最新の研究
最新の研究
天気のパターンから放射性物質の拡散方向を予測 ~ 機械学習で信頼性を高め、被曝リスク低減をめざす ~
天気のパターンから放射性物質の拡散方向を予測 ~ 機械学習で信頼性を高め、被曝リスク低減をめざす ~


The white shaded area shows the hourly atmospheric concentration of 131I in the simulations using the estimated emission condition from 11 to 31 in March 2011.

2011年3月に起きた福島第一原子力発電所事故では、コンピュータシミュレーションを利用した緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)が出した予測情報を活用できなかった。情報に関する説明が不十分であり、予測の信頼性が明確ではなかったためである。今回、東京大学 生産技術研究所の芳村 圭 准教授と吉兼 隆生 特任講師は、放射性物質の拡散方向を予測する手法を開発した。低気圧や季節風などの天気のパターンから拡散方向を予測し、機械学習を用いて予測情報の信頼性を示すことができる。事前に拡散方向を把握し適切な防護措置を講じることにより、コンピュータシミュレーションを用いない現状よりも被曝リスクが低減できる。