base for further advances analysis anddesigns.Main goals of the research activities include thefollowing:- developing methods for security evaluation ofstream ciphers and particularly keystream generators;- security evaluation of particular stream ciphers;- developing methods for construction of secure andefficient stream ciphers;- construction of stream ciphers suitable for highrate and low power consumption constraints.

情報理論的アプローチによる電子入札方式の研究
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 大学院学生 山根 大地
インターネット上で公平な電子商取引を実現する手段の一つとして電子入札がある. より安全な電子入札システムの実現のために落札値と落札者に関する情報以外を外部に対し秘匿することが重要である. 本研究では入札値の秘匿に関する安全性を高めることを目的とした情報量的安全性に基づく入札方式の検討を行っている.

マルチキャリヤ変調,ターボ符号,およびLDPC符号による高信頼通信方式の研究
教授 今井 秀樹[代表者],教授 今井 秀樹, 受託研究員 松本 渉
近年のブロードバンド化により,限られた周波数帯域で可能な 限り通信容量を確保することが要求されており,周波数利用効率が高いOFDM変調方式が一つの有効な通信方式と考えられている.また,通信の多様化により電話線や電力線など劣化要因の多い伝送路での通信の要求が高まっており,低いSNRにおいて誤り率特性の優れたターボ符号や低密度パリティ検査(LDPC)符号等による符号化が通信品質の確保の面で効果的である. 我々はOFDM変調方式の課題であるマルチパス・フェージングに起因するシンボル間干渉の解決法としてシンボル長を半分に短縮しガードインターバルを大幅に拡張する手法を提案している.また,ターボ符号およびLDPC符号において良好な誤り率性能を維持しながら任意の符号長に確定的な符号構成を与える手法を提案している.

乱流エネルギー方程式における圧力速度相関項の統計理論的研究
教授 吉澤 徴
乱流モデルによる予測が極めて難しい流れ現象の一に, 物体から流体層が剥離する流れがある.近年の計算機実験よって,従来全く考慮されていなかった 圧力速度相関項による拡散効果が最も重要な効果の一つであることが明らかにされた.本研究では,同相関項をTSDIA理論を用いて解析し,その数学的構造を明らかにした.これをもとに,物理空間での一点モデル表現を校正し,乱流モデリングへの組み込みを提案した.

乱流エネルギー方程式における圧力速度相関項の統計理論的研究
教授 吉澤 徴
乱流モデルによる予測が極めて難しい流れ現象の一に, 物体から流体層が剥離する流れがある.近年の計算機実験よって,従来全く考慮されていなかった 圧力速度相関項による拡散効果が最も重要な効果の一つであることが明らかにされた.本研究では,同相関項をTSDIA理論を用いて解析し,その数学的構造を明らかにした.これをもとに,物理空間での一点モデル表現を校正し,乱流モデリングへの組み込みを提案した.

ヘリシティを導入した非線形乱流モデルの研究
教授 吉澤 徴[代表者],技術官 西島 勝一・教授 吉澤 徴
変形速度テンソルと渦度テンソルに関して,2次および3次の非線形モデルは近年多いに発展し,種々の流れに適用され,その有効性が確認されている.この種の非線形モデルを適用してその性質が定性的にも再現できない流れとして,円管内の旋回流がある.本研究では,変分法モデルより導出されたヘリシティ効果を上記非線形モデルに組み込み,旋回特性の再現を試みている.

非平衡乱流粘性表現による圧縮性乱流モデリングの研究
教授 吉澤 徴[代表者],教授 吉澤徴・主任研究員(航技研) 藤原仁志・助教授 半場藤弘・技術官 西島勝一・元大学院生 熊谷幸浩
2つの平行な流れが混じり合う混合層流れにおいては,その流速差が超音速になるにつれてその成長が著しく抑制される.この効果を乱流モデルを用いて再現するには,乱流圧縮性効果の組み込みが不可欠となる.他方,超音速平行平板間乱流,超音速境界層流では 乱流圧縮性効果を含めない乱流モデルで,平均流に関する主要性質が再現できる.この2種類の流れを同時に扱いうる乱流モデルはこれまで存在しなかったが,TSDIA理論より指摘された非平衡乱流粘性表現を用いてこの困難を解決した.

ヘリシティを導入した非線形乱流モデルの研究
教授 吉澤 徴[代表者],技術官 西島 勝一・教授 吉澤 徴
変形速度テンソルと渦度テンソルに関して,2次および3次の非線形モデルは近年多いに発展し,種々の流れに適用され,その有効性が確認されている.この種の非線形モデルを適用してその性質が定性的にも再現できない流れとして,円管内の旋回流がある.本研究では,変分法モデルより導出されたヘリシティ効果を上記非線形モデルに組み込み,旋回特性の再現を試みている.

高度交通システム(ITS:状況の認識とモデル化)
教授 池内 克史
21世紀に向けて高度交通システムの開発が盛んです.そこでは,車は, 運転者やその周辺の車の行動を見て,その状態を理解し, 周辺の道路環境を比較しながら, さらに上位のコントロール系からの情報にもとづいて, 最適な行動が取れる必要があります. こういったシステムのために,人間の行動を連続的に観測した画像列から行動を理解する手法, 地図情報と周辺の状況から現在の位置を決定する手法, 位置情報, 地図情報を現在の実画像上に付加する手法などを研究しています.

文化財のサイバー化(形や見えのモデル化)
教授 池内 克史
日本には数多くの文化財が存在しています.それらは,いつ何時火災,地震などの災害のため失われてしまうかも知れません.これらの貴重な文化財をコンピュータビジョンの最新の技術を使用して,サイバー化する研究をおこなっています.主な研究テーマは,形のモデル化,見えのモデル化,環境のモデル化などです.最近,鎌倉や奈良の大仏をモデル化しました.

無形文化財のデジタル化(動きのモデル化)
教授 池内 克史
日本には,仏像や建築物などの「静的」文化遺産と同様に,民族舞踊などの「動き」による形の無い文化遺産も各地に存在しています.しかし後継者不足などの理由から,これらの貴重な文化遺産が失われている事も事実です.我々の研究は,これら失われつつある無定形文化財を計算機内にデジタル保存し,いつでも再現・人に後継できる手法を構築することを目指しています.具体的な研究テーマとしては,・ 人の動きの入力方法とその解析・ 動きのシンボル化・ シンボル化された動きの編集と生成・ CGやロボットによる動きの再現などが挙げられます.

ロボットによる匠の技の学習(動きの実現)
教授 池内 克史
幼児の学習の大部分は,親の行動を見て真似ることから始まります.我々の研究室では人間の行動を見て,これを理解し,同じ行動を行うロボットプログラムを生成する研究を行っています.この研究を行うことで人間の行動学習過程のヒントが得られればと考えています.さらに,人間国宝の業をロボットに再現させることで,貴重な匠の業を永久保存したいと考えています.

高度交通システム(ITS:状況の認識とモデル化)
教授 池内 克史
21世紀に向けて高度交通システムの開発が盛んです.そこでは,車は, 運転者やその周辺の車の行動を見て,その状態を理解し, 周辺の道路環境を比較しながら, さらに上位のコントロール系からの情報にもとづいて, 最適な行動が取れる必要があります. こういったシステムのために,人間の行動を連続的に観測した画像列から行動を理解する手法, 地図情報と周辺の状況から現在の位置を決定する手法, 位置情報, 地図情報を現在の実画像上に付加する手法などを研究しています.

超臨界流体抽出法を用いた環境汚染物質分析法の研究(新規)
教授 尾張 真則[代表者],教授 尾張 真則,研究担当 坂本 哲夫,大学院学生 永井 一聡,柴田 和明
超臨界流体は温度と圧力を変えることにより流体密度,すなわち溶解力を制御できるという特長をもつ.本研究では,多様な混合物である環境汚染有機物質を迅速に固体から抽出し,かつ,超臨界流体の密度(温度,圧力)をコントロールすることにより,従来の有機溶媒による一括抽出ではなく,分析目的物質のみを選択的に抽出・回収する新しい分析前処理技術を開発している.これまでに,フライアッシュ試料から,n-アルカン,クロロベンゼン類,PAH類をそれぞれ選択的に抽出することに成功している.

イオン・電子マルチ収束ビームによる表面・局所分析法の開発(継続)
教授 尾張 真則[代表者],教授 尾張 真則,研究担当 坂本 哲夫,大学院学生 高梨 和也・田中 祐介・辛島 正俊・柴田 和明
固体材料の微小領域や粒径数ミクロン以下の単一微粒子に対する三次元分析法の確立を目的として,複数のGa収束イオンビーム(Ga-FIB)と高輝度電子ビーム(EB)を用いた,新しい表面局所分析法を開発した.具体的には,(1)Ga-FIB加工断面のEB励起オージェ分析や,(2)加工断面の飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)法による微小領域三次元分析などが挙げられる.また,本法を半導体素子やボンディングワイヤ接合部あるいは電池材料微粒子などに適用し,固体内部の精密な三次元構造を明らかにした.

反応性ガス支援高速・微細加工システムの開発(継続)
教授 尾張 真則[代表者],教授 尾張 真則,研究担当 坂本 哲夫,大学院学生 高梨 和也・田中 祐介・辛島 正俊・柴田 和明
一般に,固体表面局所の微細加工には収束イオンビーム(FIB)が用いられる.しかしながら,従来の微細加工は,主として物理衝突によるスパッターを利用しているため,深さ数10 nmまでの表層に損傷層が形成される.したがって,加工断面でのアモルファス化や格子欠陥の形成,化学状態変化などが問題となる.本研究では,この様な問題を解決するため,断面加工中に反応性ガスの化学的エッチング効果を利用した「高速化」,ならびに反応性ガスと電子ビーム照射による損傷層の選択除去による「低損傷化」を目的とした高速・微細加工システムの開発を行なっている.

液体金属イオン源を用いたサブミクロン二次イオン質量分析装置の試作(継続)
教授 尾張 真則[代表者],教授 尾張 真則,研究担当 坂本 哲夫,技術官 冨安 文武乃進,大学院学生 野島 雅
二次イオン質量分析(SIMS)法は,深さ方向分析が可能な高感度固体表面分析法である.本研究ではGa収束イオンビーム(Ga-FIB)をSIMS装置の一次ビームに採用し,0.1ミクロン以下の高い面方向分解能を実現した.またマルチチャンネル並列検出システムの開発により,迅速で正確なSIMS分析を可能とした.さらにshave-off分析なる独自の微粒子定量分析法や,Ga-FIBの加工機能を利用した新しい三次元分析法ならびに高精度shave-off深さ方向分析法を確立した.現在は,一次イオンビームのナノビーム化に関する検討・装置化を行っている.

局所分析法を用いた大気浮遊粒子状物質の起源解析(継続)
教授 尾張 真則[代表者],教授 尾張 真則,研究担当 坂本 哲夫,技術官 冨安 文武乃進,大学院学生 金 朋央・野島 雅・柴田 和明
都市大気中の浮遊粒子状物質(SPM)に関する環境・健康影響評価のためには,発生起源や輸送経路の解明が重要となる.またSPM粒子個々の大きさや形,化学組成,粒内元素分布などの情報が必要となる.本研究では沿道や都市人工空間などで捕集されたSPMに対して,マイクロビームアナリシス法を用いて粒別分析し,得られた粒別平均化学組成に基づくクラスター分析を行ない,起源解析・環境評価などを行なっている.さらに,大気汚染の都市間比較に関する検討やSPM表面に吸着した有害有機物の評価法に関する検討を行なった.

化学実験のダウンサイジング(継続)
教授 尾張 真則[代表者],教授 尾張 真則,研究担当 坂本 哲夫,大学院学生 金 朋央・鈕 ジェ・東條 洋介・永井 一聡・松原 光宏
研究上行われる化学実験は新たな情報を得るためになされるものであり,量的生産を目指しているものではない.したがって,実験に用いる試薬の量は,必要最小限であるべきである.本研究は,従来のリットル,ミリリットル,グラムレベルの試薬を用いた化学実験を,得られる情報量を損なうことなくその10の分の1から100分の1以下の試薬により行う実験システムの開発を目指すものである.

超臨界流体抽出法を用いた環境汚染物質分析法の研究(新規)
教授 尾張 真則[代表者],教授 尾張 真則,研究担当 坂本 哲夫,大学院学生 永井 一聡,柴田 和明
超臨界流体は温度と圧力を変えることにより流体密度,すなわち溶解力を制御できるという特長をもつ.本研究では,多様な混合物である環境汚染有機物質を迅速に固体から抽出し,かつ,超臨界流体の密度(温度,圧力)をコントロールすることにより,従来の有機溶媒による一括抽出ではなく,分析目的物質のみを選択的に抽出・回収する新しい分析前処理技術を開発している.これまでに,フライアッシュ試料から,n-アルカン,クロロベンゼン類,PAH類をそれぞれ選択的に抽出することに成功している.

空間データ基盤のデザイン手法
教授 柴崎 亮介
社会的なインフラとして整備の対象となる基盤的な空間データは,できるだけ多くの利用で共通に利用・参照されるものでなければならない.基盤として整備すべきデータの抽出とその費用対効果を明らかにするために,多様な利用者の情報利用行動を調査,分析・整理し,共通に参照される空間データオブジェクトを発見するための手法を開発している.この手法は実際に道路行政のための基盤的道路データの抽出作業や歩行者ITSのための基盤データの抽出作業に適用されている.

地物や空間現象のダイナミックな変化の再現手法
教授 柴崎 亮介
交通や環境など,ダイナミックに変化する空間現象や地物は多い.しかし,時間的,空間的にダイナミックな変化を絶えず網羅的に計測し続けることは多くの場合,きわめて困難であり,結局断片的な観測データから実際に生じているであろう変化を推定することが必要になる.その際,対象地物がそもそもどのように変化するかという知識なども併せて利用することで,推定精度を向上させることができる.観測情報などを表現・管理するデータモデルや曖昧さを持った空間情報の表現モデルの提案に加え,遺伝的アルゴリズムを利用した推定手法を開発している.適用事例には全休・超長期の土地利用変化の再現や都市内における人間移動の再現などがある.

空間エージェントモデルの開発
教授 柴崎 亮介
個別の移動物(人間も含む)のトラッキング技術の進歩と3次元都市モデルなど詳細な空間情報の両方が得られるようになり,3次元都市モデルなど詳細な空間情報が得られるにつれ,空間の中で行動する個々の人間や車両などをエージェントとしてモデル化することが可能になりつつある.こうしたエージェントモデルを利用することで,交通渋滞や群衆の動きのダイナミックスなどをより忠実に表現できる可能性がある.こうしたエージェントモデルの利点や限界,データベースとの連携方法,計算の並列化の方法を明らかにするために,タイやラオスを対象に焼き畑農業による森林劣化や人口増による農業的な土地利用変化を対象に農民などをエージェントモデルとして表現する試みをしている.またこのモデルでは作物などの自然物も農法などに応じて成長するエージェントとしてモデル化されている.

センサシステムとそれを利用した空間データの作成技術の開発
教授 柴崎 亮介
@ 建物・都市レベルを対象とした3次元空間データの自動構築技術: 建物や都市空間を対象に,3次元空間データの自動的な取得とモデル化を目標として,センサシステムの開発からデータ処理手法の開発までを行っている.センサシステムの開発では,異なるセンサの組み合わせ技術とデータ融合手法の開発を中心に進めている.現在開発を進めているセンサとしては航空機・ヘリ搭載のスリーラインセンサ(TLS),車載のレーザマッピングシステムなどがある.前者は世界に同種のものは一つしかないシステムであり,住友電工と共同出資により会社を設立して開発を進めている.後者の車載システムは世界で唯一のシステムである. データ融合手法は別個に収集されたさまざまなデータを接合したり,そこから建物,道路,樹木などの地物を3次元モデルとして抽出する手法を含んでいる.A 歩行者や車両などの移動オブジェクトの計測技術: レーザやCCD,位置決め技術などを利用して,人や車両などの軌跡や行動パターンを計測するセンサシステムやデータ処理手法を開発している.また室内から屋外までシームレスに位置決めできる疑似衛星技術(Pseudolite)の開発を行っている.@とあわせることにより,3次元都市空間内における人間行動などのモニタリングが可能になる.B 大陸から地球レベルにおける空間データの自動構築技術: 多様で大量の衛星画像から3次元地形標高データを作成したり,土地利用や土地被覆,植生の分類や変化の検出を行う手法を開発している.

空間データ基盤のデザイン手法
教授 柴崎 亮介
社会的なインフラとして整備の対象となる基盤的な空間データは,できるだけ多くの利用で共通に利用・参照されるものでなければならない.基盤として整備すべきデータの抽出とその費用対効果を明らかにするために,多様な利用者の情報利用行動を調査,分析・整理し,共通に参照される空間データオブジェクトを発見するための手法を開発している.この手法は実際に道路行政のための基盤的道路データの抽出作業や歩行者ITSのための基盤データの抽出作業に適用されている.

流体の多重スケール・ダイナミックスに関する研究
教授 小林 敏雄
流れにおけるスケールは流れ場の局所パラメータに強く依存し, マクロスケールからミクロスケールまで幅広く分布する. 高精度流体解析手法は流体現象におけるミクロスケールの解明を分担してきた. 本研究ではミクロスケールの現象がどのようにマクロスケールの現象を支配, 影響していくかを解明していく. 本年度は噴流,特に円筒噴流とローブノズル噴流を対象として,乱流LESによる数値シミュレーションと高精度画像解析による実験計測をおこない,それぞれの噴流の3次元非定常的な構造を明確にした.

流体の多重スケール・ダイナミックスに関する研究
教授 小林 敏雄
流れにおけるスケールは流れ場の局所パラメータに強く依存し, マクロスケールからミクロスケールまで幅広く分布する. 高精度流体解析手法は流体現象におけるミクロスケールの解明を分担してきた. 本研究ではミクロスケールの現象がどのようにマクロスケールの現象を支配, 影響していくかを解明していく. 本年度は噴流,特に円筒噴流とローブノズル噴流を対象として,乱流LESによる数値シミュレーションと高精度画像解析による実験計測をおこない,それぞれの噴流の3次元非定常的な構造を明確にした.

翼まわり流れの数値解析に関する研究
教授 小林 敏雄[代表者],教授 小林 敏雄, 研究員 松宮 W
翼および翼列まわりの流れの非定常特性を数値的に予測する研究である. 本年度は風力発電用風車に使用される低レイノルズ数型翼について, LESを適用し迎え角を種々変えて詳細計算を実施した. その結果, 今まで実験的に予想されていた迎え角によって翼背面に生じる小剥離泡の存在を数値解析によってあきらかにこれの翼性能に及ぼす影響を検討した.

流体関連振動の予測と制御に関する研究
教授 小林 敏雄[代表者],教授 小林 敏雄, 助教授 谷口 伸行, 研究員 田中 和博, 協力研究員 小垣 哲也, 技術官 伊藤 裕一
原子力発電プラントなどの大規模エネルギシステムの流体機械設計においては平均的性能の向上と同時に, 流れと構造物とが引き起こす不安定現象の予測や制御が重要な課題である. ここに, 乱流数値シミュレーションを適用して現象解明を図る. 本年度は流れと直角方向に自由に振動する円柱まわりの流れを対象とした乱流LESを試み, 数値予測手法の有効性を検証するとともに, ロッキングイン現象の詳細構造の把握をおこなった. また, 振動する翼まわりの流れ解析を行い, 剥離場の性状の数値予測の有効性を確かめた.

粒子画像流速計の開発
教授 小林 敏雄[代表者],教授 小林 敏雄, 助手 佐賀 徹雄, 技術官 瀬川 茂樹, 受託研究員 久保田 哲也
種々の流れ場の定性的/定量的観察に適する可視化手法の開発およびデジタル画像処理技術の利用による可視化結果の自動解析システムの開発に関する研究である. 今年度はステレオPIVシステムにより高空間解像度で流体機械内部の流れを解析する手法を開発した.さらに,瞬時の流れ場の3次元空間構造の変化を詳細に解析するためのステレオPTVシステムを構成し,遺伝アルゴリズムに基づく3次元粒子追跡ソフトウェアの開発を行った.開発したアルゴリズムの性能を検証するとともに,円筒ノズルの乱流噴流の構造解析へ応用した.

自動車の空気力学的特性に関する研究
教授 小林 敏雄[代表者],教授 小林 敏雄, 助教授 谷口 伸行, 助手 佐賀 徹雄, 研究員 鬼頭 幸三
自動車などの車両の定常・非定常空力特性の解明, 乱流騒音の制御, 車室内冷暖房の空気流動の予測と制御に関する基礎研究を行っている. 今年度は, 乗用車前窓ピラーやドアミラーから発生する空力音の予測解析に着手した.また,自動車のヘッドランプ室熱流動解析コードを開発し,温度分布,速度分布結果の検証,境界条件の影響などを検討した.

LES実用化に関する研究
教授 小林 敏雄[代表者],教授 小林 敏雄, 助教授 谷口 伸行・大島 まり, 協力研究員 坪倉 誠・小垣 哲也・大学院学生 小林 克年
LESを工業・工学の場で利用するためにはサブグリッド乱流モデルの検討, 一般座標系の導入, 境界条件設定方法の確立, 高速計算手法の検討や数値解析精度の把握が必要である. 今年度は, 一般座標系差分スキームの性質, 数値誤差の検討を行い, 高精度, 安定計算可能な一般座標系LESコードを開発した.

熱流動場における温度・速度同時計測法の開発
教授 小林 敏雄[代表者],教授 小林 敏雄, 助手 佐賀 徹雄, 技術官 瀬川 茂樹
空間的あるいは時間的な温度変化を伴う流れ場において, 温度と速度の間の相関を知るために, 広い領域の温度情報と相関情報を同時刻に採取する手法の開発が必要である. そこで速度に対してはトレーサ粒子を追跡する方法を, 温度に対してはLIFによる蛍光発光の強度変化を画像処理する方法を開発している. 本年度は自動車用ヘッドランプ内の温度分布と気流分布について画像処理による計測結果と数値解析による計算結果とを比較し, 両者の相互補充的融合を試みた

翼まわり流れの数値解析に関する研究
教授 小林 敏雄[代表者],教授 小林 敏雄, 研究員 松宮 W
翼および翼列まわりの流れの非定常特性を数値的に予測する研究である. 本年度は風力発電用風車に使用される低レイノルズ数型翼について, LESを適用し迎え角を種々変えて詳細計算を実施した. その結果, 今まで実験的に予想されていた迎え角によって翼背面に生じる小剥離泡の存在を数値解析によってあきらかにこれの翼性能に及ぼす影響を検討した.

プロジェクト・ベースでの環境会計システムに関する研究
教授 野城 智也
建設は,プロジェクトベースでの経済活動である.従って,環境会計手法を導入し,その実効性をあげるには,企業単位だけではなく,プロジェクトベースでの環境会計を導入する必要がある.本研究はこうした認識にたって,プロジェクト単位での環境パフォーマンスの測定手法と,その経済価値を評価する手法を開発することを目的にするものである

プロジェクト・ベースでの環境会計システムに関する研究
教授 野城 智也
建設は,プロジェクトベースでの経済活動である.従って,環境会計手法を導入し,その実効性をあげるには,企業単位だけではなく,プロジェクトベースでの環境会計を導入する必要がある.本研究はこうした認識にたって,プロジェクト単位での環境パフォーマンスの測定手法と,その経済価値を評価する手法を開発することを目的にするものである

プロジェクトにおける技術癒合に関する研究
教授 野城 智也[代表者],教授 野城智也(代表者),教授(東大)馬場靖憲,教授 児玉文雄・助教授 曲渕英邦
建設プロジェクトでは,種々の主体が,技術的詳細を決定に様々な寄与をしている.その寄与のあり方は,プロジェクトの開始時点では必ずしも明確でなく,,契約上で定義された役割とも異なるものである.主体相互間の情報フロー及び意志決定のあり方も非定型的である.にもかかわらず,この技術的融合のあり方が,最終産品(建物)の性能・機能・品質を左右する.本研究はこういった認識に立ち,事例分析を積み上げることにより,プロジェクトにおける技術融合のベストプラクティスモデルを明らかにすることを目的とする

建設産業のサービスプロバイダー化に関する研究
教授 野城 智也[代表者],教授 野城智也,教授(東大)冨山哲男
建物へのニーズが刻々変化する現今の経済社会において,環境負荷やコスト負担を考えると,建替新築によってニーズに対応するのは効率的ではなく,むしろ既存建物をニーズの変化に対して遅滞なく部分更新する方が得策である.本プロジェクトは,こういった認識にたち,多様に特化し,かつ刻々変化する個々のニーズに対応し,建物のインフィルを生体組織的に変容させる技術を開発することを目的とする.

プロジェクトにおける技術癒合に関する研究
教授 野城 智也[代表者],教授 野城智也(代表者),教授(東大)馬場靖憲,教授 児玉文雄・助教授 曲渕英邦
建設プロジェクトでは,種々の主体が,技術的詳細を決定に様々な寄与をしている.その寄与のあり方は,プロジェクトの開始時点では必ずしも明確でなく,,契約上で定義された役割とも異なるものである.主体相互間の情報フロー及び意志決定のあり方も非定型的である.にもかかわらず,この技術的融合のあり方が,最終産品(建物)の性能・機能・品質を左右する.本研究はこういった認識に立ち,事例分析を積み上げることにより,プロジェクトにおける技術融合のベストプラクティスモデルを明らかにすることを目的とする

第一原理マルチスケール有限要素の開発
助教授 吉川 暢宏[代表者],助教授 吉川 暢宏・助手 桑水流理・大学院学生 三井康行
固体の第一原理計算により得られる,原子スケールでの力学的挙動を反映させる,有限要素の開発をマルチスケール手法に基づいて行っている.第一原理計算により得られる,限定された境界条件下での非線形挙動を,連続体力学的な構成関係にて記述するための検討を行った.破壊現象のシミュレーションのため,非連続有限要素モデルと第一原理計算のマルチスケールモデル化の可能性を検討した.

テキスタイル材料の強度信頼性解析
助教授 吉川 暢宏[代表者],助教授 吉川暢宏・助手 桑水流理
高機能繊維を織って成形したテキスタイル材料と,それを強化材としたテキスタイル複合材に関して,経糸と緯糸の挙動までを評価し得る新たな有限要素を開発した.その有限要素の精度を確認するため,二軸応力下での平織材料強度試験方法を考案し,試験結果と有限要素シミュレーション結果の比較を行っている.

X線CTを用いた生体の有限要素モデル化に関する研究
助教授 吉川 暢宏[代表者],助教授 吉川 暢宏・助手 桑水流理・大学院学生 廣田直亮,中本与一
不均質で柔軟な生体組織の有限要素モデル化手法を検討している.生体内での力学状態を計測するため,材料試験機とX線CT装置を組み合わせた,試験機システムを開発した.得られたCT画像から,力学負荷を受ける生体内の変位場を同定するアルゴリズムを開発した.小動物を用いた実験にてその有効性を確認するとともに,生体の非線形材料モデル化のための検討を行っている.

最適構造設計に関する研究
助教授 吉川 暢宏[代表者],助教授 吉川 暢宏・技術官 佐藤 佳代・大学院学生 三宮康彰
液化天然ガス自動車用燃料容器の最適設計に関して,構造と熱流入の問題双方を勘案したパレート最適化手法を,ゼロ和二人ゲーム理論を応用して考案し,その有効性の確認を行った.また,プリンタヘッド等の流体機器の最適設計に関して,流体と柔軟構造の連成問題下での最適設計について,感度解析とムーア・ペンローズ一般逆行列を用いた構造シンセシス手法の有効性を確認した.

第一原理マルチスケール有限要素の開発
助教授 吉川 暢宏[代表者],助教授 吉川 暢宏・助手 桑水流理・大学院学生 三井康行
固体の第一原理計算により得られる,原子スケールでの力学的挙動を反映させる,有限要素の開発をマルチスケール手法に基づいて行っている.第一原理計算により得られる,限定された境界条件下での非線形挙動を,連続体力学的な構成関係にて記述するための検討を行った.破壊現象のシミュレーションのため,非連続有限要素モデルと第一原理計算のマルチスケールモデル化の可能性を検討した.

フレキシブルな素形材製造技術の開発
助教授 柳本 潤[代表者],助教授 柳本 潤, 大学院学生 石塚 基,大学院外国人研究生 李 静媛
素形材製造プロセスをより柔軟に…というのは永遠のテーマである. 例えば鋼製造プロセスでは数多くの合金成分を成分調整により造り分けているが, 現実には成分調整は転炉容量を最小単位としておりその量は約200トンと巨大である. 約10トンの1コイル毎に, 自在な機械的特性を創り込む技術の開発を目指しつつ, 実験による検討を行っている.

半凝固処理金属の製造技術に関する研究(継続)
助教授 柳本 潤[代表者],助教授 柳本 潤, 助手 杉山 澄雄
金属溶湯にせん断攪拌および急速冷却を加えて半凝固スラリーを連続的に製造する新しい方法として, せん断冷却ロール法(SCR法)を提案し, 各種条件下での製造実験を繰り返しつつ, プロセスの特性解明を進め, 所要の半凝固スラリーを得るのに要する加工条件を探索している. 併せて, 得られた半凝固スラリーの内部構造や凝固終了後の機械的特性について調査を進めている.

高機能圧延変形解析に関する研究
助教授 柳本 潤[代表者],助教授 柳本 潤, 研究機関研究員 劉 金山
1990年より供用が開始された圧延加工汎用3次元解析システムは, 多くの事業所・大学に移植され広範囲な圧延加工の変形・負荷解析に利用されている. 種々の圧延プロセスの解析を精度良く行うための改良は現在も継続して行われているが, 同時に本年度より, 財団法人生産技術研究奨励会に設置された特別研究会「高機能圧延変形解析研究会」において, 産学共同による利用技術開発を平行して実施している.

高温変形加工時の材料組織変化に関する研究
助教授 柳本 潤[代表者],助教授 柳本 潤, 助手 杉山 澄雄, 技術官 柳田 明 受託研究員 乗木 尚隆, 研究機関研究員 劉 金山
熱間加工においては塑性変形により誘起される再結晶を利用した, 結晶構造制御が行われる. この分野は, 加工技術(機械工学)と材料技術(材料工学)の境界に位置しているため, 重要度は古くから認知されてはいたものの理論を核とした系統的な研究が極めて少ない状況にあった. 本研究室では, 再結晶過程についての実験的研究と, FEMを核とした理論の両面からこの問題に取り組んでおり, 既に数多くの成果を得ている.

共回転定式化による有限変形弾塑性FEM解析に関する研究
助教授 柳本 潤[代表者],助教授 柳本 潤, 受託研究員 王 飛角 大学院学生 樋口 拓也
数ある力学解析のうち最も高度かつ精密な理論体系を必要とするのが, 有限変形弾塑性変形理論である. 本研究室では, 客観性のある有限ひずみの導出といった「哲学的」テーマに始まり, 有限変形弾塑性FEMによる変形加工解析に終わる一連の研究を実施しており, 主に冷間圧延を対象事例として検討を行っている.

通電加熱の特性と変形加工への応用
助教授 柳本 潤[代表者],助教授 柳本 潤, 技術官 柳田 明, 大学院学生 浅野 泰則
通電加熱圧延では均一温度分布を得ることが雰囲気加熱に比べ容易であり, 今後変形加工における温度制御手段として有効に機能していくことが予想される. 本年度はステンレス鋼の組織制御のための温度制御手段の確率を目的として, 通電加熱の特性を実験的に検討し, 圧延と組み合わせた組織制御を実施した.

冷間集合組織創成に関する研究
助教授 柳本 潤[代表者],助教授 柳本 潤, 大学院学生 渡邊 壮太
冷間プレス加工による成形性を支配する要因は, マクロな視点では金属材料の面内異方性である. 面内異方性はミクロな視点では結晶方位分布により支配されるため, 塑性変形・再結晶・変態による結晶方位分布の変化の定量化は重要な課題である. 本研究では, 冷間集合組織創成メカニズムの検討と, 集合組織創成のための新たな加工機械の開発を目指している.

フレキシブルな素形材製造技術の開発
助教授 柳本 潤[代表者],助教授 柳本 潤, 大学院学生 石塚 基,大学院外国人研究生 李 静媛
素形材製造プロセスをより柔軟に…というのは永遠のテーマである. 例えば鋼製造プロセスでは数多くの合金成分を成分調整により造り分けているが, 現実には成分調整は転炉容量を最小単位としておりその量は約200トンと巨大である. 約10トンの1コイル毎に, 自在な機械的特性を創り込む技術の開発を目指しつつ, 実験による検討を行っている.

氷スラリーを用いた高効率冷熱利用技術の研究開発(継続)
助教授 白樫 了[代表者],主任研究官(産業技術総合研究所)稲田 孝明, 助教授 白樫 了, 助手 高野 清
氷表面への分子吸着効果を持つ環境負荷のちいさい添加物を探索し, これを氷スラリーに加えることにより, 氷の再結晶及び壁面付着を防止する効果を発現させ, 氷スラリーの輸送技術を確立する. また, 交流電場や交番磁場が過冷却水及び氷に及ぼす影響を利用して, 氷に選択的にエネルギーを吸収させる氷の凍結・解凍制御技術を確立する. 本年度は,氷核生成制御の設計の基礎となる氷の磁気共鳴・緩和の磁気物性と結晶粒界の影響を測定する装置を作製した.

生体凍結保存における前処理過程の最適設計(継続)
助教授 白樫 了[代表者],助教授 白樫 了, 助教授 酒井 康行
医用の生体組織を凍結することにより, 長期間保存する技術は, 需要と供給のバランスをとる上で望まれている. 組織の大きさに依存しない凍結法としてガラス化が有力であるが, 凍結前に細胞内外の自由水を凍害防御剤と交換しておく操作必要がある. 本研究ではelectroporationを利用して,細胞膜の透過性を可逆的且つ飛躍的に促進することで,高いガラス化能力をもつ非膜透過性凍害防御剤を導入する方法の開発を行っている.本年度は,electroporationによる細胞膜透過係数の測定や,高いガラス化能力と生体親和性のある糖類の氷核生成に及ぼす影響の観察実験などを行った.

食品凍結・乾燥における溶液系材料の凍結現象シミュレーションモデルの構築と実証(継続)
助教授 白樫 了[代表者],助教授(東京大)相良 泰行, 助教授 白樫 了
食品の凍結乾燥は, 食材本来の品質を維持しつつ保存のきく加工法であることから, 高品位の乾燥保存食品として利用されつつある. しかしながら, 最終的な製品の品質が, 凍結時に生成する氷晶の形態の影響を大きくうけることから, 凍結操作の制御法や氷晶構造の予測がもとめられている. 本研究では, 食材の性状としてコーヒーや果実汁等の溶液系材料を対象として, 凍結速度や凍結方法に依存して変化する氷晶のサイズや分布等を定量的に予測するためのシミュレーションを構築し, 実験により実証することを目的としている.

氷スラリーを用いた高効率冷熱利用技術の研究開発(継続)
助教授 白樫 了[代表者],主任研究官(産業技術総合研究所)稲田 孝明, 助教授 白樫 了, 助手 高野 清
氷表面への分子吸着効果を持つ環境負荷のちいさい添加物を探索し, これを氷スラリーに加えることにより, 氷の再結晶及び壁面付着を防止する効果を発現させ, 氷スラリーの輸送技術を確立する. また, 交流電場や交番磁場が過冷却水及び氷に及ぼす影響を利用して, 氷に選択的にエネルギーを吸収させる氷の凍結・解凍制御技術を確立する. 本年度は,氷核生成制御の設計の基礎となる氷の磁気共鳴・緩和の磁気物性と結晶粒界の影響を測定する装置を作製した.

混在交通流の動的挙動を考慮した制御に関する研究
助教授 鈴木 高宏
自動運転車と手動運転車が混在する交通流において,その挙動の動的様相は非常に複雑なものになる.本研究においては,自動運転車,手動運転車,そしてインフラが物理的/情報的に相互作用を持つ環境(混在交通流)全体を力学的なシステムとして捉え,その動的挙動の性質を明らかにすることで,その性質を踏まえた混在交通流の有効な制御方法の構築を目指している.

超柔軟マニピュレータの動力学解析と制御
助教授 鈴木 高宏
従来の柔軟マニピュレータがリンクもしくは関節に弾性を仮定していたのに対し,無弾性なより柔軟なシステムを考えることができる.その具体的な例としては,ひもやロープ,ワイヤー,テザーなど,また紙や布をはじめとする二次元以上の対象も挙げられる.そうした系を超柔軟系と呼び,自由関節でつながれたリンク系がその力学モデルの一つと考えられることから,その動的挙動の解析を行い,さらにそれにより明らかとなった性質を利用した制御法を提案している.今年度においては,根元への振動入力により人工的なポテンシャル力が生成できることを解明し,それを利用して水平面内での多関節自由関節系をある形状に制御する方法,および重力下でも自由関節系を重力に抗して鉛直以外の方向へ制御し,さらには先端等に外力が加わった際にもインピーダンス的に力制御を行う方法を提案している.

自由関節を持つマニピュレータアームの制御に関する研究
助教授 鈴木 高宏
自由関節を持つマニピュレータアームは,その動力学拘束条件式が時間に対して不可積分であり,2階の非ホロノミック拘束となることが知られている.このような2階非ホロノミック系は従来の制御理論上で扱うのは非常に困難であるが,一方一つのモータのみで多くの関節を駆動できる可能性を有する大きな特長がある.本研究では,この自由関節アームの非線形挙動を解析し,またその非線形性を利用した制御法の構築を行っている.

人工食道のための咀嚼物搬送機構の開発
助教授 鈴木 高宏
最近,ロボット工学の応用として医療分野が注目されている.食道癌の手術では原則的に全摘出が行われ胃や大腸の一部でそれを代替するためその侵襲性は高く,よって有効な人工食道の開発の意義は大きい.本研究では,食道の蠕動機能を機械的に代替する咀嚼物搬送機構の開発を行っている.現在の所,螺旋状の翼が円管内を回転することによって搬送を行う機構を提案,その試作開発を行い,同時にその動力学的挙動の解析を行っている.

混在交通流の動的挙動を考慮した制御に関する研究
助教授 鈴木 高宏
自動運転車と手動運転車が混在する交通流において,その挙動の動的様相は非常に複雑なものになる.本研究においては,自動運転車,手動運転車,そしてインフラが物理的/情報的に相互作用を持つ環境(混在交通流)全体を力学的なシステムとして捉え,その動的挙動の性質を明らかにすることで,その性質を踏まえた混在交通流の有効な制御方法の構築を目指している.

真空中静電浮上の研究
助教授 新野 俊樹
ナノテクノロジー研究,半導体製造,材料開発などの分野で必要とされる超高真空状態を使用する装置においては,高精度な搬送装置や位置決め装置の必要性が高まると予測される.しかし,真空環境におけるメカトロニクスは,真空固有の様々な制限により大気中よりも困難な場合が多い.その制限のひとつとして真空中の摩擦があり,ターボ分子ポンプでは磁気浮上を用いることによりこの問題を解決しているが,電子線を使う装置では,ビームが磁場に敏感なため磁気や磁性体の利用が制限されることがある.そこで,静電気力を用いた浮上を提案しており,重量物の浮上の確認,経済的な電圧印加方法の開発,さらに,搬送装置などに適した電極形状などの開発を行っている.

真空中静電浮上の研究
助教授 新野 俊樹
ナノテクノロジー研究,半導体製造,材料開発などの分野で必要とされる超高真空状態を使用する装置においては,高精度な搬送装置や位置決め装置の必要性が高まると予測される.しかし,真空環境におけるメカトロニクスは,真空固有の様々な制限により大気中よりも困難な場合が多い.その制限のひとつとして真空中の摩擦があり,ターボ分子ポンプでは磁気浮上を用いることによりこの問題を解決しているが,電子線を使う装置では,ビームが磁場に敏感なため磁気や磁性体の利用が制限されることがある.そこで,静電気力を用いた浮上を提案しており,重量物の浮上の確認,経済的な電圧印加方法の開発,さらに,搬送装置などに適した電極形状などの開発を行っている.

3次元電子顕微鏡の研究開発
助教授 新野 俊樹[代表者],部長(理化学研究所)岩木 正哉(代表者), 助教授 新野 俊樹, 研究員(理化学研究所)尾笹 一成・加瀬 究, 主任研究員(日立製作所中央研究所)柿林 博司, 主任技師(日立製作所計測器グループ)砂子沢 成人, 教授(名古屋大)田中 信夫, 研究員(日本原子力研究所)倉田 博基, 教授(工学院大学)馬場 則男
ナノメータオーダの3次元微細構造の観察を実現する. 透過型電子顕微鏡を用い試料を多方向から観察した2次元像を取得し, 計算機上にナノメータオーダの分解能を持った3次元モデルを再構築する. 本年度はシステムの統合を行い,実用に供しうる装置への総まとめを行った.

超音波モータを利用した超高真空対応回転導入器の研究
助教授 新野 俊樹[代表者],助教授 新野俊樹(代表者), 森田剛・助手(スイス連邦工科大学),高橋 俊一・大学院生(東大_房
半導体技術やナノテクノロジーは近年目覚ましい進展を遂げており,今後,更なる微細構造物の加工や観察が必要となる.微細構造物の加工や観察には超高真空状態などコンタミネーションの少ない環境が求められるが,そのような環境下で動作する機械要素はあまりない.微細構造の加工や観察には電子線を用いた機器を使用することが多くみられ,それらの電子線は磁場などの影響を受けやすい.しかし,超高真空状態を保ち,電子線に影響を与えないというような機械要素はほとんどみられない.そこで,筆者らはダイレクトドライブによる低速高トルク,ブレーキレス(静止状態で保持力を持つ)かつ非磁性である超音波モータに着目して超高真空状態に対応する回転導入器の開発を目指している.本年度は出力の向上と,真空度の向上をおこなった.

3次元電子顕微鏡の研究開発
助教授 新野 俊樹[代表者],部長(理化学研究所)岩木 正哉(代表者), 助教授 新野 俊樹, 研究員(理化学研究所)尾笹 一成・加瀬 究, 主任研究員(日立製作所中央研究所)柿林 博司, 主任技師(日立製作所計測器グループ)砂子沢 成人, 教授(名古屋大)田中 信夫, 研究員(日本原子力研究所)倉田 博基, 教授(工学院大学)馬場 則男
ナノメータオーダの3次元微細構造の観察を実現する. 透過型電子顕微鏡を用い試料を多方向から観察した2次元像を取得し, 計算機上にナノメータオーダの分解能を持った3次元モデルを再構築する. 本年度はシステムの統合を行い,実用に供しうる装置への総まとめを行った.

信頼性理論に基く鋼構造物の終局限界状態設計(継続)
助教授 大井 謙一[代表者],助手 嶋脇與助・技術専門職員 大塚日出夫・大学院学生(RA) 伊藤拓海
信頼性理論に基く鋼構造物の終局限界状態設計法に関して解決すべき種々の問題を研究している.線形計画法における制約条件を不確定とした確率極限解析法,複合応力下の部材耐力相関を考慮した極限解析法,設計者の任意の設計戦略を受容できる塑性設計法等の理論的研究を実施しているほか,鉄骨造架構の損傷度についての専門家の意識調査を行い,大震災前に実施した調査結果と比較している.また近似信頼性解析と載荷実験とを結合したハイブリッド実験システムを開発し,鉄骨多層骨組に適用し,地震応答実験結果と照合している.

既存鉄骨建物の構造耐力性能の診断と改善(継続)
助教授 大井 謙一[代表者],助手 嶋脇與助・技術専門職員 大塚日出夫・大学院学生 藍兆松
阪神・淡路大震災で観察された鉄骨造文教施設の被害像と耐震診断結果とを整合させるための耐震診断法の改善,特に建物のエネルギー吸収能力を表現するじん性指標F値の改善についての研究を行っている.また,既存鉄骨造建物の構造耐力性能を改善する目的で取付けられる軸組筋かい材を対象として,改修時の施工性を重視した改良型接合形式の開発研究も行っており,今年度は高変形能高力ボルトや形状記憶合金製の超弾性ボルトを用いた接合部,半剛接合部の柱側板要素の補強効果などについて実験的に検討している.

鋼構造骨組のハイブリッド地震応答実験(継続)
助教授 大井 謙一[代表者],助手 嶋脇與助・技術専門職員 大塚日出夫・大学院学生(RA)伊藤拓海・外国人協力研究員 李玉順
多数の構造部材からなる大規模架構全体の破壊挙動を電算機で追跡しながら,計算された部分構造の変位(または力)を部分構造模型試験体に強制し,また載荷実験で測定された部分構造の挙動情報をリアルタイムで解析にフィードバックさせるというハイブリッド実験システムを開発している.今年度は,超弾性接合された鉄骨架構や,不均等質量分布を有する多層骨組,履歴型ダンパー付き鉄骨架構の地震応答実験を行っている.

