II. 研究活動


8. 主要な研究施設
A. 特殊研究施設

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第49号 2000年度
2001.8.23


1. 単結晶X線構造解析装置

 化合物の単結晶(径0.1-1.0 mm程度)に照射した単色X線ビームの回折パターンに基づいて, 正確な化合物の構造を決定する. 当研究室の理学電機製RASA-7RではMo回転対陰極を用いており, 通常の結晶なら測定と計算すべてを含めて1〜3日で, 原子間の距離を10−1 pm, 結合角を10−2 degの桁まで決定できる.

(物質・生命大部門 溝部研)

2. 酸化物薄膜作製用イオンビームスパッタ装置

 本装置はアルゴンイオンでメタルターゲットをスパッタしてメタル原子/イオンを基板上へ跳ばし, 同時に基板に酸素ガンから酸素原子/イオンをスパッタして基板上で金属の酸化反応を進行させる装置である. また, ターゲットは面内回転するようになっていて, 複数の金属ターゲットを装着でき, 複合金属酸化物の作製が可能である.

(物質・生命大部門 小田研)

3. 高磁場中メスバウアー分光装置

 本装置ではメスバウアースペクトルを0から5Tまでの磁場中で, 4.2Kから室温までの温度域で測定可能である. また, 内部転換電子を測定することにより表面のメスバウアー効果を測定することが可能である.

(物質・生命大部門 小田研)

4. 実構造物力学特性解析装置

 本装置は, 実構造物レベルのコンクリート供試体(例:床版など)に対して, 実現象で想定される荷重をかけ, これによって生じる破壊のメカニズムおよび破壊時期を調べるために用いられる.

(物質・生命大部門 魚本研)

5. アルカリ骨材反応診断装置

 本装置は偏光顕微鏡, X線解析装置, イオンクロマトグラフおよび分光光度計により構成されており, アルカリ骨材反応を生ずる可能性のある鉱物の検出や反応の進行過程の判定を行うために用いられる.

(物質・生命大部門 魚本研)

6. コンクリート構造物力学特性診断装置

 本装置は電気油圧式疲労試験器, アコースティックエミッション(AE)計測装置, 超音波伝播速度測定器および動弾性係数測定器により構成されており, 繰り返し荷重による残余寿命の推定およびクラックの発生に伴う組織の劣化度を調べるために用いられる.

(物質・生命大部門 魚本研)

7. 腐食因子透過性診断装置

 本装置は, コンクリート中への腐食因子の透過性をコアサンプルを用いて診断するもので, コンクリートの細孔径の解析ならびに酸素・塩酸イオンの拡散過程を調査するために用いられる.

(物質・生命大部門 魚本研)

8. セメント硬化体健全度診断装置

 本装置は高周波プラズマ分光分析装置, 走査電子顕微鏡, 示差熱分析装置, 自動密度計, 超高速遠心分離器およびコンクリート用粒度, 硬度測定装置より構成されており, コンクリート構造物中のセメント硬化体がどの程度劣化・変質しているかを調査し, コンクリートとしての健全度を評価するために用いられる.

(物質・生命大部門 魚本研)

9. コンクリート構造物の劣化機構解析装置

 本装置は電子線マイクロアナライザー, コンクリート劣化促進試験槽, 凍結融解試験槽サブミクロン分級機および画像解析装置より構成されており, 腐食因子などがコンクリート中へ浸透した場合などにおいて, どのような劣化がまたどのように劣化していくかを解析するために用いられる.

(物質・生命大部門 魚本研)

10. 吹付けコンクリート用模擬トンネル

 吹付けコンクリートの施工実験を実施するための模擬トンネルで, 半径約4.5m, 長さ18mの設備である. 千葉実験所に設置されており, 民間等との共同研究で使用している. 予定では平成9年度より5年間にわたり使用する予定である.

(物質・生命大部門 魚本研)

11. 半導体超薄膜ヘテロ構造作成分子線エピタキシー装置

 エレクトロニクス材料として重要なGaAs, AlAs, InAsなどの半導体超薄膜とその関連ナノ構造を成長させるための装置である. 1979年に稼働開始の第1世代機に続き, 1983年から, 第2世代機が活躍している. いずれも, 超高真空中に置かれた結晶基板の清浄化と加熱のための部品および各種の分子線発生用部品を備えており, 例えばGaとAsを供給することで毎秒0.1ないし1ナノメートル程度の速度でGaAsなどの成長が可能である. 第2号機(Mark-II)は8個の分子線源を持ち, 10−11 Torrまで排気可能な改良機である. 結晶表面の構造評価用に反射電子回折装置が設けられている. 既に4000枚以上の各種のナノ結晶構造が作られており, 超薄チャネル構造を持つ超高速トランジスタ, 量子超薄を用いた赤外線検出機, 量子井戸を用いた半導体レーザ, 量子細線や量子箱構造などの電子物性の研究と新素子応用に活用されている.

