研究解説
研究速報
海底トンネル用の大規模換気塔周辺の気流性状および排気拡散性状に関して、縮尺1/300の模型を用いた風洞実験による検討を行った。実験は2段階に分けて実施された。第一段階では三種類の排気口設置位置案について、周辺の風速分布、換気塔壁面での排気拡散性状等について検討し、排気口の適切な設置高さを決定した。第二段階では有利と判断された排気口位置において、詳細な排気口の形状や排気の方向について検討した。また、流れの可視化実験も合わせて実施した。
近年、宇宙構造物においてスマート構造と呼ばれる新しい構造概念が盛んに研究されている。著者の一人は、この概念を地上の大規模構造物に適用し、高層建物の制振などに新しい方法を提供する研究を行っている。この場合のアクチュエータとして、積層型ピエゾアクチュエータは発生力が大きく、非常に有効と考えられる。
本研究では、すでに積層型ピエゾアクチュエータ10×10×18を用いて特性実験を行い、そのアクチュエータ特性について第1報(96年6月号)で報告している。本報では、積層型ピエゾアクチュエータ25×25×36を用いて、アクチュエータ特性の比較のために、前報と同様の特性実験を行った結果について報告している。
L12型構造を持つ金属間化合物Ni3Alの室温延性は微量のポロン添加によって飛躍的に改善されることが認められている.室温での脆性は水素脆化に起因していると考えられている.従って,結晶中での水素挙動の解明が重要である.
本研究では,Ni3Al結晶中での水素のトラップサイトをトリチウム透過電顕オートラジオグラフィーによって調べた.その結果、水素は結晶粒内における転位,すべり線,積層欠陥等の各種欠陥にトラップされ易いことが判明した.
本研究では、高アルカリ環境下でも耐久性に優れた二層構造のAGFRPロツドを開発し、従来一般に使用されている各種FRPロツドとの力学的特性について比較検討した。また、アルカリ溶液で劣化促進させたAGFRPロッド断面のアルカリ分布状態を電子線マイクロ分析装置(EPMA)を用いて検討した。本研究の結果、従来のGFRPロッドと比べてAGFRPロッドは、高アルカリ環境下でも強度低下が少なく耐アルカリ性が優れていることが明らかとなった。