鉄骨造弱小モデルの地震応答観測(継続)
助教授 大井 謙一[代表者],助手 嶋脇與助・技術専門職員 大塚日出夫
中規模の地震でも損傷が生じるように設計された鉄骨造3階建て弱小モデル2棟の自然地震に対する応答観測を千葉実験所にて継続している.1棟の模型に変形性能に優れた極低降伏点鋼製の履歴ダンパーを設置して,応答観測により履歴ダンパーによる応答低減効果を実証的に調べるとともに,弱小モデルに対するオンライン地震応答実験を準備中である.また実大構造要素模型の応答観測を目的として,15トン錘を吊った鋼製のブランコ(スチール・スウィング)を新しく建設し,これを利用して露出型柱脚部の振動実験を行っている.

鉄骨構造物の複合非線形解析(継続)
助教授 大井 謙一[代表者],助手 嶋脇與助・技術専門職員 大塚日出夫・大学院学生 Khandelwal Praveen
火力発電所建屋,体育館,工場などの鉄骨造架構は,事務所ビルと異なる形状を有し,筋かい等も不規則に配置されているため,大地震時の挙動には未知の部分が多い.それ故,複雑な部材配置をもつ非整形骨組に対しても設計の段階で容易に用いることのできる非線形解析法が望まれている.本研究では,鉄骨部材の塑性化領域を複数の非線形バネ要素の結合体で近似し,この種の架構の弾塑性挙動を解析している.また骨組の塑性崩壊に対する安全領域を,凸降伏多面体モデルや超楕円体モデルで近似し,省力化地震応答解析法を提案している.

信頼性理論に基く鋼構造物の終局限界状態設計(継続)
助教授 大井 謙一[代表者],助手 嶋脇與助・技術専門職員 大塚日出夫・大学院学生(RA) 伊藤拓海
信頼性理論に基く鋼構造物の終局限界状態設計法に関して解決すべき種々の問題を研究している.線形計画法における制約条件を不確定とした確率極限解析法,複合応力下の部材耐力相関を考慮した極限解析法,設計者の任意の設計戦略を受容できる塑性設計法等の理論的研究を実施しているほか,鉄骨造架構の損傷度についての専門家の意識調査を行い,大震災前に実施した調査結果と比較している.また近似信頼性解析と載荷実験とを結合したハイブリッド実験システムを開発し,鉄骨多層骨組に適用し,地震応答実験結果と照合している.

知的制御システムに関する研究
橋本 秀紀
知的制御システムは「環境を理解し, それに応じた制御構造を自己組織化する能力を有するもの」と考えることができ, 新しいパラダイムへつながるものである. このパラダイムを確立するために, 柔軟な情報処理能力を有する Artificial Neural Networks, Fuzzy 等の Computational Intelligence の利用および数理的手法に基づいた適応能力の実現による制御系のインテリジェント化を進めている.

分散されたデバイスと相互作用し賢くなる知的空間
橋本 秀紀
人間を観測し, その意図を把握して適切な支援を提供する人工的な空間の創造を目指す.具体的には, その空間内に分散配置された多数のデバイスがネットワーク化され, 人間から得られる多様なデータの取得手法とそ,の情報化および知能化を検討し, データの持つ意味を抽出して適切な支援を発現する仕組みを提案する.

移動ロボットと環境知能化に関する研究
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, JSPS特別研究員 李 周浩, 大学院学生 森岡 一幸
現在盛んに行われている移動ロボットに関する研究は, 移動ロボット自身の知能化, および人間による遠隔操作による操作性の向上に関するものに大別される. 人間介入による移動ロボットの操作は現在の技術で実現が可能であるのに対し, 移動ロボットに高度な状況判断可能な知能を持たせるには数多くのハードルがある. 本研究では, 分散知能化ネットワークデバイス (DIND: Distributed Intelligent Network Devices) を用い, 環境自体を知能化することにより, 人間とのインタラクション, 環境との協調によって, 現在の移動ロボットの限界を超える機能を実現する.

インテリジェントスペースにおける人間追従ロボットに関する研究
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, JSPS特別研究員 李 周浩, 大学院学生 安藤 慶昭, 森岡 一幸
インテリジェントスペースは空間に埋め込まれた知能が, 人間と様々な電子機器・メカトロニクス機器のプラットフォームとなる空間である. この中で移動ロボットは, 人間に対してのサービスを提供する物理エージェントであり, 人間との密接なインタラクションを行い, 空間知能による人間の意図理解を補助するための存在である. ロボットのために用意された空間ではなく, 人間が生活する日常的な空間で, ロボットが人間と共存するためには様々な困難が伴う. これを, インテリジェントスペースのロボットのためのプラットフォーム機能を用いることで, 人間・ロボットの3次元位置同定情報に基づき, 移動ロボットの人間追従制御を行い, 人間の自然な歩行に追従しさらに人間との間合いを保つ移動ロボットシステムを構築している.

分散配置された知能センサによる環境知能化に関する研究
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, JSPS特別研究員 李 周浩, 大学院学生 安藤 慶昭, 秋山 尊志, 森岡 一幸
21世紀には少子高齢化が進むため, 人手がかかる福祉労働需要が高まるが, 労働人口の減少で十分な労働力を割くことが困難になると考えられる. 工学にはこの問題を解決するために福祉労働の代替システムの開発が求められる. 現在では生活環境の構築として主にロボット開発が盛んに行われている. その一方, 空間内を把握するセンサシステムも必要不可欠である. 環境を監視する画像センサなどは最も重要な部分であり, 人間の監察と判断による処理を用いることで最終的な管理, 防犯システムとして成り立っている. 本研究では人間行動認識とデータベース化に基づくセンサシステムのインテリジェント化により室内状態の推定を行い, 人を介さない価値ある情報の自動生成を目的としている.

インテリジェントスペースにおける空間位置同定に関する研究
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, JSPS特別研究員 李 周浩, 大学院学生 秋山 尊志
空間にカメラやマイクなど様々なネットワーク化されたセンサを分散させ内部の人間やロボットなどの情報を取り込み, その情報を用いて人間の生活をより快適にする空間, インテリジェントスペースの研究を行っている. 空間内部の人間の情報を的確に取り込み, 適切なサービスを提供するには, 人間の位置情報, 動作情報などを知るための位置同定技術が重要となる. 主として, 人間の正確な位置情報を得るための最適なセンサ配置に関する研究や, 画像情報や電波, 超音波等を用い, 対象とする人間や物体の位置同定方法に関する研究を行っている.

自律型移動体のプラットフォームに関する研究
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, JSPS特別研究員 李 周浩
本研究では, 全方向移動可能な移動体プラットフォームをベースに, 内部センサと外部センサを搭載した自律型移動体プラットフォームを実現する. 内部センサとしてロータリーエンコーダとジャイロセンサ, 外部センサとして超音波センサ, レーザセンサ, CCD カメラを搭載し, 障害物を回避し正確な動きでゴールへ到達する. 天井のグレーコードランドマークをCCDカメラで読み取る画像処理により精密な自己位置推定を行う. また, レーザセンサ, 超音波センサにより障害物とその動きを認識・予測しながら安全な経路を生成する. 移動における自律性に関する研究を通して, 知的ロボットシステムの構築を行っている.

ハプティック・インターフェースを用いた新しいコミュニケーションに関する研究
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, JSPS特別研究員 李 周浩, 大学院学生 安藤 慶昭, 森岡 一幸
近年のネットワークの発達により, ロボットのネットワーク応用が進んでいる. そこで次世代のサービスロボットには, 人間同士がロボットを介することで, 現在の電話のような音声だけではなく, 様々な情報をやり取りするコミュニケーション支援ツールとしての可能性も期待できる. このような背景から, インテリジェントスペースにおける物理エージェントの一つとして, 人間追尾ロボットにハプティック・インターフェース取り付け, 触覚, 力覚に基づく物理的情報の提供に関する研究を進めている. 今後, 認知工学等の他分野の知見も取り入れ, ハプティック・インターフェースを用いたインテリジェントスペース, 人間, ロボットを結ぶ新しいコミュニケーション方法について検討する.

非線形非ガウスフィルタに関する研究
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本秀紀, 研究生 ワダマサキ
高度トラッキング, 航行システム等で求められる線形・ガウス型を仮定せず, かつ実時間処理が可能な非線形非ガウス形フィルタ(推定アルゴリズム)の研究を行なっている. 近年飛躍的に高まった計算機の計算能力を活用するフィルタリングアルゴリズムが提案されている. だが高次元なモデルの場合, この手法を直接利用してリアルタイムフィルタリングを実現することは困難である.本研究ではリアルタイム性を考慮した Rao-Blackwellisation による新しいフィルタリング手法の提案を行った. 今後,実システム変数推定への応用を検討する.

非線形フィルタを用いた高精度 GPS に関する研究
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, 大学院学生 茅 旭初, 研究生 ワダ マサキ
手軽で信頼性の高い測位システムとして,GPS (Global Positioning System) が近年カーナビゲーションの主要技術として急速に普及してきている. 受信システムの新たな構成を提案して非線形フィルタを導入することでシステムの信頼性と精度の向上を実現することが可能である.本研究は, GPSベース位置推定への現代非線形フィルタ技術の応用に関するものである. 本年度は非線形フィルタに基づくスタンドアローンGPS位置推定のためのモデルと推定アルゴリズムの構築と実装を行なった. 今後はモデルの改善, 補正信号を含めたシステムのアルゴリズムの検討を中心に研究を進めていく.

オフロード車両センシングシステムに関する研究
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, 大学院生 金 聖植, 茅 旭初, 研究生 ワダ マサキ
近年, 地雷探知等の複雑なタスクを実現するためオフロード自律移動ロボットの研究が注目されている. 本研究では地雷探知や危険地域の調査等で求められる高信頼性, 高精度センシングシステムの提案, 設計, 構築を行う.本年度は GPS を含めた車両状態推定システムの提案と初期実験を行なった. また GPS (Global Positioning System), ジャイロ, 車輪エンコーダ等のデータ融合を行なうため非線形フィルタを用いたアルゴリズムについて検討した.

Networked Robotics に関する研究
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, 大学院学生 安藤 慶昭, 森岡 一幸
人間中心の機械システム実現のため,「人間自身の理解」と「人間と機械の双方が理解する,共通概念の構築」を目指し, 高速広域ネットワークを利用した人間機械協調系:Networked Robotics の構築を目標に研究を行っている. ネットワークを介して分散しているロボットが, システムとして高度な機能を実現するには, ロボット間の知的ネットワーク通信が必須の条件であり, そのためのネットワーク, プロトコルの開発が重要となる. 本研究では, ロボットのためのプロトコルの研究を通して, Networked Robotics の問題へアプローチする.

ハプティック・インターフェースを用いた遠隔微細作業支援システムの開発
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, 大学院学生 安藤 慶昭, 森岡 一幸, 研究生 セメシ ペーター
マイクロロボットの製作や微細部品の加工, 検査を目的とした遠隔微細作業支援システムに関する研究を行っている. 本システムは微細作業を行う独自の6自由度パラレルリンクマニピュレータと, オペレータが操作するハプティックインターフェース, および視覚インターフェースにより構成されるバイラテラル・テレオペレーションシステムである. オペレータに対し微細作業環境を視覚的, 力覚的に拡大提示することにより, 作業が困難な微細作業を誰にでも違和感無く行うことができ, 作業効率を高めるシステムを目指している. 本システムはさらに将来想定されるマイクロファクトリにおいても, 人間の知性を介在させることができるツールとしてとらえることができる. 今後ネットワーク利用により人間の知性と情報世界との融合を図り, 高付加価値マイクロ生産システムを提案していく.

コンパクト・モバイル・ハップティック・インターフェースの開発
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, 大学院学生 安藤 慶昭, 研究生 セメシ ペーター
現在, 様々な機器がモバイル化される方向にある. 一方, 新たなメディアとして注目されている力覚フィードバック可能なデバイス:ハプティック・インターフェースは今のところ, 固定し使用されることを前提としている. 将来的にコンピュータや様々なメカトロニクス機器のインターフェースとして, ハプティックインターフェースが日常的に利用されるようになるとき, デバイスを小型・軽量化し場所を選ばず利用可能な形態にする必要がある. このような考えから, 小型で持ち運びが可能なハプティック・インターフェースの開発を行っている.

マイクロ/ナノ世界でのマニピュレーションに関する研究
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, 大学院学生 Baris Aruk, 安藤 慶昭
近年, フラーレン, カーボンナノチューブなどのナノスケールの新素材の発見に伴って, 超微粒子を位置決めする技術の需要が高まっている. そのため, 微小物体の力学的挙動の解明やそれに基づいたツールの開発が行われており, さまざまな操作手法や機構が提案され研究レベルで用いられている. 本研究では, テレオペレーション及びロボット制御技術を核として, 原子間力顕微鏡 (Atomic Force Microscope:AFM) をスレーブマニピュレータとして使用した, 10〜100nmサイズのナノ粒子操作を行うシステム構築を目指す. AFMをスレーブに使用する場合はマニピュレータとビジョンセンサの役割をプローブが担うため, AFMに特化したユーザインタフェースが必要となり, 現在開発を行っている. この研究によって, ナノ世界の物理学の理解を深めることができ, 最終的にはマイクロデバイスの組み立てといった産業応用や遺伝子操作といった自然科学研究への応用も期待できる.

異なる乱流モデルの融合の研究
助教授 半場 藤弘
高レイノルズ数の壁乱流のラージ・エディー・シミュレーションを行うには,格子点数の制約から滑りなし条件が困難なため壁面モデルが必要となる.レイノルズ平均モデルを組み合わせるハイブリッド型の計算が精度のよい壁面モデルとして期待される.しかし単純に二つのモデルを組み合わせてチャネル流の計算を行うと平均速度分布に人工的な段差が生じることがわかった.そこで本研究では,段差の原因を調べそれを取り除く数値計算法を提案した.新しい方法をチャネル流に適用し平均速度やレイノルズ応力などの分布を求めて検証し,乱流モデルの融合法の改良を進めている.

非線形渦粘性モデルの研究
助教授 半場 藤弘
乱流場の非等方性をより正確に表すために非線形渦粘性モデルが開発されている.本研究ではレイノルズ応力の三つの実現性条件に着目し非線形渦粘性モデルの性質について考察した.レイノルズ応力の対角成分が非負であるという第一の実現性条件を満たすように2スケール統計理論を改良し,任意の流れ場でその実現性条件を満足する非線形渦粘性モデルを導出した.またこのモデルが同時に他の二つの実現性条件も満たすことを示した.このモデルを一様剪断乱流,チャネル乱流,平面衝突噴流に適用しモデルの検証を行った.

異なる乱流モデルの融合の研究
助教授 半場 藤弘
高レイノルズ数の壁乱流のラージ・エディー・シミュレーションを行うには,格子点数の制約から滑りなし条件が困難なため壁面モデルが必要となる.レイノルズ平均モデルを組み合わせるハイブリッド型の計算が精度のよい壁面モデルとして期待される.しかし単純に二つのモデルを組み合わせてチャネル流の計算を行うと平均速度分布に人工的な段差が生じることがわかった.そこで本研究では,段差の原因を調べそれを取り除く数値計算法を提案した.新しい方法をチャネル流に適用し平均速度やレイノルズ応力などの分布を求めて検証し,乱流モデルの融合法の改良を進めている.

回転系の乱流熱対流の直接数値計算
助教授 半場 藤弘[代表者],技術官 小山 省司,助教授 半場 藤弘
地球磁場は地球外核の溶融鉄の熱対流運動によって維持されていると考えられている.このような電磁流体乱流ではヘリカルな乱流運動がどのように生成され,磁場にどのような影響を及ぼすかを調べることが重要である.本研究ではその第一歩として,回転系における熱対流の乱流場の解析を直接数値計算を用いて行っている.本年度は回転系におけるレイリー・ベナール対流を計算し,回転によって乱流エネルギーが減る原因について調べた.また下壁から熱が流入し上壁が断熱されるNon-penetrative型の熱対流を計算し,上昇プルームだけが存在する対流場における乱流統計量やその収支について考察した.

圧縮性乱流の数値計算とモデリング
助教授 半場 藤弘[代表者],助教授 半場 藤弘,教授 吉澤 徴
超音速航空機のエンジン内の高速流や火災の高浮力流では流体の圧縮性効果が重要となる.本研究では圧縮性乱流の数値計算により圧縮性効果の機構を調べ,統計理論によって導いた乱流モデルの検証と改良を行っている.本年度は乱流混合層のラージ・エディー・シミュレーションを行い,圧縮性によって成長率が減少する現象を再現し,モデルの検証に必要な乱流統計量を求めた.特に圧縮性効果による渦粘性の減少について調べ,非定常性を表す項を導入することにより圧縮性渦粘性モデルの改良を試みた.

回転系の乱流熱対流の直接数値計算
助教授 半場 藤弘[代表者],技術官 小山 省司,助教授 半場 藤弘
地球磁場は地球外核の溶融鉄の熱対流運動によって維持されていると考えられている.このような電磁流体乱流ではヘリカルな乱流運動がどのように生成され,磁場にどのような影響を及ぼすかを調べることが重要である.本研究ではその第一歩として,回転系における熱対流の乱流場の解析を直接数値計算を用いて行っている.本年度は回転系におけるレイリー・ベナール対流を計算し,回転によって乱流エネルギーが減る原因について調べた.また下壁から熱が流入し上壁が断熱されるNon-penetrative型の熱対流を計算し,上昇プルームだけが存在する対流場における乱流統計量やその収支について考察した.

非晶質酸化バナジウム/炭素系複合電極のスーパーキャパシタ用正極としての評価
助教授 日比野 光宏
ハイブリッド電気自動車等では,高エネルギー密度かつ高速充放電が可能な補助電源すなわちスーパーキャパシタが要求される.高表面積炭素電極などを用いたイオン吸着によるスーパーキャパシタと比較して,リチウムインターカレーションを利用することで高エネルギー密度が期待できる.当研究室では,酸化バナジウムゲル/炭素複合電極の作成及び評価を行っている.また,リチウム以外のイオンの高速インターカレーション挙動も調べている.

活性阻害型バイオセンサーの開発
助教授 立間 徹[代表者],助教授 立間 徹・大学院学生 岡村 圭, 佐藤 健
酵素や酵素のモデル系の触媒活性に対する阻害作用に基づき,阻害物質の定量を行うセンサーを開発している.シアン化物イオンやウロカニン酸などの定量が可能である.後者に関しては,その異性体比率もあわせて測定することができる.

バイオキャタリストの活性制御
助教授 立間 徹[代表者],助教授 立間 徹・研究生 小森 喜久夫
酵素のモデル系を電極上に載せ,その活性中心構造の可逆な制御に基づく活性の制御を試みている.実際には,ペルオキシダーゼのモデル分子であるヘムペプチドとその阻害剤であるイミダゾールを用い,相転移ポリマーを用いて阻害作用の可逆な制御を行った.このようなシステムは,活性を自律制御する触媒システムや,測定対象に応じて感度やダイナミックレンジを自律制御するセンサーに発展するものと期待される.

エネルギー貯蔵型光触媒の開発
助教授 立間 徹[代表者],助教授 立間 徹・大学院学生 Pailin Ngaotrakanwiwat
酸化チタン光触媒は,光励起により生じる還元力と酸化力により,有害物質の分解,抗菌,金属の防食などの機能を示すが,光照射下でしか機能しない.この問題点を克服するため我々は,酸化チタンと酸化タングステンを組み合わせた新しい材料を開発した.この材料では,酸化チタンの光励起に基づく還元エネルギーを日中,酸化タングステンに貯蔵し,そのエネルギーを夜間に利用することができる.すでに,防食効果を夜間も維持できることが明らかになっている.

アドホックネットワーク
助教授 瀬崎 薫[代表者],助教授 瀬崎 薫, 大学院学生 住田 篤穂, 研究実習生 竹内 彰次郎
アドホックネットワーク構築のための諸課題の検討を行っている.本年度は,端末の消費電力を節約するルート構築法の提案を行い,その有効性をシミュレーションにより確認した.引き続き実システムを用いた検証を行う予定である.

触覚メディアの研究
助教授 瀬崎 薫[代表者],助教授 瀬崎 薫, 大学院学生 有本 勇, 研究実習生引地 謙治, 森野 祐直
触覚・力覚を新しいメディア・インタフェースとして捉え,このネットワーク上を伝送を利用するための諸問題を多様な観点から検討している.本年度は,ネットワーク上での情報量削減とパケットロス対策としてのdead reckoningの手法,メディア同期の枠組み,符号化による帯域圧縮について検討すると共に,システムとしてサーバ・クライアントでのタスクの分配のあり方について検討した.

コンテクストアウエアサービスの研究
助教授 瀬崎 薫[代表者],助教授 瀬崎 薫, 大学院学生 山崎 浩輔, 研究生 Creixell Werner
ユーザのおかれている状況を先取りして汲み取った上でサービスを提供するコンテクストアウエアサービスを柔軟に提供する機構についての研究を行っている.本年度はその中でも,実空間における「ユーザの物理的位置」が最も重要なコンテクストであるという観点から,位置に依存した新しいルーチング技術の開発を行った

高能率符号化に関する研究
助教授 瀬崎 薫[代表者],助教授 瀬崎 薫, 助手 小松 邦紀, 協力研究員 加藤 茂夫・木本 伊彦
高能率画像符号化に関する研究を従来にひき続いて行っている. 今年度は, JPEGやMPEGとの互換性を有するのでロスレス・ロッシー統一符号化において重要な役割を果たすと期待されているロスレスDCTについて主に研究を行うなど様々な検討を行った.

アドホックネットワーク
助教授 瀬崎 薫[代表者],助教授 瀬崎 薫, 大学院学生 住田 篤穂, 研究実習生 竹内 彰次郎
アドホックネットワーク構築のための諸課題の検討を行っている.本年度は,端末の消費電力を節約するルート構築法の提案を行い,その有効性をシミュレーションにより確認した.引き続き実システムを用いた検証を行う予定である.

インターネット・プロトコルのセキュリティと可用性
講師 松浦 幹太
インターネット・プロトコルのバージョン6(IPv6)への移行により, セキュリティ機能が標準でサポートされる. その際, 通信プロトコル階層の下位レイヤに負荷の高い作業を組み込むことになるため, 効率化や拡張性に関する要求が格段に厳しくなる. そのような観点から, プロトコル全体としての評価・設計を重視して研究を進めている. 例えば, 要求がもっとも厳しいマルチキャスト通信において, グループ鍵配布時のオーバーヘッド最小化などの成果を得ている. さらに, IPv6標準の枠内でオプションフィールドを有効利用し, 鍵共有プロトコル実装サーバの可用性を高める技術を開発している.

分散サービス妨害攻撃対策
講師 松浦 幹太
盗聴やなりすましのような狭義のセキュリティ的脅威だけでなく, ネットワーク社会では嫌がらせも大問題となる. 例えば, 安全な通信のために備えた認証機構を逆手に取り, 「相手を確認する作業」を次から次へと行わせて計算機資源を枯渇させついには動作不能状態に陥れるサービス妨害攻撃は大きな脅威である. 我々は, サービス妨害攻撃を抑止するために攻撃者へ負荷を負わせる技術を開発し, 同技術を安全性証明可能な鍵共有プロトコルへ応用することに成功している. さらに, 複数の攻撃拠点から同時に妨害攻撃を仕掛ける分散型の攻撃に対しても, ファイアウォールおよびミラーサイト機能との連携による対策技術を開発している.

情報通信倫理関連技術
講師 松浦 幹太
ネットワークが狭義の技術的課題を克服したとしても, 社会に真に受け容れられるためには, さらに倫理や監査の問題も無視できない. 実際, 設計次第ではパフォーマンス監査すら不可能になる恐れがある. 我々は, ネットワークを介した抜き打ち検査を可能とするプロトコルなど, 社会における制度的選択肢を広げる技術に取り組んでいる. また, 同プロトコル技術を応用し, 前進安全性(秘密鍵が漏れてもそれ以前に完了した通信の秘匿性が保たれること)を確保した上で会員権を一時貸与する方式を開発している. さらに, 管理者が一般ユーザのプライバシーを侵害する可能性と防止策について, インターフェース技術などの観点から研究している.

研究促進技術と学術情報データベースセキュリティ
講師 松浦 幹太[代表者], 大学院学生(松浦研) 安東 学
従来の共同研究の常識を超越した速度と柔軟性で協調した研究ができれば, 研究の進展が桁違いに促進されはしまいか. そのような希望をもち, 知的所有権やプライバシー保護, 信頼性を考慮した基礎技術に取り組んでいる. デジタルコンテンツを流通させる「ビジネス」のために電子透かしなどの情報セキュリティ技術が重要であることは周知の事実. 我々は視点を変え, 研究用ディジタルデータを流通させる「非営利研究促進事業」に役立つ情報セキュリティ技術, 特に学術情報データベースのセキュリティ技術を研究している. 具体的には, データアクセスに伴うセキュリティ上の必須処理の概念を応用し, 無矛盾なシステム設計のための技術を考案している.

セキュリティシステムの不確定性理論と応用
講師 松浦 幹太
情報セキュリティシステムでは, 本質的に時間的な不確定性を避けることが出来ない. 例えば, 使用する鍵や電子証明書の信頼性は, 一定とはいえない. その不確定性に起因するトラブルによって損害を被った場合, 独自の保険や金融ディリバティブなどで対処する方策が考えられるが, それらの価格付けは自明ではない. 我々は, そのような新しい社会のシナリオを考え, 基本的な価格評価に関する理論式を導いた. これを応用し, 市場の観測値からトラブル発生確率を推定する技術を開発している. また, 一般化した信頼度計算のモデルについて, 不適切な信頼度審査が与える悪影響を抑える方式を開発している.

電子証拠物工学の研究
講師 松浦 幹太[代表者], 大学院学生(松浦研) 小森 旭
完全に実時間の信頼できる分散ディレクトリが原理的に不可能なため, ネットワークセキュリティ技術で対策を講じても, 何らかの紛争が発生し得る. 我々は, その紛争処理において有効な資料となる「電子証拠物」の概念を提唱し, 証拠物生成の要素技術を研究している. 例えば, 電子マネーのユーザが秘密データの搾取にあってそれを悪用されても, 「悪用されたのだ」ということを第三者に証明できる技術を開発している. また, その技術に対する情報法制的分析を進め, 実社会における実効性を学際的に検討している.

人間・社会部門

インパルス高電圧計測の精度向上に関する研究
教授 石井 勝[代表者],教授 石井 勝, 協力研究員 馬場 吉弘
抵抗分圧器を使用したインパルス高電圧計測を, モーメント法による3次元過渡電磁界解析手法により数値的に模擬する手法を開発したが, その精度向上をはかった. この手法を用いて, 雷インパルス電圧測定系の応答特性に及ぼす回路の立体構成の影響, ステップ応答測定回路と, 測定系校正のための比較試験回路の特性の違い, 抵抗分圧器の設計法などについて研究を進めた.

自然雷の研究
教授 石井 勝[代表者],教授 石井 勝, 技術官 齋藤 幹久・藤居 文行, 協力研究員 奥村 博・Syarif Hidayat
自然雷の放電機構, 雷放電のパラメ−タに関する研究を, おもに電磁界による観測を通じて行っている. また, 雷放電位置標定システムの精度向上, VHF帯およびMF帯電磁波の多地点での高精度時刻同期観測による雷雲内放電路の3次元位置標定, 静的電界変化の多地点観測による雷雲内電荷分布の研究を進めている. 冬季に多い正極性落雷の発生機構を一部明らかにした.(一部受託研究費)

電磁界パルス(EMP)の研究
教授 石井 勝[代表者],教授 石井 勝, 大学院学生 Ramesh K. Pokharel・宮嵜 悟, 協力研究員 馬場 吉弘
雷放電や, 高電圧回路のスイッチングに伴って発生する電磁界パルス(EMP)のモデリング, 伝搬に伴う変歪, 導体系との結合などについて研究を進めている. 周波数領域の3次元過渡電磁界解析コードの利用に加え, 時間領域コードを適用することによって, 非線型要素を含む送配電線における雷サージ電圧の解析を行った. また落雷が頻繁に起こる高構造物近傍の電磁界と雷撃電流の同時測定データ等により, 雷放電路のモデリングを試みている.

電力系統における雷サージに関する研究
教授 石井 勝[代表者],教授 石井 勝, 大学院学生 Ramesh K. Pokharel・浅香 剛生・狼 智久
3次元過渡電磁界解析コードと回路解析コードにより, 送電線に落雷が生じた時に鉄塔を含む立体回路に発生する雷サージを計算し, 大地導電率や雷放電路の特性が雷サージ波形に及ぼす影響を調べている. また発生する雷サージ波形は波尾の短い非標準波形になるため,数十cm級気中ギャップの非標準波形電圧による絶縁破壊特性を実験的に検討している.

インパルス高電圧計測の精度向上に関する研究
教授 石井 勝[代表者],教授 石井 勝, 協力研究員 馬場 吉弘
抵抗分圧器を使用したインパルス高電圧計測を, モーメント法による3次元過渡電磁界解析手法により数値的に模擬する手法を開発したが, その精度向上をはかった. この手法を用いて, 雷インパルス電圧測定系の応答特性に及ぼす回路の立体構成の影響, ステップ応答測定回路と, 測定系校正のための比較試験回路の特性の違い, 抵抗分圧器の設計法などについて研究を進めた.

翼及び翼列の非定常流特性に関する研究(継続)
教授 吉識 晴夫[代表者], 助教授 加藤 千幸,技術官 高間信行・大学院学生 宮澤真史
エネルギー問題,環境問題の解決の一方法として,火力発電所のリパワリングが行われている.部分負荷で運転される蒸気タービンでは,翼列は周期的変動流の下で作動することになる.このように流速が時間的に周期的に変動する流れ場に置かれた単独翼及び翼列の特性について,実験と解析の両面より研究を行っている.今年度は,低レイノルズ数域における翼面からの剥離特性を実験的に求めた.

ターボ過給エンジンシステムに関する研究(継続)
教授 吉識 晴夫[代表者], 助教授 加藤 千幸,外国人客員研究員 張力・研究員 田代伸一・助手 西村勝彦・技術官 高間信行・大学院学生 王威・今井友一
燃料経済性,排気対策のため,車両用ディーゼル機関のターボ過給化が進められている.容積型のディーゼル機関と速度型のタービンを組み合わせ,しかも排気エネルギーを効率よく利用するためには,タービンを含む吸排気管路とエンジンとを統一的に流動解析する必要がある.この車両用高速ディーゼル機関の過給機駆動用原動機であるラジアル排気タービンは,機関からの脈動排気で駆動される.これまで,エンジン全体を一次元流路と容積でモデル化したシステムの数値解析と実験を行ってきた.現在,広い運転範囲にわたり低NOx排出で高性能となるエンジンシステムの追求を行っている.

ディーゼル機関の吸気特性に関する研究(継続)
教授 吉識 晴夫[代表者], 助教授 加藤 千幸,助手 西村勝彦
ディーゼル機関の出力向上,燃費改善,排気浄化のため,燃焼制御が重要な役割を果たす.燃焼改善のため,吸気に旋回流を与えているが,吸気管形状は経験的に決めることが多く,設計は容易とは言えない.現在,円管内旋回流の基礎データを精度良く測定し,数値解析モデルの構築を行っており,この情報を基に機関設計の効率化を図るための基礎研究を行っている.

小型ラジアルガスタービンに関する研究(継続)
教授 吉識 晴夫[代表者], 助教授 加藤 千幸,研究員 田代伸一・協力研究員 小西 奎二・研究機関研究員・松尾栄人・助手 西村勝彦・技術官 高間信行・大学院学生 池田博行
マイクロガスタービンや自動車用エンジンとして小型ラジアルガスタービンの利用が活発化してきた.このラジアルガスタービンの高性能化のため,ラジアルタービン動翼内の3次元流体解析法の開発を行っている.また,サージ余裕の改善のため遠心圧縮機の入口案内翼後流の不安定流れの実験的研究などを行っている.さらに,モバイル型電源等として期待される超小型ガスタービンの開発のための基礎研究を行っている.

ガスタービンを利用する動力エネルギーシステムの研究(継続)
教授 吉識 晴夫[代表者], 助教授 加藤 千幸,大学院学生 岡田卓
人類の生活に不可欠の電力の発生が,地球環境問題やエネルギー問題に大きく関与している.最近のガスタービン技術の進展に伴い,ガスタービンと蒸気タービンによるコンバインドサイクル発電が火力発電の主流になりつつある.しかし,現在は化石燃料焚きを行っているため,熱効率の向上や排ガス清浄装置により,これらの問題に対処できるにすぎない.このため,今後のエネルギー問題を解決する一方策として考えられるメタノールや水素酸素燃焼等のガスタービンを利用した発電システムの熱力学的研究,及び水素燃焼タービンシステムの起動特性の研究を行っている.さらに,自動車用エンジンの性能向上のため,ハイブリッドエンジンに関する基礎研究を行っている.

翼及び翼列の非定常流特性に関する研究(継続)
教授 吉識 晴夫[代表者], 助教授 加藤 千幸,技術官 高間信行・大学院学生 宮澤真史
エネルギー問題,環境問題の解決の一方法として,火力発電所のリパワリングが行われている.部分負荷で運転される蒸気タービンでは,翼列は周期的変動流の下で作動することになる.このように流速が時間的に周期的に変動する流れ場に置かれた単独翼及び翼列の特性について,実験と解析の両面より研究を行っている.今年度は,低レイノルズ数域における翼面からの剥離特性を実験的に求めた.

貴金属の回収・分離・精製における新規プロセスの開発
教授 前田 正史[代表者],大学院学生 萱沼 義弘・教授 前田 正史
貴金属はその特異な物理的化学的特徴から,宝飾品から工業用途まで幅広く使われている.このような製品の廃棄物から,含まれる貴金属を回収する試みが古くから行われてきたが,貴金属の用途がますます多様化するなか,複雑な組成・構造の廃棄物から貴金属を効率よく回収するプロセスが望まれている.本研究では,廃棄物からの貴金属の回収プロセスの最適化を目指し,その一環として化合物生成反応を利用した分離プロセスの検討を行っている.

オキシクロライド系物質の熱力学(継続)
教授 前田 正史[代表者],大学院学生 岩沢こころ・教授 前田 正史
廃棄物減容化のため行われる処理後発生する物質は重金属,ダイオキシンを等の有害物質を含むオキシクロライド(酸化物-塩化物系物質)である.本研究ではその無害化処理・安定化処理プロセス構築を目的としてオキシクロライド系混合物質の熱力学的特性の調査を計算による状態図作成と起電力法を用いた活量の測定により行っている.

ふっ化物・酸化物共存融体の熱力学(継続)
教授 前田 正史[代表者],大学院学生 坂田 智浩・教授 前田 正史
鉄鋼製造プロセスでは,年間約22万トンのCaF2を溶銑予備処理,転炉操業の添加剤として使用している.ふっ素は環境に対して影響を与える恐れがあるため,ふっ化物の排出量の削減や再利用が必要であり,系の熱力学的性質に関する知見が求められている.本研究では,ふっ化物と酸化物が共存する融体中の物質の相平衡と,CaF2の蒸気圧の測定を行っている.

貴金属の回収・分離・精製における新規プロセスの開発
教授 前田 正史[代表者],大学院学生 萱沼 義弘・教授 前田 正史
貴金属はその特異な物理的化学的特徴から,宝飾品から工業用途まで幅広く使われている.このような製品の廃棄物から,含まれる貴金属を回収する試みが古くから行われてきたが,貴金属の用途がますます多様化するなか,複雑な組成・構造の廃棄物から貴金属を効率よく回収するプロセスが望まれている.本研究では,廃棄物からの貴金属の回収プロセスの最適化を目指し,その一環として化合物生成反応を利用した分離プロセスの検討を行っている.

水の安定同位体比を用いた水循環過程の解明
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・技官 小池雅洋・弘中貞之・大学院生 芳村 圭
水の安定同位体比は,海水面から蒸発して移行のその水の履歴の積分情報が含まれている.測定手法自体とそのキャリブレーションに関する研究はほぼ終了し,極めて高精度に再現性良く測定できる体制が整っている.現在は,タイでサンプリングされた雨水ならびに流水の安定同位体比データベースを構築中であり,降雨イベントごとの時系列特性から流出モデルへの寄与が期待される.また,日本における水田での同位体比収支観測に基づいて,水田潅漑におけるいわゆるreturn flowと蒸発量の推定を行う試験的な研究を行い,測定精度の範囲で充分可能性があることが明らかになっている.

マニラ近郊における都市用水と潅漑用水の需要拮抗問題解決に対する提案(新規)
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・大学院学生 熊坂和宏・河村 愛
フィリピンの首都マニラでは人口の増大に伴い,都市用水需要が増えており,周辺の灌漑用水を圧迫している.現在は制度として渇水時には都市用水が優先的に水を利用できることになっているが,社会的公平性の面から,平常時と渇水時の潅漑,都市,両用水需要における便益の比が等しくなるように都市用水の料金を渇水年には値上げして,その収益を潅漑用水の補償費用に充てるシステムを提案した.実際のデータに基づいてその増加分を計算し,充分受け入れられる範囲であること,また,実施体制も整っていることなどが明らかとなっている.こうした便益比に基づく渇水時の水マネジメント調整は,他の大都市にも適用可能であると考えられる.また,こうした水管理がどの程度貧困解消に資するか,などの観点での検討も進めていきたい.

熱帯地方の地形性降雨の観測とメカニズムの解明
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・大学院がくせい 大楽浩司
熱帯地方,インドシナ半島西北部の山岳地域における特別観測雨量計データに基づいて,極めて高時間分解能の雨量データが収集され,顕著な地形依存性が見出された.特に,その地形依存性が降水強度ではなく降水頻度の寄与によるものであること,南よりの風に対して地形性降水が卓越することなどが明らかとなった.こうした現象のメカニズム解明のため,メソ気象数値モデルを用いて当該地域のシミュレーション研究を行っている.

マイクロ波センサによる地表面水文量の推定
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・技官 小池雅洋・大学院学生 瀬戸心太・平林由希子・谷口親吾
衛星搭載マイクロ波センサ,特に能動型センサを利用したグローバルな陸面表層土壌水分量の測定について研究を進めている.広域スケールでは10日単位,あるいは月単位程度であった時間解像度を日単位に変換するため,入射角の異なる観測を変換するアルゴリズムの導入,植生の取扱いの理論的検討等により,熱帯降雨観測衛星の降雨レーダで観測される地表面からの後方散乱係数から陸面表層の土壌水分量を推定するアルゴリズムがほぼ確立された.現在3年分のデータが処理されており,現地観測データを利用したその詳細な精度の検証と,実時間での公開等が今後の課題である.また,得られた土壌水分量を,数値モデルにおける土壌水分量の取扱いに関して表層と深い層との季節的ずれなどを考慮しつつ変換して与え,季節予報に用いると良好な降雨予測精度が得られることも確認されている.今後は数値モデルと組み合わせた4次元同化手法の開発も行っていきたい.

日本を中心としたグローバルな水の間接消費の解明
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・大学院学生 佐藤未希・工学部4年生 三宅基文
穀物生産や畜産,工業製品の生産には水資源が大量に消費される.それを輸入して日本国内で消費するということは仮想的な水を輸入し間接的に他国の水資源を消費していることと同じである.この実態を解明するため,潅漑プロセスに基づく農業生産における水消費原単位推定,その結果を利用しつつ配合飼料等の割合を考慮して作製した畜産における水消費原単位,そして,工業統計に基づく工業用水の出荷額当たりの水消費原単位を定め,穀物,食肉,工業製品の主要品目について,もし日本において生産しsたとするならばどの程度の水資源が必要であったか,という間接消費の流れを抑えた.損結果,日本の年間水資源利用量900億立方メートルを越える1,000億立方メートルを日本は輸入していて,国土の半分程度の面積の農地を海外で利用していることが明らかとなった.今後は,水資源消費という観点から見た水の環境家計簿の作製に向けて研究を進めていく予定である.

地球温暖化等気候変動下における水循環の変動
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・大学院学生 樫田 爽
最新の温暖化予測結果によると,地球温暖化により水循環が強化されて,現在降水量の多いところでは降水強度も増えるのでないか,と懸念されている.日本における長期降水量データを用いて,これまでの長期トレンドを検討したところ,年降水量では東北,関東から中部にかけての領域で年降水量が減少しているものの,年最大日降水量に関しては関東から九州にかけての広い範囲で増加する傾向にあり,併せて平均降水強度も強く,平均降水間隔が長くなる傾向にあることもわかった.これは洪水,渇水がより頻発する危険性を示唆している.現在,時間降水量といったより高時間解像度の情報をマイクロフィルム記録からディジタル化している最中であり,より激しい極値現象に関しての長期傾向がいずれ明らかになるものと期待される.

グローバルな水資源アセスメント
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・博士研究員 安形 康・大学院生 チャヤニス マヌスティパロム・柳沢宏之・花崎直太・アシフ アスラム
世界の水危機が叫ばれているが,現在巷に溢れている情報はほとんど欧米発信である.これに対し,日本独自のグローバルな水資源アセスメントをきちんと行って世界に発信するべく研究を進めている.自然系のグローバルな河川流量シミュレーションに人間活動の影響,貯水池や潅漑取水を入れるべくデータの整備とモデル化を進め,一方で,需要変動の予測が可能となる様に国別統計値の分析から開始しているところである.これまでのところ,全球0.5度グリッドでの現在ならびに将来(2050年頃)の水需給逼迫度等に関する結果が出ているが,今後その精度,信頼性を向上する必要がある.また,独自色を出すための,潅漑地面積やアジア特有の水田面積分布の季節・年々変動などの情報作製にも力を入れる.さらに,グローバル推定の検証として,タイやパキスタンといった地域レベルでの詳細な水資源アセスメント結果を利用した検証も行う.

水の安定同位体比を用いた水循環過程の解明
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・技官 小池雅洋・弘中貞之・大学院生 芳村 圭
水の安定同位体比は,海水面から蒸発して移行のその水の履歴の積分情報が含まれている.測定手法自体とそのキャリブレーションに関する研究はほぼ終了し,極めて高精度に再現性良く測定できる体制が整っている.現在は,タイでサンプリングされた雨水ならびに流水の安定同位体比データベースを構築中であり,降雨イベントごとの時系列特性から流出モデルへの寄与が期待される.また,日本における水田での同位体比収支観測に基づいて,水田潅漑におけるいわゆるreturn flowと蒸発量の推定を行う試験的な研究を行い,測定精度の範囲で充分可能性があることが明らかになっている.

熱帯地方の地形性降雨の観測とメカニズムの解明
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・大学院がくせい 大楽浩司
熱帯地方,インドシナ半島西北部の山岳地域における特別観測雨量計データに基づいて,極めて高時間分解能の雨量データが収集され,顕著な地形依存性が見出された.特に,その地形依存性が降水強度ではなく降水頻度の寄与によるものであること,南よりの風に対して地形性降水が卓越することなどが明らかとなった.こうした現象のメカニズム解明のため,メソ気象数値モデルを用いて当該地域のシミュレーション研究を行っている.

マイクロ波センサによる地表面水文量の推定
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・技官 小池雅洋・大学院学生 瀬戸心太・平林由希子・谷口親吾
衛星搭載マイクロ波センサ,特に能動型センサを利用したグローバルな陸面表層土壌水分量の測定について研究を進めている.広域スケールでは10日単位,あるいは月単位程度であった時間解像度を日単位に変換するため,入射角の異なる観測を変換するアルゴリズムの導入,植生の取扱いの理論的検討等により,熱帯降雨観測衛星の降雨レーダで観測される地表面からの後方散乱係数から陸面表層の土壌水分量を推定するアルゴリズムがほぼ確立された.現在3年分のデータが処理されており,現地観測データを利用したその詳細な精度の検証と,実時間での公開等が今後の課題である.また,得られた土壌水分量を,数値モデルにおける土壌水分量の取扱いに関して表層と深い層との季節的ずれなどを考慮しつつ変換して与え,季節予報に用いると良好な降雨予測精度が得られることも確認されている.今後は数値モデルと組み合わせた4次元同化手法の開発も行っていきたい.