(物質・生命大部門 榊 研)

12. 温度可変高真空走査プローブ顕微鏡装置

 本装置は, 120Kから600Kの間で温度可変の試料ステージを持ち, 走査トンネル顕微鏡, 原子間力顕微鏡, ケルビンプローブフォース顕微鏡など様々なモードでの計測が可能なシステムである. 本装置によって, 量子ナノ構造の表面形状・電子状態をナノメートルスケールで評価することができ, またその温度特性の計測を通じて量子ナノ構造の電子的特性を明らかにすることができる.

(物質・生命大部門 榊 研, 高橋研)

13. 極低温強磁場走査トンネル顕微鏡装置

 本装置は, 液体ヘリウムを利用して2Kから200Kの間で試料室の温度を制御することができる走査トンネル顕微鏡システムであり, また超伝導磁石によって最大10Tの強磁場を印加しながら計測を行うことも可能である. 本装置によって, 熱雑音の影響を取り除きながら量子ナノ構造の表面形状・電子状態をナノメートルスケールで計測することができ, またその強磁場中での振る舞いから量子ナノ構造の諸物性の評価が行える.

(物質・生命大部門 榊 研, 高橋研)

14. In-situ電子分光装置

 本装置は, エレクトロニクス材料として重要な半導体の単結晶およびそのヘテロ接合を超高真空中で作製し, 光電子分光法によりその表面・界面の物性を研究するためのものであり, 超高真空中で連結された分子線エピタキシー部と光電子分光部からなる. 分子線エピタキシー部は5×10−10 Torr以下に排気された超高真空中で半導体ヘテロ構造を作製するためのもので, 7個の固体分子線源と1個のガス分子線源を有する. 光電子分光部では, 5×10−11 Torr以下の超高真空中でX線光電子分光法(XPS), 紫外線光電子分光法(UPS), 逆光電子分光法(BIS), 低電子エネルギー損失分光法(LEELS)の各手法により半導体の表面物性, 状態密度, および表面素励起等に関する情報を得ることができる. 現在, 本装置は, GaAs/AlAsに代表される半導体ヘテロ構造界面極近傍の電子状態の解明およびその制御の研究に用いられている.

(物質・生命大部門 平川研)

15. 分子線エピタキシー装置

 本分子線エピタキシー装置は, アンチモン系の量子ドットを形成することを目的として導入された. アンチモン系半導体ではバンドアライメントの制御が可能であり新たな量子効果を発現させることができる可能性がある. Asセルバルブドクラッカーセルを用いることにより, 固体ソースMBEでAs制御を実現している.

(物質・生命大部門 荒川研, 染谷研)

16. フェトム秒レーザ分光システム

 本装置は, 半導体ナノ構造における電子のダイナミックス, 超高速光・電子相互作用の究明を行うために設置されたものであり, 2台のレーザシステムから構成される. 1台目は, Nd-YAGレーザを励起源として, 色素レーザ, 2台のパルス圧縮器から成るモード同期レーザシステムである. 2台目は, アルゴンレーザを励起源としたチタンサファイアモード同期レーザである. 付帯設備として, マイクロフォトルミネッセンスシステムおよびストリークカメラがある. 3台目は, 半導体レーザ励起フェムト秒レーザである.

(物質・生命大部門 荒川研, 染谷研)

17. 有機金属気相結晶成長システム

 本装置は, 半導体ナノ構造の形成技術の開拓および電子・光デバイスの作製を目的として2台の有機金属気相結晶成長システムからなる. 第1号機は, GaAs系半導体材料の減圧成長および局所電子線励起結晶成長を行う装置である. 最近GaN系半導体材料成長に適した装置に改造した. 第2号機は, GaAs系半導体材料に加えInGaAsP系材料の成長も可能な装置であり, デバイス作製に適した比較的大きな基板上への成長を行うことができる.

