本速報では、速報(その1)で述べたU.L.F.に基づく中心差分法を用いた陽的非線形解析アルゴリズムを用い、2層平面骨組構造の爆破解体解析を実施し、時間積分の陽解法と陰解法の両者について計算効率の比較・検討を行っている。また、5層空間骨組構造の爆破解体解析を実施し、実用的な範囲でその爆破解体過程をリアルに表現できることを確認している。本アルゴリズムを用いることにより、解体の際に部材が外へ倒れないように爆破のタイミングを探ったりするなど、実務上非常に重要な情報を得ることが可能となる。
前報では、アラミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維で強化されたFRPロッドを自然環境で暴露した場合、特にアラミド繊維を用いたFRPロッドの強度低下が大きく、その原因が紫外線劣化である可能性が高いことを報告した。高分子材料であるアラミド繊維は、分子結合内に結晶部分と非結晶部分が存在するため紫外線により結合能力の低い非結晶部分が何らかの影響を受け、繊維内に欠陥部分を生じている可能性がある。そこで本研究では、アラミド繊維の紫外線による劣化性状を促進試験により実験的に検討した結果を報告するとともに、紫外線により劣化したアラミド繊維の強度はワイブルのweakest link理論を用いて定量的に評価できることを確認した。
耐久設計とは、コンクリート構造物が供用期間中に十分な耐久性を保持することを確認する耐久性に対する検討のことである。耐久設計を道路橋等に適用する場合には疲労荷重による影響を考慮する必要があるが、疲労荷重を劣化外力としたときの評価方法は耐久設計に採り上げられていない。そこで本研究ではニューラルネットワークを用いて各要因の影響度解析を行い、耐久設計において疲労荷重を劣化外力としたときの評価方法について検討を行った。検討の結果ニューラルネットワークを用いて疲労荷重の影響を明確にし、定量的に評価することが可能となった。
応力集中を低減するための最適形状設計法として、新しく提案された「生体成長法」と感度解析法について計算の効率性を中心にして比較評価した。その結果、両者から非常に類似な最適解が求められたが、最適設計において「生体成長法」の方が多量の計算時間の節減等の利点があるため、より優れた方法であることが分かった。