日本を中心としたグローバルな水の間接消費の解明
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・大学院学生 佐藤未希・工学部4年生 三宅基文
穀物生産や畜産,工業製品の生産には水資源が大量に消費される.それを輸入して日本国内で消費するということは仮想的な水を輸入し間接的に他国の水資源を消費していることと同じである.この実態を解明するため,潅漑プロセスに基づく農業生産における水消費原単位推定,その結果を利用しつつ配合飼料等の割合を考慮して作製した畜産における水消費原単位,そして,工業統計に基づく工業用水の出荷額当たりの水消費原単位を定め,穀物,食肉,工業製品の主要品目について,もし日本において生産しsたとするならばどの程度の水資源が必要であったか,という間接消費の流れを抑えた.損結果,日本の年間水資源利用量900億立方メートルを越える1,000億立方メートルを日本は輸入していて,国土の半分程度の面積の農地を海外で利用していることが明らかとなった.今後は,水資源消費という観点から見た水の環境家計簿の作製に向けて研究を進めていく予定である.

地球温暖化等気候変動下における水循環の変動
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・大学院学生 樫田 爽
最新の温暖化予測結果によると,地球温暖化により水循環が強化されて,現在降水量の多いところでは降水強度も増えるのでないか,と懸念されている.日本における長期降水量データを用いて,これまでの長期トレンドを検討したところ,年降水量では東北,関東から中部にかけての領域で年降水量が減少しているものの,年最大日降水量に関しては関東から九州にかけての広い範囲で増加する傾向にあり,併せて平均降水強度も強く,平均降水間隔が長くなる傾向にあることもわかった.これは洪水,渇水がより頻発する危険性を示唆している.現在,時間降水量といったより高時間解像度の情報をマイクロフィルム記録からディジタル化している最中であり,より激しい極値現象に関しての長期傾向がいずれ明らかになるものと期待される.

グローバルな水資源アセスメント
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・博士研究員 安形 康・大学院生 チャヤニス マヌスティパロム・柳沢宏之・花崎直太・アシフ アスラム
世界の水危機が叫ばれているが,現在巷に溢れている情報はほとんど欧米発信である.これに対し,日本独自のグローバルな水資源アセスメントをきちんと行って世界に発信するべく研究を進めている.自然系のグローバルな河川流量シミュレーションに人間活動の影響,貯水池や潅漑取水を入れるべくデータの整備とモデル化を進め,一方で,需要変動の予測が可能となる様に国別統計値の分析から開始しているところである.これまでのところ,全球0.5度グリッドでの現在ならびに将来(2050年頃)の水需給逼迫度等に関する結果が出ているが,今後その精度,信頼性を向上する必要がある.また,独自色を出すための,潅漑地面積やアジア特有の水田面積分布の季節・年々変動などの情報作製にも力を入れる.さらに,グローバル推定の検証として,タイやパキスタンといった地域レベルでの詳細な水資源アセスメント結果を利用した検証も行う.

水の安定同位体比を用いた水循環過程の解明
教授 虫明 功臣[代表者],教授 虫明功臣・助教授 沖 大幹・助手 鼎 信次郎・技官 小池雅洋・弘中貞之・大学院生 芳村 圭
水の安定同位体比は,海水面から蒸発して移行のその水の履歴の積分情報が含まれている.測定手法自体とそのキャリブレーションに関する研究はほぼ終了し,極めて高精度に再現性良く測定できる体制が整っている.現在は,タイでサンプリングされた雨水ならびに流水の安定同位体比データベースを構築中であり,降雨イベントごとの時系列特性から流出モデルへの寄与が期待される.また,日本における水田での同位体比収支観測に基づいて,水田潅漑におけるいわゆるreturn flowと蒸発量の推定を行う試験的な研究を行い,測定精度の範囲で充分可能性があることが明らかになっている.

建設産業のサービスプロバイダー化に関する研究
教授 野城 智也[代表者],教授 野城智也,教授(東大)冨山哲男
建物へのニーズが刻々変化する現今の経済社会において,環境負荷やコスト負担を考えると,建替新築によってニーズに対応するのは効率的ではなく,むしろ既存建物をニーズの変化に対して遅滞なく部分更新する方が得策である.本プロジェクトは,こういった認識にたち,多様に特化し,かつ刻々変化する個々のニーズに対応し,建物のインフィルを生体組織的に変容させる技術を開発することを目的とする.

新規機能性構造を有する薄膜の合成
教授 安井 至[代表者],教授 安井 至, 大学院学生 森 恒・城石 健・安藤 雅俊
多結晶およびアモルファス薄膜の高機能性構造を有するための新しい合成手法の確立を目指している.アモルファス薄膜からの結晶化・分相制御によるナノ構造化,またはレーザー照射による微細構造の制御を検討している.

分子動力学法による材料・プロセス設計法の研究
教授 安井 至[代表者],教授 安井 至, 助手 宇都野 太, 大学院学生 川原 実
コンピュータシミュレーション法の一種である分子動力学法を用いて, 熱膨張係数の結晶方位依存性, 酸素イオンの拡散, 欠陥構造の予測, 薄膜合成プロセスの予測, 結晶成長過程などを行っており, より効率的な材料設計の方法論を探っている. また, ガラス溶融プロセスにおける酸化還元の原子機構の検討を行っている.

ライフサイクルアセスメントによる環境調和性の判定
教授 安井 至[代表者],教授 安井 至 (科学技術振興事業団)伊藤 健司・二宮 和之・中澤 克仁・船越 誠
すべての材料, 製品などの環境調和性は, ライフサイクルアセスメントによって, 表現が可能である. しかし, その廃棄過程をどのように設計するかによって, 環境負荷は大きく異なる. そこで, 廃棄過程をさまざまに変化させたときの環境負荷がどのようになるか, より定量的にする方法論を含めて検討を行っている.

産業の環境パフォーマンスに関する研究
教授 安井 至[代表者],教授 安井 至, 大学院学生 鳩山 宜伸・原 美奈子・国分 政秀
日本の産業における物質収支を解析し, より環境調和型産業に変貌させるには, どのような方法があるか, 次世紀にはどのような物質収支が予想され, その産業規模がどのようなものになるか, などを環境負荷軽減効果の観点から予測し, モデル化を行っている.

セラミックス単結晶の外形制御法の研究
教授 安井 至[代表者],教授 安井 至, 大学院学生 高橋 司
電子伝導性を有する酸化スズは, もしも針状のものが得られれば, 導電性フィラーとして有用である. そこで, フラックス法を用いた場合に, あらゆる添加物についてその外形制御の効果を検討した. その結果, ある種の3価, 5価のイオンが外形制御にとって非常に重要であることが判明した.さらに,AFMや微分干渉顕微鏡などにより直接観察によって結晶成長機構に検討している

新規機能性構造を有する薄膜の合成
教授 安井 至[代表者],教授 安井 至, 大学院学生 森 恒・城石 健・安藤 雅俊
多結晶およびアモルファス薄膜の高機能性構造を有するための新しい合成手法の確立を目指している.アモルファス薄膜からの結晶化・分相制御によるナノ構造化,またはレーザー照射による微細構造の制御を検討している.

振動台上での地盤と構造物の動的相互作用の新シミュレーション手法(継続)
教授 小長井 一男[代表者],教授 小長井 一男, 助手 山口 直也,大学院学生 丸山 大介
地盤と構造物の時刻歴における相互作用がディジタルシグナルプロセッサーで精度よく表現できることを示し, これを振動台への入力波形に加算することでリアルタイムに相互作用の影響を取り込む模型実験手法を提案した. 本年度は昨年度に引き続き, 非線形地盤と構造物の相互作用の検証実験を行い, 破壊時に吸収されるエネルギーの計測を実施した.

レーザー光シートによる粒状材料よりなる構造の模型内部の動的挙動の可視化とその応用(継続)
教授 小長井 一男[代表者],教授 小長井 一男, 協力研究員 松島 亘志
粒状材料よりなる構造の模型をガラス粒子で作製し, これを同じ屈折率の液体中に浸漬し, レーザー光シートを照射して, シート面上にある粒子の挙動を可視化あうる手法(Laser-Aided Tomography: LAT)で, 水中の粒状体構造物の耐震性を研究している. 本年度は昨年度に構築したLAT/平面ひずみ試験システムを用いて, 引き続き供試体の光学的切断面を多数撮影し, 三次元粒状体内部のあらゆる粒子の3次元画像画像から, これがせん断変形する場合の粒子パラメータを統計的に処理して, 全体変形に与える粒子ミクロ構造の影響を検討した.

フィルダムの耐震性に関する研究(継続)
教授 小長井 一男[代表者],教授 小長井 一男, 協力研究員 松島 亘志
粒径の大きな岩石を積み上げたフィルダム斜面の動的安定性をLATによる可視化模型実験やDEMによる数値シミュレーションで検討している. 斜面がその安定の限界に達するまでに必要とされるエネルギーについての研究を中心に進めている.

軟弱地盤中のトンネルの地震時挙動に関する研究
教授 小長井 一男[代表者],教授 小長井 一男, 技術官 片桐 俊彦
軟弱地盤中に建設されているトンネルについて, 地震観測によって地震時の加速度応答, トンネル覆工のひずみを調べている. 本年度は昨年度に引き続き, 地震時に覆工に発生するひずみを軽減するために, トンネル覆工と周辺地盤の間に挿入する柔らかい免震材料の効果について理論的, 実験的な検討を行った.

アースダムの地震時における動的性状に関する研究(継続)
教授 小長井 一男[代表者],教授 小長井 一男, 技術官 片桐 俊彦
実在のアースダム(山王海ダム)で地震観測を継続している. これまでにこのダムで様々な記録が得られたが, 現在このダムの上にさらに積み上げる形で新しいロックフィルダムが建設されたため, 上流側斜面の旧堤体と新堤体の境界部に新たに埋設型の地震計を設置し,これまでの研究を活かした新たな観測を継続している.

地盤の大変形の解析手法の開発(新規)
教授 小長井 一男[代表者],教授 小長井 一男, 大学院学生 Jorgen Johansson・Sadr Amir
地盤の大変形解析のためのLPFDM(ラグランジアン・ポイント有限差分法)を開発した. これは有限差分法のスキームでの時刻歴解析法で, 解析対象となる物質はラグランジアン・ポイントと呼ばれる点の集合で表現される. 1回のタイムステップで更新されたラグランジアン パラメータはバックグラウンドであるEuler座標上にマッピングされ, 次のステップの計算に移行する. したがって, 本手法はSulskyらが開発したラグランジアン・ポイント法(LPM)にFLACなどと共通する有限差分法のスキームを反映したもので, 両者の特徴を反映し, 大変形解析を, 少ない計算負荷で行うことを可能にする.本年度は間隙水圧の変化が断層による地盤変形に与える影響などを検討した.

地震地すべりの調査と地盤大変形の解析
教授 小長井 一男[代表者],教授 小長井 一男,大学院生 Jorgen Johansson, 沼田 宗純
火山屑砕物の堆積した斜面の崩壊は,その流下距離の大きいことで知られ,極めて悲惨な災害に繋がる.2001年1月13日に発生したエルサルバドル地震では,この地震の被害者の半分以上がLas Colinas一箇所の地すべりによるものである.この被害の実態を現地で調査するとともに,詳細な解析を新たな大変形解析手法(LPFDM)で実施している.

数値材料試験と構造物の疲労寿命評価への応用に関する研究
教授 都井 裕[代表者],教授 都井 裕, 技術専門職員 岡田和三,大学院学生 広瀬智史
材料の損傷・破断を含む構成式挙動をシミュレートするための連続体損傷力学モデルによる数値材料試験,および有限要素法を併用した局所連成解析法の構造要素・疲労寿命評価への応用に関する研究を行っている.本年度は,構造用炭素鋼材の静的・動的引張挙動,疲労挙動および予ひずみ下の動的引張挙動に対する数値材料試験,アルミニウム材の予疲労下の動的引張挙動に対する数値材料試験を実施し,実験結果と良好に対応することを確認した.

空間骨組構造の順応型有限要素解析手法に関する研究(継続)
教授 都井 裕[代表者],教授 都井 裕, 研究員 田中英紀,大学院学生 朴 哉炯
海洋構造物, 機械構造物, 土木・建築構造物などに見られる大規模・空間骨組構造の様々な崩壊問題に対し, 順応型 Shifted Integration法(ASI法と略称)に基づく合理的かつ効率的な有限要素解析手法を開発し, 静的・動的崩壊を含む各種の非線形問題に応用している. 本年度は, 要素サイズ依存性を除去した弾塑性損傷解析アルゴリズムを,RC構造の地震崩壊解析,海洋構造物の波浪崩壊解析,さらには寿命評価解析に拡張するための基礎研究を開始した.

材料破壊の計算メソ力学に関する研究(継続)
教授 都井 裕[代表者],教授 都井 裕, 大学院学生 姜 成洙
計算メソ力学モデルによる材料破壊のメソスケール・シミュレーション手法の開発と各種固体材料の構成式挙動および損傷・破壊現象への応用に関する研究を進めている. 本年度は, メッシュレス法の一種である自然要素法(Natural Element Method)に基づくメソ解析アルゴリズムを,マイクロインクルージョンあるいはマイクロボイドを有する固体の解析に拡張し,マクロ弾性定数とマクロ降伏応力評価および破壊解析によりその有用性を確認した.

工学構造体の計算損傷力学に関する研究(継続)
教授 都井 裕[代表者],教授 都井 裕, 助手 高垣昌和,研究員 岩渕研吾
各種の工学構造体の損傷破壊挙動に対する連続体損傷力学モデルの構成と有限要素法に基づく局所破壊解析への応用に関する研究を行なっている. 本年度は, 熱伝導,損傷進展,液体金属原子拡散挙動の連成した三次元有限要素解析プログラムを開発し,簡単な数値例により計算アルゴリズムを検証した.さらに,溶融亜鉛めっきを受ける鋼構造部材の亜鉛脆化割れ挙動解析への適用を試みている.また,鉄道関連機器の疲労寿命予測への応用を進めている.

形状記憶合金アクチュエータ素子の有限要素解析に関する研究
教授 都井 裕[代表者],教授 都井 裕, 大学院学生 李 宗賓
形状記憶合金アクチュエータ素子の超弾性挙動,形状記憶挙動の解析ソフトの開発を進めている.本年度は, ニッケル・チタン系の形状記憶合金(SMA)に対するBrinsonの構成式モデルを曲げねじり挙動に拡張し,SMAはりのねじり超弾性変形挙動,SMAコイルばねの超弾性有限変形挙動の有限要素解析に適用した.いずれにおいても線形チモシェンコはり要素を用いており,本解析ソフトが高い計算効率を有することが確認された.

数値材料試験と構造物の疲労寿命評価への応用に関する研究
教授 都井 裕[代表者],教授 都井 裕, 技術専門職員 岡田和三,大学院学生 広瀬智史
材料の損傷・破断を含む構成式挙動をシミュレートするための連続体損傷力学モデルによる数値材料試験,および有限要素法を併用した局所連成解析法の構造要素・疲労寿命評価への応用に関する研究を行っている.本年度は,構造用炭素鋼材の静的・動的引張挙動,疲労挙動および予ひずみ下の動的引張挙動に対する数値材料試験,アルミニウム材の予疲労下の動的引張挙動に対する数値材料試験を実施し,実験結果と良好に対応することを確認した.

CFD解析に基づく室内温熱環境の自動最適設計手法の開発(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,リサーチ・アソシエイト 金 泰延
本研究は,室内環境CFD(Computational Fluid Dynamics)解析シミュレーションに基づく室内温熱・空気環境の自動最適設計手法を開発することを目的とする.これは室内の環境性状を設計目標値に最大限近づけさせるための室内の物理的な境界条件を求める手法,すなわち逆問題解析による環境の自動最適化設計手法の基礎的な検討を行うものである.本年度はGA(遺伝的アルゴリズム Genetic Algorithm)を導入し,より少ない計算量で広範な条件から複数の最適条件候補を探索する手法を検討した.

火災煙流動数値解析手法の開発(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,助手 白石 靖幸,協力研究員 吉田 伸治
建築物,地下街,船舶等における火災時の煙流動の数値解析手法を開発している.本年度も昨年に引き続き,都市気候モデルを用いて,阪神・淡路大震災発生時の阪神地方の気象条件を用いて,神戸市のある領域が大火に覆われた場合の広域にわたる熱気流予測を評価した.また,都市火災の伝搬要因の一つである火の粉飛散による飛び火現象の物理モデルを作成し,建物周辺の風の流れを再現するCFD解析と火の粉飛散を連成させて都市火災伝搬を解析した.

環境感性工学の開発(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助手 白石 靖幸,大学院学生 宋 斗三・梁 禎訓・富永 正道
環境感性工学開発の第一段階として,空調による室内温熱環境における適用を検討する.室内の温熱環境シミュレーションシステムに,環境からの刺激に対して,環境に対し能動的に反応する人間要素を組み込み,環境制御のため投入したエネルギー量と人間の環境に対する不満足度を最小化するよう,環境−人間系システムを最適化する.この検討により,省エネルギーかつ,人間の感性に沿った空調システムを発見,選択することが可能となる.本年度も昨年に引き続き,サーマルマネキン(人体の放射性状をシミュレートするマネキン)を用いて様々な空間の温熱環境を計測,評価し,環境−人間系システムを検討した.

室内の換気・空調効率に関する研究(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,研究員 吉野 博,リサーチ・アソシエイト 金 泰延,協力研究員 伊藤 一秀,大学院学生 太田 直希・安服
室内の空気温熱環境の形成に預かっている各種要因とその寄与(感度)を放射および室内気流シミュレーションにより解析する.これにより一つの空調吹出口や排気口,また温熱源などが,どのように室内の気流・温度分布の形成に関わっているか,またこれらの要素が多少変化した際,室内の気流・温度分布がどのように変化するかを解析する.これらの解析結果は,室内の温熱空気環境の設計や制御に用いられる.本年度は暖房室内で開放型灯油ストーブを燃焼させた際の室内空気質の濃度分布性状について検討した.

数値サーマルマネキンの開発(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,助手 白石 靖幸,研究員 田辺 新一,大学院学生 梁 禎訓・富永 正道
本研究は,サーマルマネキン等を用いた実験に基づいて行われている人体とその周辺の環境場との熱輸送解析を,対流放射連成シミュレーション,さらには湿気輸送シミュレーションとの連成により,数値的に精度良くシミュレートすることを目的とする.本年度は四肢と顎部,胸部などの局部形状を詳細にモデル化した人体モデルを作成し,この人体モデルを用いたCFD解析により,人体局所形状の影響を考慮して,人体吸気領域の検討を行った.

室内温熱環境と空調システムに関する研究(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,協力研究員 近本 智行,リサーチ・アソシエイト 金 泰延,博士研究員 張 賢在,大学院学生 宋 斗三・中野 亮
良好な室内環境を得るための最適な空調システムに関して,模型実験・数値シミュレーションにより研究している.中でも放射パネルを用いた冷房方式は,全空気方式に比べ冷風吹出しによるドラフトリスクが軽減される等の有利な点を持つ方式である.本年度も前年度に引き続き,オフィス空間を対象として,冷房しながら自然換気を行った場合(自然換気併用ハイブリッド空調)の有効性と理想的な空調拡散のあり方についてCFDにより解析を行っている.今年度は夏季のような厳しい外気条件の下での室の天井高の違いや放射パネル高さの違いが温熱環境性状および冷房負荷に与える影響について検討した.

建物周辺の乱流構造に関する風洞模型実験と数値シミュレーションによる解析(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,技術専門職員 高橋 岳生,協力研究員 飯塚 悟,大学院学生 大津 朋博
建物周辺で発生する強風や乱れの構造に関して,風洞実験や数値シミュレーションにより検討している.建物のようなbluff body周りの複雑な流れ場を予測する場合,標準k-εモデルは種々の問題を有する.特に,レイノルズ応力等の渦粘性近似は流れ場によりしばしば大きな予測誤差の原因となる.本年度は,境界層流中に置かれた高層建物モデル周辺気流の解析にLK型をはじめ,各種のk-εモデルや応力方程式モデルによる解析を行い,その予測精度を比較,検討した.

室内気流の乱流シミュレーションとレーザー可視化,画像処理計測手法の開発研究(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,助手 白石 靖幸,協力研究員 伊藤 一秀,大学院学生 太田 直希
室内気流を対象とした乱流シミュレーション・可視化計測による流れ場,拡散場の予測,解析,制御のための手法の開発を行う.特に,レーザー光を用いた流れの可視化による定性的な把握とともに,定量的な計測を行うシステムの開発研究に重点を置く.模型実験での可視化により得られた流れ性状を数値化してシミュレーション結果と比較し,その精度向上に務めた.

流体数値シミュレーションにおける超並列計算システム(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,助手 白石 靖幸,協力研究員 飯塚 悟
超並列計算機による流体シミュレーションの検討課題を明らかにし,その基礎的検討を行う.本年度も昨年に引き続き並列計算を実行する基礎コードとして,コロケーション格子を採用した3次元一般曲線座標系コードを基に,並列処理および大規模計算に欠かすことのできないマルチブロックシステムを導入してChannel Flowおよび室内の流れ場解析を行った.

室内化学物質空気汚染の解明と健康居住空間の開発(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,研究員 伊香賀 俊治・田辺 新一・近藤 靖史,協力研究員 伊藤 一秀,外国人特別研究員 朱 清宇,大学院学生 太田 直希
建築物・住宅内における化学物質空気汚染に関する問題を解明し,健康で衛生的な居住環境を整備する.研究対象物質としてホルムアルデヒド,VOC,有機リン系農薬及び可塑材に着目する.これら化学物質の室内空間への放散及びその活性化反応を含めた汚染のメカニズム,予測方法,最適設計・対策方法を解明すること,その情報データベースの構築を目的とする.本年度も昨年度に引き続き,建築生産の現場で頻繁に使用されるペイント類に着目し,ペイントからの化学物質放散性状について検討した.また,室内居住域の化学物質濃度を健康で衛生的な範囲内に留めるための多岐にわたる建材使用の条件,室内換気方法,除去分解方法を具体的に提案する.

高密度居住区モデルの開発研究(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,研究員 伊香賀 俊治,助手 白石 靖幸,大学院学生 平野 智子・上原 瞳
人口爆発を止めることは困難であり,人類は好むと好まざるに拘らず,都市において高密度居住の道を選ばざるを得ない.高密度居住を積極的に利用して,効率的で,高いサステナビリティ性を備えた,そして環境負荷の少ない居住区モデルを開発する.本研究では,都市負荷の最小化を目指して高密度居住区を計画し,その環境負荷削減効果を明らかにするとともに食料生産,ヒーリング等のための耕地地区,緑地地区と高密度居住地内のバランスのとれた配置計画方法を提案する.本年度は劣悪な室内温熱環境を改善する方法の一つとして考えられている通気層を有する二重屋根についてその改善効果を検討した.また,外部環境を効率的に室内に取り組み省エネルギー的に室内環境を調整しうるポーラス型建物モデルを提案し,その有効性について検討した.

風洞実験・室内気流実験で用いる風速並びに風圧変動測定方法の開発に関する研究(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,研究員 小林 信行・近藤 靖史,技術専門職員 高橋 岳生,大学院学生 大津 朋博
建物周辺気流に関する風洞実験や室内気流実験で用いる平均風速,風速変動の3次元計測が可能な風速測定器の開発・実用化および変動風圧の測定法等の開発に関し,研究を進めている.本年度も前年度に引き続き,PIV流速計により等温室内気流,および非等温室内気流の乱流統計量を測定し,その特性を解析した.

風力発電の立地選択のためのCFDに基づく風況予測手法の開発と検証(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,研究員 持田 灯,技術専門職員 高橋 岳生,大学院学生 大津 朋博・Mohamed Fathy Yassin
風力発電サイトの最適な立地地点を選定するために,広範な観測を実施することは困難である.そこで,数値モデルによる風況予測を行わざるを得ないが,日本の地形は起伏に富んでおり,既存の線形風況予測モデルの適用限界を超えている.本研究の目的は,傾斜勾配が5%を越える地域にも利用でき,風車立地候補地点近傍の正確な予測を行える局所的風況予測モデルを開発することである.本年度は,二次元丘陵モデルならびに段丘モデル周囲の気流性状について風洞模型実験並びにCFDによる検討を行った.

CFD解析に基づく室内温熱環境の自動最適設計手法の開発(継続)
教授 加藤 信介[代表者],教授 加藤 信介,助教授 大岡 龍三,リサーチ・アソシエイト 金 泰延
本研究は,室内環境CFD(Computational Fluid Dynamics)解析シミュレーションに基づく室内温熱・空気環境の自動最適設計手法を開発することを目的とする.これは室内の環境性状を設計目標値に最大限近づけさせるための室内の物理的な境界条件を求める手法,すなわち逆問題解析による環境の自動最適化設計手法の基礎的な検討を行うものである.本年度はGA(遺伝的アルゴリズム Genetic Algorithm)を導入し,より少ない計算量で広範な条件から複数の最適条件候補を探索する手法を検討した.

計算幾何学に関する研究(継続)
教授 藤井 明[代表者],教授 藤井 明(代表者)・助教授 曲淵英邦・助手兼特別研究員 大河内学・助手 槻橋 修・大学院生 三好隆之,狩野朋子,若杉綾子
本研究は都市・地域解析への適用を目的とした計算幾何学的な手法の開発を行うもので,本年度は都市の空撮写真のように,曖昧で分節を見出しにくい画像の分析に対して「スケールテクスチャ」という指標を考案し,領域構造の抽出を試みた.また香港の彌敦道(ネイザンロード)を対象として商業地区におけるファサードの組成について分析を行った.

建築・都市空間の特性分析(継続)
教授 藤井 明[代表者],教授 藤井 明(代表者)・助教授 曲淵英邦・客員教授 伊東豊雄・ 助手 林 信昭,槻橋 修・大学院生 王 笑夢,Na Pong,松田 達
本研究は建築・都市空間を構成する形態要素とその配列パターンを分析指標として空間特性を記述することを目的としている.本年度は様々な文化や気候風土を条件として成立した建築・都市空間の形態的特性を横断的に把握することを目的とした大規模な空間データベースの開発・構築を進めた.具体的には,本研究室が過去25年間にわたり行ってきた海外の都市・集落の調査によって蓄積した700を超える集落の画像データをデジタル化し,コンピュータ上での情報管理,閲覧が行える統合的なデータベース・システムを開発し,WEB上での公開を行った.またそれらをもとにして,集落に関する統合的なデータベースが,インターネットを介して世界規模で共有・利用できるようにユーザーインターフェイスの改良を行った.

空間の構成原理に関する実証的研究(継続)
教授 藤井 明[代表者],教授 藤井 明(代表者)・助教授 曲淵英邦,助手 槻橋 修・ 技術官 小駒幸江・大学院生 朴 正ミン,王 シン,永井 秀幸,松田 聡平
伝統的な集落や住居に見出される空間の構成原理は,今日の居住計画を再考する上で重要な示唆に富んでいる.本研究室では過去25年以上にわたって世界の伝統的集落の調査を継続しているが,本年度は韓国の伝統的住居を対象とした調査を行い,調査結果をもとに住居内の領域要素の構成原理の分析を行った.特に各領域を連結する媒介要素である「閾」空間の配置や連結形態について重点的に考察した.

地域分析の手法に関する研究(継続)
教授 藤井 明[代表者],教授 藤井 明(代表者)・助教授 曲淵英邦・助手兼特別研究員 郷田桃代・助手 槻橋 修・大学院生 任 貞姫,_々_錙す盪獲__だ_邯擬w
地域空間の構造を的確に把握することは,地域性を積極的に組み入れてゆくという計画学的な視点からも非常に重要である.本年度は2つの鉄道線路の交差部分に発達した市街地の空間構成の特質,および街区形状の分布状況分析の2課題に焦点を当て,数理的解析を用いた地域空間の記述方法を考案した.市街地人口を誘導する要素である鉄道線路は同時に街区を物理的に分断し,都市空間の機能的変容にとって大きな制約条件となっている.しかしこの制約は市街地を個性的なものとし,地域性が育まれる要因にもなっていることが明らかになった.

計算幾何学に関する研究(継続)
教授 藤井 明[代表者],教授 藤井 明(代表者)・助教授 曲淵英邦・助手兼特別研究員 大河内学・助手 槻橋 修・大学院生 三好隆之,狩野朋子,若杉綾子
本研究は都市・地域解析への適用を目的とした計算幾何学的な手法の開発を行うもので,本年度は都市の空撮写真のように,曖昧で分節を見出しにくい画像の分析に対して「スケールテクスチャ」という指標を考案し,領域構造の抽出を試みた.また香港の彌敦道(ネイザンロード)を対象として商業地区におけるファサードの組成について分析を行った.

建築物内外音場の数値シミュレーションに基づく可視化・可聴化技術に関する研究
講師 坂本 慎一[代表者],講師 坂本 慎一, 教授 橘 秀樹, 研究員 田近 輝俊, 大学院学生 横田考俊
建築音響・騒音制御の分野における各種音場制御手法の効果を的確に表示・把握するために, 数値シミュレーションに基づく音場の可視化・可聴化技術に関する研究を行っている. 今年度は, 昨年度構築した数値解析結果に基づく多次元音場シミュレーションシステムを用いた建築音響への応用として,ホール等の拡散壁が聴感印象に与える影響に関する実験的検討を行った.また, 騒音制御問題に対する応用として, 各種形状の防音塀および掘割・半地下構造からの騒音放射を可視化し, 併せて騒音制御効果に関する定量的な検討を行った.

交通騒音の予測・評価に関する研究(継続)
教授 橘 秀樹[代表者],教授 橘 秀樹,講師 坂本 慎一, 研究員 矢野 博夫・吉久 光一・押野 康夫・田近 輝俊,大学院学生 山岸 司・成 栄慶
教授 橘 秀樹,講師 坂本 慎一研究員 矢野 博夫・吉久 光一・押野 康夫・田近 輝俊,大学院学生 山岸 司・成 栄慶 道路交通騒音に重点を置いて,騒音の伝搬予測法並びに対策法に関する研究を継続的に進めている.今年度は,道路交通騒音予測計算法を環境騒音のモニタリング手法として適用する可能性について検討を開始した,また,等価騒音レベルに基づくエネルギーベースの道路騒音予測計算法の改良を目的として,各種断面形状をもつ防音塀の騒音低減効果,掘割・半地下構造からの騒音放射特性について数値解析および模型実験による検討を行った.沿道住居の高遮音化に関する検討としては,建物開口部の高遮音化技術に関する数値解析および模型実験による検討を行った.

音場の数値解析に関する研究
講師 坂本 慎一[代表者],講師 坂本 慎一, 教授 橘 秀樹, 研究員 矢野 博夫・田近 輝俊 大学院学生 横田 考俊・飯塚美奈・成 栄慶
計測技術開発センターの項目を参照

建築物内外音場の数値シミュレーションに基づく可視化・可聴化技術に関する研究
講師 坂本 慎一[代表者],講師 坂本 慎一, 教授 橘 秀樹, 研究員 田近 輝俊, 大学院学生 横田 考俊
計測技術開発センターの項目を参照

音場の数値解析に関する研究
講師 坂本 慎一[代表者],講師 坂本 慎一, 教授 橘 秀樹, 研究員 矢野 博夫・田近 輝俊 大学院学生 横田 考俊・飯塚美奈・成 栄慶
各種空間における音響・振動現象を対象とした数値解析手法の開発を目的として, 有限要素法, 境界要素法, 差分法等に基づく研究を進めている. 本年度は, 差分法を用いた音響・振動連成問題に対する定式化を行い,単層壁および二重壁による音響透過現象の解析に応用した.室内音響問題への応用としては, 差分法によるホールのインパルス応答の計算手法に関する検討を行い,さらにその計算結果を数値音場シミュレーションシステムへの入力として,拡散壁の音響効果に関する聴感評価実験を行った. また,騒音制御への応用として,掘割・半地下構造道路などにおける騒音伝搬の解析および建物連坦部における騒音伝搬特性の解析を行った.

建築物内外音場の数値シミュレーションに基づく可視化・可聴化技術に関する研究
講師 坂本 慎一[代表者],講師 坂本 慎一, 教授 橘 秀樹, 研究員 田近 輝俊, 大学院学生 横田考俊
建築音響・騒音制御の分野における各種音場制御手法の効果を的確に表示・把握するために, 数値シミュレーションに基づく音場の可視化・可聴化技術に関する研究を行っている. 今年度は, 昨年度構築した数値解析結果に基づく多次元音場シミュレーションシステムを用いた建築音響への応用として,ホール等の拡散壁が聴感印象に与える影響に関する実験的検討を行った.また, 騒音制御問題に対する応用として, 各種形状の防音塀および掘割・半地下構造からの騒音放射を可視化し, 併せて騒音制御効果に関する定量的な検討を行った.

教育施設の音環境に関する研究
教授 橘 秀樹[代表者],教授 橘 秀樹,講師 坂本 慎一,助手 上野 佳奈子,協力研究員 園田有児,大学院学生 青木 亜美
教育施設に求められる音響性能及びそれを実現するための音響設計手法の提案を目的として研究を進めている.本年度は,隣接教室間の音の伝搬が問題とされているオープンプラン型小学校に着目し,様々な特徴をもつ小学校を対象として音環境および建築音響特性の測定,各学校の運用状況の調査,教員の意識調査などについて実態調査を行った.これらの結果をもとに,小学校の音環境の特徴や教育現場で求められている建築音響性能について現状を分析し,今後の研究課題を整理した.

音響計測法に関する研究(継続)
教授 橘 秀樹[代表者],教授 橘 秀樹,講師 坂本 慎一,研究員 山崎 芳男・矢野 博夫 協力研究員 佐藤史明,大学院学生 横田 考俊・廉 成坤
建築音響・騒音制御の分野における計測法の開発および精度向上を目的とした研究として,音響インテンシティ計測法による音響パワーレベルおよび音響透過損失の測定方法,衝撃性音源の音響エネルギーの定量化および測定方法などに関する研究を継続的に行っている.本年度は,各種信号処理技術を用いて遮音性能測定におけるS/N比を改善するための方法に関する実験的検討,各種音源の音響パワーレベル測定方法に関する検討などを行った.

室内音響に関する研究(継続)
教授 橘 秀樹[代表者],教授 橘 秀樹,助手 上野 佳奈子,研究員 山崎 芳男・矢野 博夫 協力研究員 佐藤 史明・園田 有児,大学院学生 横田 考俊・六反田素子
室内音響に関する研究として,今年度はホール・ステージ上の音響評価量に関する検討,ステージ上の物理特性の測定とそれに基づく音場シミュレーション手法の開発,演奏者を対象とした主観評価実験を行った.またホール客席部における各種音響指標の測定方法に関する検討,ホールの壁面形状および不連続音響反射板の配列と音場拡散効果の関係に関する数値解析,模型実験および聴感評価実験による検討などを行った.ホールの設計実務にも参加し,これらの研究成果を実際に適用した.

室内騒音の評価に関する研究(継続)
教授 橘 秀樹[代表者],教授 橘 秀樹,講師 坂本 慎一,助手 上野 佳奈子,研究員 矢野 博夫, 協力研究員 佐藤 史明,大学院学生 横山 栄・川崎 寛
建築物内外における騒音が室内居住者に及ぼす影響に関して,実験室に構築したシミュレーション音場を用いた聴感評価実験により検討を行っている.本年度は,道路交通騒音の影響について,沿道住居内での居住状態のうち,会話およびテレビ聴取,睡眠を取り上げ,妨害感に関する心理評価実験を行った.また,交通量の違いによりやかましさの印象に違いが見られた昨年度の結果を踏まえ,交通量が異なる際の妨害感への影響についても検討を行った.

教育施設の音環境に関する研究
教授 橘 秀樹[代表者],教授 橘 秀樹,講師 坂本 慎一,助手 上野 佳奈子,協力研究員 園田有児,大学院学生 青木 亜美
教育施設に求められる音響性能及びそれを実現するための音響設計手法の提案を目的として研究を進めている.本年度は,隣接教室間の音の伝搬が問題とされているオープンプラン型小学校に着目し,様々な特徴をもつ小学校を対象として音環境および建築音響特性の測定,各学校の運用状況の調査,教員の意識調査などについて実態調査を行った.これらの結果をもとに,小学校の音環境の特徴や教育現場で求められている建築音響性能について現状を分析し,今後の研究課題を整理した.

歴史および自然環境に配慮した建築設計の研究(継続)
教授 藤森 照信
歴史と自然の環境にマッチした建物は, 大きなテーマとなっている. こうした社会時代的な要請に答えるべく, これまで長く歴史的環境との調和のための研究をしてきたが, 現在は, 自然環境に力点を入れ, <自然と人工>をキイワードに調査研究を進め, 実験のための実際に, タンポポハウス, ニラハウス, 天竜市秋野不矩美術館, 一本松ハウス, 熊本農業大学学生寮, 椿の家などの建築設計でさまざまな試みを開始している.

日本近代建築の地域性に関する研究(継続)
教授 藤森 照信
日本の近代建築が地域性を持つか否かは, 日本近代建築史の大きな論点の一つであった. この点を究明するために, 各地に残る建築遺構の写真撮影, 資料収集を行い, その比較調査を続行している. その成果として, これまで開花式建築の東日本偏在現象を発見した. その原因として, 港ヨコハマの影響および江戸期の過剰装飾の影響などを指摘することができた. 開花式の中でスタイルに地域性が見られ, 細部について調査を進めている.

日本の近代都市形成史の研究(継続)
教授 藤森 照信
日本の近代都市の発達を歴史的にとらえるため, 江戸から東京への変化の過程を明らかにする. これについては, 明治期に関する限り, ほぼ全容を明らかにすることができた. また引き続き大正期から戦前についてまでも解明を進め, 郊外住宅の開発の経緯と, その日本的特徴をつかみ, 都市環境開発などの問題点なども指摘, 研究を進めている.

日本近代産業施設の発達と遺構の生産技術史的研究(継続)
教授 藤森 照信
わが国の産業施設の発達過程は, 変化があまりにも急速である. その歴史が記述される前に, 肝心な生産施設そのものが取り壊される傾向にある. この現状を踏まえ, 全国の生産施設, 土木, 工場施設についても順次研究を進めている.

歴史および自然環境に配慮した建築設計の研究(継続)
教授 藤森 照信
歴史と自然の環境にマッチした建物は, 大きなテーマとなっている. こうした社会時代的な要請に答えるべく, これまで長く歴史的環境との調和のための研究をしてきたが, 現在は, 自然環境に力点を入れ, <自然と人工>をキイワードに調査研究を進め, 実験のための実際に, タンポポハウス, ニラハウス, 天竜市秋野不矩美術館, 一本松ハウス, 熊本農業大学学生寮, 椿の家などの建築設計でさまざまな試みを開始している.

多民族化及び西洋化による都市と建築の近代化に関する研究 ―内蒙古フフホト市を中心に(継続)
教授 藤森 照信[代表者],助手・特別研究員 村松 伸, 大学院学生 包 慕萍
本研究は少数民族地域の近代都市, 建築西洋化, 漢風化, 多民族化などによって, どのように影響を受け, 近代化が形成されたのか, これまでの学習モデルの欧米近代建築史研究の視点とは異なるアジア独自の特徴などを内モンゴル・フフホト市を中心に調査, 分析, 明らかにすべく研究を進めている.

東京における町屋建築の研究(継続)
教授 藤森 照信[代表者],教授 藤森 照信, 博士研究員 丸山 雅子, 技術官 中川 宇妻
日本の近代建築の発展過程の中で庶民生活を支えてきた下町の建物(看板出桁建築, 長屋)は近年都市開発によって取り壊しが急速に進み, その数が減少している. また, 建設当時の状況や当時の生活を知る居住者の高齢化も進んでいる. その現存状況を調査し, 職住が一緒の建築空間にあって職別の(銭湯, 床屋, 酒屋, 豆腐屋, 饅頭屋, 金物屋など)間取りの特徴を, 居住者のヒヤリングにより, 都市空間, 居住空間, 住環境, 生活史など, 多角的に研究を進め成果を上げている. 江戸東京博物館たてもの園への移築保存へも貢献している.

歴史的建造物及び都市空間の復元的研究(継続)
教授 藤森 照信[代表者],教授 藤森 照信, 研究員 時野谷 茂, 協力研究員 青木 信夫
都市の歴史への関心が高まっており, とりわけ東京がいかに近代化したかへの関心は高く, その一環として明治期の都市空間の復元的研究が求められている. 戦前の西洋館, 近代住宅を現代都市の中で再利用することは近年大きなテーマとなっており, その手法の研究を進めている. その成果は, 最近地方都市においても近代建築への関心が高く, 建物の価値評価, 保存再利用に向けての手法が多く求められている.

ベトナム都市における近代建築の保存と再生(継続)
教授 藤森 照信[代表者],教授 藤森 照信, 助手・特別研究員 村松 伸, 協力研究員 大田 省一
ベトナム都市のハノイ・ホーチミン等には, フランス植民地時代の建築物が多く残り, 都市基盤施設, 建築物は当時のものそのまま利用している. ただしすでに半世紀以上経ちち半世紀以上経ち, 老巧が進み, また近年の開放政策から急激な都市環境の変化がみられるため, 近代建築の現存リストを作成, かなりの成果を上げた. これに基づきその利用と, 保存・再生とする都市計画を提示し, その実現のためのベトナム側との共同研究を進めている.

近現代における武漢の都市と建築(継続)
教授 藤森 照信[代表者],教授 藤森 照信, 日本学術振興会特別研究員 李 江
中国近代建築の研究の一環として, 武漢は各国の租界(イギリス, フランス, ドイツ祖界, 日本祖界)による都市の開発が進んだ. その成立と形成過程, 建設された都市構造と, 当時の現存建築調査研究.

戦後建築家に関する基礎的研究(継続)
教授 藤森 照信[代表者],教授 藤森 照信, 協力研究員 石崎 順一, 技術官 中川 宇妻
日本の建築は, 第二次世界大戦後半世紀の間に大いに発展した. 現代では, 世界の建築界のリーダーシップをとるまでになっている. 戦後50年経った時期を迎えて, 戦後をリードした建築家たちの事跡については, あるものは, ほとんど資料も残さないまま, あるものは重要な建築的出来事に立ち会いながら何の記録も回想も残すことなく, 没してしまっている. 早速にこの時期についての資料収集と分析に着手する必要があり, 戦後建築総体の基本資料を得ることを目的として研究を進めている.

集合住宅の研究−日本・韓国・台湾・中国の住宅営団に関する研究(継続)
教授 藤森 照信[代表者],教授 藤森 照信, 協力研究員 冨井 正憲
本研究は, 国策住宅供給機関として1940年代に設立された, 東アジア4ケ国(日本, 韓国, 台湾, 中国)の住宅営団の組織の成立過程, 及び各国公共集合住宅, 近代住宅計画成立過程を調査, 比較検討し, 併せて東アジア4ケ国の居住空間の文化的特質を分析も研究する.

能舞台の歴史的変遷及び, 能的建築空間設計手法の研究(継続)
教授 藤森 照信[代表者],教授 藤森 照信, 大学院学生 奥冨 利幸
我が国独自の「能舞台」は, 最近富に伝統文化の象徴として, 新たな能舞台が各地に建築されている. 能舞台の歴史的変遷過程と, 現存する能舞台の把握, 実測調査により, 設計方法の踏襲部分や建築空間の調査研究, 併せて現代建築の能空間的設計手法及び, 日本人に潜在的に好まれてきている能的思考の文化意識を考察研究する.

近代日本の土木デザインに関する歴史的研究(継続)
教授 藤森 照信[代表者],教授 藤森 照信, 大学院学生 佐々 暁生
近年の調査で分かってきたことだが, 戦前の土木においては, 経済性を年頭におきながらも工夫を凝らし, 個性あふれるデザインが多数生み出された. これらは将来の土木設計を考える上で学ぶべき点が極めて多い. しかし, 建築と違って歴史研究が市民権を得てこなかった土木においては, そのデザインがどのような変遷を辿ってきたのか, ほどんど明らかにされていない. そこで本研究は, 建築家や建築デザイン, 海外土木などとのデザイン的接点に着目してその影響関係を探り, 土木デザインの潮流の全体像提示を試みる. (H12年度科学研究費補助金・特別研究員費奨励費)

東アジアと日本の建築近代化の比較研究(継続)
教授 藤森 照信[代表者],教授 藤森 照信, 研究員 西澤 泰彦 助手・特別研究員 村松 伸, 大学院学生 鄭 昶源・陳 正哲
19世紀における西欧列強の東アジアの進出の軌跡は, 東アジアに登場する近代建築の歴史的展開と符号する. 近代日本における近代化遺産も, この歴史的展開の中で行われたといえる. 本研究は, こうしたグローバルな視点から, 東アジアと日本の近代建築の発生とその展開を比較研究し, 建築近代化過程の本質的問題を考察している. また, 同時に現存する遺構調査, この地に活躍した欧米人, 及び日本人建築家の活動 に関する研究も進めており, すでに一部を研究成果として報告している.