(物質・生命大部門 荒川研, 染谷研)

18. 超高真空低温走査型トンネル顕微鏡システム

 本装置は, 超高真空低温走査型トンネル顕微鏡, 原子間力走査型顕微鏡, および近接場光走査型顕微鏡から構成される. 超高真空低温走査型トンネル顕微鏡は, 光および電子線の導入も可能になっており, 本装置により量子ナノ構造の表面形状および電子状態を極微小領域で行うとともに, 量子ナノ構造の電子的・光学的性質の解明がナノメートルスケールで可能になる.

(物質・生命大部門 荒川研, 染谷研)

19. 電界放射型電子線描画システム

 本装置は, 半導体ナノ構造や超集積回路の作製に不可欠な超微細レジストパターンを電子線を用いて形成するシステムである. ベクタースキャン方式を採用している. また, 熱電界放出電子銃を用いることにより, 光電流密度の電子線を放出し, 解像度のよい低感度レジストを用いた高速描画を可能にしている. 加速電圧は50kVであり, ビーム経は最小5nmである.

(物質・生命大部門 荒川研, 染谷研)

20. フェトム秒レーザシステム

 本装置は, 半導体ナノ構造における電子のダイナミックス, 超高速光・電子相互作用の究明を行うために設置されたものであり, 前述のチタンサファイアモード同期レーザに付帯する2台のレーザシステムから構成される. 1台目はチタンサファイアモード同期レーザ光を種とした増幅再生システムであり, 2台目はそのフェムト秒パルスを励起源とした波長可変レーザシステムである.

(物質・生命大部門 荒川研, 染谷研)

21. 材料材質評価センター

 材料の力学特性を評価するための試験装置を設置している. 基本的材料試験を行う, 25 tf, 10 tfの油圧疲労試験機, 10 tf, 5 tf, 100 kgfの万能試験機, 5 tfクリープ試験機, ビッカース硬さ試験機, 特殊試験を行うX線CT付き万能試験機, SEM付き高温疲労試験機, 2軸油圧式疲労試験機を有する. また, 測定機器として, 3次元形状測定装置, 光学式変位計, デジタル超音波探傷器, AE計測装置, レーザー顕微鏡, レーザーエクステンソメーター, ファイバーオプティックセンサーシステム, デジタル動ひずみ測定器, レーザー変位計を保有している.

(全所共有設備)

22. 高温高速多段圧縮実験装置

 熱間加工中および加工後を対象として, 変形抵抗および内部結晶構造を計測するための試験設備である.

(プロダクションテクノロジー研究会 関連研究室共有設備)

23. 環境制御型高温SEM

 高温状態での試験が可能なSEMである. 内部には曲げ加工試験装置が付属しており, 塑性変形に伴う結晶構造変化の可視化が可能である.

(プロダクションテクノロジー研究会 関連研究室共有設備)

24. X線光電子分光装置

 X線照射により放出される光電子のエネルギーとその強度を測定し, 化学シフトにより化学結合や分子の電荷状態を解析したり, 固体表面での原子の存在量を知るための装置である. アナライザーは軌道半径125 mmの半球型で, ターボ分子ポンプ, イオンポンプにより10−9Torrまで排気可能である. 分解能E/ΔE=700以上, 感度AuN7で10,000 c/s, エネルギー精度0.1 eVの性能を持っている.

(情報・システム大部門 二瓶研)

25. サブミクロン二次イオン質量分析装置

 本装置は細く絞った一次イオンビームで試料をスパッタし, 放出された二次イオンの質量分析を行うことにより, 微小領域の元素分析を高感度で行うものである. ガリウム液体金属イオン源から放出された一次イオンは試料上で直径0.1μm以下に収束される. 二次イオンはMattauch-Herzog型二重収束質量分析器で質量分析され, 120チャンネル並列検出系で検出される. 二次イオン質量スペクトル測定の他, 試料の二次電子像, 全二次イオン像, 元素分布像の観察も可能である.

(情報・システム大部門 二瓶研)

26. 地震による構造物破壊機構解析設備

 地震に対する地盤・構造物系の応答, 特に構造物の破壊機構を解明するための, 総合的な設備である. 約300 mの間隔の3次元アレイに超高密度の3次元アレイによる地盤の地震動観測は, 局地的条件を含めて, 地震波動の伝播, 地盤の歪等, 地盤の詳細な挙動を明らかにし, 構造物に対する地震入力の資料を得ることを目的としている. 中小地震により被害が生ずるようあらかじめ設計され, 地盤上に構築された鉄筋コンクリート構造ならびに鋼構造の構造物弱小モデルは, 構造物の自然地震によって生ずる破壊の過程を実測し, その破壊機構を解明しようとするものである. 観測塔は搭状構造物の地震応答, 構造物基盤と地盤との間の土圧等, 相互作用ならびに免震装置の実地震時の応答等, 多目的に使用されている. これらの観測を主目的として, 約600点の測定量を動的に同時に計測, 記録する装置を備えている. 鉛直ならびに水平の2次元振動台, および動的破壊実験の可能なアクチュエータシステム(載荷最高速度1m/秒)は, 破壊過程を実験的に検討するためのものである. 地震観測設備は, 常に所定の加速度レベルの地震動で作動するように設定されている.

