- Couette-Poiseuille流による一般座標系LESコードの検証
張 会 来・小 林 敏 雄・谷 口 伸 行 本報告では,一般座標co-located格子系 LES数値解析コードにより,速度境界条件を加えて,Couette-Poiseuille乱流場を計算した結果を報告することである.計算結果から,十分実用可能な精度が得ることができ,速度境界条件の取り扱い方の正確性を検証した.停止壁面付近の主流方向の渦が移動壁面付近より強いと言う現象も観察できた.
- エンジンシリンダー内流れの可視化
張 会来・小林敏雄・佐賀徹雄・瀬川茂樹 ガソリンエンジンに対しては空燃比の"均一分布"と言う概念から"非均一分布"に変化し,ディーゼルエンジンと同じような燃料質調整,希薄燃焼,排気制御が実現できつつある.そのため,エンジン内流れに対して,定量的,多点瞬時的に,流れ場へ影響なく計測する手法の開発が望まれている.今研究は2次元断面に対する濃度相関法を用い,低時間分解能NTSC CCDカメラよりシリンダー内高速流速度ベクトルの計測が実現でき,エンジン内流れ場可視化実験を実施した.しかし,サイクル変動と乱れ成分が如何に分離されるかと言う興味深い課題と残されている.
- 縦滑りを伴うコルゲーションの発生機構に関する研究
須田義大・岩佐崇史・小峰久直・曄道佳明・銭 麗 鉄道の急曲線内軌レールに生じるコルゲーション(波状摩耗)は、滑りを伴う転がり接触の繰り返しにより生じると考えられる。本研究は、このようなコルゲーションを滑りを管理できる試験機で再現し、その発生機構を実験的に検討した。転がり接触面の平均滑り率をパラメータにした実験を行い、データの解析にはウェーブレット変換等を摘要して、コルゲーション発生・成長過程の周波数域と空間域での全体像を明らかにした。その結果、平均滑り率がコルゲーション発生・成長に影響を与える機構について有効な知見を得た。
- 1軸台車を持つ鉄道車両の曲線旋回性能
須田義大 近年、新世代の鉄道車両用台車として、1軸台車が注目されているが、理論的な検討例は少ない。そこで、2軸操舵台車の理論を1軸台車に適用することによって、飛躍的に走行性能を向上させることを目標に、数値シミュレーションによって曲線旋回性能の解析を行った。曲線条件および台車条件をパラメータとした計算により、1軸台車においては、軸箱支持剛性のみならず、枕ばねの剛性も操舵性能に大きな影響を与えることが明らかになった。
- ビス(テトラチオモリブデン酸)パラジウム(U)アニオンの結晶構造
清野秀岳・坪松智弘・五十田智丈・溝部裕司・干鯛眞信 混合金属−硫黄クラスター[Pd(MoS4)2]2-の構造を、単結晶X線構造解析により明らかにした。[Pd(MoS4)2]2-はPd上に対称心のある構造を有し、二つのMoS4ユニットは四面体構造を保持したままそれぞれがスルフィド二つを介してPdに末端配位し、4つの架橋スルフィドはPdに平面四配位型に配位している。Mo−Pd−Moは直線で、Pd−Mo間距離は2.8673(7) Aである。PdS2Moのキレ―ト環内では結合角に歪みが見られ、またPdS2, MoS2の二つの面は平面から10°折れ曲がっている。
- 吹付けコンクリートの特性に関する基礎的研究(5)
各種配合要因の変化が強度特性および空隙特性に及ぼす影響
小林裕二・笹川幸男・酒井芳文・西村次男・魚本健人本報告では,各種配合要因を変化させた吹付けコンクリートによる吹付け実験を試み,配合条件の違いが吹付けコンクリートの硬化品質に及ぼす影響について強度および空隙率により調べた。その結果,急結剤添加率,水セメント比,単位セメント量,細骨材率,スランプ,細骨材表面水率,細砂置換率の変化が強度及び空隙率に及ぼす影響について同じ吹付け条件のもとで確認した。