アジアの近代的歴史的建物および都市空間の復元的・再生的研究(継続)
教授 藤森 照信[代表者],教授 藤森 照信, 助手・特別研究員 村松 伸
アジア各国では都市化が進み, 都市に残る近代的建築と研究保存・再生が求められている. 本研究は, アジア各研究者とネットワークを築き, 研究, 保存再生についてマニュアルを作成し, 連帯して進む道を考える.

熱帯アジア(南中国, 旧植民地諸国など)の近代における居住様式, 建築, 都市の変容に関する研究(継続)
教授 藤森 照信[代表者],教授 藤森 照信, 特別研究員 李 江
本研究は, 中国(広州)を中心に, 近代における熱帯アジア都市の住宅建築の変容過程及び, 都市構造の変化を明らかにしょうとするものである.

多民族化及び西洋化による都市と建築の近代化に関する研究 ―内蒙古フフホト市を中心に(継続)
教授 藤森 照信[代表者],助手・特別研究員 村松 伸, 大学院学生 包 慕萍
本研究は少数民族地域の近代都市, 建築西洋化, 漢風化, 多民族化などによって, どのように影響を受け, 近代化が形成されたのか, これまでの学習モデルの欧米近代建築史研究の視点とは異なるアジア独自の特徴などを内モンゴル・フフホト市を中心に調査, 分析, 明らかにすべく研究を進めている.

ヒルベルト空間による逆問題と最適化手法の海事流体力学への応用の研究
教授 木下 健[代表者],教授 木下 健, 博士研究員 Jang Taek Soo
ヒルベルト空間によるill-posedな逆問題の解法と最適化手法の海事流体力学への応用例として, 昨年は造波機(圧力分布)による造波と, 2次元翼の周りの流場の逆問題を取上げ, 三種の正規化法(Tikhonovの正規化法, Landweber-Friedmanの正規化法, 繰り返しによるTikhonovの正規化法)を適用してその適用性の優劣を調べた. さらにこれらの逆問題の極く一部(10%程度の領域)の不充分な条件から解をdetectすることが出来ることを示した. 次に最適化の問題としてキャビティー流れの抗力を最小にする2次元断面形状をill-posedな問題を解くことにより求める方法を開発し, 従来知られていた形状より約2%抗力の小さい断面形状を示した.本年度は船の抵抗の最小化問題と,圧力分布による造波のdetectの問題を定式化し,計算した.

競漕用シェル艇の性能向上(継続)
教授 木下 健[代表者],教授 木下 健, 技術官 板倉 博, 大学院学生 小林 寛
ボート競技に用いられる用具の改良と開発を行っている. 既存優秀艇の曳航試験を行い, 抵抗成分を分離し検討をくわえ, 新型リガー, 舵, フィン, ボディーフェアリングの開発を行った. 本年度も昨年に引き続きシングルスカルの実艇実験により求めたオールに加わる流体力のモデル化を行った. これによりローイング運動の機械効率を解析し, 効率の向上に役立つ器具と漕法の研究を行っている.

係留浮体の長周期運動に関する研究(継続)
教授 木下 健[代表者],教授 木下 健, 助手・特別研究員 鮑(佐野)偉光 協力研究員 砂原 俊之,大学院学生 吉田基樹,大学院学生 石橋和子
波浪中の長周期運動は係留浮体の設計上で, 最も基本的かつ重大な課題の一つであるが, 非線形性が強く重要な研究課題が数多く残されている. その中で波漂流力と波漂流減衰力の推定はこれまでの当研究室の研究でほぼ可能となった.波漂流減衰力と位相が異なる波漂流付加質量について,本年度は水槽試験を行い, 理論との比較を開始した.

波浪中の任意形状浮体に働く非線形流体力の理論計算(継続)
教授 木下 健[代表者],教授 木下 健, 助手・特別研究員 鮑(佐野)偉光
海洋に係留された浮体は係留系との同調により長周期運動, スプリンギングさらにはリンギングと呼ばれる非線形振動をする. 本年度は波漂流付加質量の定式化のため,長周期運動する浮体に固定した座標を用いて,波の周波数と長周期運動の周波数が大幅に異なる場合の非線形波力の定式化を行い,一部計算した.

帆走艇の運動性能向上に関する研究(継続)
教授 木下 健[代表者],教授 木下 健, 技術官 板倉 博,大学院学生 須藤 康広
操船の容易な高速双胴型水中翼船ヨット(TWIN DUCKS)の開発設計を,一昨年の三分の一, 五分の一模型,昨年のプロトタイプに引き続き行っている.本年度は水中翼の性能向上と最適バランスの調査のため,新たに開発設計した4分力計による水槽実験を行った.

ヒルベルト空間による逆問題と最適化手法の海事流体力学への応用の研究
教授 木下 健[代表者],教授 木下 健, 博士研究員 Jang Taek Soo
ヒルベルト空間によるill-posedな逆問題の解法と最適化手法の海事流体力学への応用例として, 昨年は造波機(圧力分布)による造波と, 2次元翼の周りの流場の逆問題を取上げ, 三種の正規化法(Tikhonovの正規化法, Landweber-Friedmanの正規化法, 繰り返しによるTikhonovの正規化法)を適用してその適用性の優劣を調べた. さらにこれらの逆問題の極く一部(10%程度の領域)の不充分な条件から解をdetectすることが出来ることを示した. 次に最適化の問題としてキャビティー流れの抗力を最小にする2次元断面形状をill-posedな問題を解くことにより求める方法を開発し, 従来知られていた形状より約2%抗力の小さい断面形状を示した.本年度は船の抵抗の最小化問題と,圧力分布による造波のdetectの問題を定式化し,計算した.

強地震動の空間分布予測の研究(継続)
教授 須藤 研[代表者],教授 須藤 研, 助教授 目黒 公郎
ある地点での地震動は震源での岩盤の破壊過程と震源とその地点間の物理的性質によって決まってくるグリーン関数が与えられることで数値的に算出できる. しかし地震工学で対象とする地震動はその波長の短さ故に空間的に互いにその様相を異にする. 本研究では存否法, ウエーブレット解析を適用した新しい予測法を開発し, 空間的に密な観測が不可能である途上国での震動予測に資する.

自然災害の科学的, 社会経済的起源の研究(継続)
教授 須藤 研[代表者],教授 須藤 研,・助教授 A. S. Herath, 目黒 公郎・助手 D. Dutta
地学現象が人間の経済社会活動に負の影響をもたらすとき自然災害が発現する. この負の影響の大きさは幾つかの変数の関数で表現される. それらは地学現象そのものの大きさ, 経済社会構造, 及び防災施策である. 本研究ではこの関数の構造を解析し, 主として途上国での防災に関する長期的施策の立案に資する.

強地震動の空間分布予測の研究(継続)
教授 須藤 研[代表者],教授 須藤 研, 助教授 目黒 公郎
ある地点での地震動は震源での岩盤の破壊過程と震源とその地点間の物理的性質によって決まってくるグリーン関数が与えられることで数値的に算出できる. しかし地震工学で対象とする地震動はその波長の短さ故に空間的に互いにその様相を異にする. 本研究では存否法, ウエーブレット解析を適用した新しい予測法を開発し, 空間的に密な観測が不可能である途上国での震動予測に資する.

強地震動の空間分布予測の研究(継続)
教授 須藤 研[代表者],教授 須藤 研, 助教授 目黒 公郎
ある地点での地震動は震源での岩盤の破壊過程と震源とその地点間の物理的性質によって決まってくるグリーン関数が与えられることで数値的に算出できる. しかし地震工学で対象とする地震動はその波長の短さ故に空間的に互いにその様相を異にする. 本研究では存否法, ウエーブレット解析を適用した新しい予測法を開発し, 空間的に密な観測が不可能である途上国での震動予測に資する.

マルチフラクタルを利用した高解像度降雨時系列の推定(継続)
助教授 HERATH Anura[代表者],助教授 A.S.Herath・大学院学生 Assela Pathirana
アジア地域の多くの開発途上国では,高解像度の降雨データがあまり存在せず,その殆どが日雨量データである.しかしながら,洪水被害軽減のためには時間雨量データが必要となる.本年度は,長期間平均とランダム成分をマルチフラクタルでモデリングし,空間分布をモデル化することが出来た.また,アメダスデータを用い日本での検証を実施した.

領域スケールでの土砂輸送モデルの開発(継続)
助教授 HERATH Anura[代表者],助教授A.S.Herath・大学院学生Habibur Rahman
流域スケールでの土砂生産量のシミュレーションのためのプロセスモデルを開発した.さらに細かいスケールから現実的な1kmスケールへのスケールアップした土砂生産量の推定できるプロセスモデルの開発も行った.そして,タイのチャオプラヤ川流域にこのモデルを適用し,モデルの適用可能性を示した.

空間の生成プロセスに関する研究(継続)
助教授 曲渕 英邦[代表者],教授 藤井明(代表者), 助教授 曲渕英邦, 助手・特別研究員 郷田桃代, 助手 今井公太郎,大学院学生 Jin Taira・Erez Golani・張希実子・木村達治
建築・都市空間を構築するための設計プロセスの研究は,その基礎論としての空間の生成プロセスを把握することが肝要である.本年度は,建築・都市空間を含めたあらゆる事象の変化を「再定義」という概念で捉え直し,再定義の目録を作成することによって,空間の変化に対する正確な理解と新たな設計行為に対する指針を求めた.特に,東京という都市空間の形成プロセスに着眼し,土地,道路,住居,人口,輸送など,東京の再定義に関わる33の主題を選択して,東京が巨大都市へと変容していく過程を概括的に考察した.これにより,空間の生成プロセスを把握する上での新たな視点を確立した.

電子機器の冷却設計技術の開発(継続)
助教授 加藤 千幸
EWSや汎用大型計算機, スーパーコンピュータなどのCPU・メモリーチップは, 集積度の向上に伴い発熱量も増大しており, 限られたスペースの中に如何に実装するかが重要な課題となっている. 本研究では, 民間研究機関と共同で, 冷却ファンの偏流などの影響も考慮できる, 高精度でかつ実用的な冷却設計システムの開発を進めている. 本年度は特に,冷却ファン出口流れの解析結果を基にしてこの影響を考慮できる計算アルゴリズムを開発した.

電子機器の冷却設計技術の開発(継続)
助教授 加藤 千幸
EWSや汎用大型計算機, スーパーコンピュータなどのCPU・メモリーチップは, 集積度の向上に伴い発熱量も増大しており, 限られたスペースの中に如何に実装するかが重要な課題となっている. 本研究では, 民間研究機関と共同で, 冷却ファンの偏流などの影響も考慮できる, 高精度でかつ実用的な冷却設計システムの開発を進めている. 本年度は特に,冷却ファン出口流れの解析結果を基にしてこの影響を考慮できる計算アルゴリズムを開発した.

単独翼周りの非定常流れのLES解析
助教授 加藤 千幸[代表者],助教授 加藤千幸・教授 吉識晴夫・技術官 鈴木常夫・研究員 飯田明由(工学院大学)・研究実習生 仁子泰輔(工学院大学)
LES(Large Eddy Simulation)は,乱流の非定常な変動を計算可能な次世代の乱流解析手法としてその実用化が期待されているものであり,比較的レイノルズ数が低い,大規模にはく離する流れに対しては,既に実用計算に使用されつつある.本研究では,LES解析を流体機械内部流れの本格的に適用すること最終目標として,その基本的な要素である翼周り流れを対象に,詳細な検証データの取得と取得したデータに基づくLES解析の精度検証とを同時に進めている.本年度は,NACA0012翼周り流れに関して,表面圧力変動や後流の流速変動を計測すると共に,上記流れを対象にLES解析を実施し,計算モデルや計算格子が解析結果に与える影響を明らかにした.

超小型ガスタービンシステムの開発
助教授 加藤 千幸[代表者],助教授 加藤千幸・教授 吉識晴夫・機関研究員 松尾栄人・大学院学生 池田博行・助手 西村勝彦・技術官 鈴木常夫
直径10mm程度で数10Wの出力を発生する,超小型のガスタービンシステムの実用化を目指した研究に着手した.このシステムは,ロボット用電源,携帯用電源,宇宙ステーションの姿勢制御用推力発生装置などへの幅広い応用が期待されている.本年度は,ガスタービンシステムの主要要素である,タービン部分に関して10倍スケールモデルの試作を行い,上記システムの成立性を検討した.

プロペラファンから発生する空力騒音の数値シミュレーション(継続)
助教授 加藤 千幸[代表者],助教授 加藤 千幸・教授 吉識 晴夫・大学院学生 宍戸 進一郎
プロペラファンは, コンピュータの冷却ファン, エアコンの室内・室外機, ビルなどの換気用ファンに多用されているものであり, 快適なオフィス・居住環境を維持するためにはプロペラファンから発生する空力騒音を出来る限り小さく押さえる必要がある. 本研究は, このプロペラファンから発生する空力騒音の数値的予測手法を開発し, さらに, 低騒音ファンの設計指針を確立することを最終的な目的として,民間企業と共同で行っているものである.今年度は,建設機械のラジエータ用ファンを具体的な対象として内部流れの数値解析を実施し,その騒音発生機構をほぼ明らかにした.

自動車用ドアミラーから発生する空力騒音の研究
助教授 加藤 千幸[代表者],助教授 加藤千幸・教授 吉識晴夫・研究員 飯田明由(工学院大学)・研究実習生 長野久幸,森本真央(工学院大学)・技術官 鈴木常夫
運転者や同乗者に快適な車室内環境を実現するためには,その騒音レベルを出来るだけ低く抑えることが重要である.特に,近年エンジンやトランス・ミッションなどの駆動系騒音が低減されたことに伴い,ドアミラーやフェンダーから発生する空力騒音の低減が益々重要となっている.本研究では,ドアミラーから発生する空力騒音の発生機構の解明とそれに基づく騒音・空力設計手法の開発とを目的とした,民間企業と共同で実施しているものである.今年度は,共鳴音などの異音が発生する条件を実験的に検討した.

流体騒音の発生機構の解明とその制御に関する研究
助教授 加藤 千幸[代表者],助教授 加藤千幸・教授 吉識晴夫・技術官 鈴木常夫・大学院学生 鈴木康方・研究員 飯田明由(工学院大学)・研究実習生 山崎太郎(工学院大学)
流体機械の小型高速化や鉄道車両の高速化に伴い,流れから発生する騒音,即ち,流体騒音の問題が顕在化しつつあり,その予測や低減が大きな課題となりつつある.本研究では,翼周りの流れなどを対象として,流れと騒音の同時詳細計測により,流体騒音の発生機構を解明し,得られた知見に基づいて,騒音制御・低減方法を開発することを最終的な目標として進めている.本年度は,上記の計測を行うために必須となる,騒音計測方法やレーザー計測方法に関する検討と計測準備を実施した.

単独翼周りの非定常流れのLES解析
助教授 加藤 千幸[代表者],助教授 加藤千幸・教授 吉識晴夫・技術官 鈴木常夫・研究員 飯田明由(工学院大学)・研究実習生 仁子泰輔(工学院大学)
LES(Large Eddy Simulation)は,乱流の非定常な変動を計算可能な次世代の乱流解析手法としてその実用化が期待されているものであり,比較的レイノルズ数が低い,大規模にはく離する流れに対しては,既に実用計算に使用されつつある.本研究では,LES解析を流体機械内部流れの本格的に適用すること最終目標として,その基本的な要素である翼周り流れを対象に,詳細な検証データの取得と取得したデータに基づくLES解析の精度検証とを同時に進めている.本年度は,NACA0012翼周り流れに関して,表面圧力変動や後流の流速変動を計測すると共に,上記流れを対象にLES解析を実施し,計算モデルや計算格子が解析結果に与える影響を明らかにした.

水の安定同位体比を用いた水循環過程の解明
助教授 沖 大幹
水の安定同位体比は,海水面から蒸発して移行のその水の履歴の積分情報が含まれている.測定手法自体とそのキャリブレーションに関する研究はほぼ終了し,極て高精度に再現性良く測定できる体制が整っている.現在は,タイでサンプリングされた雨水ならびに流水の安定同位体比データベースを構築中であり,降雨イベントごとの時系列特性から流出モデルへの寄与が期待される.また,日本における水田での同位体比収支観測に基づいて,水田灌漑におけるいわゆるreturn flowと蒸発量の推定を行なう試験的な研究を行ない,測定精度の範囲で充分可能性があることが明らかとなっている.

日本を中心としたグローバルな水の間接消費の解明
助教授 沖 大幹
穀物生産や畜産,工業製品の生産には水資源が大量に消費される.それを輸入して日本国内で消費するということは,仮想的な水を輸入し間接的に他国の水資源を消費していることと同じである.この実態を解明するため,灌漑プロセスに基づく農業生産における水消費原単位推定,その結果を利用しつつ配合飼料等の割合を考慮して作製した畜産における水消費原単位,そして,工業統計に基づく工業用水の出荷額あたりの水消費原単位を定め,穀物,食肉,工業製品の主要品目について,もし日本において生産したとするならばどの程度の水資源が必要であったか,という間接消費の流れを抑えた.その結果,日本の年間水資源利用量900億立方メートルを越える1,000億立方メートルを日本は輸入していて,国土の半分程度の面積の農地を海外で利用していることが明らかとなった.今後は,水資源消費という観点から見た水の環境家計簿の作製に向けて研究を進めていく予定である.

マニラ近郊における都市用水と灌漑用水の需要拮抗問題解決にたいする提案
助教授 沖 大幹
フィリピンの首都マニラでは人口の増大に伴い,都市用水需要が増えており,周辺の灌漑用水を圧迫している.現在は制度として渇水時には都市用水が優先的に水を利用できることになっているが,社会的公平性の面から,平常時と渇水時の灌漑,都市,両用水需要における便益の比が等しくなるように都市用水の料金を渇水年には値上げして,その収益を灌漑用水の補償費用に充てるシステムを提案した.実際のデータに基づいてその増加分を計算し,充分受入れられる範囲であること,また,実施体制も整っていることなどがあきらかとなっている.こうした便益比に基づく渇水時の水マネジメント調整は,他の大都市にも適用可能であると考えられる.また,こうした水管理がどの程度貧困解消に資するか,などの観点での検討も進めていきたい.

熱帯地方の地形性降雨の観測とメカニズムの解明
助教授 沖 大幹
熱帯地方,インドシナ半島西北部の山岳地域における特別観測雨量計データに基づいて,極て高時間分解能の雨量データが収集され,顕著な地形依存性が見いだされた.特に,その地形依存性が降水強度ではなく降水頻度の寄与によるものであること,南よりの風に対して地形性降水が卓越することなどが明らかとなった.こうした現象のメカニズム解明のため,メソ気象数値モデルを用いて当該地域のシミュレーション研究を行なっている.

マイクロ波センサによる地表面水文量の推定
助教授 沖 大幹
衛星搭載マイクロ波センサ,特に能動型センサを利用したグローバルな陸面表層土壌水分量の測定について研究を進めている.広域スケールでは10日単位,あるいは月単位程度であった時間解像度を日単位に変換するため,入射角の異なる観測を変換するアルゴリズムの導入,植生の取り扱いの理論的検討等により,熱帯降雨観測衛星の降雨レーダで観測される地表面からの後方散乱係数から陸面表層の土壌水分量を推定するアルゴリズムがほぼ確立された.現在3年分のデータが処理されており,現地観測データを利用したその詳細な精度の検証と,実時間での公開等が今後の課題である.また,得られた土壌水分量を,数値モデルにおける土壌水分量の取り扱いに関して表層と深い層との季節的ずれなどを考慮しつつ変換して与え,季節予報に用いると良好な降雨予測精度が得られることも確認されている.今後は数値モデルと組み合わせた4次元同化手法の開発も行なっていきたい.

地球温暖化等気候変動下における水循環の変動
助教授 沖 大幹
最新の温暖化予測結果によると,地球温暖化により水循環が強化されて,現在降水量の多いところでは降水強度も増えるのではないか,と懸念されている.日本における長期日降水量データを用いて,これまでの長期トレンドを検討したところ,年降水量では東北,関東から中部にかけての領域で年降水量が減少しているものの,年最大日降水量に関しては関東から九州にかけての広い範囲で増加する傾向にあり,併せて平均降水強度も強く,平均降水間隔が長くなる傾向にあることもわかった.これは洪水,渇水がより頻発する危険性を示唆している.現在,時間降水量といったより高時間解像度の情報をマイクロフィルム記録からデジタル化している最中であり,より激しい極値現象に関しての長期傾向がいずれ明らかになるものと期待される.

グローバルな水資源アセスメント
助教授 沖 大幹
世界の水危機が叫ばれているが,現在巷間に溢れている情報はほとんど欧米発信である.これに対し,日本独自のグローバルな水資源アセスメントをきちんと行なって世界に発信するべく研究を進めている.自然系のグローバルな河川流量シミュレーションに人間活動の影響,貯水池や灌漑取水を入れるべくデータの整備とモデル化を進め,一方で,需要変動の予測が可能となる様に国別統計値の分析から開始しているところである.これまでのところ,全球0.5度グリッドでの現在ならびに将来(2050年頃)の水需給逼迫度等に関する結果が出ているが,今後その精度,信頼性を向上する必要がある.また,独自色を出すための,灌漑地面積やアジア特有の水田面積分布の季節・年々変動などの情報作製にも力を入れる.さらに,グローバル推定の検証として,タイやパキスタンといった地域レベルでの詳細な水資源アセスメント結果を利用した検証も行なう.

水の安定同位体比を用いた水循環過程の解明
助教授 沖 大幹
水の安定同位体比は,海水面から蒸発して移行のその水の履歴の積分情報が含まれている.測定手法自体とそのキャリブレーションに関する研究はほぼ終了し,極て高精度に再現性良く測定できる体制が整っている.現在は,タイでサンプリングされた雨水ならびに流水の安定同位体比データベースを構築中であり,降雨イベントごとの時系列特性から流出モデルへの寄与が期待される.また,日本における水田での同位体比収支観測に基づいて,水田灌漑におけるいわゆるreturn flowと蒸発量の推定を行なう試験的な研究を行ない,測定精度の範囲で充分可能性があることが明らかとなっている.

耐震壁を有する鉄筋コンクリート造ピロティ建物の応答性状に関する研究(新規)
助教授 中埜 良昭[代表者],助教授 中埜 良昭, 助手 真田 靖士
鉄筋コンクリート造ピロティ建物の合理的な耐震設計法を提案することを目的として, 実験的, 解析的, 理論的なアプローチから一連の研究を実施している. 本研究では, とくに1階に耐震壁を有するピロティ建物(1階の耐震壁が局部的に取り除かれた耐震壁フレーム構造)を対象に, 部材を構成する材料の復元力特性に基づく解析モデルを用いたフレーム解析を通じて, その応答性状の把握, 設計手法の構築を行っている. 本構造の終局域の挙動を扱うためには, 耐震壁の曲げ降伏後のせん断軟化性状を扱うことが不可欠となることを指摘した.

鉄骨系架構により補強された鉄筋コンクリート造骨組のねじれ応答性状に関する研究(継続)
助教授 中埜 良昭[代表者],助教授 中埜 良昭, 助手 真田 靖士, 技術官 山内 成人, 大学院学生 藤井 賢志, 上田 芳郎
本研究では, 昨年度に引き続き鉄骨系架構により耐震補強された鉄筋コンクリート造骨組を対象に, その捩れ応答性状に着目して次のような検討を行った. 1. 縮小立体試験体の振動台による動的実験を計画し, その予備実験として試験体の基本的性能の把握を目的とする静加力実験を実施した. 2. 偏心を有する建物の実用的な非線形応答評価法を確立することを目的に解析的検討を行い,単層一軸偏心建物の等価1自由度系による非線形応答評価法を提案した. 今後は,偏心を有する建物を対象に,その応答性状の振動台実験による把握,応答評価手法の多層建物への拡張,を目的に,引き続き実験的・解析的検討を行う計画である.

サブストラクチャ・オンライン地震応答実験の精度向上に関する研究(継続)
助教授 中埜 良昭[代表者],助教授 中埜 良昭, 助手 真田 靖士, 技術官 山内 成人, 大学院学生 楊 元稙
サブストラクチャ・オンライン地震応答実験(SOT)法は構造物全体の応答性状を直接実験的に評価することが困難な構造物に対して極めて有効な実験手法の一つである. 本手法では解析部分の部材に対し既存の履歴モデルを設定するのが通例であるが, この場合オンライン実験の最大のメリット, 即ち履歴特性をモデル化することなく, 動的挙動を直接的にシミュレートできるという利点を最大限には生かせないことになる. しかしながら, もし解析部分で用いる履歴特性を実験から得られる特性に基づき推定することが可能となれば, オンライン実験のメリットを最大限に生かすことができると考えられる. そこで,本年度はニューラルネットワークによる履歴推定手法の実現を目的として, 学習データの基準化方法がその推定精度, 学習に要する時間に与える影響に着目して検討した.

韓国の鉄筋コンクリート造建物の耐震性能に関する研究(継続)
助教授 中埜 良昭[代表者],助教授 中埜 良昭, 客員研究員 李 元虎, 大学院学生 崔 琥, 助手 真田 靖士
韓国における地震活動は日本と比べてさほど活発ではないため, これまで地震防災に対する意識はあまり高くはなかったが, 近年韓国においても中・小規模の地震が頻発していること, また隣国の日本では1995年阪神・淡路大震災を, 台湾では1999年台湾集集地震を経験したことなどから, 同国における既存建築物の耐震改修の重要性が強く認識されてきている. 本研究では韓国の鉄筋コンクリート造建物を対象とした耐震改修工法を開発するための基礎資料を得ることを目的とし, 昨年度までに同国の代表的な公共建物14棟を対象に日本の耐震診断手法を適用して, その耐震性能の評価および被害危険度の推定を行った. また, 日本の耐震診断手法を韓国の建物に適用するにあたって生じると考えられる問題点を整理した. 本年度はこれらの検討結果を踏まえて, 韓国の建築特性を考慮した耐震診断手法に関する技術指針(案)を作成した.

1999年台湾集集地震で被災した鉄筋コンクリート造建物の耐震性能に関する研究(継続)
助教授 中埜 良昭[代表者],助教授 中埜良昭, 助手 真田 靖士, 大学院学生 劉 鋒, 劉 瑛
1999年9月21日に台湾中部を襲った「921集集大地震」により被災した鉄筋コンクリート造校舎について, 日本の耐震診断基準に基づいて耐震診断を行い, その耐震性能と被害程度の関係について考察した. また, フレームモデルによる静的解析, 対象建物近傍で観測された同一の強震記録を用いた地震応答解析を行い, 建物の耐震性能あるいはその被害程度との関係をより詳細に検討した. その結果, 建物の実際の被害状況および耐震性能の違いによる被害程度の違いを解析により概ね再現できることを確認した.

隣接建物の衝突および連結が建物の応答性状に与える影響に関する研究(新規)
助教授 中埜 良昭[代表者],助教授 中埜 良昭, 助手 真田 靖士, 大学院学生 高橋 愛
過去の地震における構造物被害の要因の一つとして, 隣接建物間の衝突が報告されている. その解決策として, 慣用的にしばしば近接建物同士を連結する手法が用いられるが, 建物の衝突がその応答性状に与える影響, 建物の連結による耐震性能改善効果, 連結部の具体的な設計手法については必ずしも明確ではないのが実状である. そこで, 本研究では建物の衝突, 連結がその応答性状に与える影響を解明することを目的として, 質点系モデルによる解析的検討, 理論的検討を行っている.

弱小モデルによる地震応答解析(継続)
助教授 中埜 良昭[代表者],助教授 中埜 良昭, 助手 真田 靖士, 技術官 山内 成人
小さな地震でも損傷が生じるように, 通常の建物より意図的に弱く設計された縮尺率1/4程度の鉄筋コンクリート造5階建て建物2体(柱崩壊型モデル, 梁崩壊型モデル)を千葉実験所に設置し, 地震応答観測を行っている. 1983年8月の観測開始以来, 千葉県東方沖地震をはじめ, 200以上の地震動に対する建物の応答を観測することができた. 本年度は一部観測システムを更新するとともに, PCによるデータベースシステムの構築を行った. また, これらの蓄積された観測結果の分析・解析を行うとともに, ニューラルネットワークを利用した履歴推定手法の教師データとして利用し, その手法の妥当性を検討している.

耐震壁を有する鉄筋コンクリート造ピロティ建物の応答性状に関する研究(新規)
助教授 中埜 良昭[代表者],助教授 中埜 良昭, 助手 真田 靖士
鉄筋コンクリート造ピロティ建物の合理的な耐震設計法を提案することを目的として, 実験的, 解析的, 理論的なアプローチから一連の研究を実施している. 本研究では, とくに1階に耐震壁を有するピロティ建物(1階の耐震壁が局部的に取り除かれた耐震壁フレーム構造)を対象に, 部材を構成する材料の復元力特性に基づく解析モデルを用いたフレーム解析を通じて, その応答性状の把握, 設計手法の構築を行っている. 本構造の終局域の挙動を扱うためには, 耐震壁の曲げ降伏後のせん断軟化性状を扱うことが不可欠となることを指摘した.

医用画像に基づいたシミュレーションおよびデータベースシステムの開発
助教授 大島 まり[代表者],大学院学生 長野 京平
未破裂動脈瘤の破裂する危険性の予測は, EBM(Evidence Based Medicine)に基づく未破裂動脈瘤の治療ガイドラインを作成していくうえで重要な課題である. 脳動脈瘤の破裂は血管や瘤の形状によって変化する血流の流動パターンあるいは血管の壁面応力分布等の流体力学的な(Hemodyamics)因子が重要な役割を果たしていると考えられる. そこで, 患者個人の血管形状を医用画像から抽出して数値シミュレーションを行い,臨床データおよび解析結果をデータベース化し多変量解析することにより,血管の幾何形状に起因する血行力学に与える影響を検討する.本研究においては,医用画像から血管形状をモデリングする際の血管表面形状のスムージング手法の検討を行っている.また,データベースおよび多変量解析を含めた統合シミュレーションシミュレーションシステムの構築を行っている.

血流−血管壁の相互作用を考慮した数値解析
助教授 大島 まり[代表者],教授 小林 敏雄, 大学院学生 鳥井 亮
心疾患あるいは脳血管障害などの循環器疾患においては,血流が血管壁に与える機械的なストレスが重要な要因となっている.そこで,本研究においては血管壁の弾性の影響を考慮した血流−血管壁の連成問題に対する数値解析手法の開発を行っている.従来の手法としては,血流−血管壁の境界面上で応力あるいは変位を交換することによって連成計算をする弱連成手法が主流であった.しかし,弱連成手法では流体と構造の間に位相差が生じ,本研究で取り扱っている血流−血管壁問題には適さない.そこで,流体および構造を同時に解く,強連成手法の開発を行っている.弱連成および強連成の手法の比較を行い,本手法の妥当性の検証を行っていく.

選択的脳冷却療法のための脳内熱輸送の数値解析
助教授 大島 まり[代表者],大学院学生 堀内 康広
頭部や頸部を冷やすことにより, 患者の身体的負担を軽減し, かつ効果的な局部低体温療法の開発を目的としている. そこで, 脳内の伝熱モデルを構築し, 脳内温度の調整メカニズムの解明を目指している.本研究では,動脈−静脈間の対流型熱交換機能を模擬した同軸円管,曲がり間および内頚動脈−海綿静脈洞のモデルについて熱伝導解析を行った.動脈流量および静脈温度を変化させる事により,熱交換率の検証している.

Micro PIVによるマイクロチャネル内電気浸透流の可視化計測
助教授 大島 まり[代表者],助教授 藤井 輝夫, 研究機関研究員 Jong Wook Hong, 大学院学生 木下 晴之
MEMS技術を利用した生化学システムはマイクロ化により,反応および拡散が促進されるといった利点を持っている.しかし,マイクロ流路内の流れの物理については不明な点が多い.そこで,マイクロチャネル内で生じる電気浸透流について,これを蛍光微粒子を用いて顕微鏡下で可視化し,どのような現象が起こりうるかについて詳しい観察実験を進めている.また,それらの観察結果に基づき,材料の種類や溶媒のpHなどに応じて変化するチャネル壁の表面電位と電気浸透流との関係について,詳細な考察を行っている.

PIV・LDVによる血管モデル内の可視化計測
助教授 大島 まり[代表者],技術官 大石正道
脳動脈瘤が比較的できやすいと言われる内頚動脈の湾曲部においては,強い二次流れと非定常性により,局所的な壁面せん断応力が加わる.その湾曲を模した血管モデル内の流れを可視化計測することにより,曲がりとRe数の影響を考察することを目的としている.断面の可視化計測には粒子画像追跡法(Particle Image Velocimetry : PIV)を用いている.また,時間分解能の高いレーザドップラー流速計(Laser Doppler Velocimeter : LDV)を用いて,数値シミュレーションで確認された二次流れの自励振動の様子を検証している.

医用画像に基づいたシミュレーションおよびデータベースシステムの開発
助教授 大島 まり[代表者],大学院学生 長野 京平
未破裂動脈瘤の破裂する危険性の予測は, EBM(Evidence Based Medicine)に基づく未破裂動脈瘤の治療ガイドラインを作成していくうえで重要な課題である. 脳動脈瘤の破裂は血管や瘤の形状によって変化する血流の流動パターンあるいは血管の壁面応力分布等の流体力学的な(Hemodyamics)因子が重要な役割を果たしていると考えられる. そこで, 患者個人の血管形状を医用画像から抽出して数値シミュレーションを行い,臨床データおよび解析結果をデータベース化し多変量解析することにより,血管の幾何形状に起因する血行力学に与える影響を検討する.本研究においては,医用画像から血管形状をモデリングする際の血管表面形状のスムージング手法の検討を行っている.また,データベースおよび多変量解析を含めた統合シミュレーションシミュレーションシステムの構築を行っている.

領域スケールでの土砂輸送モデルの開発(継続)
助教授 HERATH Anura[代表者],助教授A.S.Herath・大学院学生Habibur Rahman
流域スケールでの土砂生産量のシミュレーションのためのプロセスモデルを開発した.さらに細かいスケールから現実的な1kmスケールへのスケールアップした土砂生産量の推定できるプロセスモデルの開発も行った.そして,タイのチャオプラヤ川流域にこのモデルを適用し,モデルの適用可能性を示した.

砂礫の弾性的変形・強度特性の研究(継続)
助教授 古関 潤一[代表者],助教授 古関 潤一・研究担当 龍岡 文夫・助手 佐藤 剛司・博士研究員 Le Quang Anh Dan・大学院学生 Sajjad Maqbool
砂や砂礫のような粗粒材料の微小ひずみレベルにおける弾性的な変形特性の異方性と,これに及ぼす大振幅の繰返し載荷の影響について三主応力制御試験を用いて実験的な検討を実施した.また,同じ材料を対象として平面ひずみ圧縮試験を行い,中間主ひずみ方向のベディングエラーを測定した.

砂質土の年代効果と液状化特性に関する研究(継続)
助教授 古関 潤一[代表者],助教授 古関 潤一・助手 佐藤 剛司
名取川と江戸川の河川敷で採取した凍結サンプリング試料の非排水繰返し三軸試験を実施した.試験中にせん断波速度の測定を行い,微小振幅の繰返し載荷により得られた弾性的な変形特性と,原位置で測定したせん断波速度との比較を行った.また,これらと同じ材料から再構成した試料が上記試料と同じ液状化強度を示す条件について検討を行い,両者の土粒子構造を走査電子顕微鏡で観察し比較した.

中空ねじり三軸試験による砂質土のせん断挙動の研究(継続)
助教授 古関 潤一[代表者],助教授 古関 潤一・助手 佐藤 剛司・大学院学生 Nguyen Hong Nam
局所変位計を三角形状に組み合わせることによって中型の中空円筒供試体にねじり力と軸力を載荷した場合の局所ひずみを計測し,微小ひずみレベルにおける鉛直ヤング率とせん断剛性率の応力状態依存性について検討した.その結果,供試体の作成精度が試験結果に大きな影響を及ぼし,精度が不十分な場合には鉛直ヤング率とせん断剛性率が不自然に急減するような応力条件が存在することを明らかにした.

自然堆積軟岩及びセメント改良土の変形・強度特性の研究(継続)
助教授 古関 潤一[代表者],助教授 古関 潤一・研究担当 龍岡 文夫・助手 佐藤 剛司・大学院学生 Regina Salas
昨年度実施した堆積軟岩の非排水繰返し三軸試験結果を分析し,繰返し載荷中のひずみの累積特性のモデル化と実測値との比較を行った.また,砂質軟岩では繰返し載荷履歴を与えると,履歴のない場合よりもかえって終局強度が増加する傾向があることを明らかにした.この点についてより詳細に検討するために,セメント改良した砂質土の平面ひずみ繰返し圧縮試験装置を新たに製作した.

擁壁・土構造物の地震時安定性に関する研究(継続)
助教授 古関 潤一[代表者],助教授 古関 潤一・研究担当 龍岡 文夫・助手 佐藤 剛司・大学院学生 加藤範久
既往の擁壁模型の水平加振結果を分析して, 擁壁の地震時残留変位予測手法の適用性に関する基礎的な検討を行った.さらに,地震時残留変位を水平滑動成分と回転成分に分けて評価するために,それぞれが卓越して生じるような条件に設定した2ケースの模型振動実験を新規に実施した.

洪水シミュレーションおよび被害推定モデルを用いた洪水軽減評価モデル(継続)
助教授 HERATH Anura[代表者],助教授 A.S. Herath・助手 D.Dutta
洪水氾濫シミュレーションモデルを組み込んだ分布型水循環モデルと,経済的被害推定モデルを開発し,統合化モデリングシステムを構築した.本年度は,被害推定の精度について研究を行った.特にDEMデータの精度により被害額推定精度が変動し,DEMの精度が向上すると被害額の推定精度も向上することがわかった.

マルチフラクタルを利用した高解像度降雨時系列の推定(継続)
助教授 HERATH Anura[代表者],助教授 A.S.Herath・大学院学生 Assela Pathirana
アジア地域の多くの開発途上国では,高解像度の降雨データがあまり存在せず,その殆どが日雨量データである.しかしながら,洪水被害軽減のためには時間雨量データが必要となる.本年度は,長期間平均とランダム成分をマルチフラクタルでモデリングし,空間分布をモデル化することが出来た.また,アメダスデータを用い日本での検証を実施した.

領域スケールでの土砂輸送モデルの開発(継続)
助教授 HERATH Anura[代表者],助教授A.S.Herath・大学院学生Habibur Rahman
流域スケールでの土砂生産量のシミュレーションのためのプロセスモデルを開発した.さらに細かいスケールから現実的な1kmスケールへのスケールアップした土砂生産量の推定できるプロセスモデルの開発も行った.そして,タイのチャオプラヤ川流域にこのモデルを適用し,モデルの適用可能性を示した.

構造物の畳み込み・展開に関する研究
助教授 川口 健一[代表者],助教授 川口建一(代表者)・研究生 Terrence S. Wen
構造物を平面や点に畳み込む,あるいは,畳み込まれた構造物を展開して広がりのある構造物を築くという手法は建物の合理的な建設解体工法,展開・可変型構造物への適用等様々な応用が考えられる.本研究では,(1)骨組み構造の畳み込み経路における分岐経路の考察,(2)骨組み構造物の最適畳み込み経路のモデル実験と解析との比較,(3)膜構造の畳み込み解析法の基礎的研究,(4)展開型接合部の開発等を実施している.本年度は特に,(1)テンセグリティ構造の畳み込み過程モデルによる確認とその解析を行った.(2)折り紙の概念を拡張した展開型立体構造,エバラテトラの調査を行った.

シェルと立体構造物に関する研究
助教授 川口 健一[代表者],助教授 川口建一(代表者)・助手 宮崎明美・技術官 大矢俊治・外国人客員研究員(ポーランド・ブロツワフ大学教授)Janusz Rebielak・受託研究員 金山敬・大学院学生 李 炯勲, 加藤 求
シェル構造及び立体空間構造を対象として継続的に研究を行っている.今年度は(1)プレキャストポストテンション型シェルモデルに対する構造計算及び実大モデルの設計と施工,テンション導入実験,(2)捩れを利用した木格子曲面構造の解析と構造設計及び実構造物の建設と格子モデルの捩れと載荷実験,(3)ケーブルドーム構造のケーブル配置に関する検討(4)生研六本木庁舎屋上ドームを用いた張力安定トラスドーム構造の実大載荷実験を行った.

大空間構造物の波動伝播特性に関する研究
助教授 川口 健一[代表者],助教授 川口建一(代表者)・助手 宮崎明美・大学院学生 劉 鵬
大スパン構造物は広大な広がりを持つ構造であり,そのスパンが大きくなるほど,地震や風,飛来物などによる衝撃荷重などに対する挙動として,波動伝播特性が無視できなくなってくる.また,テロなどによる爆破攻撃などの衝撃荷重時における大スパン構造物の挙動については不明な点が多い.本研究では,実験的手法と数値解析的手法の両面から,大空間構造物の波動伝播特性に関する研究を行っている.本年は,平板型ラチス構造物およびその部分構造モデルによる波動伝播実験を実施した.更に,生研六本木庁舎屋上のドーム構造を用いて実大構造物の波動伝播実験を実施した.

張力膜に発生するしわの問題に関する研究
助教授 川口 健一[代表者],助教授 川口建一(代表者)・助手 宮崎明美・大学院学生 呂 品g
圧縮力を伝達しないケーブルや膜材を材料とする膜構造やケーブル構造は,圧縮応力下で,しわを発生する.張力膜に発生するしわは軽量で美観的にも優れた膜建築構造物を構造的にも視覚的にも台無しにしてしまう場合が多い.しかし,しわ,特に一方向張力を受ける矩形膜に発生するしわの発生メカニズムは未だによく分かっていない.本研究では,建築膜構造に用いられるコーティングされた織布を材料として,張力を受ける膜に発生するメカニズムを実験手法及び解析手法を用いて調査する.本年度は単軸引張り力を受ける張力膜材に対し,(1)織布およびコーティングされた張力膜のしわ発生実験,(2)発生したしわのレーザー変位形による非接触測定としわ波のフーリエスペクトルによる分析(3)有限要素法による直交異方性平面応力プログラムおよびリンクモデルによるしわ解析,等を実施した.

軽量大空間構造システムの開発
助教授 川口 健一[代表者],助教授 川口建一(代表者)・受託研究員 金山 敬・大学院学生 呂 振宇
無柱大空間建築構造は現在約200m級のものが技術的に可能であり,300m級のものも設計されるようになりつつある.しかし,さらに大きな大空間建築を目指すには自重の軽量化以外にも技術的な飛躍が必要となってくると考えられる.本研究では,大空間建築の新たな付加価値も含め,従来の構造システムの検証,新しい大空間構造システムの開発を継続的に行っている.本年度は,軽量張力型空間構造である,テンセグリティ構造の解析手法の開発,実大モデルの構造解析,構造設計さらに実大実験,実構造物の建設を行なった.更に,パーツ補剛によるハイブリッド構造の力学挙動の調査を目的として,六本木庁舎屋上ドームを用いた実大載荷実験を行った.

スマート材料の空間構造物への応用に関する研究
助教授 川口 健一[代表者],助教授 川口建一・大学院学生 小林 充
スマート材料とは種々の機能を持った材料の総称である.近年,種々のスマート材料が提案されており,これらを建築構造物へ応用する試みが各地でなされている.本研究では,スマート材料の大空間構造システムへの応用に関する調査を行い,実際にその新しい可能性を研究する.本年度は昨年度より継続している,PVDF材料(圧電ポリマー)を膜材の歪センサーとして利用する方法について,実験的手法により調査し,実際の膜構造物の観測体制をスタートした.

空間構造の形態形成の数理解析
助教授 川口 健一[代表者],助教授 川口建一(代表者)・大学院学生 藤原 啓晴
空間構造において,形態が形成される,あるいは,決定される過程(形態形成過程)を数理解析の立場から調査している.本年度は,従来数値不安定性により困難であった空気膜構造(インフレータブル構造)の解析手法にブレークスルーを作ることを目指し,分子数を制御した空気膜構造のインフレート解析手法の開発を行なった.さらに,ケーブルドーム構造の形態応力制御を目標として線形逆解析手法を用いた解析,及び簡単な実験を行った.