(情報・システム大部門 藤田(隆)研, 大井研)
(人間・社会大部門 小長井研, 中埜研, 古関研, 川口研, 山崎研)
(国際災害軽減工学研究センター 須藤研, 目黒研)

27. 分散数値シミュレーション開発研究施設

 複雑で多様な物理現象の予測や工学設計のために大規模な数値シミュレーションの適用が進められている. ここでは, 今後中心的なコンピュータ・シミュレーション技術となるであろう分散並列計算の実際的な応用研究を, 主に, 流体解析および構造解析の分野で行う. そのための装置として, 異なるタイプの並列計算サーバシステム(シェアードメモリ型(SMP)およびネットワーク分散メモリ型)を運用している.

(情報・システム大部門 小林研)
(人間・社会大部門 都井研・加藤(千)研・谷口研・大島研)

28. 人工衛星受信システム

 地球観測衛星NOAA/AVHRRからの画像を受信し, 処理するためのシステム. 生研の屋上とタイのアジア工科大学(AIT)に設置されており, 毎日, 東・南アジアを観測することができる.

(情報・システム大部門 安岡研, 柴崎研)
(人間・社会大部門 虫明研, 沖 研)
(概念情報工学研究センター 喜連川研)

29. 3次元雷放電・電荷位置標定システム

 雷放電に伴って発生するVHF帯およびMF帯の電磁波放射源の, 雷雲内における3次元的位置,および雷放電により変化した雲内の電荷量とその3次元的位置, 極性を知ることを目的としたシステムである. 0.1マイクロ秒の精度で時刻同期され, 5〜10kmおきに配置した8局でVHF帯とMF帯の電磁波の到達時間差, および準静的電界の雷放電に伴う変化量を測定し, オフラインで処理を行う. 観測局のネットワーク上空の半径約10 km以内で生じる雷放電が観測対象となる. 現在は, 冬にも雷活動が活発な福井平野で通年運用を行っている.

(人間・社会大部門 石井研)

30. 小型動力エネルギー機関の性能試験装置

 小型分散化された各種のエネルギー機関のクリーン化と高効率化の新機構開発と実証試験を行うための研究装置である. これは, 吐出圧力7kg/cm2, 風量55.8 m3/分の容積形圧縮機を使用する高圧空気源, 最大吸収動力185 kW, 最大駆動動力130 kW, 最高回転数4,000 rpm, ベース回転数2,000 rpmの交流式電気動力計及び全長2m, 幅500 mm, 高さ500 mmの測定部で, 風速範囲3〜50 m/secの低騒音風洞から構成されている.

(人間・社会大部門 吉識研, 加藤(千)研)

31. 低騒音風洞試験設備

 ファンやダクトから発生する騒音をほぼ完全に消音した小型・低乱風洞と騒音測定用の無響室とからなる計測設備であり, 対象とする物体周りの流れと発生騒音の同時計測が可能である. 風洞のテストセクションは, 高さ500 mm×幅500 mm×長さ1750 mm, 最大流速は50 m/sであり, 暗騒音レベルは風速40 m/sにおいて56 dB(A)以下に押さえられている.

(人間・社会大部門 吉識研, 加藤(千)研)

32. 水の平衡装置つき質量分析装置

 水循環を知る自然のトレーサとして, 水の安定同位体比はその空間的経路を知る重要な手がかりとなる. 当該装置はこの目的のため1cc程度の液体水のサンプルを設置取り付け後は, 自動的に水素と酸素の安定同位体比を測定するシステムである.

(人間・社会大部門 虫明研, 沖 研)

33. 環境無音風洞

 風環境, 大気拡散, 都市温熱といった様々な環境問題に対応し, それぞれの現象を的確に再現し解明することを目的としている.

