研究速報
光ソリトン通信において、短パルス化によって不要な非線形効果が顕著に現れ、伝送波形劣化につながる。また集中定数型光増幅器による多段中継伝送システムでは中継間隔が短くなり、また増幅時に発生する雑音成分が符号誤り率の劣化の原因となる。
本論文では、位相共役器を用いたソリトン伝送を提案し、まず増幅間隔の拡大について検討する。
次に非線形効果と雑音成分による伝送劣化の抑圧について検討する。
国際空港等の大型施設を海上に超大型浮体式構造物を用いて建造しようという計画が進められている。しかしながら長さ数kmに及ぶ浮体の挙動や係留力に関しては未だ明確にされていない。そこで本研究においては、一体型の大型弾性浮体模型を製作して風、波、潮流という実際の海域で作用するであろう複合外力を模擬した実験を行い、そのような複合外力下で大型弾性浮体の挙動及び係留力に関して実験的に検討した。その結果、超大型浮体の挙動推定や係留系設計を行う場合には個々の外力中での挙動の重ね合わせではなく、複合外力下で水深影響も考慮した推定が必要であることを示した。
本論文の目的は、LES(Large eddy Simulation)による乱A離散化された運動量を保存するようなコンシステントな境界及び内部応力計算の手法の開発である。 論文におていは、以下の二点が置かれた。1)対流項に発散型を用いた際の安定化手法の開発と2)離散化されたNavier-Stokes 方程式とコンシステントとなるよなレイノルズ応力を計算するポスト処理の開発。1)に関しては、一点積分を適用することにより数値安定が得られた。また、2)については、ポスト処理技術をチャネル乱流に適用したところ、DNS (Direct Numerical Simulation)と良好な一致が得られ、本手法の妥当性が証明された。
過時効処理したオ−ステナイトステンレス鋼SUS316の水素集積サイトはトリチウム透過電顕オ−トラジオグラフイによって解析した。水素と同一挙動を示す放射性同位元素のトリチウム(3H) を薄膜透過電顕試料中に導入し、拡散性および非拡散性のトリチウム放出特性および水素集積サイトを定量的に解析した。その結果、水素集積サイトは結晶粒界または母相に析出したクロム炭化物(Cr23C6) 見られた。また、非拡散性のトリチウムよりも拡散性のトリチウムの方が7〜8倍多いことが分かった。
現在まで種々の低Re数型k-εと乱流モデルが提案されているが,これらモデルの比較,検証はチャネル流等を対象に行われてきており,より複雑な流れにおける性状は必ずしも明らかではない.本報ではLaunder-Sharma(LS),安部-長野-近藤(ANK),村上-加藤-近本(MKC)の3種の低Re数型k-ε と乱流モデルについて,まず基本的な等温速度場である「チャネル流」によりその基本的性状を確認した.さらに非等温で浮力の影響のある複雑な流れ場である「閉鎖空間内の安定成層流れ」においてその性状比較を行った.
エポキシ樹脂塗装鉄筋ならびに亜鉛メッキ鉄筋を用いたコンクリート梁についての15年間の海洋暴露実験を行い、その防食効果やコンクリート梁の耐久性等についての検討を行った。 無処理の鉄筋を用いたコンクリート梁には、暴露期間中に梁が破断するものも認められたが、200μmの厚みのエポキシ樹脂塗装鉄筋を用いたコンクリート梁は優れた防食効果を示し、長期間の暴露にも関わらず、暴露期間中に殆ど変状は認められなく、取り出して調べた鉄筋には断面に影響を与えるような腐食は認められなかった。
渋滞延伸の影響を考慮した多起点多終点ODの動的利用者最適配分問題について、定式化と解法を提案する。動的利用者最適配分とは、 利用者が現時点までの交通状況に基づいて、終点までの最短経路を選択すると仮定した配分である。起点からの出発時刻別に多起点多終点ODは与えられているものとし、交通量の保存則、First-In-First-Out 原則を満たす制約条件を整理した後、動的利用者最適条件を定式化して、本配分問題が現在時刻によって分解できることを示した。次に物理的な長さを持つ待ち行列を考え、ショックウェーブ理論より、渋滞が上流に延伸して先詰まりを起こす現象をモデルに組み込んだ。