大スパン構造物の災害時性能に関する研究
助教授 川口 健一[代表者],助教授 川口建一(代表者)・受託研究員 吉中進・大学院学生 藤原啓晴
多数の人命を収容する大スパン建築構造物の災害時における挙動の検討に対しては,必ずしも一般化した設計思想は無い.本研究では,建築基準法の予想を越えた外乱による構造挙動,及びその結果生じる災害や内部空間の状況について調査研究している.本年度は,韓国における100m級ケーブルドームの積雪による事故現場の調査を行った.また,大スパン構造の制振手法の開発を目的として有限要素法汎用コードによる数値解析,レイジートングを用いた制振装置の提案を行った.

開閉式屋根構造システムに関する研究
助教授 川口 健一[代表者],助教授 川口建一
課題概要:開閉式屋根構造の発想は古来よりあるが,実際の応用技術は余り洗練されていない.本研究では,従来の剛な屋根構造に切断を設ける方法から離れ,構造的な合理性を保ったまま開閉の行える屋根構造システム開発のための基礎的な研究を行っている.本年度は捩りパターンを利用した開閉式膜構造のモデルを作成し,膜の大変位を考慮した幾何学的非線形解析及び新たな構造システムの検討を行った.また,エキスパンドメタルの概念を利用したポーラス構造物の提案を行った.

構造物の畳み込み・展開に関する研究
助教授 川口 健一[代表者],助教授 川口建一(代表者)・研究生 Terrence S. Wen
構造物を平面や点に畳み込む,あるいは,畳み込まれた構造物を展開して広がりのある構造物を築くという手法は建物の合理的な建設解体工法,展開・可変型構造物への適用等様々な応用が考えられる.本研究では,(1)骨組み構造の畳み込み経路における分岐経路の考察,(2)骨組み構造物の最適畳み込み経路のモデル実験と解析との比較,(3)膜構造の畳み込み解析法の基礎的研究,(4)展開型接合部の開発等を実施している.本年度は特に,(1)テンセグリティ構造の畳み込み過程モデルによる確認とその解析を行った.(2)折り紙の概念を拡張した展開型立体構造,エバラテトラの調査を行った.

都市空間の計画学的研究(継続)
助教授 曲渕 英邦[代表者],助教授 曲渕英邦(代表者)・教授 藤井明・助手(特別研究員)郷田桃代,大河内学・大学院学生 鳥居斎・宮崎慎也・山村翼・秋永寛
本研究は都市空間の形成に関与すると考えられる「物理的な環境」と「活動の主体としての人間」について,計画学的な立場から,個別の分析を行うと同時に両者の統合を目指すものである.本年度は,地域空間と人々の活動との関係を捉えることを目的として,都心近郊の商業地域と住宅地域が隣接する地域において,不動産屋,クリーニング店,教会などの小規模施設の立地状況を調査した.これにより,駅を中心として分布する施設群と,駅から離れて分布する施設群があることを実証するとともに,駅近くの商業地域から住宅地域へと移行する地域空間において,その境界となる領域の存在が明示された.

空間の生成プロセスに関する研究(継続)
助教授 曲渕 英邦[代表者],教授 藤井明(代表者), 助教授 曲渕英邦, 助手・特別研究員 郷田桃代, 助手 今井公太郎,大学院学生 Jin Taira・Erez Golani・張希実子・木村達治
建築・都市空間を構築するための設計プロセスの研究は,その基礎論としての空間の生成プロセスを把握することが肝要である.本年度は,建築・都市空間を含めたあらゆる事象の変化を「再定義」という概念で捉え直し,再定義の目録を作成することによって,空間の変化に対する正確な理解と新たな設計行為に対する指針を求めた.特に,東京という都市空間の形成プロセスに着眼し,土地,道路,住居,人口,輸送など,東京の再定義に関わる33の主題を選択して,東京が巨大都市へと変容していく過程を概括的に考察した.これにより,空間の生成プロセスを把握する上での新たな視点を確立した.

文化としての空間モデルの計画的研究(継続)
助教授 曲渕 英邦[代表者],助教授 曲渕英邦(代表者), 教授 藤井明, 客員教授 伊東豊雄, 助手・特別研究員 郷田桃代, 助手 今井公太郎, 大学院学生 鍋島憲司・松岡聡・佐々木一晋・有山宙
建築・都市空間は時代精神や場所性に根ざす文化の表現であり,21世紀に向けて新たな空間モデルを提案することは,今日の重要な計画的課題であるといえる.数年にわたり,「高温多湿気候に適応する環境負荷低減型高密度居住区モデルの開発」という課題を設定し,建物内部に十分なヴォイドを確保した「ポーラス型居住区モデル」の提案を行ってきたが,今年度は対象敷地として東京とベトナム・ハノイを想定した2つの具体的なモデルを作成した.高温多湿気候に適応する環境負荷低減型高密度居住区モデルは,地域により異なった密度や環境が求められ,東京モデルでは地震や冷暖房の使用を仮定し,ハノイモデルでは,伝統的な街並みの保存という歴史的コンテクストから生じる様々な要請に対処したものとなった.特に,ハノイモデルは来年度の実験住宅建設実現に向けて,ハノイ建設大学と共同で基本・実施設計を行った.

都市空間構成の形態学的研究(継続)
助教授 曲渕 英邦[代表者],曲渕英邦(代表者), 教授 藤井明, 助手(特別研究員)大河内学, 助手 今井公太郎, 大学院学生 伊藤香織・Adriana Shima Iwamizu・河合麦・藤川正徳
本研究は都市空間を構成する形態的要素に着目し,その空間的特性を記述する手法の開発を行うものである.本年度は,都市におけるオープンスペースという形態的要素に焦点をあて,東京とサンパウロをケーススタディとして,オープンスペースという観点から大都市の解読を試みた.具体的には,東京の銀座,新宿,渋谷,とサンパウロのアニャンガバウの全4地域を選定し,歩行者に開放された道路なども含めたオープンスペースについての調査・分析を行った.それぞれの空間形成に関わる歴史的背景,社会的・経済的な要因,都市計画等に関する文献調査,オープンスペースのネットワークやにぎわいの状況について現地調査を実施し,比較分析を行うとともに,オープンスペースから都市を解読する方法を提示した.

都市空間の計画学的研究(継続)
助教授 曲渕 英邦[代表者],助教授 曲渕英邦(代表者)・教授 藤井明・助手(特別研究員)郷田桃代,大河内学・大学院学生 鳥居斎・宮崎慎也・山村翼・秋永寛
本研究は都市空間の形成に関与すると考えられる「物理的な環境」と「活動の主体としての人間」について,計画学的な立場から,個別の分析を行うと同時に両者の統合を目指すものである.本年度は,地域空間と人々の活動との関係を捉えることを目的として,都心近郊の商業地域と住宅地域が隣接する地域において,不動産屋,クリーニング店,教会などの小規模施設の立地状況を調査した.これにより,駅を中心として分布する施設群と,駅から離れて分布する施設群があることを実証するとともに,駅近くの商業地域から住宅地域へと移行する地域空間において,その境界となる領域の存在が明示された.

リモートセンシング技術を用いた災害把握と都市環境把握
助教授 山崎 文雄[代表者],助教授 山崎文雄,助手 小檜山雅之,協力研究員 松岡昌志,大学院学生 Miguel Estrada・國分桂子
人工衛星や航空機などからのリモートセンシング技術を用いて,地震などの自然災害の状況把握や建物分布などの都市環境把握に関する研究を行っている.とくに1999年トルコ地震や2000年ペルー地震に関して,人工衛星による地震前後の光学画像を入手し,これらを比較することによって被害状況の把握が可能かどうか検討し,地上踏査による被害調査結果などとの比較を行った.その結果,Landsat衛星によって,地表面の大規模な変状は把握できることが分かった.また,更に解像度の高い衛星画像を用いて,災害危険度評価のための都市被覆・建物データ構築の可能性について研究を行っている.さらに,航空写真を用いて,自動的に建物形状や建物構造を判読する手法の開発を行っている.

都市ライフライン・交通システムの早期地震被害推定と影響波及
助教授 山崎 文雄[代表者],助教授 山崎文雄,助手 小檜山雅之,大学院学生 久美田 岳・丸山喜久
地震による都市ガス供給網の二次災害防止のため,大規模な地震動モニタリング基づく早期被害推定システムの開発と,緊急対応の方法について研究を行っている.今年度は,その要素技術である地震動評価のために,2000年鳥取県西部地震の被災地域における常時微動観測を行った.また,高速道路網などの交通システムに関しても,地震計ネットワークからの情報を用いて被害推定を行う研究を行っている.今年度は,高速道路網における地震計設置位置の地震動評価を地震動記録と常時微動観測に基づいて評価した.

地理情報システムを利用した都市災害機構の分析
助教授 山崎 文雄[代表者],助教授 山崎文雄,助手 小檜山雅之,研究員 若松加寿江,協力研究員 村尾 修,大学院学生 國分桂子・石原祐紀
地理情報システム(GIS)を用いて,地域住民や防災関係者が具体的な地震被害イメージを持てるような微視的な地域情報データベースの構築,地盤ゾーニングと地震動強度の推定,さらに建物地震被害の予測など,総合的な地域地震被害想定システムの構築に取り組んでいる.また,東京の住宅地を対象に,建物の耐震性を簡易的に評価し,地震保険料率の細分化に役立てるための研究を行っている.その一環として,姫路市で実施された木造建物に対する耐震診断データを収集し,この結果と横浜市の耐震診断結果などを比較し,地域による建物耐震性の違いなどを検討している.

地震動のアレー観測と地震動記録の工学的評価
助教授 山崎 文雄[代表者],助教授 山崎文雄,助手 小檜山雅之,大学院学生 Kazi Rezual Karim
千葉実験所では高密度の地震動アレー観測を17年以上継続しており,その記録をデータベース化して公開するとともに,地震動の空間変動や増幅特性に関する解析を行っている.また,防災科学技術研究所のK-NETなどにより得られた強震動記録を用いて,最大加速度,最大速度,応答スペクトル,計測震度,SI値などの距離減衰式の構築,地震動と地盤特性の関係の評価,地震波形に基づく液状化検知法の開発,地震動強さ指標と構造物の地震被害との相関についての分析などを行っている.また,駒場リサーチキャンパスにおける地盤地震動と建物応答の観測システムを構築し,観測を開始した.

構造物-地盤系の地震観測と地震応答解析
助教授 山崎 文雄[代表者],助教授 山崎文雄,助手 小檜山雅之,大学院学生 Kazi Rezual Karim・Gabriel Calle
構造物-地盤系の地震時挙動に関して,地震観測,常時微動観測,さらに有限要素法を用いた地震応答解析を行っている.対象とする構造物としては,千葉実験所および台湾花蓮の鉄筋コンクリート製タワー模型,横須賀市逸見浄水場の鉄筋コンクリート擁壁,東神戸大橋,駒場新営建物などがある.これらの構造物で観測された地震記録を数値解析で再現することにより,手法やモデル化の検証,および実用的解析法の提案を行っている.さらに,RC橋脚,多径間橋梁,木造家屋,RC建物などの構造物の弾塑性応答解析を行い,数値解析による被害関数の構築も行っている.

ドライビングシミュレータを用いた高速道路通行車両の地震時走行安定性に関する研究
助教授 山崎 文雄[代表者],助教授 山崎文雄・助手 小檜山雅之,大学院学生 丸山喜久
高速道路の地震時通行規制基準の見直しについて研究を行っているが,構造物被害の観点のみからは,現状の基準値をかなり引上げてよいことになる.しかし実際に強い地震を体験したドライバーは,「タイヤがパンクしたと思った」「ハンドル操作が出来なくなった」などと証言しており,事故を起こす危険性が指摘される.そこで,地震の揺れが高速道路の走行安定性にどのような影響を与えるか,数値モデルにより検討している.また,駒場リサーチキャンパスに新たに導入された6軸アクチュエータを有する本格的なドライビングシミュレータを用いて,これに地震動を加える被験者実験を行い,模擬的に地震動下での運転車の反応・挙動を調べている.

リモートセンシング技術を用いた災害把握と都市環境把握
助教授 山崎 文雄[代表者],助教授 山崎文雄,助手 小檜山雅之,協力研究員 松岡昌志,大学院学生 Miguel Estrada・國分桂子
人工衛星や航空機などからのリモートセンシング技術を用いて,地震などの自然災害の状況把握や建物分布などの都市環境把握に関する研究を行っている.とくに1999年トルコ地震や2000年ペルー地震に関して,人工衛星による地震前後の光学画像を入手し,これらを比較することによって被害状況の把握が可能かどうか検討し,地上踏査による被害調査結果などとの比較を行った.その結果,Landsat衛星によって,地表面の大規模な変状は把握できることが分かった.また,更に解像度の高い衛星画像を用いて,災害危険度評価のための都市被覆・建物データ構築の可能性について研究を行っている.さらに,航空写真を用いて,自動的に建物形状や建物構造を判読する手法の開発を行っている.

燃焼反応を伴う乱流の数値解析モデリング(継続)
助教授 谷口 伸行[代表者],助教授 谷口 伸行, 技術官 伊藤 裕一,大学院学生 弘畑 幹鐘
工業的に用いられるスケールの火炉バーナやタービン燃焼器などの燃焼反応は流れ場やその乱れ特性に大きく依存しており, 特にNOx制御や異常燃焼抑制の合理的な設計には燃焼乱流場の非定常現象を直接的に予測できる手法が求められている. 本研究では, flameletの概念に基づく非予混合火炎に対する乱流解析モデル開発を進めている. 今年度は特に, ガスタービン燃焼器の多段着火や火炉バーナの吹き上がり火炎に実用的に適用できる手法として特性スカラー輸送モデルを構築し,検証を示した.また, バーナ流における流入乱れ条件の影響について検討を行い,適切な流入変動の設定方法を定めた.

乱流LESにおけるサブグリッドモデル(継続)
助教授 谷口 伸行[代表者],助教授 谷口 伸行, 博士研究員 Md. Ashraf Uddin,雷 康斌・大学院学生 弘畑幹鐘,小林 克年
乱流LESにおけるサブグリッドモデルについて複雑流れ場への適用性の観点から検討する. 今年度は, 乱流燃焼におけるSGSモデルの開発,壁面条件における時間平均(RANS)モデルとのカップリングについて研究を進め, また, 乱流DNSデータを用いて渦微細構造に対するLESフィルター効果の分析を行った. 工学への応用事例としては, 追従走行時の自動車空力干渉の予測, 火炉バーナ, 航空機ガスタービン燃焼器の数値シミュレーションなどへ適用を試みた.

非圧縮性流れ解析コードの開発と応用(継続)
助教授 谷口 伸行[代表者],助教授 谷口 伸行,大島 まり, 山本誠(東理大)・技術官 伊藤 裕一 , 大学院学生 小林 克年
実用的な流れ数値解析のためには, 流れ場の複雑さに応じて数理モデルや解析手法を合理的に選択あるいは併用することが必要である. 本研究では, 複雑形状の非圧縮性流れ場の解析を主な対象として, 異なる数理モデルや解析手法に基づく複数の計算コードを開発し, それらの相互比較による評価検証, および, それらを連性させた高度な解析法の開発を行う. 現在, 差分法による構造型格子コード, 有限体積法および有限要素法による非構造型格子コードの検証と改良を進め, その成果であるプログラムソースや数値検証データを公開している.今年度は, 並列コンピュータにおける計算の高速化を図るとともに, 燃焼乱流解析および脳動脈血流解析のためのコード開発を進めた.

粒子混相乱流の数値解析モデリング(継続)
助教授 谷口 伸行[代表者],助教授 谷口 伸行, 博士研究員 雷 康斌,技術官 伊藤裕一
微粉炭燃焼や粉体輸送に際して分散粒子を含む流れの予測制御が重要な設計要件となるが, 工学問題において流れの乱れ特性との相互作用は十分解明されていない. 本研究では乱流の非定常構造の解析に有効なラージ・エディ・シミュレーション(LES)に基づき分散粒子と乱れの相互作用の数値モデルを構築して, 固気混相乱流の数値予測シミュレーション法の開発する. 本年度は, 乱流LESにおけるグリッドスケール(GS), サブグリッドスケール(SGS)および粒子衝突を全て考慮したFull wayカップリングモデルに対して数値検証を示した.また,粒子混相流解析モデルに基づき液滴燃料のスプレー燃焼への応用を試みた.

燃焼反応を伴う乱流の数値解析モデリング(継続)
助教授 谷口 伸行[代表者],助教授 谷口 伸行, 技術官 伊藤 裕一,大学院学生 弘畑 幹鐘
工業的に用いられるスケールの火炉バーナやタービン燃焼器などの燃焼反応は流れ場やその乱れ特性に大きく依存しており, 特にNOx制御や異常燃焼抑制の合理的な設計には燃焼乱流場の非定常現象を直接的に予測できる手法が求められている. 本研究では, flameletの概念に基づく非予混合火炎に対する乱流解析モデル開発を進めている. 今年度は特に, ガスタービン燃焼器の多段着火や火炉バーナの吹き上がり火炎に実用的に適用できる手法として特性スカラー輸送モデルを構築し,検証を示した.また, バーナ流における流入乱れ条件の影響について検討を行い,適切な流入変動の設定方法を定めた.

化学物質影響評価のための培養ヒト細胞を用いる人体システム再構築に関する研究
助教授 酒井 康行[代表者],助教授 酒井康行,教授 迫田章義,大学院生 福田理,大学院生 清水啓右
既存の単一培養細胞からなる毒性評価系では,吸収・代謝・分配といった人体内での毒性発現に至までのプロセスが考慮されない.そこで,これらを考慮する実験系として,膜上に培養された小腸上皮細胞,同じく膜上に培養された肺気道・肺胞上皮細胞,担体内に高密度培養された肝細胞および標的臓器細胞(腎臓・肺など)などの個別のモデル臓器コンパ−トメントを開発すると共に,これらを生理学的な培養液灌流回路で接続する新しい毒性評価システムを開発し,毒物経口摂取後の血中濃度と毒性発現を速度論的に再現することを目指している.

ヒト臨床応用のためのバイオ人工肝臓システムの開発
助教授 酒井 康行[代表者],助教授 酒井康行,助手(医学部)成瀬勝俊,教授(医学部)幕内雅敏
実際のヒト臨床応用に耐え得るような高機能かつ管理の容易なバイオ人工肝臓システムの開発に関する研究を行っている.前臨床試験として,ポリエステル不織布充填型バイオリアクターと血しょう分離器・酸素冨化器などからなるバイオリアクターシステムを構築し,肝不全ブタ・イヌ・サル等のの灌流治療実績を積み重ねている.

三次元造型技術と肝幹細胞の増幅技術を用いた肝組織in vitro再構築
助教授 酒井 康行[代表者],助教授 酒井康行,助教授 白樫了,教授(分生研)宮島篤,研究機関研究員(吉林大学)姜金蘭
将来,移植にも耐え得るような肝組織をin vitroで再構築するために,多面的な技術開発を行っている.具体的には,複雑な内部構造を持つ生体吸収性樹脂担体の光重合・機械加工積層造型法に関する検討や,増殖能と臓器再構築能に優れたマウスやヒトの胎児由来肝細胞のin vitro増幅技術の開発,などについて研究を進めている.

化学物質影響評価のための培養ヒト細胞を用いる人体システム再構築に関する研究
助教授 酒井 康行[代表者],助教授 酒井康行,教授 迫田章義,大学院生 福田理,大学院生 清水啓右
既存の単一培養細胞からなる毒性評価系では,吸収・代謝・分配といった人体内での毒性発現に至までのプロセスが考慮されない.そこで,これらを考慮する実験系として,膜上に培養された小腸上皮細胞,同じく膜上に培養された肺気道・肺胞上皮細胞,担体内に高密度培養された肝細胞および標的臓器細胞(腎臓・肺など)などの個別のモデル臓器コンパ−トメントを開発すると共に,これらを生理学的な培養液灌流回路で接続する新しい毒性評価システムを開発し,毒物経口摂取後の血中濃度と毒性発現を速度論的に再現することを目指している.

計測技術開発センター

概念情報工学研究センター

WWWにおけるコミュニティ発見手法に関する研究(新規)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, 博士研究員 豊田 正史, リサーチアソシエイト P. Krishna Reddy
全日本ウェブグラフのクローリングにより,我国全体のWEBグラフの抽出を行うと同時に,当該グラフから密な部分グラフを抽出するいわゆるサイバーコミュニティ抽出実験を行い,そのアルゴリズムの有効性を確認した.タギングの質の向上を目指すと同時に,可視化ツールの構築を試みたい.

分散共有メモリ並列コンピュータによるデータベース処理(継続)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, 助手 中野 美由紀
近年, 次世代並列マシンアーキテクチャとして分散共有メモリマシンが注目されている. 本研究ではCC-NUMAを対象として, データベース処理の適合性に関し考察を行っている. とりわけ分散を意識しないことから派生するペナルティに関し分散共有並列コンピュータSPP-1600 4ノード(8プロセッサ/ノード)上で実装すると共に, ペナルティを削除する種々の方式を提案し,シミュレーションにより大規模システムに於ける振る舞いについて検討した. 本年度は多くの台数システムにおけるより詳細な性能推定を行なった.

NOAA衛星画像データベースシステムの構築(継続)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, 助手 根本 利弘
リモートセンシング画像等の巨大画像の蓄積には巨大なアーカイブスペースが不可欠である. 本研究では, 2テラバイトの超大容量8mmテープロボテックスならびに100テラバイトのテープロボテックスを用いた3次記憶系の構成と, それに基づく衛星画像データベースシステムの構築法に関する研究を行なっている. 本年度は, D3から9840なる新たなメディアに変更すると伴に試験的に階層記憶システムの運用を開始しその問題点を明らかにした. 又, 従来データのローディングを継続的に行った.

ファイバチャネル結合型大規模パソコンクラスタによる並列データ ベース・マイニングサーバの研究(継続)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, 協力研究員 小口 正人, 大学院学生 合田 和生
100台のPentium Proマイクロプロセッサを用いたデスクトップパーソナルコンピュータをATMネットワークにより結合した大規模PCクラスタを構築した. パソコン用マイクロプロセッサの性能向上はワークステーション用RISCに匹敵するに到っており, 且つ大幅な低価格化が進んでいる. 本研究ではコモディティのみを利用した超廉価型PCクラスタを用い大規模データマイニング処理を実装し, 大きな価格性能比の向上を達成した. 本年は他のPCから未利用メモリを動的に確保する手法に関し, 手々の手法を実装しその特性を詳細に評価をすすめた.

スケーラブルアーカイバの研究(継続)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, 助手 根本 利弘
現在, 大容量アーカイブシステムは, 導入時にその構成がほぼ静的に決定され,柔軟性が必ずしも高くない. 本研究では, 8mmテープを利用し, 比較的小規模なコモディティロボテックスをエレメントアーカイバとし, それらを多数台並置することで任意の規模に拡張可能なスケーラブルアーカイバの構成法について研究を進めている. 本年度は9840に代表される最近の新しいテープ装置のパラメータを想定しリプリケーション手法に関しシミュレーションを行いその有効性を確認した.さらに ツVDアーカイバへの適用についても検討した.

並列IRシステムに関する研究(継続)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, 大学院学生 合田 和生
ベクトルスペース法による情報検索処理を取り上げ高並列関係データベースシステムにより大幅な性能の向上を試みた. 24台のPCクラスタ上にシステムを実装し高い台数効果を達成した.

データベース応用に於ける動的負荷分散処理方式の研究(継続)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, 大学院学生 合田 和生
データベースの巨大化に伴い, 並列処理による性能向上が試みられているが,未だ並列化効率の検討は殆どなされていない. データベース処理には, データスキュー, プロダクトスキュー, ディストリビューションスキューなどの種々の負荷変動の要因が考えられ, 静的なコンパイルだけで対処することは不可能であることから本研究では実行時負荷分散アルゴリズムの研究を試みる. 本年度はファイバチャネル型PCクラスタシステムに対する動的負荷分散処理手法について検討を進めた.

投機的トランザクション実行機(継続)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, リサーチアソシエイト P. Krishna Reddy
2 phase Commitによる並行制御機構に対し, 投機機構を導入することにより分散環境に於けるコーディネーションフェーズのオーバヘッドを隠蔽する手法について提案すると共に, シミュレーションによりその有効性を定量的に明らかにした. 本年度はトランザクションの有限投機化についてアルゴリズムの拡張を進めると同時に, シミュレーションにより有効性を確認した.又,モバイル環境への適応について検討した.

デジタルアースビジュアリゼーション(継続)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, 博士研究員 生駒 栄司
種々の地球環境データを統合的に管理すると共に, 多元的な解析の利便を図るべくVRMLを用いた可視化システムを構築した. 時間的変化を視覚的に与えることにより, 大幅に理解が容易となると共に柔軟な操作が可能となり, ユーザに公開しつつある. 本年度はバーチャルリアリティシアターを用いた大規模視覚化実験を進めた.

並列GISの研究(継続)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, 受託研究員 Lawrence Mutenda
大規模GISの高性能化を目指し, GISデータベースのデクラスタリングならびにGIS操作の並列処理機構について研究を開始し, 本年度はSP-2なるIBM並列マシン上で基本オペレータの並列化を試みた.

バッチ問合せ処理の最適化に関する研究(継続)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, 大学院学生 石井 賢治
複数の問合せの処理性能を大幅に向上させるI/O共用に基づく新しい手法を提案すると共に, シミュレーションならびに実機上での実装により有効性を明かにした.

サーチエンジン結果のクラスタリング(継続)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, リサーチアソシエイト Yitong Wang
サーチエンジンは極めて多くのURLをそのサーチ結果として戻すことから, その利便性は著しく低いことが指摘されている. ここではインリンク, アウトリンクを用いた結果のクラスタリングによりその質の向上を試みる.いくつかの実験により質の高いクラスタリングが可能であることを確認した.

Webマイニングの研究(継続)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, 大学院学生 Iko Pramudiono, Praz Bowo, 大浦 勇亮, 共同研究員 高橋 克己
WWWのアクセスログ情報を多く蓄積されていることから, WWWログ情報を詳細に解析することにより, ユーザのアクセス傾向, 時間シーケンスによるアクセス頻度などにおける特有のアクセスパターンの抽出を目的としたマイニング手法の開発を試みた.

WWWにおけるコミュニティ発見手法に関する研究(新規)
教授 喜連川 優[代表者],教授 喜連川 優, 博士研究員 豊田 正史, リサーチアソシエイト P. Krishna Reddy
全日本ウェブグラフのクローリングにより,我国全体のWEBグラフの抽出を行うと同時に,当該グラフから密な部分グラフを抽出するいわゆるサイバーコミュニティ抽出実験を行い,そのアルゴリズムの有効性を確認した.タギングの質の向上を目指すと同時に,可視化ツールの構築を試みたい.

概念情報工学の研究(継続)
教授 坂内 正夫[代表者],教授 喜連川 優,坂内 正夫・助教授 佐藤 洋一・講師 上條 俊介・客員教授 生駒 俊明
映像などのマルチメディアが持つデータ,意味,意図,論理,感性などのいわばより突っ込んだ情報を「概念情報」として統一的に定式化し,処理する方法論と,それに基づく高度なマルチメディアシステムの開発の研究を行なっている.より具体的にはデータモデル抽出,管理,応用手法,インタフェースのあり方などの概念データベースの研究,その処理を可能とする超高速な概念処理アーキテクチャの研究,及びデバイスとしての実現を行なう概念エレクトロニクスの研究を有機的に統合している.

マルチメディア情報媒介機構の研究
教授 坂内 正夫[代表者],教授 坂内 正夫,池内 克史,喜連川 優,教授(東京大)石塚 満・助教授 佐藤 洋一
WWW,ディジタル放送,交通状況情報等にそれぞれ代表されるネットワーク型環境,ストリーム型環境,実世界型環境の3つの異なる視点で,マルチメディア情報利用の高度化を仲介する新しい情報処理機能(情報媒介機構)を文部省,新プログラム方式による研究プロジェクトとして開発している.

次世代ハイパーメディアプラットホームの開発
教授 坂内 正夫[代表者],教授 坂内 正夫・大学院学生 曹 芸芸
映像を中心とする幅広い情報をコンピュータを用いて魅力ある形に提供するためのハイパーメディアの新しいプラットホーム開発を行なっている.本年度は,原メディアからのデータモデルの獲得(データベースビジョン),データベース化(ハイパーメディア),そのフレキシブルな利用(プレゼンテーション)を一体化したハイパーメディアの枠組の拡張と,その開発ツール(プラットホーム)の実装,及び研究室に既存の図形・画像認識システムの実装及び各種応用システムの開発を行なっている.

マルチメディア地図の構築と応用に関する研究
教授 坂内 正夫[代表者],教授 坂内 正夫・協力研究員 大沢 裕
災害への対応や高度な交通管理,施設管理などにおいて我々の社会活動の基盤である都市の現況情報をリアルタイムに表現,把握することが不可欠である.本研究では,従来の図形ディジタル地図に加えて,リアルタイム映像,航空写真,異形態地図等を統合した拡張された地図(マルチメディア地図)データベースの構築とその応用方式の研究を行っている.本年度は,インターネット上での地図関連情報の収集法式,モバイル端末からの入力画像と地図との対応付けを行う方式等を検討した.

複数メディアの協調によるドラマ映像の高度理解
教授 坂内 正夫[代表者],教授 坂内 正夫・メディア教育開発センター助教授 柳沼 良知・大学院学生 張 文利,徐 旭,佐藤 貴,柳瀬 健吾
高度なマルチメディアシステム実現のためには,ビデオ映像の内容理解が必要であるが,従来は困難な問題であった.本研究では,映像だけでなく文書メディア(シナリオ),音声メディアの認識システムを相互に協調させて高次認識を実現する方式を研究している.本年度は,複数メディアの最適結合方式を,主成分分析とデンプスタシェーファー理論とを用いて実現し,その応用方式を検討した.

DPを用いた時間依存・非依存メディアの同期のその応用
教授 坂内 正夫[代表者],教授 坂内 正夫・メディア教育開発センター助教授 柳沼 良知・大学院学生 曹 芸芸
マルチメディアシステム形成のためには,音声やビデオ等の時間軸をもつメディアと,文書等の時間軸を持たないメディアの同期の問題が重要である.本研究では,よりロバストな状況に対応できるDPの手法を開発し,これらの異質なメディア間の同期を可能とする方式を開発している.本年度は,実世界対象のドライビングショット映像に適用し,有効性を実証した.

次世代対応型ディジタル放送システムの研究
教授 坂内 正夫[代表者],教授 坂内 正夫・メディア教育開発センター助教授 柳沼 良知・大学院学生 川崎 洋,曹 芸芸,張 文利,徐 旭
ディジタル化された放送は,高度なサービス提供の可能性を持っている.本研究では,放送映像の構造化フレームワークとそれに基づく放送用ハイパーメディアアーキテクチャ,更には映像認識手段との複合による高度な対話性等を具備したマルチメディア時代のディジタル放送サービス提供技術の開発を行なっている.本年度は,ネットワーク上での参加型の情報収集と認識技術とに基づく高度な対話性を実現するシステムを開発した.

ITSにおける安全性確保の研究
教授 坂内 正夫[代表者],教授 坂内 正夫,池内 克史・講師 上條 俊介・大学院学生 松下 康之,西田 恒俊,松下 剛士,三宅 隆悟
次世代道路交通システムのターゲットとして重要な安全性の向上のために,映像による事故検出・認識手法の開発を行っている.合わせて,東京駿河台下交差点のリアルタイム映像を24時間取得するシステムを構成して評価実験を行っている.本年度は,交通事象データベースの形成を行うと共に,隠れマルコフ手法による事故検出方式の評価,24時間・365日の状況に対応できる処理手法のロバスト化,各種事象の認識手法の開発を行った.更に,耐オクルージョン性の高いトラッキング方式を開発し,応用方式の検討を行った.

目的指向メタサーチエンジンの開発
教授 坂内 正夫[代表者],教授 坂内 正夫・外国人博士研究員 N.G.Chong
利用者の目的に合わせて,YahooやAlta Vista等の商用サーチエンジンの検索機能をつなぎ合わせる形のルールを用いて,より利用者の満足が得られる目的指向,メタサーチエンジンの開発を行っている.更に,その具体的「応用目的」として,国連大向きのVirtual University機能の実現のための研究を推進している.

概念情報工学の研究(継続)
教授 坂内 正夫[代表者],教授 喜連川 優,坂内 正夫・助教授 佐藤 洋一・講師 上條 俊介・客員教授 生駒 俊明
映像などのマルチメディアが持つデータ,意味,意図,論理,感性などのいわばより突っ込んだ情報を「概念情報」として統一的に定式化し,処理する方法論と,それに基づく高度なマルチメディアシステムの開発の研究を行なっている.より具体的にはデータモデル抽出,管理,応用手法,インタフェースのあり方などの概念データベースの研究,その処理を可能とする超高速な概念処理アーキテクチャの研究,及びデバイスとしての実現を行なう概念エレクトロニクスの研究を有機的に統合している.

絵画における陰影解析とノンフォトリアリスティックレンダリングへの応用
助教授 佐藤 洋一[代表者],大学院学生 佐藤いまり・助教授 佐藤洋一・教授 池内克史
写実的な画像合成を目指すコンピュータグラフィックス手法に対し,油絵や水彩画などの非写実的な画像を生成することを目的とした技術はノンフォトリアリスティックレンダリングと呼ばれ,これまでにさまざまな手法が提案されてきている.しかしながら,与えられた絵をもとにして画家特有の筆使いや色付けの特徴を獲得することは試みられていなかった.本研究では,一枚の絵から色彩に関する画家特有の作風をモデル化し,それにより新たな画像を加工するための技術について研究を進めている.

実世界指向インタフェースによる効率的なユーザ作業支援
助教授 佐藤 洋一[代表者],助教授 佐藤洋一・協力研究員 小池英樹
ユビキタス・コンピューティング環境においてユーザが意識することなく利用できる透明なインタフェースを実現するためには,実世界環境と電子メディアの連携を重視したパラダイムにもとづくインタラクションへのシフトが重要となる.本研究では,マルチメディアコンテンツなどの電子メディアと書類などの実在メディアとの連携に着目し,拡張机型インタフェースによる透明なインタフェースの実現を目指す.具体的には,実世界に埋め込まれたセンサ群からの情報にもとづくユーザの行動およびその意図の理解,実世界におけるさまざまな事象の認識,ユーザの知覚と行動の動的相互作用に関するモデルの獲得,などの面において研究をすすめる.

ユーザの手指動作の実時間追跡とジェスチャ認識
助教授 佐藤 洋一[代表者],助教授 佐藤洋一・大学院学生 岡 兼司
GUIに代表される従来型のヒューマンコンピュータインタフェースの枠組みを越え,実世界におけるユーザのさまざまな活動を効率よく支援するためのインタフェースを実現するためには,実空間内におけるユーザの動作をリアルタイムで計測することが必要不可欠となる.特に本研究題目では,赤外線カメラおよびに画像処理ハードウェアを利用し,机上で作業を進めているユーザの両手指先位置をリアルタイムで安定にトラッキングするための技術を開発している.また得られる複数指先の軌跡からさまざまなジェスチャを安定に認識するための手法を実現する.

ステレオ画像処理によるユーザ視線方向の実時間計測とそのユーザインタフェースへの応用
助教授 佐藤 洋一[代表者],助教授 佐藤洋一・協力研究員 小池英樹・研究実習生 藤井崇志
自然なヒューマン・コンピュータ・インタラクションを実現するためには,システムがユーザの行動や意図を理解することが重要となる.本研究では特にユーザの視線情報に着目し,ステレオ画像処理により特別なマーカなどを利用することなくユーザの頭部3次元位置・姿勢を実時間で計測する手法を実現する.また,大型情報ディスプレイへの利用を例としてユーザの視線情報の具体的な利用方法を提案し,ユーザ実験によりその有効性を評価する.

手指動作と視線情報の統合によるマルチモーダルなジェスチャ認識
助教授 佐藤 洋一[代表者],助教授 佐藤洋一・大学院学生 岡 兼司
実世界におけるユーザの行動や意図を信頼性良く認識・理解するためには,身振り,手振り,音声など異なるモダリティからの入力情報を統合して用いることが重要になる.これまでにも身振りなどの身体動作と音声を統合する研究例が報告されているが,本研究では身振りと視線情報を統合的に利用する枠組みについて研究を進めている.これにより,ユーザが意図して行った身体動作とそうでない動作との判定など,ユーザの意図をより正確に反映したジェスチャ認識手法の確立を目指す.

室内空間におけるインタラクションのためのプロジェクタ−カメラ系による情報提示
助教授 佐藤 洋一[代表者],助教授 佐藤洋一・大学院学生 徳田泰久
室内空間におけるユーザのさまざまな行動に対する支援を考えた場合,PCモニタやPDAなどの各種ディスプレイデバイスに加え,床,壁面,机など室内空間におけるあらゆる物体表面に情報を呈示する機能を実現することが重要となる.本研究では,プロジェクタ−カメラ系により室内空間全体に情報表示機能を付加することを目指す.具体的には,パンチルト機能を持つプロジェクタおよびカメラ系の実装,非投影面となる室内形状の3次元計測,物体表面の反射特性の推定,などについて研究を進める.

照明変化を伴う物体認識へのサポートベクターマシンの適用
助教授 佐藤 洋一[代表者],助教授 佐藤洋一・技官 岡部孝弘
照明変化を伴う物体認識の問題に対して,パターン認識手法の一つであるサポートベクターマシンを効率的に用いた手法を提案しその有効性を実験的に検証する.具体的には,任意の照明下における物体の見え方の変化のメカニズムに関する考察に基づき,サポートベクターマシンにおける識別面の自由度にどのような制限を加えるかを決定している.また,異なる照明下で撮影された顔画像に対する認識実験から,提案手法が他の従来手法と比較して優れた性能を持つことを確認した.

画像線形化に基づく物体認識手法
助教授 佐藤 洋一[代表者],助教授 佐藤洋一・技官 岡部孝弘
照明変化を伴う物体認識の問題に対して,画像合成の分野で知られている画像線形化の枠組みに基づく認識手法を提案した.3枚の基底画像を用いて認識を行う線形部分空間法には自己遮蔽によるattached shadowを取り扱いことができないという欠点があるのに対し,提案手法では,3枚の基底画像を用いる場合でも,テスト画像撮影時の照明を推定することでattached shadowを再現できることに着目している.顔画像データベースに対して提案手法を用いた認識実験を行い,画像線形化が画像合成だけでなく物体認識に対しても有効であることを示した.

光源輝度分布の球面調和関数展開にもとづくキャストシャドウからの光源推定
助教授 佐藤 洋一[代表者],技官 岡部孝弘・大学院学生 佐藤いまり・助教授 佐藤洋一・教授 池内克史
物体陰影からの光源推定問題は拡散反射面を仮定した場合に不安定になることが,実験・理論の両面から報告されている.一方,キャストシャドウからの光源推定は,実画像を用いた実験を通して拡散反射面を仮定した場合でも比較的うまく働くことが知られているが,なぜうまく働くのかという点は必ずしも十分に明らかにされていない.本研究では,キャストシャドウを用いた光源推定について,球面調和関数展開に基づく手法を提案し,その振る舞いの良さについて考察を加えた.また,提案手法の特長を数値シミュレーションによる実験により検証した.

絵画における陰影解析とノンフォトリアリスティックレンダリングへの応用
助教授 佐藤 洋一[代表者],大学院学生 佐藤いまり・助教授 佐藤洋一・教授 池内克史
写実的な画像合成を目指すコンピュータグラフィックス手法に対し,油絵や水彩画などの非写実的な画像を生成することを目的とした技術はノンフォトリアリスティックレンダリングと呼ばれ,これまでにさまざまな手法が提案されてきている.しかしながら,与えられた絵をもとにして画家特有の筆使いや色付けの特徴を獲得することは試みられていなかった.本研究では,一枚の絵から色彩に関する画家特有の作風をモデル化し,それにより新たな画像を加工するための技術について研究を進めている.

時空間Markov Random Field Modelによる時空間画像の領域分割
講師 上條 俊介
コンピュータ・ビジョンでは画像上で移動物体同士が重なった場合(オクルージョン)において,個々の物体を分離して追跡することが困難であった.そこで,本研究では,この問題を時空間画像の領域分割と等価であることを明確にし,時空間Markov Random Field Modelを定義した.これにより,オクルージョンが生じている場合でも正確に移動物体を画像上で分離することが可能となった.さらに,本手法は,低画角画像のようにオクルージョンが激しい場合でも効果的であることが証明された.

交通流統計自動取得システムの開発
講師 上條 俊介
高度交通システムにおいて,安全で効率のよい交通流を実現するためには,正確な交通流統計に基づく交通流制御が不可欠である.そこで,本研究室で開発したオクルージョンにロバストな車両トラッキングアルゴリズムを用い,通過車両台数・速度・走行軌跡などの交通流統計を自動で取得するシステムを開発している.すでに神田駿河台下交差点において,約6ヶ月に渡るデータを毎日取得している.その結果,曜日や時間帯についての統計量の変化などが判明し,本システムの有効性が証明されている.

交通可視化システムの開発
講師 上條 俊介
交差点に進入しようとする車両にとって,前方停止車両等による死角は事故を起こす原因となる.そこで,当該車両の運転者に交差点交通の鳥瞰図等を提供することにより,運転者自らが視覚的に危険を回避すること促すことが事故防止に有効であると考えられる.そこで,本研究室で開発した車両トラッキングアルゴリズムにより認識した車両をモデル化し,視覚的に解りやすい画像を提供するためのシステムを開発している.

材料界面マイクロ工学研究センター

SiC系繊維を用いたGHz帯域電波吸収材料の製造と特性評価(継続)
教授 香川 豊
国内で製造されているSi-Ti-C-O系の繊維をエポキシ樹脂と複合化しGHz帯域での電波吸収率を求めた.この材料は用いる繊維の電気抵抗率により電波吸収能力が大きく異なり,最適な繊維の電気抵抗率を用いた場合には10-20GHz帯域で薄い電波吸収材料が実現できることを確認した.同時に,理論的解析を行い,電波吸収発現機構に関して検討した.

セラミックスナノ積層構造材料による熱反射コーティングの製造と評価(新規)
教授 香川 豊
酸化物系セラミックスの積層材料を酸化物系セラミックス表面上にスピンコーティングを行って作製した.各層の厚さは200〜600nm程度である.酸化物層の屈折率を最適化した場合にはミクロンメートルオーダーの波長領域で反射率が増加することが確認された.また,多層構造としたものでは反射率の増加と減少の両方を制御することが明らかになった.現在,反射機構の解析と素材の最適化を行っている.

SiC系繊維を用いたGHz帯域電波吸収材料の製造と特性評価(継続)
教授 香川 豊
国内で製造されているSi-Ti-C-O系の繊維をエポキシ樹脂と複合化しGHz帯域での電波吸収率を求めた.この材料は用いる繊維の電気抵抗率により電波吸収能力が大きく異なり,最適な繊維の電気抵抗率を用いた場合には10-20GHz帯域で薄い電波吸収材料が実現できることを確認した.同時に,理論的解析を行い,電波吸収発現機構に関して検討した.

異種材料接合界面の力学特性(新規)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川豊・大学院学生 堀内祐哉
異種材料接合界面の力学特性として,界面剥離応力と界面剥離エネルギーはともに重要な値として知られている.しかし,これらの値の相関性については明らかになっていない.本年は,PMMAとPMMAの接合体を種々の条件下で作成し,同じ材料間の界面で剥離応力と剥離エネルギーを測定し,その関連性を調べた.特に,実験条件を決定するために種々の温度で接合したものを用いて予備的検討を行った.

SiC繊維強化SiC複合材料の高温曝露による酸化損傷の誘電特性による評価(継続)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川 豊 ・ 助手(特別研究員)本田紘一
非酸化物系繊維強化セラミックス複合材料は使用時に酸化劣化を生じることが課題となっている.これまでに,SiC繊維強化SiC複合材料(SiC/SiC)の誘電率の周波数依存性は酸化の進行にともなって変化し,誘電特性を用いてSiC/SiCの高温酸化損傷を検出することが可能であることを明らかにした.新たに開発した,ホーンアンテナとネットワークアナライザーなどで構成された非接触損傷検査装置を用いて,周波数20〜50 GHzのビーム収束電磁波を熱暴露したSiC/SiCに照射し,誘電特性を測定して非接触・非破壊でセラミックス複合材料の酸化損傷を評価することを行っている.

電磁波によるSiC繊維強化SiC複合材料の引張損傷検出(継続)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川 豊・大学院学生 間宮 崇幸
2次元平織SiC繊維強化SiC複合材料の引張時に材料中に生じる損傷を,非接触で検出することを行った.GHz帯域の電磁波を材料に照射し,誘電特性の変化を非接触で測定する装置を用いて,複合材料引張試験中の誘電特性の散乱パラメータ(反射係数(S11)および透過係数(S21))に変化が生じることが確認された.引張応力―ひずみ曲線から求められる材料の損傷程度を評価する損傷パラメータと,この装置系を用いた損傷検出法を組み合わせることで,誘電特性変化を用いて損傷評価を行うことが可能であることが確認された.