 本装置の特徴は, 大気拡散や温熱環境問題に対応するため気流温度冷却装置, 気流温度加熱装置, 床面温度調整装置を使用して風洞気流の温度が任意に形成できること, 騒音問題などに対応するため通常の風洞よりもコーナーの多いクランク型風路, 低騒音型送風機, 風路内消音装置により風路内の騒音が非常に低く設定されていることである.

 測定部断面は2.2 m×1.8 m, 測定胴長さ16.5 m, 風速範囲0.2〜20 m/sで, 内装型トラバース装置, ターンテーブルを備えている.

(情報・システム大部門 村上研)
(人間・社会大部門 加藤(信)研)

34. 人工気象室

 本装置は建物内の湿気移動, 揮発性化学物質等の移動, 拡散現象を解析するための恒温恒湿室であり, その室内にHEPAフィルターおよび化学フィルターにより空気中の塵埃や揮発性化学物質濃度を大幅に低減したクリーンチャンバーを備える. 恒温恒湿室は10 m×6m×6mであり, 温度の制御範囲は15℃〜40℃, 湿度の制御範囲は20%〜80%である. クリーンチャンバーは床吹出天井吸込のclass100仕様の整流型である. 大きさは6m×10.5 m×4mであり, 温度の制御範囲は15℃〜40℃, 湿度の制御範囲は20%〜80%である.

(情報・システム大部門 村上研, 半場研)
(人間・社会大部門 加藤(千)研, 谷口研, 大島研, 加藤(信)研)

35. 極限環境試験室

 本装置は, 建築物や様々な工業製品の低温や恒温の極限気象条件での性能を検討するための恒温室である. 恒温室は6.75 m×4.25 m×3.0 mであり, 温度の制御範囲は−30℃〜40℃である.

(情報・システム大部門 村上研)
(人間・社会大部門 加藤(信)研)

36. 動的現象観測解析施設

 都市・土木・建築構造物の動的静的挙動を把握するための設備である. 3軸6自由度振動台, 1軸1次元振動台, 200tアムスラー試験機, 駒場IIキャンパス内地震観測施設等により成り立っている.

(情報・システム大部門 藤田(隆)研, 大井研)
(人間・社会大部門 小長井研, 中埜研, 都井研, 山崎研, 川口研, 古関研)
(国際災害軽減工学研究センター 目黒研)

37. 恒温恒湿土質実験室

 飽和粘性土・セメント改良土などは圧密時間(供試体を加圧養生する時間)によって, その強度・変形特性が著しく変化する. また, その強度・変形特性は温度変化の影響を強く受ける. したがって, 長期間にわたる土質実験を実施するうえでは, 恒温条件が必須である. さらに, 一貫した変形・強度試験のデータを得るためには, 室内で供試体の作成・整形等を実施する際に, 温度のみならず湿度も一定に保たれている必要がある. 本装置は, 以上の目的のために作られたものであり, 年間を通して温度22度, 湿度60%に制御されている. 現在, 6台の土質せん断試験機がこの中に収納され稼働している.

(人間・社会大部門 古関研)

38. 地盤材料用高容量・高精度載荷装置

 容量50 tonfと10 tonfの二組の載荷装置を用いて, 直径30 cm高さ60 cmの砂礫等の大型供試体の三軸試験, 及び圧縮強度が10 MPaを超える軟岩の三軸試験をそれぞれ実施している. 特に, 後者の載荷装置は, 非常に低速の載荷を変位制御または荷重制御で実施でき, かつ任意の載荷状態において測定軸変位量に拘わらず1μmの振幅で繰返し載荷が行える特長を有している. さらに, これらの装置では, 3方向の主応力の大きさを独立に制御する三主応力制御試験も実施可能である.

(人間・社会大部門 古関研)

39. 音響実験室

 音響実験室は4π無響室, 2π無響室, 残響室, 模型実験室およびデータ処理室からなっている. 4π無響室(有効容積7.0 m×7.0 m×7.0 m, 浮構造, 内壁80 cm厚吸音楔), 2π無響室(有効容積4.0 m×6.9 m×7.6 m, 浮構造, 内壁30cm厚多層式吸音材)では各種音響計測器の校正, 反射・回折測定, 聴感実験などを行う. また模型実験室は各種の音響模型実験を行うためのスペースで, 建築音響, 交通騒音などに関する実験を行っている. データ処理室には各種スペクトル分析器, 音響インテンシティ計測システム, 音響計測器校正システムなどが設置され, 音響実験室のすべての実験装置からのデータを処理できる.

