VI. 研究および発表論文


1. 研究課題とその概要
G. 受託研究

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第49号 2000年度
2001.8.23


1. 高機能材料設計プラットフォームの研究開発

教授 田中 肇

 相分離構造の意図的構造制御に焦点を当て, 高分子混合系やゲル等の相分離過程における粘弾性力といった力学的な影響を明らかにし, その結果, 形成される相分離構造の高度に秩序化したトポロジカルな性質を調べることによって, 分散構造シミュレーション法の検証を行う. マクロな視点から超高分子量のポリスチレンのバルク溶液において見られたゲル的な挙動の分子量・クエンチ深さ依存性に焦点を当て研究を行う.

2. 木質・セルロース系未利用素材の有価物化:分離工学手法の導入による生成物収率の向上

教授 迫田 章義

 生産活動から環境への汚濁負荷の削減と資源の有効利用の観点から, 廃棄物を「ごみ」として処分するのではなく「未利用素材」として有効に利用する技術の確立が望まれている. ここでは, 日本学術振興会から受託を受け, 各種未利用素材からの有用物質の合成・抽出に対し, 水熱反応に代表される高温高圧(超/亜臨界)水反応の利用を目的として, 種々の原料および反応条件に対する生成物・素反応に関するデータベースの構築を行ない, 反応残滓を含めた用途開拓を試みることでトータルとしての再資源化に関する検討を行なっている. また, 水熱反応と物理的な粉砕の双方が期待できる蒸煮爆砕処理の導入や大量処理を念頭に置いた超/亜臨界水連続処理プロセスの開発を連携することで, 未利用素材の資源化プロセスの設計・構築に資する知見の集積を行なっている.

3. 化学物質による生物・環境負荷の総合評価手法の開発

教授 迫田 章義, 講師 酒井 康行

 肝細胞などの動物細胞系に有機塩素化物, 重金属, 農薬などの環境汚染物質を負荷し, その増殖阻害や機能阻害などを指標として毒性評価を行っている. 本研究は, 国立環境研究所を始めとした様々な研究機関との共同研究で, 本邦では類を見ない大規模な培養細胞による化学物質毒性データベースを構築しつつあり, バイオアッセイによる水環境管理に大きな指針を与えることになろう.

4. 吸着式天然ガス貯蔵設備の技術開発

教授 迫田 章義

 エネルギー供給の効率化や石油代替エネルギーの利用が重要となっており, 簡便かつ有効な新規のエネルギー環境技術の開発が急務となっている. 本研究は大阪ガスの受託を受け, 天然ガス導入を促進するために, 従来の天然ガス貯蔵方法よりも高密度かつ安全な貯蔵方法を提案・開発することを目的としている. 本年度, 吸着剤を利用した天然ガスの吸着貯蔵を提案し, 小型実験装置による実験と簡便な数理モデルを用いた計算機シミュレーションによる検討を行っている.

5. 燃焼器設計における乱流LESの適用

教授 小林 敏雄, 助教授 谷口 伸行

 ガスタービンなどの燃焼器における熱流動設計のために乱流LES(Large Eddy Simulation)法の開発研究を行っている. 今年度は燃焼器流れの予測における研究課題として, 予混合燃焼および拡散燃焼それぞれに対して非定常燃焼現象を記述することのできる乱流火炎モデルの検討を行い, これを導入した実証解析コードの開発を進めた. 実機への適用として保炎器付き予混合燃焼器内流れのLES解析をおこない実験データにより検証した.

6. 文化遺産の高度メディアコンテンツ化のための自動化手法

教授 池内 克史, 助教授 佐藤 洋一

 文化遺産の画像情報, 形状情報を自動的に処理し, 高度メディアコンテンツへと変換する手法を研究する. 具体的には, 鎌倉の大仏や人間国宝の匠の技といった文化遺産を, テレビカメラや距離センサーを用いて観測する. この画像データをもとに, 最新のコンピュータビジョンの研究成果を用いて, 幾何情報, 光学情報, 環境情報, 時系列情報といった4つの側面からのモデル化を行う. そのため, センサー系, 処理アルゴリズム, およびこれらのパッケージ化に関する研究を行う.

7. 廃棄物管理における化学物質リスクの早期警戒システムの開発

講師 酒井 康行

 適切な廃棄物管理体系を構築する上で, バイオアッセイを含む種々の影響評価手法を適切に組み合わせることが重要と考えられる. 化学的・生物学的モニタリング手法の埋立地浸出水などの実試料への適用を進める中で, それらの手法の相互比較と適切な組合せに関する研究を行うと共に, バイオアッセイでの観測結果に基づき, 毒性源や毒性物質(群)を特定したり, 処理フローの適切な変更により, 毒性を低減させたりするための方法論についての研究も行っている.

8. 「劣化メカニズムを考慮した鉄道コンクリート構造物の維持管理技術に関する研究」のうち「コンクリートの電気抵抗測定方の研究」

教授 魚本 健人

 コンクリートの電気抵抗値を測地する方法の開発を行った.

9. 「走行式トンネルコンクリート点検システムに関する研究」のうち「トンネルレーダーの研究開発」

教授 魚本 健人

 走行式コンクリート点検システム用のレーダーに関して非接触で劣化現象を検知できるようなホーンアンテナを開発した.

10. 局所高電界場における極限物理現象の可視化観察と制御

教授 藤田 博之

 真空トンネルギャップや電界電子放出電子銃など原子寸法に近い領域に極めて高い電界が加わる構造で, 電子や原子の輸送現象を直視観測する目的で研究を行っている. マイクロマシン加工で, トンネルギャップや電子銃を作り, それを位相差検出透過電子顕微鏡の中で動作し, 局所高電界場での現象を明らかにする計画である.


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