粒子分散オプティカル複合材料の光学特性 (継続)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川 豊・大学院生 長沼 環
光透過機能を持つガラス粒子分散エポキシ複合材料を用いて,光透過性に及ぼす粒子寸法と波長の影響を検討した.可視光領域から近赤外光領域(200〜1100nm)で,数十nm〜数十mmオーダーのガラス系粒子を分散させたオプティカル複合材料の光透過率を測定した.その結果,オプティカル複合材料の光透過率は,複合化した粒子の粒子寸法と波長の関係を示すサイズパラメーターに依存し,特定サイズパラメーターで最小となることが明らかになった.この結果から,オプティカル複合材料の光透過率を高めるためには,サイズパラメーターが大きく,粒子寸法が波長よりも十分に大きな幾何光学領域の粒子を複合化することが好ましいと考えられた.

繊維強化セラミックスマトリックスオプトメカニカル複合材料の製造と特性(継続)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川 豊・大学院学生 Arcan F. Dericioglu
メッシュ構造強化相の考えを用いてSiC繊維強化およびAl2O3-ZrO2ミニコンポジット強化MgO-Al2O3スピネルマトリックスオプトメカニカル複合材料の力学特性の改善を試み,繊維のブリッジングによるフェイルセーフ機構が働くことが明らかとなった.さらに,Al2O3-ZrO2ミニコンポジット強化ガラスをモデル複合材料として破壊抵抗特性の評価を行っている.ミニコンポジットのブリッジングが破壊抵抗に最も重要な機構であることが明らかとなり,ブリッジングが破壊抵抗に与える影響を定量的に解析するために,蛍光ラマンスペクトルを用いて試験時のブリッジング応力の測定を行っている.

耐環境表面材料としてのオール酸化物系繊維強化セラミックス複合材料の可能性(継続)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川 豊・大学院学生 金 永錫
Al2O3繊維強化Al2O3複合材料の耐環境表面材料としての効果を調べるために界面接合状態の異なる表面材料/ガラス基材を用いて圧子押し込み試験と残留曲げ強度試験を行った.また,表面材料の厚さの異なる硼珪酸ガラス基材との結合体を用いて鉄球による衝撃試験も行った.その結果,界面剥離エネルギー開放率の増加にともなって基材にクラックが発生する時の応力が増加し,脆性材料表面に発生するクラックによる強度の急激な低下を防ぐことが証明された.衝撃試験では破壊抵抗を持つ表面材料がミクロな破壊の累積し,衝撃エネルギーを吸収することが確認された.

セラミック−金属接合体の界面力学特性(継続)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川 豊・大学院学生 川添 敏
Al2O3とCuの接合体を用い,負荷時における界面端部近傍Al2O3の残留応力分布を新しく開発した高速走査型蛍光応力顕微鏡によって測定した.得られた応力分布から(i)負荷応力,(ii)結晶粒異方性に起因する応力および(iii)熱応力の各成分に分離出来る可能性が示された.また,有限要素法によりAl2O3とCu作製時に生じる熱応力ならびに引張負荷時における応力分布を解析し,実験結果の妥当性を確認した.

周波数選択可視光透過型電磁波シールド複合材料に関する研究(継続)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川豊・大学院学生 馬場和彦
偏光の原理を用いることで,可視光領域は透過するが電磁波を透過しない周波数選択透過型複合材料の実現可能性を検討し,各種材料特性がシールド効果に及ぼす影響を調べた.一定間隔に配列したステンレス繊維をPMMAマトリックスに複合化し,電磁波に対する偏光板としての効果を調べた.同一の2枚の複合材料のシールド特性を周波数範囲17〜24 GHzで測定することにより,複合材料がこの周波数範囲で偏光板として機能していること,シールド効果は三次元的繊維格子配列や繊維径に依存していることが明らかになった.

大気中加熱保持によるEB-PVDによるTBC層中の応力分布の変化(新規)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川 豊・大学院生 冨松 透
EB-PVD法により作製したTBCのトップコート層,TGO層の高温・大気中加熱に伴う応力状態の変化をそれぞれラマン分光法,蛍光分光法により測定した.熱暴露時間の増加に伴い,トップコート層の緻密化が進行し,TGOの厚さは増加していることが確認された.また,TGOの厚さの増加に伴い,トップコート層の応力は減少し,TGO層の応力は除々に増加することが確認された.これらの応力の発生機構についても検討を行った.

耐熱コーティング材料の電磁波照射自己発熱を利用した損傷の検出(新規)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川 豊,大学_\真桓
耐熱コーティングの損傷を検出する新しい方法として数GHzの電磁波を照射して発熱する現象を利用した.本年度は,電磁波照射系と温度測定系の組み立てを行った.この装置を用いて人工的に損傷を導入したZrO2系TBCの損傷検出を試みた.その結果,電磁波照射による自己発熱が損傷の有無により異なり,温度の面検出を行うことにより損傷を可視化して捕らえることができた.

異種材料接合界面の力学特性(新規)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川豊・大学院学生 堀内祐哉
異種材料接合界面の力学特性として,界面剥離応力と界面剥離エネルギーはともに重要な値として知られている.しかし,これらの値の相関性については明らかになっていない.本年は,PMMAとPMMAの接合体を種々の条件下で作成し,同じ材料間の界面で剥離応力と剥離エネルギーを測定し,その関連性を調べた.特に,実験条件を決定するために種々の温度で接合したものを用いて予備的検討を行った.

光散乱による材料の内部評価:時間的パラメーターの導入 (継続)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川豊・大学院学生 松村功徳
教授 香川豊・大学院学生 松村功徳

光散乱による材料の内部評価:時間的パラメーターの導入 (継続)
教授 香川 豊[代表者],教授 香川豊・大学院学生 松村功徳
教授 香川豊・大学院学生 松村功徳

ゾルゲルプロセスおよび自己組織化プロセスによる,薄膜・メソ構造体の作製
教授 宮山 勝[代表者],教授 宮山 償⊇_蝓陛豕_膤悄北邯_監鵝ぢ膤惘ヽ慇捲鈴木智史,外部研究生 小林大介
無機機能性薄膜の低温合成に有利なゾルゲルプロセスを用いてビスマス層状構造強誘電体薄膜を形成し,プロセスと膜構造および物性の相関を解明している.また,界面活性剤の鋳型分子を用いた自己組織化法により数ナノメートルの空隙を持つシリカ系メソ構造体を作製し,その空隙にリチウムイオン伝導性溶液を含浸させることにより固液複合電解質の作製を試みている.

中温度域作動型燃料電池用材料の研究
教授 宮山 勝[代表者],教授 宮山 償_蚕儡_高野早苗, 大学院学生 田中優実,原 晋治,松田博明,永坂圭介,千 永輝
現在適切な材料が見出されていない100〜200℃で作動可能な燃料電池のプロトン伝導性電解質材料として金属酸化物水和物に着目し,種々の水和物の合成とその物性評価を行っている。これまでに酸化スズ水和物,酸化タングステン水和物などで,150℃の温度でも高水蒸気分圧下で高いプロトン導電率が得られることを確認している。また,実用材料を目指し,水和物とポリマーの複合体膜の作製を試みている。また,燃料および酸化ガスの混合ガスにより発電が可能な単室型燃料電池を,酸化物イオン伝導性の固体電解質を用いて作製し,その発電特性を評価している.

ビスマス層状構造強誘電体における構造と物性の相関
教授 宮山 勝[代表者],教授 宮山 償⊇_蝓陛豕_膤悄北邯_監鵝_大学院学生 高橋尚武,北村 敦,研究員 関 春紅
酸化ビスマス層の間にペロブスカイトブロックをもつ結晶構造のビスマス層状構造強誘電体(BLSF)は,耐疲労特性に優れた不揮発性メモリー材料として知られている.種々の単結晶を作製し,結晶構造(層間ペロブスカイトユニット数,格子サイズ,格子歪み),強誘電体相転移と各種物性(分極特性,誘電率,およびそれらの異方性)の間の相関の解明を行うとともに,多結晶体で欠陥構造(不定比性を含む)を制御して分極特性の向上を図る研究を行っている.最近では,VやWの置換と空孔導入を行ったチタン酸ビスマス(BIT)系での著しく大きな残留分極,また,La置換と空孔導入を行ったタンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)系での著しく小さな抗電界を見出している.

ビスマス交代相構造酸化物の作製と物性評価
教授 宮山 勝[代表者],教授 宮山 償⊇_蝓陛豕_膤悄北邯_監鵝_大学院学生 五島 悠・三輪一郎
異なるペロブスカイトブロックが酸化ビスマス層を介して積層した構造のビスマス交代相構造酸化物では,異なるペロブスカイトブロック間の相互作用により,単一層体から予想されるものとは異なる物性が期待される.このようなビスマス交代相構造酸化物の多結晶体,単結晶を作製し,交代層の形成要因とともにその強誘電物性を調べている.また,一つのペロブスカイトブロックを半導体化し,強誘電層/半導体層の構造に由来する新規機能の探索を行っている.

電気化学スーパーキャパシタ用電極材料の研究
教授 宮山 勝[代表者],教授 宮山 償_膤惘\捲今村大地・鈴木真也・安永真也,外部研究生 阿部慶子
高容量と高速の充放電特性を兼ね備えたスーパーキャパシタは,電気自動車の補助電源などへの応用が期待されている。非晶質酸化バナジウムとカーボン粒子の高表面積複合体を正極に用いると,原理的にはLi二次電池と同じ機構で上記の特性を示す。高速充放電特性をさらに向上させるために,無機フィラーとの複合による電極微細構造の制御,2価イオンであるMg2+のインターカレーション特性の調査,また他の複合体電極材料の探索を進めている。

ゾルゲルプロセスおよび自己組織化プロセスによる,薄膜・メソ構造体の作製
教授 宮山 勝[代表者],教授 宮山 償⊇_蝓陛豕_膤悄北邯_監鵝ぢ膤惘ヽ慇捲鈴木智史,外部研究生 小林大介
無機機能性薄膜の低温合成に有利なゾルゲルプロセスを用いてビスマス層状構造強誘電体薄膜を形成し,プロセスと膜構造および物性の相関を解明している.また,界面活性剤の鋳型分子を用いた自己組織化法により数ナノメートルの空隙を持つシリカ系メソ構造体を作製し,その空隙にリチウムイオン伝導性溶液を含浸させることにより固液複合電解質の作製を試みている.

液体表面における新しい分子物性計測手法の開発
助教授 酒井 啓司[代表者],助教授 酒井啓司,助手 美谷周二朗,研究機関研究員 渡邉 崇
液体表面の力学的物性,特に分子吸着に伴なう表面エネルギーと表面粘弾性の動的変化を調べる新しい手法の開発に着手した.金属薄板上の微小開口部に形成した液体表面を雰囲気圧の振動により運動させる.圧力・液面曲率変化双方を光によりモニタリングすることで,ms程度の高い時間分解能で液体表面スペクトロスコピーを実現する.この手法は,これまでほとんど唯一の高速表面張力測定法であった最大泡圧法に替わる高時間分解能を有し,かつ定量性に優れた測定法として期待できる.現在,固液界面における濡れ現象の影響を受けやすい微小領域界面エネルギーの測定や,液体薄膜の動的物性測定への適用を試みている.

2次元凝集体の相転移と臨界現象の研究
助教授 酒井 啓司[代表者],助教授 酒井 啓司,助手・特別研究員 坂本 直人
界面活性剤分子や液晶性分子が液体表面に形成する薄膜は,環境に応じて相転移を起こす.この相転移について,レーザー光による非接触・非破壊観察を行うとともに,薄膜を2次元流体とみなすモデルによる説明を試みている.観察にはリプロン光散乱法とリフレクトメトリを用いている.前者は熱励起表面張力波による光散乱現象を利用して液体表面の動的物性を測定するものであり,薄膜の局所的表面弾性率の測定に利用できる.後者は液体のブリュースター角近傍で入射された光の反射率を測定するものであり,薄膜の厚みに関する情報を得ることができる.ある種の薄膜は,密度を変化させると分子形状変化を伴う相転移を起こすといわれている.そのような相転移であっても2次元流体モデルが適用できるか,また,分子形状変化が薄膜の厚みにどう影響するかについて,調べている.

ミクロ不均一系の構造とダイナミクスの研究
助教授 酒井 啓司[代表者],助教授 酒井 啓司,助手 美谷周二朗,研究機関研究員 渡邉 崇
コヒーレント後方散乱や拡散光波スペクトロスコピーなど,光学的に不均一な系のミクロ構造とダイナミクスを調べるための新しい光散乱法の開発,およびこれを用いたエマルジョン,コロイド分散系などの不透明な系の研究を行っている.本年度は,溶媒中に分散している楕円球状コロイド粒子の運動について考察し,回転運動に関する配向緩和時間と並進運動に関する拡散係数とに基づき,形状とサイズを見積もる手法を開発した.回転緩和時間と拡散係数はそれぞれ超音波複屈折法と動的光散乱法により測定される.水中に分散させたチタン酸コロイド粒子(長さがミクロン程度,太さがサブミクロン程度の棒状粒子)について,この手法による形態評価を行い,精度良くサイズと形状を測定することに成功した.

光による分子操作と分子配向素過程の研究
助教授 酒井 啓司[代表者],助教授 酒井 啓司, 助手・特別研究員 坂本 直人, 助手 美谷 周二朗, 大学院学生 堀井 和由
異方形状分子からなる液体について, レーザー光を用いた分子配向制御を試みている. 熱平衡状態ではランダムに配向する分子の集団に偏光制御されたレーザーを導入して分子配向秩序をもたらし, その秩序の程度を複屈折計測により定量評価する. 本年度は偏光に追随して配向方向を変化させる液晶分子の配向緩和の様子を実時間測定することが可能なシステムの開発に成功した.これにより光の伝搬に伴なう発熱の効果と光電場の効果を完全に分離して測定することができる.これを用いて色素/液晶混合系におけるゲスト‐ホスト効果の動的測定を行い,その物理的起源を探っている.

液体表・界面構造と動的分子物性
助教授 酒井 啓司[代表者],助教授 酒井啓司,助手・特別研究員 坂本直人,助手 美谷周二朗,学生 山口 英
液体表面や液液界面など異なる相が接する境界領域での,特異的な分子集合体の構造や現象に関する研究を行っている.本年度は光の放射圧による液面変形を利用した液体光マニピュレーション法の開発を行った.屈折率の異なる媒質間にレーザーを伝搬させると屈折率の小さいほうに向かって放射圧が働き,界面が局所的な変形を受ける.液面の変形量が表面張力や粘性と相関を持つことから,非接触かつ高精度で界面構造を測定することができるというものである.この方法を水・油・界面活性剤系における超低エネルギー界面に適用し,界面活性剤分子のイオン濃度による構造変化を確認した.さらに現在,光マニピュレーションで液体表面に周期的な波を励起しその伝搬特性を調べ,液体表面に吸着した膜分子のダイナミクスを観察することを試みている.

液体表面における新しい分子物性計測手法の開発
助教授 酒井 啓司[代表者],助教授 酒井啓司,助手 美谷周二朗,研究機関研究員 渡邉 崇
液体表面の力学的物性,特に分子吸着に伴なう表面エネルギーと表面粘弾性の動的変化を調べる新しい手法の開発に着手した.金属薄板上の微小開口部に形成した液体表面を雰囲気圧の振動により運動させる.圧力・液面曲率変化双方を光によりモニタリングすることで,ms程度の高い時間分解能で液体表面スペクトロスコピーを実現する.この手法は,これまでほとんど唯一の高速表面張力測定法であった最大泡圧法に替わる高時間分解能を有し,かつ定量性に優れた測定法として期待できる.現在,固液界面における濡れ現象の影響を受けやすい微小領域界面エネルギーの測定や,液体薄膜の動的物性測定への適用を試みている.

金属基複合材料のクリープ変形機構
助教授 朱 世杰
ナノサイズの粒子およびミクロサイズのセラミックス繊維など強化AlおよびCu基複合材料を用い,引張クリープ試験を行い.高温クリープ変形はしきいクリープ理論より説明し,温度の上昇に伴い,しきい応力は存在しない現象について研究している.その現象について転位は微細粒子から脱離の非熱活性化機構から熱活性化機構へと変化するというモデルを提案する.提案したモデルを利用してクリープひずみ速度を予測する.予測値は実験データと一致することを証明する.

セラミックス基複合材料のクリープおよび疲労機構
助教授 朱 世杰
セラミックス基複合材料はモノリシックなセラミックス材料にくらべ,格段に靭性などの強度特性が改善されるため,有望な高温構造材料として,一部ではすでに実用化が進められている.しかし,実使用環境したではミクロな損傷の累積や酸化損傷により,特性の劣化が生じ残存寿命に影響を与えるという問題がある.ですから,使用時に複合材料中に生じた損傷を定量的に評価し,劣化や残存特性を知り,材料を安全に使いこなす技術の早期の確立が強く求められている.本研究では,SiC/SiC複合材料のクリープおよび疲労試験およびその機構について巨視的ならびに微視的に観察し,微視組織的パラメ−タと力学的特性の関係を確立することである.

金属基複合材料のクリープ変形機構
助教授 朱 世杰
ナノサイズの粒子およびミクロサイズのセラミックス繊維など強化AlおよびCu基複合材料を用い,引張クリープ試験を行い.高温クリープ変形はしきいクリープ理論より説明し,温度の上昇に伴い,しきい応力は存在しない現象について研究している.その現象について転位は微細粒子から脱離の非熱活性化機構から熱活性化機構へと変化するというモデルを提案する.提案したモデルを利用してクリープひずみ速度を予測する.予測値は実験データと一致することを証明する.

ナノコーティングの損傷評価および寿命予測
助教授 朱 世杰[代表者],助教授,朱世杰
力学特性および耐酸化性評価方法および技術を開発し,高温で,応力その他の使用環境による過酷な負荷サイクルを含む実使用環境を模擬し,寿命や劣化に及ぼす物理的,化学的因子を定量的に取り扱うことが可能な評価装置を設計・試作する.これにより,現用評価システムよりも短時間で評価可能なシステムを構築する.他方,長時間使用環境模擬試験による基準データも取得し,加速試験との比較検討を行う.これらを通して短時間で劣化や寿命の予測を可能にする総合的なシステムの実現を目指す.

セラミックス基複合材料のクリープ,疲労および酸化特性評価
助教授 朱 世杰[代表者],助教授,朱世杰
セラミックス基連続繊維強化複合材料SiC/SiCの耐酸化性向上の方法を評価し,クリープおよび疲労損傷過程および破壊機構を解明する.それに基づき,新材料の開発と工学的設計への指針を与えようとする.

ナノコーティングの損傷評価および寿命予測
助教授 朱 世杰[代表者],助教授,朱世杰
力学特性および耐酸化性評価方法および技術を開発し,高温で,応力その他の使用環境による過酷な負荷サイクルを含む実使用環境を模擬し,寿命や劣化に及ぼす物理的,化学的因子を定量的に取り扱うことが可能な評価装置を設計・試作する.これにより,現用評価システムよりも短時間で評価可能なシステムを構築する.他方,長時間使用環境模擬試験による基準データも取得し,加速試験との比較検討を行う.これらを通して短時間で劣化や寿命の予測を可能にする総合的なシステムの実現を目指す.

海中工学研究センター

海事の安全に関する研究
教授 浦 環
海難事故は,当事者のみならず,第三者にも大きな影響を及ぼす.タンカーの衝突による原油の流出はその代表である.流出するのは貨物のみならず,燃料油も問題である.ハードウェアとしての船舶,船具,運行者,あるいはそれを取り巻く国際規則は,こうした海洋環境の維持に関係する.これらの大きなシステムを健全に維持するには,旧態然とした考え方ではできることが限られる.そこで,人的な要因の究明と除去や旗国の管理を含めた新たな海事の安全に関する枠組みを研究している.具体的にはBridge Resource Management の概念を安全面から見直している.

海事の安全に関する研究
教授 浦 環
海難事故は,当事者のみならず,第三者にも大きな影響を及ぼす.タンカーの衝突による原油の流出はその代表である.流出するのは貨物のみならず,燃料油も問題である.ハードウェアとしての船舶,船具,運行者,あるいはそれを取り巻く国際規則は,こうした海洋環境の維持に関係する.これらの大きなシステムを健全に維持するには,旧態然とした考え方ではできることが限られる.そこで,人的な要因の究明と除去や旗国の管理を含めた新たな海事の安全に関する枠組みを研究している.具体的にはBridge Resource Management の概念を安全面から見直している.

船舶のライフサイクル・アセスメント
教授 浦 環[代表者],教授 浦 環,大学院学生 加藤 陽一
船舶は,NOxを大気中に放出する大きな要因である.燃料消費も多大であり,解徹は多くの産業廃棄物を生む地球環境のなかで,船舶あるいは船舶輸送がどのように影響を与えているか,他の輸送手段と比較すると優劣はどうか,あるいは,どう改良すべきかなどは,船舶の一生を通じた評価が必要である.これを環境に関する思想の面から研究している.

航行型海中ロボットの研究
教授 浦 環[代表者],教授 浦 環・(東北大学) 藤本 博巳・(北海道大学) 蒲生 俊敬,客員教授 高川 真一,助手 能勢 義昭,技術官 坂巻 隆,学術研究支援員 杉松治美,共同研究員 小原 敬史,大学院学生 川野 洋・金 岡秀
エネルギ源として閉鎖式ディーゼルエンジンを用い,最大3ノットの速度で24時間航行できる海中ロボットの研究開発をおこなっている.第一段階として400mの深度へ潜航できるプロトタイプ「アールワン・ロボット」を開発し,1996年8月21日田辺市沖で連続4時間の潜航,1998年6月16日には同海域で連続12時間37分の潜航に成功した.さらに2000年10月19日〜22日に手石海丘の全自動観測に成功し,鮮明なサイドスキャンソナーイメージを得た.2001年度からはその第二段階を進めている.

深海知能ロボットの研究
教授 浦 環[代表者],教授 浦 環・浅田 昭・(北海道大学)蒲生 俊敬・(東北大学)藤本博巳,客員教授 高川 真一・浅川賢一,主任研究官(産業技術総合研究所)中村光一,助教授 藤井輝夫,助手 能勢 義昭,技術官 坂巻 隆,学術研究支援員 杉松 治美,共同研究員 小原 敬史,大学院学生 川野 洋・金 岡秀
これまでに開発してきた海中ロボットの成果を踏まえて,深度4,000mの高い水圧環境下にある深海を潜航し,熱水地帯を観測することのできる高度に知能化された信頼性の高い小型海中ロボットの研究開発をおこなっている.ロボットは海底観測ステーションとしての役割も期待されており,このための深海下でのドッキング機能等についての研究もおこなっている.

海中ロボットの自律航行に関する基礎研究
教授 浦 環[代表者],教授 浦 環,助教授 藤井 輝夫,助手 能勢 義昭,技術官 坂巻 隆,研究員 川口 勝義・黒田 洋司・石井 和男, 博士研究員 Hassan Sayyaadi,大学院学生 近藤 逸人・川野 洋・金 岡秀・柳 善鉄・板井 伸幸・今井 拓水・野瀬 浩一・欒 剣
海中ロボットのより高い自律性を確保するためには,取り扱いやすいテストベッドが必要である.テストベッドは浅い海域やプールでの航行試験を通じて,ソフトウェアが開発される.外環境に対する多くのセンサを持ち,運動自由度の大きな推進器群を装備する海中ロボットを製作し,その上に分散型運動制御システムを構築して海中ロボットの自律性の研究を行っている.自律性の一環として,画像を利用した高度な行動機能の開発を行っている.また,計算機上で複数ロボットの群行動や遠隔操縦をシュミレーションするシステムを実現し,ロボットの行動研究を行っている.この一環としてテストベッドロボット「Twin Burger 2 」の改修をおこなった.

ニューラルネットによるシステム同定の研究
教授 浦 環[代表者],教授 浦 環,研究員 石井 和男,博士研究員 Hassan Sayyaadi
複数入力複数出力で,非線形性が強く,相互干渉の大きいロボットシステムをニューラルネットによって実現する手法を開発している.本システムを用いて航行型海中ロボットの定高度維持航行あるいは有索潜水機の運動の制御を行っている.

画像を用いた海中での行動決定機構に関する研究
教授 浦 環[代表者],教授 浦 環,助教授 藤井 輝夫,大学院学生 近藤 逸人・柳 善鉄・今井 拓水
ロボットの視覚を用いた信頼できる行動決定機構とフイードバック機構を研究開発している.画像情報は多くの情報を含むが,水中では,マリンスノーの散乱や,照明むらなど処理しなければならない外乱が多い.しかし,ケーブルのトラッキングや魚類の追跡など画像を用いなければできないミッションも多い.ここでは,自律型海中ロボットのテストベッド「Twin Burger 2」と「Tri-Dog 1」を使ってこうしたミッションを確実に遂行できるシステムを構築している.

自律型海中ロボットによる魚類・鯨類観測
教授 浦 環[代表者],教授 浦 環,客員教授 浅川 賢一,助手 能勢 義昭,大学院学生 欒 剣
座頭鯨の鳴音を聞き,これを認識して位置を探査し,自律型ロボットがこれを追跡するという総合システムの構築を行っている.2001年3月には沖縄県座間味島沖での追跡実験に成功している.

湖沼環境調査ロボットの研究開発
教授 浦 環[代表者],教授 浦 環,助手 能勢 義昭,研究員 黒田 洋司,大学院学生 近藤 逸人・柳 善鉄
生活に密着する湖沼の環境調査を行うにあたっては,移動ロボットをプラットフォームとして用いて自動的かつ定期的に調査を行えば空間的時間的な分解能が向上する.本研究では湖沼調査を専用とする自律型潜水ロボットの研究開発を琵琶湖研究所他と共同して行っており,2000年3月には琵琶湖専用ロボット「淡探」が完成.これを用いて継続的に琵琶湖での調査活動をおこなっている.

深海調査ロボットの研究開発
教授 浦 環[代表者],教授 浦 環,客員教授 浅川 賢一,助教授 藤井 輝夫
大深度海底に沈没した船舶や航空機を簡便に探査するロボットシステムを,海上技術安全研究所および民間の研究機関と共同で開発している.当面のターゲットは2500m深度に沈没しているロシアのタンカー「ナホトカ号」の主船体部分である.本年度はプロトタイプロボットの設計をおこなった.

マイクロスケール流速センサの研究
教授 浦 環[代表者],教授 浦 環,助教授 藤井 輝夫,助手 能勢 義昭,大学院学生 板井 伸幸
魚類は体表面上の流れの分布を認識して行動を決定していると言われている.自律 型海中ロボットも同じように水中を行動するには,表面上の流速分布を計測しなけれ ばならない.その為に,小型流速センサの開発が必要で,MEMS技術を応用した小型センサの開発をおこなっている.

粉粒体の輸送の研究
教授 浦 環[代表者],教授 浦 環,協力研究員 太田 進
微粉精鉱・微粉炭・粉炭などの輸送は穀類などのばら積み貨物輸送とは同等に扱えない.こうした粉粒体の動力学ならびに安全でかつ経済性を重視した輸送工学の研究を,基礎実験を基として実験的・解析的におこない,ニッケル鉱の安全輸送に関するガイドラインなどを作成した.また,新しい貨物を液状化物質として扱うべきかどうかの簡易試験法を開発し,IMO(国際海事機関)で議論を進めている.2001年8月には生産国である南アフリカおよびザンビアを訪問し,問題点を追求した.

船舶のライフサイクル・アセスメント
教授 浦 環[代表者],教授 浦 環,大学院学生 加藤 陽一
船舶は,NOxを大気中に放出する大きな要因である.燃料消費も多大であり,解徹は多くの産業廃棄物を生む地球環境のなかで,船舶あるいは船舶輸送がどのように影響を与えているか,他の輸送手段と比較すると優劣はどうか,あるいは,どう改良すべきかなどは,船舶の一生を通じた評価が必要である.これを環境に関する思想の面から研究している.

海底地形の計測技術の高度化, ビジュアル解析手法の開発研究
教授 浅田 昭[代表者],教授 浅田 昭, 助手 望月 将志, 技術官 吉田 善吾
浅海域から深海底までの海底地形を計測・解析する様々な手法の高度化の研究を行っている. 例えば, 浅海用マルチビーム音響測深の誤差要因を研究し精度評価手法の開発, 様々な種類の海底地形計測データを効果的にビジュアル編集するソフトウエアの開発, 静止画による地形・音響画像よりはるかに情報量が多く解析能力の高い音響画像と海底地形を重ね合わせた3次元のリアルアニメーション手法の開発, 日本全国周辺の詳細な海底地形アニメーション集の開発, 日本全国周辺海域の500m, 150mグリッドデータの開発などを行い様々な海洋計測活用に提供・利用されている.

海底測地技術の開発研究
教授 浅田 昭[代表者],教授 浅田 昭, 助手 望月 将志, 技術官 吉田 善吾
海洋プレートの沈み込みにともなう, プレート境界から陸部にいたる広域の変動ベクトルの精密計測を可能にするため, 海底にGPSと音響により中継した音響基準ネットを展開し地殻変動を観測する手法の研究開発を行うものである. 海上GPS測位と音響測距とを組み合わせた海底地殻変動監視観測を実現するために, 観測機器の開発を行い, 観測手法を確立し, 海上保安庁と共同して熊野灘, 三宅島西方, 釜石沖に海底基準局を設置し, 5−10年の長期観測を実施している. また, そのデータ解析手法の開発を行い, 海底基準局の位置をセンチメートル精度で計測する解析手法を開発してきた.

マルチビーム音響測深機に合成開口手法を適用し海底地形変動を計測する手法の開発研究
教授 浅田 昭[代表者],教授 浅田 昭, 助手 望月 将志, 技術官 吉田 善吾
海底地震や海域火山の多発するわが国においては, 時間的に変動する海底の地殻変動(地形変動)をマッピングする手法を研究開発することが自然防災研究として望まれている. このため, 船の位置をセンチメートル精度で捉えることを可能としたGPS技術を利用し, 船底装備のマルチビーム音響測深機の送受波器の移動を高精度で捉え, 計算機後処理により仮想的に長大な送波器を作り送波ビームの前後幅を極度に狭めて海底地形・画像を高分解能で計測する研究を行っている. 今までに, GPSと組み合わせたマルチビーム音響測深機の合成開口手法の開発を行い, 実際に海底地形を高分解で計測できる実証を行ってきた. 現在, 比較する2計測間から地形変動を検出する手法の研究を行っている.

海底地形の計測技術の高度化, ビジュアル解析手法の開発研究
教授 浅田 昭[代表者],教授 浅田 昭, 助手 望月 将志, 技術官 吉田 善吾
浅海域から深海底までの海底地形を計測・解析する様々な手法の高度化の研究を行っている. 例えば, 浅海用マルチビーム音響測深の誤差要因を研究し精度評価手法の開発, 様々な種類の海底地形計測データを効果的にビジュアル編集するソフトウエアの開発, 静止画による地形・音響画像よりはるかに情報量が多く解析能力の高い音響画像と海底地形を重ね合わせた3次元のリアルアニメーション手法の開発, 日本全国周辺の詳細な海底地形アニメーション集の開発, 日本全国周辺海域の500m, 150mグリッドデータの開発などを行い様々な海洋計測活用に提供・利用されている.

Integrated high precision positioning system for AFM Stage
教授 コラール ドミニク[代表者],教授 Dominique COLLARD・フランス国立科学研究センター/IEMN常任研究員 Lionel BUCHAILLOT
Micro-actuators array are implemented to produce the motion of a stage that supports an AFM (Atomic Force Microscope) head. The stage is realized in silicon bulk micromachining and the microactuator by thin film technologies.

氷海域における流出油による環境影響評価に関する研究
助教授 林 昌奎
海氷が水面を覆う氷海域での流出油は,油が海氷の下に隠れるなどにより,その流出範囲の特定及び回収は非常に困難である.氷海域での流出油は流氷と共に移動し,その範囲を広げる.回収のは長い時間を要し,その間,周辺海域の環境に及ぼす影響は計り知れない.本研究では,氷海域での流出油が環境に及ぼす影響を評価するための手法開発を行っている.

衛星海氷データを用いた海氷移動・分布の数値予測システムの構築に関する研究
助教授 林 昌奎
北極海のような氷海域を開発・利用するためには,海氷の分布・移動に関する正確な情報が必要になる.海氷の移動距離は1日で, 50 kmを越える場合もあり,氷海域を航行する船舶ならびに海洋構造物には脅威的な存在である.本研究では,氷海域の氷の分布及び移動を,衛星によるリモートセンシングデータから得られた海氷の状況に関する情報と気象情報を用いて,数値的に予測し,ネットワークなどを通して得られた情報を提供する総合システムの開発を行っている.

Co-Integration of Microsystems technology with RF CMOS/SOI technology
教授 コラール ドミニク[代表者],教授 Dominique COLLARD・Universite de Louvain-la-Neuve, Belgium D. Flandre,
The aim of this topics is to develop ways to co-integrate RF MEMS with its CMOS based support circuits. The CMOS/SOI process have been optimized to endure post heat treatment and the RF MEMS parts are realized on the CMOS chip by post process.

RF-MEMS : High frequency (100-300 MHz) and RF frequency (0.8-2.5 Ghz) electromechanical resonator for signal processing in wireless communication
教授 コラール ドミニク[代表者],教授 Dominique COLLARD・フランス国立科学研究センター/IEMN常任研究員 Lionel BUCHAILLOT
Micro-mechanical resonators are fabricated by MEMS technology. Due to their tiny dimensions these resonators exhibit eigen frequencies above 100 Mhz that make them useful for RF signal processing (filters and resonators).

Autonomous micro-robot
教授 コラール ドミニク[代表者],教授 Dominique COLLARD・フランス国立科学研究センター/IEMN常任研究員 Lionel BUCHAILLOT
Work is underway for the realization of an autonomous robot integrated on a silicon chip. The robot includes a thin film coil for the RF remote power supply, electrostatic micro actuator and IC for the motion control.

Integrated high precision positioning system for AFM Stage
教授 コラール ドミニク[代表者],教授 Dominique COLLARD・フランス国立科学研究センター/IEMN常任研究員 Lionel BUCHAILLOT
Micro-actuators array are implemented to produce the motion of a stage that supports an AFM (Atomic Force Microscope) head. The stage is realized in silicon bulk micromachining and the microactuator by thin film technologies.

超大型浮体構造物の弾性応答低減に関する研究
助教授 林 昌奎[代表者],助教授 林 昌奎・協力研究員 居駒知樹・大学院学生 田村雅宣
振動水柱型エネルギー吸収装置を超大型浮体構造物の端部に取り付けることで,浮体の弾性応答を低減する手法を開発した.応答の低減効果は,振動水柱の流体力学特性,配置,大きさによって大きくかわることが分かった.振動水柱による応答低減メカニズムの解明,配置や大きさの最適化手法の開発を行っている.

大水深ライザーの動的応答特性に関する研究
助教授 林 昌奎[代表者],助教授 林 昌奎・研究員 増田光一
ライザーは比較的単純な構造物であるにもかかわらず,作用する流体外力,構造自体の応答特性も一般に非線形である.また,外部流体および内部流体は,密度や流速さらには構造の変形に応じて複雑な力を構造に及ぼす.これらの問題は,対象となる水深が深くなりライザーが長大になるに従い,強度が相対的に低下したり,ライザー自体が相対的に柔軟になり動的挙動が顕著になることにより,強度設計,安全性確保の観点からより重要になる.そのため,これらの応答特性を正確に把握し,諸課題を解決することが大水深掘削システムを実現する上で重要となる.本研究ではこのような長大な大水深ライザーについて,外部流体により渦励振に対してBearmanらによって提案されている実用的な渦による起振力モデルを用いたシミュレーション手法を開発を行っている.

能動型マイクロ波センサーによる海面計測
助教授 林 昌奎[代表者],助教授 林 昌奎・大学院学生 小林豪毅,深井 英五
海面は海上風,波浪,潮流などの要因により常に変動する.海面計測には主に,定点ブイ,漂流ブイ,観測船あるいは海底設置超音波機器など現地設置型計測機器が用いられている.しかし,現地設置型計測機器の設置・運用には,気象および地理条件による様々な制約や困難が伴う.本研究では,自然条件に制約されることなく海面計測が可能な能動型マイクロ波センサーであるマイクロ波散乱計,合成開口レーダーを用いたリモートセンシングによる海面計測手法の開発を行っている.現在は,実験水槽にて生成した模擬海面によるマイクロ波散乱の直接計測,数値生成海面を用いたマイクロ波散乱の理論解析を行い,海面生成要因とマイクロ波散乱との因果関係の解明を行っている.

超大型浮体構造物の弾性応答低減に関する研究
助教授 林 昌奎[代表者],助教授 林 昌奎・協力研究員 居駒知樹・大学院学生 田村雅宣
振動水柱型エネルギー吸収装置を超大型浮体構造物の端部に取り付けることで,浮体の弾性応答を低減する手法を開発した.応答の低減効果は,振動水柱の流体力学特性,配置,大きさによって大きくかわることが分かった.振動水柱による応答低減メカニズムの解明,配置や大きさの最適化手法の開発を行っている.

マイクロチャネル内における流れの可視化と現象の理解
助教授 藤井 輝夫[代表者],助教授 藤井輝夫・大島まり・研究機関研究員 Jong Wook Hong・大学院学生 木下晴之
マイクロチャネル内で流体を自在に扱うためには,材料の表面特性などを考慮した微小スケール特有の流体現象を理解する必要がある.本研究では特に,マイクロチャネル内で生じる電気浸透流について,これを蛍光微粒子を用いて顕微鏡下で可視化し,どのような現象が起こりうるかについて詳しい観察実験を進めている.また,それらの観察結果に基づき,材料の種類や溶媒のpHなどに応じて変化するチャネル壁の表面電位と電気浸透流との関係について,詳細な考察を行っている.

微小スケール反応・分析システムに関する基礎研究
助教授 藤井 輝夫[代表者],助教授 藤井 輝夫, 助手 山本 貴富喜, 研究機関研究員 Jong Wook Hong
マイクロファブリケーションによって製作した微小な容器や流路内を化学反応や分析に利用すると, 試薬量や廃棄物の量が低減できるだけでなく, 従来の方法に比べて高速かつ高分解能の処理が可能となる. 本研究では, そうした処理を実現する反応分析用マイクロチップの製作方法の基礎研究を行うと同時に, 微小空間に特有の物理化学現象について基礎的な検討を行っている.

マイクロチップを用いた現場微生物分析システムの基礎研究
助教授 藤井 輝夫[代表者],助教授 藤井 輝夫, 大学院学生 福場 辰洋, 研究員(広島大学)長沼 毅, 研究員(海洋科学技術センター)許 正憲
海中あるいは海底面下に存在する微生物の性質を調べるためには, サンプリングした海底泥を地上で分析するだけでなく, 例えば現場での遺伝子の発現状態を把握することが重要である. 本研究では, マイクロチップによる分析技術を応用して, 海底大深度掘削孔内や自律海中ロボットなどの移動プラットフォームに搭載可能な小型の現場微生物分析システムの実現を目指している. 本年度は, 温度制御ユニットを集積化したフロースルー型遺伝子増幅(PCR)反応デバイスの開発に着手した.

生化学反応用マイクロリアクターの開発
助教授 藤井 輝夫[代表者],助教授 藤井 輝夫, 助手 山本 貴富喜
マイクロリアクターはデッドボリュームが小さいために微量のサンプルで反応が行えるだけでなく, その製法上, ヒータやセンサデバイスなどの集積化やリアクターそのものの並列化が容易であるという特徴を持つ. こうした特徴を活かして, ポストゲノムシーケンス時代に要求される大量の遺伝情報の効率的な翻訳を行うシステムとして, 無細胞系の蛋白質合成を行うマイクロリアクターの開発を進めている.本年度は,温度制御ユニットを集積化したガラスとPDMSとのハイブリッド構造からなるリアクターを製作し,蛍光蛋白質の合成に成功した.

微量液体ハンドリングシステムの研究
助教授 藤井 輝夫[代表者],助教授 藤井 輝夫, 研究実習生 金田 祥平
微小スケール反応分析システムを実現するためには, リアクターや分析チップなどの構成要素間において, 微量の液体を自由に運んだり, 混ぜ合わせたりする手段を用意しなければならない. 本研究では, 従来の連続流動式の液体操作方式とは異なる, 液滴ベースの液体ハンドリング手法を提案すると同時に, これを実現するための基本構造であるHMCV(Hydrophobic MicroCapillary Vent)を有する液滴操作デバイスを製作し, nLからpLスケールの液体操作について検討を進めている.

マイクロ構造を用いた真正粘菌変形体における振動現象の観察と解析
助教授 藤井 輝夫[代表者],助教授 藤井 輝夫, 民間等共同研究員 高松 敦子
真性粘菌変形体には, その固有の性質として原形質流動に由来する変形体厚みの振動現象が見られる. マイクロ構造内において粘菌変形体を培養し, その形状をパターニングすることによって, 複数の変形体間の結合強度や情報伝達の時間遅れのパラメータを調節することができる. 本研究では, それらのパラメータを変化させることによって, 複数の変形体間の振動の相互引き込み現象を観察すると同時に, 高次の非線形振動子結合系のモデルとして, その解析を進めている.

ナノ構造を用いた新しい生体高分子観察系の構築
助教授 藤井 輝夫[代表者],助教授 藤井輝夫・助手 山本貴富喜・博士研究員 Eric Leclerc
近年,生体高分子を一分子レベルで観察する手法が確立しつつあるが,依然としてガラス基板上に固定化された多数の分子の中から,所望の挙動を示しているものを探し出して観察する方法がとられている.酵素に代表されるような生体高分子の協同的な機能を詳細に明らかにするためには複数の分子を系統的に観察する必要がある.本研究では,そのような観察を可能とするため,3次元的な形状を有するナノ構造上に生体高分子を固定化することによって,新しい実験系を構築することを試みている.

マイクロチャネル構造における細胞培養に関する研究
助教授 藤井 輝夫[代表者],助教授 藤井輝夫・博士研究員 Eric Leclerc・教授 畑中研一・助教授 酒井康行
マイクロチャネル構造を用いると,従来ペトリディッシュ上で行ってきた培養系に比べて,栄養供給や酸素供給のための流れを強制的に与えることができるので,細胞の外部刺激に対する応答の観察や培養による組織構築などに利用できる可能性がある.本研究では,PDMSを材料としたマイクロチップ上にチャネル構造を形成し,チャネル内に部位特異的に細胞を固定化する方法や組織構築のための大規模チャネルネットワークにおける培養方法などについて検討を進めている.

反応分析用マイクロチップにおける光デバイスの集積化
助教授 藤井 輝夫[代表者],助教授 藤井輝夫・博士研究員 Serge Camou・外国人客員研究員 Jean-Philippe Guoy・教授 藤田博之・荒川泰彦
生化学反応や分析の検出には,一般に蛍光や発光など光を用いた検出手法が用いられる.反応や分析に用いるマイクロチップ上に,光源や光検出の機能を有するデバイスを集積化することができれば,従来,外部に用意しなければならなかった蛍光観察のための大規模な装置類を必要とせず,ワンチップで蛍光の励起及び観察を行うことが可能となる.本研究では,こうした光デバイスをマイクロチップ上に集積化することを目的として,チップの材料であるPDMSによるマイクロレンズ構造の製作や有機半導体材料を用いた光源の集積化について検討を進めている.

分子計算用マイクロ流体デバイスの研究開発
助教授 藤井 輝夫[代表者],助教授 藤井輝夫・研究実習生 金田祥平・助教授(東京工業大学) 山村雅幸
分子計算は主としてDNAを情報担体とし,分子そのものの超並列性を利用して,従来の計算手法では計算が困難であった問題を解こうとする新しい計算パラダイムである.本研究では,これまで試験管等を用いて行われてきた計算のための反応や分離の操作をマイクロチップ上で実現することによって,分子計算の新しい実装技術の開発を試みている.

マイクロチャネル内における流れの可視化と現象の理解
助教授 藤井 輝夫[代表者],助教授 藤井輝夫・大島まり・研究機関研究員 Jong Wook Hong・大学院学生 木下晴之
マイクロチャネル内で流体を自在に扱うためには,材料の表面特性などを考慮した微小スケール特有の流体現象を理解する必要がある.本研究では特に,マイクロチャネル内で生じる電気浸透流について,これを蛍光微粒子を用いて顕微鏡下で可視化し,どのような現象が起こりうるかについて詳しい観察実験を進めている.また,それらの観察結果に基づき,材料の種類や溶媒のpHなどに応じて変化するチャネル壁の表面電位と電気浸透流との関係について,詳細な考察を行っている.