(人間・社会大部門 橘 研)
(計測技術開発センター 坂本研)

40. 多次元画像情報処理研究設備

 電子計算機によって, 濃淡のあるモノクロ画像, カラー画像, マルチスペクトラム画像, 時間的な変化のある動画像などの多次元画像の情報処理を行うために, 各種の画像入出力装置および対話型処理装置を中心に構成されている. 入力装置としては高分解能タライングスポットスキャナー, カラーおよびモノクロームビデオ信号入力装置, VTRからのビデオ信号入力装置, さらに高精度オンライン顕微鏡などがある. 出力装置としては, カラーディスプレイ, レーザープリンタなどを備え, 画像蓄積用の光ディスクなどによるビデオファイル装置につながっている. 大容量磁器ディスク装置および大容量IC共有メモリをもつカラー・ディスプレイをはじめとする各種ディスプレイを備え, 対話型処理および二次元高速演算等のソフトウエアのサポートとあいまって各種資源の制御管理と連携処理が能率的に行えるようになっている.

(概念情報工学研究センター 坂内研)

41. 大深度海底機械機能試験装置

 深海底の高圧力環境下で, 油浸機械などの装置類, 耐圧殻, 通信ケーブルなどがどのように挙動するか, あるいは試作された機器類が十分な機能を発揮しうるかを試験・研究する装置. 内径Φ525 mm内のり高さ1200 mmの大型筒と内径Φ300 mm内のり高さ1000 mmの小型筒よりなり, 大洋底最深部の水圧に相当する1200気圧に加圧することができ, 計測用の貫通コネクタが蓋に取りつけられている. 試験圧力はシーケンシャルにプレプログラミングでき, 繰り返しを含む任意の圧力・時間設定ができる. 大型筒には耐圧容器に格納されたTVカメラを装着でき, 高圧環境下での試験体の挙動を視覚的に観測でき, 圧力, 温度, 時間データも画像に記録できる. また, 外部と光ファイバーケーブルでデータの受け渡しが可能である.

(海中工学研究センター 浦 研)

42. 水中ロボット試験水槽

 水中ロボットの研究開発には3次元運動制御ができる水槽が欠かせない. 本水槽は, 水中ロボットの研究・開発ならびに超音波を利用した制御, センシング, データ伝送等のためにD棟1階に設置された水中試験環境設備である. 縦7m横7m深さ8.7mの箱形で, 壁面からの超音波の反射レベルを小さくするために側壁4面には吸音材およびゴム材, 底面には海底の反射特性に相当するゴム材が装着してある. 地下の大空間側には800Φの観測窓が2箇所設けてあり, 水中のロボットの挙動を観察できる. さらに, ロボットの空間位置を水槽側とロボット双方で検出するために, 水槽内上下4隅に計8個のトランスジューサを配置したLBL測位システムを設置している. 付帯設備としては, 地下大空間内のロボット整備場から専用テルハが引き込まれ着水・揚収に供している. また, 自動循環浄化装置で常に透明度の高い水質を維持できる.

(海中工学研究センター 浦 研, 浅田研, 浅川研)

43. 極小立体構造加工設備

 電子機器の小型化は, 最近30年間に劇的に進んだが, 機械の小型化は極めて遅いペースでしか進んでいない. 従来技術の限界を撃ち破って, ミクロン単位の機械システムを作るには, 新しい製作技術が不可欠である. 近年長足の進歩を遂げた半導体微細加工技術を利用し, 基板上の薄膜を0.1 μm程度の精度で加工しながら, 同時に組み立てていくことで極微の立体構造をうる, マイクロマシーニングの技術を確立する必要がある. また, 工具やビームを使う加工法をも微細化して, 半導体技術と相補的に用いる必要がある. このために, 極小立体構造加工設備を整備した. 本設備のうち薄膜加工装置は, 千分の1mm程度の細かさの極小立体構造を形成し, それを駆動するためのアクチュエータ(駆動装置)や制御するための電子回路などを, シリコン基板上に一体化するために用いる装置である. また, バルク加工装置は, レーザ, 超音波, 放電などを利用した加工法により, 3次元的に複雑な構造を個別生産する装置である. 両者を合わせ, ミクロの世界に潜り込み, それを直接操作したり加工したりする超小型の機械である. マイクロマシンを実現するため, ミクロな機構・駆動部・制御部を集積化した賢い運動システムの新しい製作法の研究開発に用いる.

(マイクロメカトロニクス国際研究センター 藤田(博)研,
年吉研, 増沢研, 川勝研, B. J. Kim研, D. Collard研)


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