マイクロメカトロニクス国際研究センター

マイクロメカトロニクスによる磁気ディスクヘッド位置決め機構
講師 年吉 洋[代表者],講師 年吉 洋(代表者)・教授 藤田博之
磁気ディスクの記録密度は年100%の勢いで成長しており,特に,データのトラック密度の向上が著しい.その磁気ヘッドの位置決め機構として,ボイスコイルモータのみではなく,ヘッド指示体のサスペンション先端にマイクロアクチュエータを設けて,より高精度,高速の位置決め機構を検討している.

マイクロメカトロニクスの光学応用
講師 年吉 洋[代表者],講師 年吉 洋(代表者)・教授 藤田博之
微小な機械構造をシリコンマイクロマシニングにより作製し,それを光スキャナ,光ファイバスイッチ等へ応用する研究を行っている.近年,波長多重光ファイバ通信へ向けた応用が盛んになっている分野であり,特に1000×1000程度の大規模光クロスコネクタへの応用が期待されている.

マイクロメカトロニクスによる磁気ディスクヘッド位置決め機構
講師 年吉 洋[代表者],講師 年吉 洋(代表者)・教授 藤田博之
磁気ディスクの記録密度は年100%の勢いで成長しており,特に,データのトラック密度の向上が著しい.その磁気ヘッドの位置決め機構として,ボイスコイルモータのみではなく,ヘッド指示体のサスペンション先端にマイクロアクチュエータを設けて,より高精度,高速の位置決め機構を検討している.

マイクロマシニング技術のバイオ工学への応用(継続)
教授 藤田 博之[代表者],教授 藤田 博之, 講師 年吉 洋, 助手 アニエス ティクシエ, 外国人客員研究員 ゴンザロ カボドゥヴィラ, 博士研究員 ロラン グリスコム・マチュー ドゥヌアル
細胞の大きさやDNA分子の長さは, 数ミクロンから数十ミクロンであり, マイクロマシニングで作った構造と同程度の大きさである. このためバイオ工学のツールをマイクロマシニングで作る研究を行っている. 特定のタンパクを認識する分子を固定したパッチのアレイを作り, そこに細胞を選択的に吸着することができた. これを遺伝子治療に応用する研究もすすめている. また, マイクロ構造内でニューロンを培養し, 人工的結合をさせることも試みている.

半導体微細加工による並列協調型マイクロ運動システム(継続)
教授 藤田 博之[代表者],教授 藤田 博之, 助手 安宅 学, 大学院学生 福田 和人・荒井 誠
半導体マイクロマシーニング技術の利点の一つである, 「微細な運動機構を多数同時に作れる」という特徴を生かして, 多数のマイクロアクチュエータが協調してある役割を果たす, 並列協調型マイクロ運動システムを提案した. アレイ状に並べた多数のアクチュエータでシリコン基板の小片を運ぶことができる. 制御回路とアクチュエータを含むモジュールを平面的に並べ, 物体の形状による分別を行う機構の設計と制御法と制御アルゴリズムを検討した. その結果に基づき, VLSIチップを製作し, 流体マイクロアクチュエータのチップと結合して動作させることを試みている.

マイクロアクチュエータの応用(継続)
教授 藤田 博之[代表者],教授 藤田 博之, 講師 年吉 洋, 技術官 飯塚 哲彦, 大学院学生 三田 信・荒井 誠, 外国人客員研究員 タリック ブルイナ・ジルベール レイヌ, 博士研究員 アレクシス・ドゥブレー
VLSI製造用の種々の微細加工技術によって可能となった, 微細な電極パターンや高品質の絶縁薄膜を利用して, 静電力や電磁力などで駆動する超小型アクチュエータを開発し, 種々の応用デバイスを試作している. 半導体レーザや発光ダイオードと光ファイバの光軸合わせ用微動機構, マイクロ光スキャナ, ハードディスク装置の微細トラッキング用マイクロアクチュエータ, マイクロSTM(走査トンネル顕微鏡)などを対象に研究を進めている.

真空トンネルギャップ中の極限物理現象の可視化観測(継続)
教授 藤田 博之[代表者],教授 藤田 博之, 助教授(香川大)橋口 原, 講師 年吉 洋, 大学院学生 三田 信・角嶋 邦之・河原 宏昭・野澤 尚幸
マイクロマシニング技術を用いて, 走査トンネル顕微鏡の(STM)の探針とそれを動かすマイクロアクチュエータを一体で製作している. 断面の寸法が数十ナノメートルのナノ探針を安定して作製できるようになった. このマイクロSTMを, 電子位相検出方式の超高分解能透過電子顕微鏡の試料室に入れ, トンネル電流の流れるギャップを直視観察する計画である. トンネルギャップ中での電子や原子輸送現象の観察電界分布の測定などを行いたい.

マイクロマシーニングによる微小光学システム(継続)
教授 藤田 博之[代表者],教授 藤田 博之, 講師 年吉 洋, 助手 アニエス ティクシエ, 外国人客員研究員 ジャン フィリップ グイ・ジルベール レイヌ・タリック ブルイナ, 博士研究員 リオネル ウレ, 大学院学生 三田 信・猿田 訓彦
光路に対して垂直に動く微小ミラーのアレイを用いた光マトリックススイッチを作り, 良好な性能を得た. また, 3次元的にチップを組み立て, 光ファイバー, 光マイクロマシン, レーザ等をマイクロシステムに組み込む技術を開発した. さらに, 並列可変光インタコネクションの実現を目指し, 2次元走査ミラーのアレイの製作を試みている.

マイクロマシニング技術のバイオ工学への応用(継続)
教授 藤田 博之[代表者],教授 藤田 博之, 講師 年吉 洋, 助手 アニエス ティクシエ, 外国人客員研究員 ゴンザロ カボドゥヴィラ, 博士研究員 ロラン グリスコム・マチュー ドゥヌアル
細胞の大きさやDNA分子の長さは, 数ミクロンから数十ミクロンであり, マイクロマシニングで作った構造と同程度の大きさである. このためバイオ工学のツールをマイクロマシニングで作る研究を行っている. 特定のタンパクを認識する分子を固定したパッチのアレイを作り, そこに細胞を選択的に吸着することができた. これを遺伝子治療に応用する研究もすすめている. また, マイクロ構造内でニューロンを培養し, 人工的結合をさせることも試みている.

「マイクロメカトロニクス国際研究センターの項目を参照」
教授 増沢 隆久

「マイクロメカトロニクス国際研究センターの項目を参照」
教授 増沢 隆久

Hole Area Modulation 法による3Dマイクロ加工
教授 増沢 隆久[代表者],教授 増沢 隆久・ 助手 藤野 正俊・外国人客員研究 Tarik BOUROUINA
マスクパターンに加工深さ情報を入れ込んで,単純な操作により三次元形状のマイクロ加工が行える新しい手法,Hole Area Modulation (HAM) 法を考案し,エキシマレーザによる方法と,化学エッチングによる方法の開発を進めている.

マイクロ放電加工に関する研究(継続)
教授 増沢 隆久[代表者],教授 増沢 隆久・ 助手 藤野 正俊, 大学院学生 蔡 曜陽, 岡島 公紀, 田口 敬章
数μmから数百μmの寸法領域の三次元的形状加工において, 放電加工は最も高精度で加工できる方法の一つである. 本研究では, 微細軸加工の新しい手法として開発したワイヤ放電研削法(WEDG)をもとに, 超微細穴加工, マイクロ加工・組立システム, さらに3次元的微細形状加工への応用に関する研究を行っている.昨年度は旋盤型のマイクロEDMシステムの開発を行った.

機械的マイクロ加工に関する研究(継続)
教授 増沢 隆久[代表者],教授 増沢 隆久・ 助手 藤野 正俊・大学院学生 江尻 鉄平
打ち抜き, 切削, 研削等の機械的加工法は生産性, 加工精度ともに優れた方法であるが, 微細寸法の場合は工具の製作, 調整が容易でない. 本研究では, 工具製作を組込んだシステムにより, 数十μmの寸法の打ち抜き, ドリル加工, エンドミル加工, 超音波加工, 研削などの実用化を進めている. また,切削と電気加工の複合システムの開発を行っている.

三次元的微細形状測定法の開発(継続)
教授 増沢 隆久[代表者],教授 増沢 隆久・ 外国人客員研究員 Tarik BOUROUINA , Jean Bernard POURCIEL・外国人博士研究員 Eric Chaeles LEBRASSEUR, Laurent JALABERT・助手 藤野 正俊・大学院学生 尾崎 宗活
微細な三次元的形状測定の新しい手法として, 電気的接触検知を用いたバイブロスキャニング法(VS法)及びピエゾ抵抗素子を用いた手法(SDAPPLIN法)を開発し, 細穴内部形状測定等への応用研究を行っている.

電解加工による表面仕上げ法の研究(継続)
教授 増沢 隆久[代表者],教授 増沢 隆久・ 研究員 酒井 茂紀・ 助手 藤野 正俊
金型等の表面仕上げのために, パルス電流を用いた電解加工で複雑形状面を平滑化する手法の開発, 並びにその微細軸, 微細穴の表面仕上げへの応用研究を行っている.

Hole Area Modulation 法による3Dマイクロ加工
教授 増沢 隆久[代表者],教授 増沢 隆久・ 助手 藤野 正俊・外国人客員研究 Tarik BOUROUINA
マスクパターンに加工深さ情報を入れ込んで,単純な操作により三次元形状のマイクロ加工が行える新しい手法,Hole Area Modulation (HAM) 法を考案し,エキシマレーザによる方法と,化学エッチングによる方法の開発を進めている.

RF-MEMS : High frequency (100-300 MHz) and RF frequency (0.8-2.5 Ghz) electromechanical resonator for signal processing in wireless communication
教授 コラール ドミニク[代表者],教授 Dominique COLLARD・フランス国立科学研究センター/IEMN常任研究員 Lionel BUCHAILLOT
Micro-mechanical resonators are fabricated by MEMS technology. Due to their tiny dimensions these resonators exhibit eigen frequencies above 100 Mhz that make them useful for RF signal processing (filters and resonators).

Autonomous micro-robot
教授 コラール ドミニク[代表者],教授 Dominique COLLARD・フランス国立科学研究センター/IEMN常任研究員 Lionel BUCHAILLOT
Work is underway for the realization of an autonomous robot integrated on a silicon chip. The robot includes a thin film coil for the RF remote power supply, electrostatic micro actuator and IC for the motion control.

Integrated high precision positioning system for AFM Stage
教授 コラール ドミニク[代表者],教授 Dominique COLLARD・フランス国立科学研究センター/IEMN常任研究員 Lionel BUCHAILLOT
Micro-actuators array are implemented to produce the motion of a stage that supports an AFM (Atomic Force Microscope) head. The stage is realized in silicon bulk micromachining and the microactuator by thin film technologies.

半導体微細加工による並列協調型マイクロ運動システム(継続)
教授 藤田 博之[代表者],教授 藤田 博之, 助手 安宅 学, 大学院学生 福田 和人・荒井 誠
半導体マイクロマシーニング技術の利点の一つである, 「微細な運動機構を多数同時に作れる」という特徴を生かして, 多数のマイクロアクチュエータが協調してある役割を果たす, 並列協調型マイクロ運動システムを提案した. アレイ状に並べた多数のアクチュエータでシリコン基板の小片を運ぶことができる. 制御回路とアクチュエータを含むモジュールを平面的に並べ, 物体の形状による分別を行う機構の設計と制御法と制御アルゴリズムを検討した. その結果に基づき, VLSIチップを製作し, 流体マイクロアクチュエータのチップと結合して動作させることを試みている.

100万本の原子間力顕微鏡カンチレバーのパラレル検出の研究
助教授 川勝 英樹
各カンチレバーと基板の構成するフィーゾー干渉計マイクロキャビティの輝度をCCDカメラ等の受像器に導くことにより,各カンチレバーの変位や振幅を計測する研究を行っている.液中応用を目的に,倒立顕微鏡にカンチレバーアレーと光学顕微鏡,干渉計を組み込んだ.

ナノメートルオーダの機械振動子による質量と場の計測
助教授 川勝 英樹
サブミクロンの機械振動子を作製し,それをAFMの探針に用いて力や質量の検出を行う.現在,大きさ2ミクロン,バネ定数10N/m程度,固有振動数40MHz,Q値8000のものを作製している.計測には,高真空用ヘテロダインレーザドップラー振動計を組み込んだAFMヘッドを用いた.

ナノ振動子とマルチカンチレバーアレーの作製
助教授 川勝 英樹
シリコンの異方性エッチングを用いて探針を有する微小なカンチレバーを作製した.小型化により固有振動数を高めるとともに,使用目的に応じたバネ定数を実現することに成功した.質量や力の検出分解能を高める上で重要な,振動子のQ値を向上させるための処理方法や,振動子の設計を行った.

走査型力顕微鏡のカンチレバーのねじれ固有振動の自励を用いた探針の面内位置変調と,それによる散逸のマッピング
助教授 川勝 英樹
走査型力顕微鏡のカンチレバーのねじれ振動を自励により励起し,それにより探針の面内位置変調を実現した.一定の加振力でねじれ振動を励起し,ねじれ量を検出することにより,試料の場所によるダンピングを検出した.ねじれの自励を実現したことにより,固定周波数励起による,コントラストの反転等の問題点が解消された

100万本の原子間力顕微鏡カンチレバーのパラレル検出の研究
助教授 川勝 英樹
各カンチレバーと基板の構成するフィーゾー干渉計マイクロキャビティの輝度をCCDカメラ等の受像器に導くことにより,各カンチレバーの変位や振幅を計測する研究を行っている.液中応用を目的に,倒立顕微鏡にカンチレバーアレーと光学顕微鏡,干渉計を組み込んだ.

ナノメートルオーダの3次元構造物の特性評価と応用
助教授 川勝 英樹[代表者],大学院学生 福島 公威・川井 茂樹, 助手 星 泰雄, 助教授 川勝 英樹
ナノメートルオーダの機械振動子などの, 3次元構造物の機械・電気特性の測定と, その応用の研究を行っている. そのために, 走査型電子顕微鏡内にマウントする走査型プローブ顕微鏡を実現している.

結晶格子を基準としたリニアエンコーダ
助教授 川勝 英樹[代表者],助手 星 泰雄, 助教授 川勝 英樹
走査型トンネル顕微鏡や, 走査型力顕微鏡を用いて結晶の周期性を読み出してリニアエンコーダのスケールとして用いる研究を行っている. 大気中において黒鉛の結晶周期を反映した鋸波形を接触モードの走査型力顕微鏡により読み出しながら,同時に結晶を固定した試料台の変位をレーザー干渉計で測定したところ,レーザー半波長分の変位に対応する鋸波の数は,黒鉛の格子間隔から計算される数よりも3割多かった.この違いの主な要因は格子列の読み外しと考えている.幅を持った範囲を観察することにより,格子列の読み外しを検出・補正した上で,精度検証を行う予定である.

結晶格子を基準とした位置決め
助教授 川勝 英樹[代表者],助手 星 泰雄, 助教授 川勝 英樹
結晶格子の規則正しい原子のならびを走査型トンネル顕微鏡の探針でサーボトラッキングすることによって, 結晶構造を2次元的な動きとして取り出し, xyステージの位置決め制御に用いることが可能となる. 現在, ミクロンオーダの範囲での変位制御を目指している.

走査型力顕微鏡の探針の軌跡の計測
助教授 川勝 英樹[代表者],助手 星 泰雄, 助教授 川勝 英樹
本研究は走査型力顕微鏡探針のxyz空間内での動きを原子レベルの分解能で求めることを目的としている. 装置構成としては, 光てこ2個を用いてカンチレバーの異なる2点での傾きを求めた. その結果, 探針の試料面内方向の変位と法線方向の変位を分離することが可能となり, より正確な探針の軌跡を求めることが可能となった. この測定法は原子レベルの摩擦現象を可視化するのに有効であると伴に, 走査型力顕微鏡を用いた形状計測の精度向上に役立つものである.

ナノメートルオーダの3次元構造物の特性評価と応用
助教授 川勝 英樹[代表者],大学院学生 福島 公威・川井 茂樹, 助手 星 泰雄, 助教授 川勝 英樹
ナノメートルオーダの機械振動子などの, 3次元構造物の機械・電気特性の測定と, その応用の研究を行っている. そのために, 走査型電子顕微鏡内にマウントする走査型プローブ顕微鏡を実現している.

シリコンマイクロマシニングによるナノ振動子の作製
講師 年吉 洋[代表者],助教授 川勝英樹(代表者)・講師 年吉 洋・教授 藤田博之
シリコンの異方性ウェットエッチング特性を利用して,きわめてQ値の高い微小な機械振動子を作製し,これを原子間力顕微鏡のプローブとして応用する研究を共同して行った.詳細は,川勝研の項を参照.

シリコンマイクロマシニングによるナノ振動子の作製
講師 年吉 洋[代表者],助教授 川勝英樹(代表者)・講師 年吉 洋・教授 藤田博之
シリコンの異方性ウェットエッチング特性を利用して,きわめてQ値の高い微小な機械振動子を作製し,これを原子間力顕微鏡のプローブとして応用する研究を共同して行った.詳細は,川勝研の項を参照.

自己組織化単分子膜を用いたマイクロパターニングに関する研究
助教授 金 範
新しい概念の自己組織化単分子膜(SelfーAssmbled Monolayers, SAMs)を利用して, シリコン表面上に10 nm以下の疎水性の単分子膜を作り, surfaceマイクロマシニングの問題であるsticknessを解決する新しい表面処理法を開発した. この方法を用いて, 高いアスペクト比で簡単に製作できるUV−light polymerのマイクロstructure(SU−8)にメタルpattern transferすることにも成功した. 今後, 様々なマイクロマシニング法において一つのrelease techniqueとして大きな役割を果す可能性を示しているので,さらにもっと微細な(ナノメータのsize)パターンを用いてPattern Transfer等の応用に関する研究を行う..

マイクロマシンニング用いた新走査型近接場顕微鏡プローブの開発
助教授 金 範
SNOM(走査型近接場顕微鏡)は, 光学的な透過性という観点からナノメートルイメージングを行えるという点で重要なテクニックであり, DNAやタンパク質等の生体分子系の観察, 色素分子のpolarization検出等のバイオ, ナノメートル表面分析や化学研究への新しい応用科学機器として, さらに近年ナノマシニングと超高密度data storageに向けて次世代技術となる可能性があるので, 注目を浴びている. しかし, この技術の大きい問題になっているのは, 光のdiffraction limitを超える極微細なapertureを持つプローブの作製が極めて難しいことであった. そこで, シリコンモールドの新しい表面処理方法, 新材料の導入によって, 優れた機能を持つSNOMプローブの製作に成功した. 現在まではFocused Ion Beam(Ga収束イオンビーム)マシニング法で100 nm以下のtip apertureを作製した. 完全にバッチプロセスで製作できるナノモールドマシニング法の開発と水晶のマイクロ加工法の工夫して光学的特性の分析と応用実検, 評価等を行っている.

動作シャドウマスクを用いたマイクロ・ナノパターンニング法の開発
助教授 金 範
マイクロ単位でLocal areaにおいて自由な形の Patterningができる新概念のシャドウマスクパターンニング方法を開発している.ナノメータ精度でX-Y軸に2次元的な動作制御ができるSDA(Scratch Drive Actuator)のマイクロシステムを作り,薄膜のSHA(simple hole aperture)マスクに集積する.今後,様々なマイクロマシニング法において一つのDirect Patterning法として,特にResist Spinning Process が出来ない場合のマイクロ・ナノPatterning法として大きな役割を果すと期待されている.

自己組織化単分子膜を用いたマイクロパターニングに関する研究
助教授 金 範
新しい概念の自己組織化単分子膜(SelfーAssmbled Monolayers, SAMs)を利用して, シリコン表面上に10 nm以下の疎水性の単分子膜を作り, surfaceマイクロマシニングの問題であるsticknessを解決する新しい表面処理法を開発した. この方法を用いて, 高いアスペクト比で簡単に製作できるUV−light polymerのマイクロstructure(SU−8)にメタルpattern transferすることにも成功した. 今後, 様々なマイクロマシニング法において一つのrelease techniqueとして大きな役割を果す可能性を示しているので,さらにもっと微細な(ナノメータのsize)パターンを用いてPattern Transfer等の応用に関する研究を行う..

都市基盤安全工学国際研究センター

コンクリートの品質に対する化学混和剤の作用効果に関する研究
教授 魚本 健人[代表者],教授・魚本健人,受託研究員・杉山知巳
コンクリートの品質,特に硬化コンクリートの耐久性を論じうる上で,使用材料や配合条件がコンクリートの空隙構造に与える影響を検討することは非常に重要である.また,近年コンクリート製造に欠かせない材料の一つになっている化学混和剤に関しては,空隙構造に対する作用効果が明確になっていない. そこで,化学混和剤の持つ種々の特性が,硬化コンクリートに及ぼす影響を明らかにすることを目的とし,様々な化学混和剤,中でも最も頻繁に用いられている減水剤系の混和剤を中心に,減水性,凝結遅延性,空気連行性等の特性が,硬化体の空隙構造形成過程に与える影響を明確にする.

コンクリートのひび割れへの樹脂注入効果に関する検討(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 技術官 星野 富夫
コンクリート構造物の鉄筋腐食に関する研究については, その劣化のメカニズムや防食方法などが検討している. しかし, 実際の構造物に発生したひび割れの補修方法や耐久性に関する検討は殆どなされていない. そこで, 品質の異なるコンクリート梁に発生させたひび割れに, 注入深さの異なる樹脂注入を行った試験体を作製し, 強度特性を明らかにするとともに促進炭酸化や模擬海水浸漬繰り返しなどによる長期の耐久性に関する検討を行う. また, 実物大のコンクリート梁への注入実験も行い, 注入樹脂の粘度と注入の関係なども明らかとする研究を行う.

養生過程の違いによるコンクリートの内部組織構造に与える影響(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 大学院学生 伊代田 岳史
コンクリート構造物では打設後, 養生を行うことにより十分な水和を進行させ, 所定の強度・耐久性を得ることができる. しかし, 現状では工期短縮や型枠転用のため早期脱型を行うことが多く, 十分な養生を行われていないという報告が多数ある. また, 近年では数多くの混和材を混入したセメントを用いた多種のコンクリートが使用されている. そこで, 各種セメントにおける養生不足による水和阻害と内部組織構造を明らかにした上で, 一度乾燥を受けたコンクリートに水分の再供給を行ったときの再水和反応と内部組織構造を明らかにし, 養生の大切さを検討するとともに多様な養生過程の提案を行うために実験を行っている.

硫酸によるコンクリートの腐食劣化(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 大学院学生 蔵重 勲,学部学生 畑中 菜穂子
温泉地, 下水道施設, 酸性雨中に存在する硫酸はコンクリート中のセメント水和物と反応し, 環境的, 材料的, 構造的な要因が複雑に絡み合って, さまざまな形態でコンクリートの劣化を引き起こす. 本研究では, 硫酸濃度やコンクリートの性質といった基礎的要因が劣化に与える影響の検討から, 内部鉄筋の腐食劣化形態の解明など, 色々な角度からこの問題の解決に向けて取り組んでいる. これまでにpH0.5〜1.0程度の高濃度の硫酸中にコンクリートを浸漬すると水セメント比が小さいほど腐食劣化が進むといった注目すべき結果が得られた. 現在はそのメカニズムについて詳しく調査しており, セメント水和物量および細孔空隙量がコンクリートの腐食劣化に大きな影響を及ぼすことなどが明らかになっている.

欠陥を有するコンクリート構造物の耐久性評価に関する検討(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 大学院学生 塚原 絵万
コンクリート構造物の耐久性を評価するとき, 最も影響を及ぼす因子として"欠陥(ひび割れ等)"の存在が考えられる. なぜなら, 欠陥は構造物の耐久性能の低下を引き起こす侵入物質の侵入速度を加速する効果があるためである. 本研究では, 欠陥を有するセメント硬化体を対象に, その物質移動を定量的に解明することを目的とする. 配合条件, 欠陥(直接引張試験, 疲労試験)の有無を要因として透気・透水試験を行いその影響度を定量的に表現する. 研究の特色は, 欠陥の付与方法として実構造物を想定した引張挙動とした点, 表面ひび割れおよび表面ひび割れが生じる前の内部損傷を対象としている点にある. 現状では, 疲労等の構造的要因により生じた内部欠陥の結果として生じる耐久性能低下の加速に関する評価は皆無である. これに対して, 本研究では損傷度(応力度)に応じた物質移動性状を定量的に算出することが可能となる. そのため, 本研究の成果と構造解析との連成解析(本研究の対象外)を行うことにより, 実現性に近い状態でコンクリート構造物の耐久性能を評価することが可能となる.

コンクリート表面保護材料(塗膜)の耐疲労性に着目した実験的研究(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 技術官 西村 次男, 研究実習生 奥山 康二
コンクリート構造物は, 多くの立地条件のもとで様々な劣化現象が現れる. 主にコンクリートの劣化に大きな影響を与えるCl−やCO2の外的要因を防御する対策, またコンクリート表面に現れるひび割れに対する簡単な延命対策として, コンクリート表面保護材料(塗膜)が使用されている. これら塗膜には, 様々な要求性能が存在しているが, その性能を評価する方法としては化学的な性質に着目されたものが多いのが現状である. 物理的な評価としては, 「ひび割れ追従性試験(静的引張試験)」があるが, 疲労荷重がかかる構造物を考慮した場合のひび割れ追従性は非常に重要な要因となってくる. 本研究では, 一般的に使われている塗膜材料をモルタル試験体に塗布し, 塗膜の耐疲労性に着目し疲労試験を行い, 新たな材料の評価方法を検討する.

マルチスペクトルを用いたコンクリート構造物劣化診断に関する基礎的研究(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 研究実習生 奥山 康二
コンクリート構造物の劣化診断を行う場合, 表面の状態が非常に重要である. 逆に表面の状態を知ることができれば, ある程度の劣化原因が特定できることになる. このマルチスペクトルという手法は構造物からの反射エネルギーを測定し, 物質特有のスペクトルを得ることにより, その構造物の表面に存在する元素の特定をするものである. 本研究ではコンクリート表面に付着した幾つかの元素の有無をスペクトルから判断することを目的とする.

非接触状態での電磁波レーダ法によるコンクリートの内部探査に関する研究(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 研究実習生 宮本 一成
近年のコンクリート剥離事故の発生等から, トンネル構造物のライニングの全断面検査が望まれている. 現状の検査手法としては, 電磁波レーダによりライニング厚さ, コンクリート内部の性状, 背面空隙を測定する非破壊検査が挙げられる. しかし, この手法は測定装置をコンクリート表面に接触させて測定するものであり, 検査効率が悪く, 広大な範囲を測定する方法として実用的でないことから, より実用性に富んだ測定手法が求められている. そこで本研究では, 測定装置をコンクリート表面から離した状態でライニング厚さや内部性状を探査し, その際の測定装置とコンクリート表面の間隔や測定に最適な周波数についての検討を行い, 非接触状態における電磁波レーダの適用性を検討している.

温度解析とサーモグラフィーによるコンクリートの斜めひび割れ状態の推定(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 研究実習生 高羅 信彦
近年, サーモグラフィー法を適用したコンクリートの内部評価試験が注目されている. 特にコンクリート部材に斜めひび割れが存在する場合, 投光機をあてると部材の薄いところから順に吸熱することが知られており, 経験的にその部分に欠陥があると推定することができる. しかし, 表面での温度分布は投光機の電圧やひび割れの状態に大きく影響を受けるため定量的な評価ができないのが現状である. そこで本研究では, 斜めひび割れコンクリートの表面を投光機で加熱し, 深さ方向での温度分布状態をサーモグラフィーと温度解析により求め, 一致させることを目的とした. また最終的には, これを利用し表面の温度分布状態のみでコンクリートの斜めひび割れ状態の推定することを目的とした.

位置と劣化度を考慮したレーザドップラー変位計を用いた構造物の診断手法の開発(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 大学院学生 Nathan Chiristianto
構造物の劣化診断における方法について近年主に考えられている. ここに研究開発したのはレーザドップラー変位計で構造物の振動情報を測定し, タイムドメインシステムのアルゴリズムでその値を出力し, ひずみエネルギーで構造物の内部にある, 隠れた劣化の量と位置を推定するものである. それらの方法を組み合わせることでほかの非破壊検査方法を用いることなく部分的な劣化情報を得ることができるのである. 開発した方法の適用性を確かめるためにいくつかの劣化した(コンクリート)構造物での測定と実験的なコンクリート梁を用いて実験している.

DEMと実験を用いた吹付けコンクリートの解析(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 大学院学生 Quoc Huu Duy Phan
吹付けコンクリートは1907年以来100年近く用いられてきた高圧で吹付けるコンクリートである. 吹付けコンクリートの品質は様々な施行や材料によって左右される. 過去において本研究室で吹付けコンクリートの二次元数値解析は行われてきた. 本研究は貴重な研究の拡張として三次元個別要素法(DEM)を用いて, 異なった吹付け条件, 物質, 配合, 加速度を考慮した吹付け過程をモデル化するものである. シミュレーションの結果, DEMは定量的にも定性的にも吹付け過程をシミュレートする道具として優れていた. 一方で耐久性や強度, リバウンド率なども含めて実験により吹付け条件や材料の様々な要因の影響を明らかにしている.

コンクリート構造物の常時モニタリング手法の開発 (新規)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 大学院学生 金田 尚志
日本の社会基盤整備における重要な課題は,供用されている既存構造物をいかに効率よく維持管理を行うことである.今後,人口減少期に入り建設分野の技術者も減少していくと考えられるが,建設後数10年が経過し補修,補強を必要とする構造物が増加していくため,従来の技術者による点検では限界がある.高い信頼性を有する常時モニタリング手法の開発がこの問題を解決する一歩である.光ファイバー網等の利用により,大量のデータを遠隔地にリアルタイムで転送できるようになり,常時モニタリングの環境構築は容易になってきた.本研究ではコンクリート構造物を対象とし,高精度,高耐久性,低コストのセンサー,常時モニタリング手法について検討する.

使用材料が吹付けコンクリートの施工性に及ぼす影響(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 共同研究員 石関 嘉一
本研究は, 吹き付けコンクリートの混和剤に注目し, 結合剤および細骨材の一部をこれらの混和剤と置換することにより混和剤が吹付けコンクリートの圧送性状にどのように影響するか検討した. また, 室内実験においてコンクリート中のモルタルが吹付けコンクリートの圧送性状にどのような影響を及ぼすかレオロジー試験を実施し検討した.

ニューラルネットワークによる吹き付けコンクリートの品質推定(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 共同研究員 細川 佳史
本研究は各種急結剤・混和剤を使用した施工条件等が異なる吹付けコンクリートの品質を推定することを目的として行ったものであり, 2つのニューラルネットワークを組み合わせることによって, 配合条件, 吹付け条件および練り混ぜ性状から, 実際に吹付け実験を行うことなく, 強度・リバウンド率の推定が可能であることを示した.

床版防水工がコンクリート床版に及ぼす影響(継続)
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 大学院学生 野村 謙二
高機能舗装の採用, 凍結防止剤として塩化ナトリウムの散布の増加など, 道路橋の鉄筋コンクリート床版は以前よりも一層過酷な環境に置かれるようになってきた. 鉄筋コンクリート床版の耐久性向上の有効な対応策として床版防水工がある. アスファルトとコンクリート床版に挟まれた箇所に敷設される床版防水工の効果についての研究は極めて少ない. このため, 現行の床版防水工の効果はどの程度なのか, 要求する性能を満たすためにはどのようにすればよいのかを明らかにすることを目的として研究を行っている.

微破壊検査による既設コンクリート構造物の耐久性評価
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人, 共同研究員((財)首都高速道路技術センター)渡部 聡子
コンクリートコアの化学成分・pH等を測定するとともに,EPMAにより化学成分の面分析を行い,既設コンクリート構造物の耐久性を総合的に評価する.

補修した既存鉄筋コンクリート構造物の力学的特性
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本健人,大学院学生 Harsha Priyankara Sooriyaarachchi
鉄筋コンクリート構造物は種々の劣化が生じているが,維持管理のためには各種の補修を行う必要が生じる.一般的に行われている補修方法は断面修復とコーティングの併用である.本研究では断面修復等行った鉄筋コンクリート梁がどのような力学的挙動を示すかを実験的に調べ,問題点の抽出と対策に関する実験・解析を行っている.

各種要因がPCグラウトの充填性に及ぼす影響
教授 魚本 健人[代表者],教授 魚本 健人,研究実習生 宮本 一成
PCグラウトは,その品質や施工の良否によってPC構造物の耐久性に大きな影響を与えることが言われており,シース内のPC鋼材まわりの隙間にグラウトを完全に充填させることが必要である.近年のノンブリージングタイプグラウトの普及に伴い,粘性を高めてシース内を充満させながらグラウトを注入し,空気の残留を防止するような施工方法も用いられているが,粘性を高めることによるデメリットとして,施工性の低下等が挙げられる. そこで,本研究では,PCグラウトの流動特性,シース径や配置条件,施工性を要因として挙げ,これらがPCグラウトの充填性にどのような影響を与えるか検討を行った.

コンクリートの品質に対する化学混和剤の作用効果に関する研究
教授 魚本 健人[代表者],教授・魚本健人,受託研究員・杉山知巳
コンクリートの品質,特に硬化コンクリートの耐久性を論じうる上で,使用材料や配合条件がコンクリートの空隙構造に与える影響を検討することは非常に重要である.また,近年コンクリート製造に欠かせない材料の一つになっている化学混和剤に関しては,空隙構造に対する作用効果が明確になっていない. そこで,化学混和剤の持つ種々の特性が,硬化コンクリートに及ぼす影響を明らかにすることを目的とし,様々な化学混和剤,中でも最も頻繁に用いられている減水剤系の混和剤を中心に,減水性,凝結遅延性,空気連行性等の特性が,硬化体の空隙構造形成過程に与える影響を明確にする.

ハイパースペクトル計測によるコンクリート劣化の非破壊計測手法の開発
教授 安岡 善文[代表者],教授安岡善文・助手越智史郎・大学院生遠藤貴宏・有田 淳・佐々木顕一郎
トンネルや高架橋のコンクリート劣化度を評価することを目的として,高い分解能で計測対象物のスペクトル特性(分光特性)を計測するハイパースペクトル計測により,中性化,塩化,硫化などによるコンクリート劣化を非破壊で計測する手法を開発する.2001年度は,実験室レベルで,中性化,塩化によるコンクリートの劣化深さを計測する手法を開発した.さらに,これらの劣化をコンクリートの汚れなどによる変化と判別する手法の検討を行った.

リモートセンシングによる環境・災害評価手法の研究
教授 安岡 善文[代表者],教授安岡善文・助手越智史郎・博士研究員Tran Hung・大学院生Jan Kucera・遠藤貴宏・高橋俊文・Munzul Hazarika・Guo Tao・竹内 渉・有田 淳・曽根 貢・中川敏正
人工衛星からのリモートセンシングデータを利用して,地表面の被覆状況,植生分布などを計測し,都市・地域スケールから大陸・地球スケールまでを対象として,環境・災害に関する各種のパラメータを評価する手法を開発する.2001年度においては,新たに地球観測衛星TERRA/MODISデータの受信・処理設備を設置し,東アジアの衛星観測ネットワークを構築した.さらに,これらのデータを利用して,シベリア地域の湿原,アジアの水田からのメタン発生量の推定,シベリア森林地域における火災による温暖化ガス放出量の評価等を行った.また,都市スケールでは高解像度衛星データ等を利用した都市の3次元構造の計測,アジア諸都市のヒートアイランドの評価等を行った.

ハイパースペクトル計測による生態系パラメータの計測手法の開発
教授 安岡 善文[代表者],教授安岡善文・助手越智史郎・大学院生遠藤貴宏・高橋俊文
陸域生態系による光合成能や二酸化炭素の吸収・放出量を評価することを目的として,高い分解能で計測対象物のスペクトル特性(分光特性)を計測するハイパースペクトル計測により,植物の光合成速度,クロロフィル,リグニン,セルロース,水分含有量などの生物・生理パラメータを計測する手法を開発する.2001年度は,実験室レベルで,植生の光合成速度,クロロフィル量等を画像観測するハイパースペクトルイメジャーを開発し,植物の機能パラメータを評価した.

ハイパースペクトル計測によるコンクリート劣化の非破壊計測手法の開発
教授 安岡 善文[代表者],教授安岡善文・助手越智史郎・大学院生遠藤貴宏・有田 淳・佐々木顕一郎
トンネルや高架橋のコンクリート劣化度を評価することを目的として,高い分解能で計測対象物のスペクトル特性(分光特性)を計測するハイパースペクトル計測により,中性化,塩化,硫化などによるコンクリート劣化を非破壊で計測する手法を開発する.2001年度は,実験室レベルで,中性化,塩化によるコンクリートの劣化深さを計測する手法を開発した.さらに,これらの劣化をコンクリートの汚れなどによる変化と判別する手法の検討を行った.

地震災害環境のユニバーサルシミュレータの開発
助教授 目黒 公郎
本研究の目的は「自分の日常生活を軸として」,地震発生時から,時間の経過に伴って,自分の周辺に起こる出来事を具体的にイメージできる能力を身につけるためのツールの開発と環境の整備である.最終的には,地震までの時間が与えられた場合に,何をどうすれば被害の最小化が図られるかが個人ベースで認識される.地震災害に関係する物理現象から社会現象にいたるまでの一連の現象をコンピュータシミュレーションすることをめざしている.前者の物理現象編は,AEMやDEMなどの構造数値解析手法と避難シミュレーションを中心的なツールとして,後半の社会現象編は,災害イマジネーションツール(目黒メソッド)や次世代型防災マニュアルを主なツールとしている.

地震災害環境のユニバーサルシミュレータの開発
助教授 目黒 公郎
本研究の目的は「自分の日常生活を軸として」,地震発生時から,時間の経過に伴って,自分の周辺に起こる出来事を具体的にイメージできる能力を身につけるためのツールの開発と環境の整備である.最終的には,地震までの時間が与えられた場合に,何をどうすれば被害の最小化が図られるかが個人ベースで認識される.地震災害に関係する物理現象から社会現象にいたるまでの一連の現象をコンピュータシミュレーションすることをめざしている.前者の物理現象編は,AEMやDEMなどの構造数値解析手法と避難シミュレーションを中心的なツールとして,後半の社会現象編は,災害イマジネーションツール(目黒メソッド)や次世代型防災マニュアルを主なツールとしている.

災害の現地調査
助教授 目黒 公郎[代表者],大学院学生 RAMANCHARLA Pradeep Kumar・Mayorca Arellano Julisa Paola・秦 康範・吉村 美保・近藤 伸也
地震や洪水などの自然災害,大規模な事故などが発生した場合,国内,国外を問わず,現地調査を行っている.最近では,以下のような調査を行い,災害の様子を記録するとともにその影響を分析している.(1) 2000年9月東海豪雨災害,(2)2000年10月鳥取西地震,(3)2001.1.13エルサルバドル地震,(4)2001.3.24芸予地震調査団,(5)2001.6.23ペルー地震,等.

構造物の地震時崩壊過程のシミュレーション解析
助教授 目黒 公郎[代表者],大学院生 新倉一郎,西之谷香奈
平成7年1月17日の兵庫県南部地震は, 地震工学の先進国と言えども構造物の崩壊によって多数の犠牲者が発生しうることを明らかにした. 本研究は地震による人的被害を軽減するために, 地震時の構造物の破壊挙動を忠実に(時間的・空間的な広がりを考慮して)再現するシミュレーション手法の研究を進めている. すなわち, 破壊前の状態から徐々に破壊が進行し, やがて完全に崩壊してしまうまでの過程を統一的に解析できる手法を開発し, 様々な媒質や構造物の破壊解析を行っている. そして解析結果と実際の地震被害の比較による被害発生の原因究明と, コンピュータアニメーションによる地震被害の再現を試みている.

地下の地震断層変位が地表地盤に与える影響度評価
助教授 目黒 公郎[代表者],大学院学生 RAMANCHARLA Pradeep Kumar
1999年に発生したトルコ・コジャエリ地震や台湾・集集地震では, 地震断層運動による表層地盤の変状が, 多くの土木構造物や建築構造物に甚大な被害を与えた. 本研究は, 破壊現象を高精度に追跡できるAEM(Applied Element Method)を用いたシミュレーションから, 地下の断層運動が表層地盤に与える影響を分析するものである.

非連続体の挙動シミュレーションに関する研究
助教授 目黒 公郎[代表者],大学院学生 榎本 咲美
少し離れた位置からは「連続体の挙動」のように見えるが, 実はばらばらなある大きさの運動単位が, 適当な約束(必ずしも物理的な法則のみではない)に従って, 全体として挙動している現象が多く見られる. 砂時計の砂の運動や朝夕の通勤客, 自動車の流れなどはその典型である. これらの「挙動」は, 連続体の運動として近似できる場合もあるが, 適当な大きさの非連続な物体の集合体の挙動として扱わないと, その現象を適切に理解することはできないことも多い. 本研究室では物理的な約束に支配される現象の代表として, 「土石流」や「砂地盤の液状化現象」, 「地震時の家具の動的挙動」を非連続体解析手法を用いてシミュレーションしメカニズムを研究している. 避難行動など人間に絡んだ挙動については, 「災害時の避難行動特性のシミュレーションと空間の安全性評価」を参照されたい.

地域特性と時間的要因を考慮した停電の都市生活への影響波及に関する研究
助教授 目黒 公郎[代表者],助教授 山崎 文雄, 大学院学生 秦 泰範
近年, 都市生活の電力への依存が高まる一方で, 自然災害や事故などの様々な原因による停電被害が発生し, 都市機能に大きな影響を及ぼしている. 停電の影響は, 電力供給システムの構造から, 配電所の供給エリアを単位として相互に影響し合い, しかもエリアごとの「電力需要状況・住民特性・産業構成などの地域特性」「停電の原因となる災害の規模」「停電発生時刻や継続時間などの停電特性」等によって, 大きく変化する. そこで本研究では, 配電所の供給エリアを単位とした地域特性と, 停電の発生時刻・継続時間を考慮した都市生活への停電の影響評価法の研究を進めている. 今年度は, 地理情報システムを用いて, 東京23区の314箇所の配電用変電所の電力需要と地域特性のデータベースの構築とその分析を行い, 供給エリア内の大口需要家の影響を含めた考慮した地域特性と, 停電の発生時刻・継続時間を考慮した停電の影響評価モデルの構築を進めている.

電力供給量の変化を用いた地震被害状況と復旧状況の把握に関する研究
助教授 目黒 公郎[代表者],大学院学生 秦 康範
地震直後の被災地域の特定と被害量の把握は, 防災関連機関の初動を決定する上で極めて重要である. 本研究は地震前後の電力供給データを用いて, 地域ごとの被害推定を試みるものである. すなわち, 配電用変電所の供給エリアを地域単位として, 地震前の電力需要から地域特性を把握するとともに, 地震後の電力供給量の落ち込み具合から供給エリア内の建物被害を推定する手法を提案するとともに, 両者の関係について分析している. 分析結果からは, 地震後の電力供給量の低下は地域の建物被害と高い相関を持つことが確認されるとともに, 提案手法が, リアルタイム評価が可能, 新たな設備投資がほとんど不要, 天候や時刻に左右されない観測が可能, など有利な点を多く有し, 実用に向けて大きな可能性があることが示されている.

総合的な地震防災対策立案のための「最適な復旧・復興戦略」に関する研究−ライフラインの復旧活動を対象として−
助教授 目黒 公郎[代表者],大学院学生 秦 康範
総合的な地震防災対策の立案のために「最適な復旧・復興戦略」のあり方を研究するものである. 阪神・淡路大震災では様々なタイプの被害が発生したが, 「最適な復旧・復興戦略」がなかったことがその後の大きな混乱を生んだことは周知の事実である. 現在研究の第一歩として, 兵庫県南部地震後のライフライン各社の復旧・復興活動を時間・空間的に分析し, 「ライフライン全体としての最善」を実現する復旧・復興活動のための相互協力体制を含めた戦略を探っている. この背景には, 震災後のライフライン各社の活動が「自社の最善」に向けた活動に終始し, 「全体としての最善」になっていなかった反省がある.

効果的な地震対策支援システムの開発に関する研究
助教授 目黒 公郎[代表者],大学院学生 吉村 美保, 濱田 俊介,近藤 伸也
兵庫県南部地震以降, 「雨後の竹の子」的に全国の自治体を中心として様々な「地震防災システム」が生まれた. しかしこれらの多くは, 既存のシステムを(ブラックボックス的に?)違う場所に適用しただけの早期地震被害予測システムであり, 地域の地震防災力を高めることに具体的に貢献するとは思えないものもである. このような状況を踏まえ, 本研究では効果的で投資効果の高い地震対策を講じるための地震対策支援システムの開発を進めている. 地震防災システムが持つべき機能の整理に基づいて, 地域の弱点の抽出や異なる事前対策に対する投資効果の評価が可能であるなどの機能を有する「最適事前対策立案支援ツール」の開発を行っている.

実効力のある次世代型防災マニュアルの開発に関する研究
助教授 目黒 公郎[代表者],客員教授 高橋 健文,大学院学生 濱田 俊介,近藤 伸也
本研究は地域や組織の防災ポテンシャルを具体的に向上させる機能を持つマニュアルを開発するものである. 具体的には, 現状のマニュアルの性能分析機能, 目的別ユーザ別編集機能, 当事者マニュアル作成支援機能などを有したマニュアルである. このマニュアルによって, 災害発生以前に地域や組織が有する潜在的危険性の洗い出し, その回避法, 事前対策の効果の評価などが可能となる. このコンセプトを用いた防災マニュアルの作成を,内閣府,首都圏の自治体,東京大学生産技術研究所を対象として進めている.

組積造構造物の経済性を考慮した効果的補強手法の開発
助教授 目黒 公郎[代表者],大学院学生 Mayorca Arellano Julisa Paola・Bishnu H.Pandey
世界の地震被害による犠牲者の多くは,耐震性の低い組積造構造物の崩壊によって生じている.本研究の目的は,耐震性の低い既存の組積造構造物を,それぞれの地域が持つ技術と材料を用いて,しかも安く耐震化できる手法を開発することである.防災の問題では,「先進国の材料と技術を使って補強すれば大丈夫」と言ったところで何ら問題解決にはならないためだ.一つの目的は,上記のような工法や補強法を講じた構造物とそうでない構造物の地震時の被害の差を分かりやすく示すシミュレータの開発であり,建物の耐震化の重要性を一般の人々に分かりやすく理解してもらうための環境を整備するためのものである.

既存不適格構造物の耐震改修を推進させる制度/システムの研究
助教授 目黒 公郎[代表者],客員教授 高橋 健文,大学院学生 高橋 健
我が国の地震防災上の最重要課題は,膨大な数の既存不適格構造物の耐震補強(改修)対策が一向に進展していないことである.既存不適格建物とは,最新の耐震基準で設計/建設されていない耐震性に劣る建物であり,これらが地震発生時に甚大な被害を受け,多くの人的・物的被害を生じさせるとともに,その後の様々な2次的,間接的な被害の本質的な原因になる.このような重要課題が解決されない大きな理由は,震補強法としての技術的な問題と言うよりは,市民の耐震改修の重要性の認識度の低さと,耐震補強を進めるインセンティブを持ってもらう仕組みがないことによる.本研究は,行政と市民の両者の視点から見て耐震補強をすることが有利な制度,実効性の高い制度を提案するものである.

地震予知情報の工学的な活用法に関する研究
助教授 目黒 公郎[代表者],大学院学生 吉村 美保
我が国では, 1965年以来地震予知研究が行なわれており, 東海地震の危険性が指摘されている東海地域においては, 大規模地震対策特別措置法に基づき地震予知情報を発表する体制が整えられている. しかしこの体制は, 大規模な地震が高い確率で予知されることを前提としているため, 万一予知が空振りに終わった場合にこれらの影響は1日7200億円にものぼると試算されている. 地震予知をとりまくこのような状況は, 結果的に予知の空振りが許容されにくい環境と不確実性の高い情報の公開を困難とする状況を作り出している. 本研究は不確実性を伴った予知情報を防災対策に活用するための考え方, すなわち, 地震発生までの猶予時間とその精度に応じて適正に活用する戦略について研究するものである.

災害の現地調査
助教授 目黒 公郎[代表者],大学院学生 RAMANCHARLA Pradeep Kumar・Mayorca Arellano Julisa Paola・秦 康範・吉村 美保・近藤 伸也
地震や洪水などの自然災害,大規模な事故などが発生した場合,国内,国外を問わず,現地調査を行っている.最近では,以下のような調査を行い,災害の様子を記録するとともにその影響を分析している.(1) 2000年9月東海豪雨災害,(2)2000年10月鳥取西地震,(3)2001.1.13エルサルバドル地震,(4)2001.3.24芸予地震調査団,(5)2001.6.23ペルー地震,等.

風力発電の立地選択のためのCFDに基づく風況予測手法の開発と検証(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

建物周辺の乱流構造に関する風洞模型実験と数値シミュレーションによる解析(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

パッシブ喫煙に関する研究(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

室内気流の乱流性状と拡散機構に関する数値シミュレーション手法の開発研究(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

大空間の温熱空気環境の数値シミュレーションと模型実験による予測,解析法の開発(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

風洞実験・室内気流実験で用いる風速並びに風圧変動測定方法の開発に関する研究(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

室内気流の乱流シミュレーションとレーザー可視化,画像処理計測手法の開発研究(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

室内温熱環境と空調システムに関する研究(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

数値サーマルマネキンの開発(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

市街地における物質拡散に関する数値シミュレーションと風洞実験(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

風工学における数値乱流風洞の開発研究(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

都市気候のモデリングに関する研究(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

室内化学物質空気汚染の解明と健康居住空間の開発(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

高密度居住区モデルの開発研究(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

環境感性工学の開発(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

室内の換気・空調効率に関する研究(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

風力発電の立地選択のためのCFDに基づく風況予測手法の開発と検証(継続)
助教授 大岡 龍三
「都市基盤安全工学国際研究センターの項目を参照」

風力発電の立地選択のためのCFDに基づく風況予測手法の開発と検証(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,研究員 持田 灯,技術専門職員 高橋 岳生,大学院学生 大津 朋博・Mohamed Fathy Yassin
風力発電サイトの最適な立地地点を選定するために,広範な観測を実施することは困難である.そこで,数値モデルによる風況予測を行わざるを得ないが,日本の地形は起伏に富んでおり,既存の線形風況予測モデルの適用限界を超えている.本研究の目的は,傾斜勾配が5%を越える地域にも利用でき,風車立地候補地点近傍の正確な予測を行える局所的風況予測モデルを開発することである.本年度は,二次元丘陵モデルならびに段丘モデル周囲の気流性状について風洞模型実験並びにCFDによる検討を行った.

建物周辺の乱流構造に関する風洞模型実験と数値シミュレーションによる解析(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,技術専門職員 高橋 岳生,協力研究員 飯塚 悟,大学院学生 大津 朋博
建物周辺で発生する強風や乱れの構造に関して,風洞実験や数値シミュレーションにより検討している.建物のようなbluff body周りの複雑な流れ場を予測する場合,標準k-εモデルは種々の問題を有する.特に,レイノルズ応力等の渦粘性近似は流れ場によりしばしば大きな予測誤差の原因となる.本年度は,境界層流中に置かれた高層建物モデル周辺気流の解析にLK型をはじめ,各種のk-εモデルや応力方程式モデルによる解析を行い,その予測精度を比較,検討した.

パッシブ喫煙に関する研究(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,助手 白石 靖幸,大学院学生 梁 禎訓・富永 正道
室内における受動的喫煙量を室内のCFDによる気流解析から検討している.人体発熱による熱上昇流及びタバコ煙の熱上昇流が受動的喫煙量の多寡に大きく影響することが明らかになっている.本年度も昨年に引き続き,静穏気流下及び混合換気性状下の室内でタバコ煙がどの様な拡散性状をとり,隣接する人体にどう影響を与えるかを検討した.

室内気流の乱流性状と拡散機構に関する数値シミュレーション手法の開発研究(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,研究員 近藤 靖史,協力研究員 飯塚 悟・伊藤 一秀
本研究は,室内で発生する汚染質による空気汚染や効率的な空調を行うための気流設計の基礎資料を整備しようとすることを目的としている.本年度も昨年に引続き,温度安定成層内で,浮力による乱流拡散が抑制される効果を導入した低Re数型k-εモデルを温度変動の分散の輸送方程式を連立して不安定流れ場に拡張し,その効果を検討した.また,精密模型実験結果と比較し,その精度を検証した.

大空間の温熱空気環境の数値シミュレーションと模型実験による予測,解析法の開発(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,技術専門職員 高橋 岳生,博士研究員 張 賢在,大学院生 菅 健太郎
屋内体育館や劇場,アトリウム等の大空間内部の温熱空気環境を模型実験,数値シミュレーションにより予測する手法の開発を行う.本年度も昨年度に引き続き,自然換気により環境調整される屋内体育館に関してその通風性状を数値シミュレーションにより検討した.

風洞実験・室内気流実験で用いる風速並びに風圧変動測定方法の開発に関する研究(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,研究員 小林 信行・近藤 靖史,技術専門職員 高橋 岳生,大学院学生 大津 朋博
建物周辺気流に関する風洞実験や室内気流実験で用いる平均風速,風速変動の3次元計測が可能な風速測定器の開発・実用化および変動風圧の測定法等の開発に関し,研究を進めている.本年度も前年度に引き続き,PIV流速計により等温室内気流,および非等温室内気流の乱流統計量を測定し,その特性を解析した.

室内気流の乱流シミュレーションとレーザー可視化,画像処理計測手法の開発研究(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,助手 白石 靖幸,協力研究員 伊藤 一秀,大学院学生 太田 直希
室内気流を対象とした乱流シミュレーション・可視化計測による流れ場,拡散場の予測,解析,制御のための手法の開発を行う.特に,レーザー光を用いた流れの可視化による定性的な把握とともに,定量的な計測を行うシステムの開発研究に重点を置く.模型実験での可視化により得られた流れ性状を数値化してシミュレーション結果と比較し,その精度向上に務めた.

室内温熱環境と空調システムに関する研究(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,協力研究員 近本 智行,リサーチ・アソシエイト 金 泰延,博士研究員 張 賢在,大学院学生 宋 斗三・中野 亮
良好な室内環境を得るための最適な空調システムに関して,模型実験・数値シミュレーションにより研究している.中でも放射パネルを用いた冷房方式は,全空気方式に比べ冷風吹出しによるドラフトリスクが軽減される等の有利な点を持つ方式である.本年度も前年度に引き続き,オフィス空間を対象として,冷房しながら自然換気を行った場合(自然換気併用ハイブリッド空調)の有効性と理想的な空調拡散のあり方についてCFDにより解析を行っている.今年度は夏季のような厳しい外気条件の下での室の天井高の違いや放射パネル高さの違いが温熱環境性状および冷房負荷に与える影響について検討した.

数値サーマルマネキンの開発(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,助手 白石 靖幸,研究員 田辺 新一,大学院学生 梁 禎訓・富永 正道
本研究は,サーマルマネキン等を用いた実験に基づいて行われている人体とその周辺の環境場との熱輸送解析を,対流放射連成シミュレーション,さらには湿気輸送シミュレーションとの連成により,数値的に精度良くシミュレートすることを目的とする.本年度は四肢と顎部,胸部などの局部形状を詳細にモデル化した人体モデルを作成し,この人体モデルを用いたCFD解析により,人体局所形状の影響を考慮して,人体吸気領域の検討を行った.

市街地における物質拡散に関する数値シミュレーションと風洞実験(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,研究員 上原 清,技術専門職員 高橋 岳生,大学院学生 Mohamed Fathy Yassin
建築物,自動車から排出されるガスによる市街地の空気汚染に関して,風洞実験や乱流数値シミュレーションを行い,市街地内の汚染質の拡散機構,空気汚染に対する建築分野における対策を明らかにする.本年度は実在の市街地交差点について風洞模型実験を行い,キャニオン内部の流れの変化についてレーザー風速計を用いて計測した.

風工学における数値乱流風洞の開発研究(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,研究員 持田 灯,協力研究員 飯塚 悟・伊藤 一秀
本研究は,風工学における乱流を対象とする数値風洞の開発を目的としている.数値風洞は,現在風洞実験で行っている実験的検討をある程度数値シミュレーションにより代替しようとするものである.本年度は昨年に引き続きBluff Body周りなどの流れの解析に有効と考えられるLagrangian Dynamic Mixed SGS Modelを2次元角柱周辺気流のLESに適用し,他のモデルによる結果並びに実験結果と比較した.また,LESで必要とされる流入風の乱れを人工的に簡易に生成する方法に関して検討し,波数空間の3次元エネルギースペクトルの理論を用いて流入風を生成するシステムを開発した.

都市気候のモデリングに関する研究(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,助手 白石 靖幸,研究員 森山 正和,協力研究員 成田 健一,研究員 持田 灯,博士研究員 KIM Sangjin,大学院学生 原山 和也
本研究は,現在理工学の様々な分野で行われている都市気候問題の数値シミュレーション手法を吟味し,都市・建築に関わる種々のスケールに最適なモデリング手法を開発することを目的としている.本年度は,室内環境解析で提案されている温熱環境形成寄与率CRI(Contribution Ratio of Indoor Climate)を屋外環境解析に適用する改良した屋外温熱環境形成寄与率CRO(Contribution Ratio of Outdoor Climate)を提案し,その応用例を示した.

室内化学物質空気汚染の解明と健康居住空間の開発(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,研究員 伊香賀 俊治・田辺 新一・近藤 靖史,協力研究員 伊藤 一秀,外国人特別研究員 朱 清宇,大学院学生 太田 直希
建築物・住宅内における化学物質空気汚染に関する問題を解明し,健康で衛生的な居住環境を整備する.研究対象物質としてホルムアルデヒド,VOC,有機リン系農薬及び可塑材に着目する.これら化学物質の室内空間への放散及びその活性化反応を含めた汚染のメカニズム,予測方法,最適設計・対策方法を解明すること,その情報データベースの構築を目的とする.本年度も昨年度に引き続き,建築生産の現場で頻繁に使用されるペイント類に着目し,ペイントからの化学物質放散性状について検討した.また,室内居住域の化学物質濃度を健康で衛生的な範囲内に留めるための多岐にわたる建材使用の条件,室内換気方法,除去分解方法を具体的に提案する.

高密度居住区モデルの開発研究(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,研究員 伊香賀 俊治,助手 白石 靖幸,大学院学生 平野 智子・上原 瞳
人口爆発を止めることは困難であり,人類は好むと好まざるに拘らず,都市において高密度居住の道を選ばざるを得ない.高密度居住を積極的に利用して,効率的で,高いサステナビリティ性を備えた,そして環境負荷の少ない居住区モデルを開発する.本研究では,都市負荷の最小化を目指して高密度居住区を計画し,その環境負荷削減効果を明らかにするとともに食料生産,ヒーリング等のための耕地地区,緑地地区と高密度居住地内のバランスのとれた配置計画方法を提案する.本年度は劣悪な室内温熱環境を改善する方法の一つとして考えられている通気層を有する二重屋根についてその改善効果を検討した.また,外部環境を効率的に室内に取り組み省エネルギー的に室内環境を調整しうるポーラス型建物モデルを提案し,その有効性について検討した.

環境感性工学の開発(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,助手 白石 靖幸,大学院学生 宋 斗三・梁 禎訓・富永 正道
環境感性工学開発の第一段階として,空調による室内温熱環境における適用を検討する.室内の温熱環境シミュレーションシステムに,環境からの刺激に対して,環境に対し能動的に反応する人間要素を組み込み,環境制御のため投入したエネルギー量と人間の環境に対する不満足度を最小化するよう,環境−人間系システムを最適化する.この検討により,省エネルギーかつ,人間の感性に沿った空調システムを発見,選択することが可能となる.本年度も昨年に引き続き,サーマルマネキン(人体の放射性状をシミュレートするマネキン)を用いて様々な空間の温熱環境を計測,評価し,環境−人間系システムを検討した.

室内の換気・空調効率に関する研究(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,研究員 吉野 博,リサーチ・アソシエイト 金 泰延,協力研究員 伊藤 一秀,大学院学生 太田 直希・安服‐
室内の空気温熱環境の形成に預かっている各種要因とその寄与(感度)を放射および室内気流シミュレーションにより解析する.これにより一つの空調吹出口や排気口,また温熱源などが,どのように室内の気流・温度分布の形成に関わっているか,またこれらの要素が多少変化した際,室内の気流・温度分布がどのように変化するかを解析する.これらの解析結果は,室内の温熱空気環境の設計や制御に用いられる.本年度は暖房室内で開放型灯油ストーブを燃焼させた際の室内空気質の濃度分布性状について検討した.

風力発電の立地選択のためのCFDに基づく風況予測手法の開発と検証(継続)
助教授 大岡 龍三[代表者],助教授 大岡 龍三,教授 加藤 信介,研究員 持田 灯,技術専門職員 高橋 岳生,大学院学生 大津 朋博・Mohamed Fathy Yassin
風力発電サイトの最適な立地地点を選定するために,広範な観測を実施することは困難である.そこで,数値モデルによる風況予測を行わざるを得ないが,日本の地形は起伏に富んでおり,既存の線形風況予測モデルの適用限界を超えている.本研究の目的は,傾斜勾配が5%を越える地域にも利用でき,風車立地候補地点近傍の正確な予測を行える局所的風況予測モデルを開発することである.本年度は,二次元丘陵モデルならびに段丘モデル周囲の気流性状について風洞模型実験並びにCFDによる検討を行った.

複合精密加工システム(客員部門)

複合粒子研磨法の開発
客員助教授 榎本 俊之[代表者],客員教授 河田 研治・客員助教授 榎本 俊之・助手 盧 毅申・教授 谷 泰弘・受託研究員 相澤 龍司,高橋 敦哉,戸川 千裕,本保 聡史
通常の研磨加工では,研磨パッドは必要不可欠な鏡面仕上げ用工具であるが,一方でその目づまりなどに起因する諸問題が顕在化している.そこで研磨パッドを用いることなく,つまり研磨パッドフリーで鏡面仕上げを実現するために,キャリア粒子を第四の要素として加工の系に加えた複合粒子研磨法の開発を行っている.本年度は重要な加工要素であるキャリア粒子および工具プレート(定盤)に関する検討を行い,シリコンウェーハや水晶に対する本研磨法の有効性を確認した.

マイクロ/ナノ世界でのマニピュレーションに関する研究
橋本 秀紀[代表者],助教授 橋本 秀紀, 大学院学生 Baris Aruk, 安藤 慶昭
近年, フラーレン, カーボンナノチューブなどのナノスケールの新素材の発見に伴って, 超微粒子を位置決めする技術の需要が高まっている. そのため, 微小物体の力学的挙動の解明やそれに基づいたツールの開発が行われており, さまざまな操作手法や機構が提案され研究レベルで用いられている. 本研究では, テレオペレーション及びロボット制御技術を核として, 原子間力顕微鏡 (Atomic Force Microscope:AFM) をスレーブマニピュレータとして使用した, 10〜100nmサイズのナノ粒子操作を行うシステム構築を目指す. AFMをスレーブに使用する場合はマニピュレータとビジョンセンサの役割をプローブが担うため, AFMに特化したユーザインタフェースが必要となり, 現在開発を行っている. この研究によって, ナノ世界の物理学の理解を深めることができ, 最終的にはマイクロデバイスの組み立てといった産業応用や遺伝子操作といった自然科学研究への応用も期待できる.

東京大学国際・産学連携センター

ITS技術を用いた次世代の信号制御についての研究
教授 桑原 雅夫[代表者],教授 桑原雅夫, 助手 小根山裕之, 大学院学生 上杉友一
我が国の大都市の交差点では,1サイクル中に車両を捌ききれない過飽和交差点が非常に多く存在している.非飽和交差点においては待ち行列が常に解消されていくが,時間の経過にしたがって待ち行列が伸長する,過飽和交差点における信号制御には,従来の理論をそのまま適用することが出来ない.また,近年はITS技術の進展により,車両と車両探知機間で,より正確で多くの情報を双方向に通信することが可能となっている.そこで本研究では,これらのITS技術を活用し,従来の制御にとらわれない次世代の信号制御手法を提案することを目的とするものである.

交通流変化を考慮した自動車排出ガス量評価手法の研究(継続)
教授 桑原 雅夫[代表者],教授 桑原雅夫, 助教授(東京都立大学) 大口敬, 助手 小根山裕之
本研究では,道路交通による大気環境への影響評価を行うために,道路交通流の渋滞状況や交通量,交通制御(交通信号)などの影響を適切に考慮したNOx,CO2などの自動車排出ガス量の定量的な評価手法を確立する.車両の走行挙動特性と排出ガス量の関係及び道路交通流の状態量と個々の車両の走行挙動特性との関係を分析し,排出ガス量を推定するモデルを構築するとともに,交通シミュレーションモデルへの適用により,交通流改善政策による排出ガス削減効果を評価する.

都市街路網の交通流シミュレータの開発(継続)
教授 桑原 雅夫[代表者],教授 桑原雅夫, 助教授(高知工科大学)吉井稔雄, 民間等共同研究員 堀口良太, 助手 小根山裕之, 技術官 西川 功
本研究では, SOUND (a Simulation model On Urban Networks with Dynamic route choice)とAVENUE (an Advanced & Visual Evaluator for road Networks in Urban arEas)という2種類の交通シミュレーションモデルを開発している.ともに,経路の選択行動を内生化しているモデルで,新たに交通規制・制御などの政策が実施された場合の,利用者の経路の変化を表現できる構造を持つ.また,利用者層を交通情報(旅行時間情報,渋滞情報など)に反応して経路を選択するかどうかによって,いくつかのグループに分けてシミュレーションを実行することができる.SOUNDは,リンク数・ノード数が数百から数千の規模のネットワークに,AVENUEは,リンク数・ノード数が数十から数百の規模のネットワークに適用するモデルである.ともに,数多くの適用事例を通して,その実用性が検証されている.

通勤時における旅行者の出発時刻選択行動の理論的解析(継続)
教授 桑原 雅夫[代表者],教授 桑原雅夫, 大学院学生 井料隆雅
:通勤時のような需要集中時において,旅行者がどのように経路や出発時刻を選択し,どのような形態の混雑が発生するかを予測する事は,TDM(交通需要管理)施策を実施する際の理論的基礎として重要である.この研究では,主に個人間に費用関数が異なり,さらに居住地が空間的に分布している状況を想定し,利用者均衡時にどのような混雑が発生するか数学的モデルを用いて分析している.

交通流シミュレータに用いるパラメータの自動調整方法(継続)
教授 桑原 雅夫[代表者],教授 桑原雅夫, 教授(千葉工業大学)赤羽弘和, 助教授(高知工科大学)吉井稔雄, 大学院学生 Edy Purwono
交通環境改善施策による効果を事前に評価するツールのひとつとして交通流シミュレータが挙げられる.シミュレータには交通容量に代表されるネットワークパラメータが必要だが,渋滞状況などの交通状況を忠実に再現するためにはパラメータの微妙なチューニング作業が必要となる.チューニング作業では多くのパラメータを人手によって同時に調整しなければならないため,シミュレータ利用者にとって大きな負担となっている.本研究は,ボトルネック容量と旅行時間の関係に着目することにより,パラメータのチューニング作業がシステマティックかつ自動的に進む効率的なアルゴリズムの構築を目的とするものである.

東京都ロードプライシング導入に伴う交通運用政策に関する研究
教授 桑原 雅夫[代表者],教授 桑原雅夫, 助手 小根山裕之, 大学院学生 村上康紀
交通需要マネジメント(TDM)の1つとしてロードプライシングがある.これはあるエリア内に流入する車両に対して課金を行うことにより大量交通機関への手段変更や出発時刻の変更を促す施策であるが,同時に課金を避けるための経路変更などによって交通状況に変化をもたらす可能性を持つ施策である.本研究では,課金を行った場合における交通状況を本研究室で開発したシミュレーションモデルSOUNDを用いてシミュレートし,その結果から施策が行われた場合に生じ得る問題点を抽出し,とり得る対策についてを考察する.

ITS技術を用いた次世代の信号制御についての研究
教授 桑原 雅夫[代表者],教授 桑原雅夫, 助手 小根山裕之, 大学院学生 上杉友一
我が国の大都市の交差点では,1サイクル中に車両を捌ききれない過飽和交差点が非常に多く存在している.非飽和交差点においては待ち行列が常に解消されていくが,時間の経過にしたがって待ち行列が伸長する,過飽和交差点における信号制御には,従来の理論をそのまま適用することが出来ない.また,近年はITS技術の進展により,車両と車両探知機間で,より正確で多くの情報を双方向に通信することが可能となっている.そこで本研究では,これらのITS技術を活用し,従来の制御にとらわれない次世代の信号制御手法を提案することを目的とするものである.

極低消費電力・新システムLSI技術の開拓
教授 桜井 貴康
従来のトレンドより突出した超低消費電力・高速LSI技術を実現するために大学主導のもと産業界とも連携しながら,国際的視野に立って,この極低消費電力・新システムLSIのアーキテクチャや回路技術,デバイス技術のブレークスルーを創出し,学術的に体系化してわが国の競争力の源泉とすることを目的とする.

SOIデバイス,極低電圧SOI回路の有用性の評価
教授 桜井 貴康
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

ディープサブミクロン世代の設計法の研究
教授 桜井 貴康
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

超低電圧CMOS回路の研究
教授 桜井 貴康
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

極低消費電力・新システムLSI技術の開拓
教授 桜井 貴康
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

SOIデバイス,極低電圧SOI回路の有用性の評価
教授 桜井 貴康
極低電圧SOI回路設計論へのフィードバックダイナミックに電源電圧やしきい値電圧を切り替えるVdd,Vthホッピング等,低電力アーキテクチャとSOI回路の適合性,有用性を評価,実証する

ディープサブミクロン世代の設計法の研究
教授 桜井 貴康
ディープサブミクロン世代のLSIで問題となる消費電力の増大や高速データ転送技術に対処するため,低電圧回路や高速シリアルリンク回路などの低消費電力・高性能回路に関する研究を行う.

超低電圧CMOS回路の研究
教授 桜井 貴康
携帯機器用のシステムLSIの基盤技術であるCMOSの超低電圧動作回路技術を開発することを目的とする

極低消費電力・新システムLSI技術の開拓
教授 桜井 貴康
従来のトレンドより突出した超低消費電力・高速LSI技術を実現するために大学主導のもと産業界とも連携しながら,国際的視野に立って,この極低消費電力・新システムLSIのアーキテクチャや回路技術,デバイス技術のブレークスルーを創出し,学術的に体系化してわが国の競争力の源泉とすることを目的とする.

都市交通向け自転車に関する研究(新規)
教授 須田 義大
自転車をエコロジカルな交通システムととらえ,都市交通における公共交通機関との連携を図った新たな自転車の可能性を検討している.本年度は,小径自転車の低速走行時の安定性に着目し,マルチボディダイナミクスによる解析と実験による検討を進めた.

都市交通向け自転車に関する研究(新規)
教授 須田 義大
自転車をエコロジカルな交通システムととらえ,都市交通における公共交通機関との連携を図った新たな自転車の可能性を検討している.本年度は,小径自転車の低速走行時の安定性に着目し,マルチボディダイナミクスによる解析と実験による検討を進めた.

自動車用タイヤの動特性に関する研究(新規)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 研究機間員 椎葉太一,大学院生 宮崎 純
走行安全性を向上させるための車両運動制御,ITSに対応した新たな自動車制御のためには,タイヤの動的な特性を詳細に把握することが重要である.本年度は,スリップアングルの動的入力に対する接触力特性に着目し,タイヤ動特性試験を実施し,タイヤの物理パラメータ,タイヤサイズ,グリップ特性の影響を評価するためのモデルの構築を試みた.

車両・軌道システムにおける運動力学と制御に関する研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 大学院学生 ****** 技術官 小峰 久直, 研究実習生 和田 学
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

自動車における電磁サスペンションに関する研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 協力研究員 中野 公彦, 大学院学生 檜尾 幸司 研究機関研究員 椎葉 太一
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

鉄道車両における車輪・レール系の知能化に関する基礎的研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 研究員 曄道 佳明, 協力研究員 中代 重幸, 技術官 小峰 久直, 大学院学生 xxxxxxx, 研究実習生 和田 学
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

車両空間の最適利用に関する研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 助手 岩佐 崇史, 技術官 小峰 久直, 大学院学生 平沢 隆之
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

磁気浮上系における浮上と振動の制御(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 協力研究員 中代 重幸, 大学院学生 和田 貴弘
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

セルフパワード・アクティブ振動制御システムに関する基礎研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 協力研究員 中代 重幸・中野 公彦, 大学院学生 *****
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

移動質量を伴うフレキシブル・マルチボディ・システムの研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 研究員 曄道 佳明
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

マルチボディ・ダイナミクスによるヴィークル・ダイナミクス(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 協力研究員 中代 重幸 研究員 曄道 佳昭, 大学院学生 宮崎 純, 研究機関研究員 椎葉 太一
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

コルゲーションの成長・減衰機構の研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 助手 岩佐 崇史 研究員 曄道 佳昭, 技術官 小峰 久直
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

車両・軌道システムにおける運動力学と制御に関する研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 大学院学生 道辻洋平・黒崎由紀夫, 技術官 小峰 久直, 研究実習生 和田 学
高速性, 安全性, 大量輸送性, 省エネルギー性などの点で優れている, 軌道系交通システムについて, 主として車両と軌道のダイナミクスの観点から, より一層の性能向上や環境への適用性を改善することを目標に検討している. 本年度は, 模型走行実験による曲線通過特性, 空気ばねの制御手法の検討を行った.

マルチボディ・ダイナミクスによるヴィークル・ダイナミクス(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 協力研究員 中代 重幸, 研究員 曄道 佳昭, 大学院学生 宮崎 純, 研究機関研究員 椎葉 太一
マルチボディ・ダイナミクスによる運動方程式の自動生成, さらにダイナミック・シミュレーションなどの自動化は, 宇宙構造物, バイオダイナミクスなどの複雑な力学系において有用なツールである. 本年度は, リアルタイムシミュレーションを可能とするソフトウエアによるドライビングシミュレータへの実装,評価を行った..

コルゲーションの成長・減衰機構の研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 助手 岩佐 崇史, 研究員 曄道 佳昭, 技術官 小峰 久直
鉄道レール上の発生するコルゲーション現象(波状摩耗), さらに転がり軸受などに発生するコルゲーションについて, 検討を進めた. 実験装置上における生成機構のモデル化およびシミュレーションを行い, 滑りがコルゲーションの発生・成長に与える影響を検討した.

セルフパワード・アクティブ振動制御システムに関する基礎研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 協力研究員 中代 重幸・中野 公彦
振動エネルギーを回生し, そのエネルギーのみを利用した外部からエネルギー供給の必要のない, 新しいアクティブ制御を実現するセルフパワード・アクティブ制御について, 研究を進めている. 船舶の動揺装置への適用について検討を継続し, 模型船での実証実験にひきつづき,実船におけるシミュレーション評価とエネルギーの一時貯蔵システムについての検討を行った.さらに,新たに新交通システムへの適用についても検討した..

磁気浮上系における浮上と振動の制御(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 協力研究員 中代 重幸, 大学院学生 和田 貴弘
永久磁石を併用した吸引式磁気浮上システムにおいて, 浮上のための電流ゼロ制御と防振制御を両立させる手法について検討を行った. 本年度は, 浮上のロバスト性を向上させるための外乱オブザーバの適用と,動揺制御手法の最適化を図り,実験によりその効果を実証した.

車両空間の最適利用に関する研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 助手 岩佐 崇史, 技術官 小峰 久直, 大学院学生 平沢 隆之,民間等共同研究員 林哲也
快適で効率のよい公共交通機関の実現には, 走行性能の向上, 振動乗り心地特性の改善とともに, 交通空間の効率のよい利用が大切である. 本年度は, 動揺模擬装置を用いた快適性評価手法の検討, 車内の乗客の行動調査などについて検討を進めた.

自動車における電磁サスペンションに関する研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 協力研究員 中野 公彦, 大学院学生 檜尾 幸司 研究機関研究員 椎葉 太一
ITSの進展に伴う自動車における電子化, 情報化の背景を踏まえ, サスペンションの機能向上, 性能向上, 乗心地向上, 省エネルギー化などを目標に, 電磁サスペンションの検討を進めた. 本年度は, 任意の減衰力特性を実現するためのパワーエレクトロニクス回路を開発し,試作した電磁ダンパーによりその基本特性を評価した.

鉄道車両における車輪・レール系の知能化に関する基礎的研究(継続)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 助手 岩佐崇史, 技術官 小峰 久直, 大学院学生 道辻洋平・藤井毅
鉄道車両の曲線追従性の向上, 軌道不整への応答特性の改善, 軌道破壊への柔軟な対処の実現を目標に, センサ機能, アクチュエータ機能, 判断機能を付加する知能化システムの基礎的な研究を進めた. 本年度は,模型車両による試験,シミュレーションにより,摩擦制御と輪軸のヨーイング制御について検討を進めた.

自動車用タイヤの動特性に関する研究(新規)
教授 須田 義大[代表者],教授 須田 義大, 研究機間員 椎葉太一,大学院生 宮崎 純
走行安全性を向上させるための車両運動制御,ITSに対応した新たな自動車制御のためには,タイヤの動的な特性を詳細に把握することが重要である.本年度は,スリップアングルの動的入力に対する接触力特性に着目し,タイヤ動特性試験を実施し,タイヤの物理パラメータ,タイヤサイズ,グリップ特性の影響を評価するためのモデルの構築を試みた.

電子証拠物工学の研究
講師 松浦 幹太[代表者], 大学院学生(松浦研) 小森 旭
完全に実時間の信頼できる分散ディレクトリが原理的に不可能なため, ネットワークセキュリティ技術で対策を講じても, 何らかの紛争が発生し得る. 我々は, その紛争処理において有効な資料となる「電子証拠物」の概念を提唱し, 証拠物生成の要素技術を研究している. 例えば, 電子マネーのユーザが秘密データの搾取にあってそれを悪用されても, 「悪用されたのだ」ということを第三者に証明できる技術を開発している. また, その技術に対する情報法制的分析を進め, 実社会における実効性を学際的に検討している.

金属の粒界・界面に関する理論的研究
教授 山本 良一[代表者],博士研究員 呂 広宏・田村 友幸
金属多層膜は巨大磁気抵抗効果や垂直磁気異方性などの特異な物性を示すことで知られているが, これらの物性は異種金属界面の構造に非常に敏感である. また, バルク材料においても粒界の構造や粒界偏析は機械的性質に大きく影響することが知られている. 本研究においては, 粒界や異種金属界面の原子レベルでの構造と電子構造を理論計算により求め, 界面の構造と物性の関係を明らかにすることを目的とする. また, これらのシミュレーションを仮想実験室に適用する.

金属多層膜の輸送的性質に関する研究
教授 山本 良一[代表者],助手 神子 公男, 大学院学生 水野 浩行・千早 宏昭
Fe/Cr等の金属多層膜は巨大磁気抵抗効果を示すことが発見され, すでにハードディスク用の磁気ヘッドへの応用が始まっている. スパッタ法によって作成したCu/Co多層膜の磁気抵抗効果の大きさは最大で30%以上の値を示し, Cu層厚の関数として振動する. MBE法によって作成したCu/Co多層膜および合金薄膜についても研究を行っており, そのメカニズムについて研究中である.

金属多層膜の垂直磁気異方性に関する研究
教授 山本 良一[代表者],助手 神子 公男, 大学院学生 水野 浩行・千早 宏昭
Pd/Co等の貴金属/遷移金属系の多層膜は垂直磁気異方性を示し, カー回転角が大きいことから次世代の光磁気記録材料として期待されている. これらの多層膜の垂直磁気異方性の起源を探るために, スパッタ法, MBE法によって作成した多層膜の磁気測定, 第一原理電子論による磁気異方性エネルギーの計算を行っている. 異種金属界面の存在と強磁性層内に導入された歪みによる磁気歪効果の二つが垂直磁気異方性の原因であることを明らかにした.

金属超薄膜の結晶成長の初期過程に関する研究
教授 山本 良一[代表者],助手 神子 公男, 大学院学生 水野 浩行・千早 宏昭
金属多層膜は巨大磁気抵抗効果や垂直磁気異方性などの興味深い物性を示すが, これらの物性は異種金属界面の構造に非常に敏感である. そこで, 多層膜の界面構造を制御することを目的として, 結晶成長の初期過程に関する研究を行っている. これまでに, 金属の成長中にもRHEED強度振動を観測することに成功しており, サーファクタントエピタキシーに関する研究も行っている.

ライフサイクルアセスメントの材料への応用
教授 山本 良一[代表者],助手 神子 公男,大学院学生 本田 智則
環境負荷を総合的かつ定量的に評価することが低環境負荷材料を開発する上で重要な用件である. LCAはその中でも最も注目を集めている評価法である. しかし, LCAのデータベースおよびインパクト分析について, 各製品を構成する材料の組成および特性まで着目した評価を行うことは困難であり, このような方法は未だに確立されていない. 本研究では環境負荷の評価を, より詳細かつ正確に行うため, 製品の前段階である材料および素材のLCAを開発し, 実際に既存材料, 新材料等に適用することを目的とする. また, 材料特性の一つとして環境調和性を組み込むことを大きな特徴としている.

共押出成形現象の可視化計測(継続)
教授 横井 秀俊
共押出成形は,多層フィルムの重要な成形法の一つとして広く用いられている.本研究では,共押出成形におけるフィードブロック,およびTダイ,ダイリップ内の樹脂挙動計測手法の開発と現象解析を目的としている.本年度は,(1)フィードブロックおよびTダイ内での樹脂滞留位置の検出を可能とする押出機樹脂切替装置および可視化Tダイを開発し,評価実験を通して,その有効性を確認した.また,(2)ダイリップ可視化装置を用いて,発泡押出における発泡過程の解析を行った.具体的には,スクリュ回転数等の押出機操作条件および発泡剤,添加剤等の材料成分の影響が発泡状況に及ぼす影響を明らかにした.

共押出成形現象の可視化計測(継続)
教授 横井 秀俊
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

共押出成形現象の可視化計測(継続)
教授 横井 秀俊
共押出成形は,多層フィルムの重要な成形法の一つとして広く用いられている.本研究では,共押出成形におけるフィードブロック,およびTダイ,ダイリップ内の樹脂挙動計測手法の開発と現象解析を目的としている.本年度は,(1)フィードブロックおよびTダイ内での樹脂滞留位置の検出を可能とする押出機樹脂切替装置および可視化Tダイを開発し,評価実験を通して,その有効性を確認した.また,(2)ダイリップ可視化装置を用いて,発泡押出における発泡過程の解析を行った.具体的には,スクリュ回転数等の押出機操作条件および発泡剤,添加剤等の材料成分の影響が発泡状況に及ぼす影響を明らかにした.

セラミックス粉末射出成形の可視化観察(継続)
教授 横井 秀俊[代表者],教授 横井 秀俊,博士研究員 金 佑圭
セラミックス粉末射出成形では樹脂とは異なる特有の現象が成形機内で発生していると考えられ,可視化計測技術を駆使してこれを解明することは極めて意義がある.本年度は,シリンダ内の可塑化状況について冷却引抜き法により静的可視化観察を実施し,可塑化過程におけるリザーバ内空洞生成現象などセラミックス材料特有の現象の観察に成功した.この結果より成形体品質向上の具体的指針が明らかにされており,現在その不良現象生成機構の解明が行われている.

射出成形における型内樹脂流動計測システムの開発(継続)
教授 横井 秀俊[代表者],教授 横井秀俊,技術官 増田範通
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

可視化加熱シリンダによるスクリュ設計システムの開発(継続)
教授 横井 秀俊[代表者],教授 横井秀俊,博士研究員 金 佑圭
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

射出成形における溶融樹脂温度分布の計測(継続)
教授 横井 秀俊[代表者],教授 横井秀俊,助手・特別研究員 村田泰彦
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

超高速射出成形現象の実験解析(継続)
教授 横井 秀俊[代表者],教授 横井秀俊,助手・特別研究員 村田泰彦,技術官 増田範通,博士研究員 金 佑圭,CCR協力研究員(東京大)瀬川 憲・長谷川 茂,大学院学生 山田健央・渡辺 順・高橋辰夫
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

セラミックス粉末射出成形の可視化観察(継続)
教授 横井 秀俊[代表者],教授 横井 秀俊,博士研究員 金 佑圭
(東京大学国際・産学共同研究センターの項参照)

射出成形における型内樹脂流動計測システムの開発(継続)
教授 横井 秀俊[代表者],教授 横井秀俊,技術官 増田範通
基礎計測技術の研究として型内樹脂流動を計測する各種手法の開発と成形現象の実験解析を目的としている.本年度は,(1)ウェルドライン生成とガス抜けとの相関関係,(2)ディンプル状外観不良,(3)リブ部下流域におけるシルバーストリーク生成現象,(4)ヒンジ部におけるツヤムラ現象,(5)厚肉成形における補償流動,(6)発泡PPインサート成形過程,(7)スキン層生成過程,(8)メルトフロント挙動の検討を行った.また,(9)光ファイバーセンサをエジェクタピン表面に埋め込み,ピン部を通過する樹脂の速度ベクトルを計測するユニットの開発を行った.

可視化加熱シリンダによるスクリュ設計システムの開発(継続)
教授 横井 秀俊[代表者],教授 横井秀俊,博士研究員 金 佑圭
石英ガラスを加熱シリンダ内に組み込んだ可視化加熱シリンダと,ホッパ下可視化装置を用いて,樹脂ペレット可塑化状況の可視化解析を行うことを目的としている.本年度は,(1)スクリュ形状とペレット挙動の相関関係,(2)計量可塑化時におけるスクリュ溝内ペレット移動速度,(3)粉砕材混入時におけるホッパ下挙動と溶融状況,(4)スクリュチェックリング挙動について解析を行った.また,(5)蛍光法による色替・材料替時のバレル内樹脂置換過程の可視化手法の開発を行った.

射出成形における溶融樹脂温度分布の計測(継続)
教授 横井 秀俊[代表者],教授 横井秀俊,助手・特別研究員 村田泰彦
射出成形は,断熱材料である樹脂の溶融・流動・冷却固化プロセスと捉えられ,各過程における温度分布計測は,極めて重要である.本研究は,そのための新規計測手法の開発と,現象解析を目的としている.本年度は,集積熱電対センサに加えて,大型三次元可視化金型による流動挙動観察を併用することにより,(1)キャビテイ中央部よりも両端部においてフローフロントが先行する現象とキャビティ厚さとの相関関係を明らかにした.また,(2)縦リブを有するキャビティにおけるリブ前後で生成されるキャビティ厚さ方向非対称温度分布形状の発生原因を明らかにした.

超高速射出成形現象の実験解析(継続)
教授 横井 秀俊[代表者],教授 横井秀俊,助手・特別研究員 村田泰彦,技術官 増田範通,博士研究員 金 佑圭,CCR協力研究員(東京大)瀬川 憲・長谷川 茂,大学院学生 山田健央・渡辺 順・高橋辰夫
本研究では,超高速射出成形現象について多面的に実験解析を行い,不確定因子の多い成形技術,金型技術の確立と新規な高機能・高付加価値成形品の実現に資することを目的としている.具体的には,(1)超高速射出成形プロセスの解析,(2)超薄肉射出成形技術の系統的な検討,(3)超高速射出成形による超転写技術の可能性検討の,以上の3つを柱にプロジェクトを編成し,当研究室で開発された可視化計測ツールを最大限活用して,上記3プロジェクトの実施を行っている.本年度は,(1)金型内に複数の光ファイバーセンサを組み込んだ極薄肉キャビティにおける樹脂充填パターンの計測手法を開発し,各種キャビティ形状における充填パターン計測を通じてその有効性を実証した.また,(2)せん断力計測金型を用いて,高速射出条件下で発生する型内流動不安定現象の解析を行った.

セラミックス粉末射出成形の可視化観察(継続)
教授 横井 秀俊[代表者],教授 横井 秀俊,博士研究員 金 佑圭
セラミックス粉末射出成形では樹脂とは異なる特有の現象が成形機内で発生していると考えられ,可視化計測技術を駆使してこれを解明することは極めて意義がある.本年度は,シリンダ内の可塑化状況について冷却引抜き法により静的可視化観察を実施し,可塑化過程におけるリザーバ内空洞生成現象などセラミックス材料特有の現象の観察に成功した.この結果より成形体品質向上の具体的指針が明らかにされており,現在その不良現象生成機構の解明が行われている.