2022.12.23 プレスリリース 【記者発表】東京大学 生産技術研究所と国立精神・神経医療研究センターとの連携・協力協定の締結について 令和4年12月22日、#東大生研(所長 岡部 徹)と国立精神・神経医療研究センター(理事長 中込 和幸)は、連携・協力の推進に関する協定を締結し、国立精神・神経医療研究センター 教育研修棟ユニバーサルホール1にて協定調印式を行いました。
2022.12.21 プレスリリース 【記者発表】安価でシンプル、大型設備も薬品も不要な方法で、金属とプラスチックを接合 ~亜鉛めっき鋼を熱水に浸け、溶融樹脂と接合~ 東京大学 大学院工学系研究科 博士課程の陳 偉彦 大学院生、同 #東大生研 の木村 文信 助教、梶原 優介 准教授は、亜鉛めっき鋼を75℃の熱水に浸漬することで、亜鉛めっきの表層にナノスケールの針状構造を無数に作製し、そこに溶融した樹脂を流し込むことによって、亜鉛めっき鋼とプラスチックを接着剤レスで強固に接合する技術を開発しました。
2022.12.12 プレスリリース 【記者発表】コロイドの動きを支配する新しい法則を発見 #東大生研 のユアン ジャアシン 特任研究員、同学 生産技術研究所の高江 恭平 特任講師、同学 田中 肇 名誉教授(現在:先端科学技術研究センター シニアプログラムアドバイザー)の研究グループは、電場下で溶液の流動がある状況でのコロイドの挙動を、独自の手法でシミュレーションし、コロイド間に溶媒が流れ込む「逆スクイーズ流れ」の概念を確立しました。これにより、コロイドの運動が劇的に遅くなることを明らかにしました。コロイド溶液の流れを電場で制御する法則を確立したことで、刺激応答性ゲルやフォトニックデバイスの効率的な設計にもつながると期待されます。
2022.12.12 プレスリリース 【共同発表】次世代高効率ディスプレイ向けCdフリー量子ドットで、RGB画素のパターニングに成功―低環境負荷、かつ、 高輝度・高コントラスト・広色域のディスプレイの実現へ―(発表主体:シャープ株式会社) シャープ(株)、シャープディスプレイテクノロジー(株)、東京大学は、発光スペクトル幅が狭くカドミウム(Cd)を含まない量子ドットによる、電流注入での発光とRGB(赤緑青)画素のパターニングに成功しました。これにより、環境負荷が小さく、高輝度・高コントラストで広い色域を兼ね備えた、新たな自発光型のディスプレイの実現が可能となります。
2022.11.18 プレスリリース 【記者発表】海面に着水したUAVによる深海底観測に成功~船やブイに依存せず、高速・高効率・リアルタイムな観測へ~ #東大生研 の横田 裕輔 准教授、横浜国立大学の平川 嘉昭 准教授、株式会社スペースエンターテインメントラボラトリーは共同で、UAV搭載用の海底通信装置を開発し、海面に着水したUAVと深海底との音響通信および測距に成功しました。 船に比べて圧倒的な機動性を持つ飛行艇型UAVによる海底観測を実現したことで、高速・高効率・リアルタイムの海底情報の取得が可能となりました。これにより、深海底情報の取得速度のボトルネックを解消し、有人観測の難しい海底火山域の高頻度計測、深海用ロボットの低コスト展開、高速な広範囲の海底測地・地形観測など、海底観測の高頻度化・低コスト化により、海洋観測工学分野に革命を起こすことが期待されます。
2022.11.04 プレスリリース 【共同発表】妊娠につながる良好なマウス受精卵を選ぶ革新的AI開発に成功-不妊症の原因となる卵子の質の評価に応用可能-(発表主体:慶應義塾大学) 慶應義塾先端科学技術研究センターの徳岡雄大研究員と同大学理工学部の舟橋啓教授、山田貴大専任講師、近畿大学生物理工学部の山縣一夫教授、 #東大生研 の小林徹也准教授らのグループは、深層学習を用いることで、マウス受精卵の細胞分裂の様子を連続的に撮影したデータから高精度に出生予測を行うAI(NVAN)の開発に成功しました。NVANによる出生予測の分類精度は83.87%と驚くほど高く、これまでの世界最高峰の機械学習手法や胚培養の経験者による目視検査を凌駕することに成功しました。本手法は、体外受精の胚評価における新たな基盤技術として、ヒト生殖補助医療や家畜動物生産分野に貢献することが期待されます。
2022.10.20 プレスリリース 【記者発表】がんの早期診断等に応用可能な「分子ニューラルネットワーク」の構築 東京大学 工学系研究科の奥村 周 大学院生(研究当時、現株式会社東芝研究開発センターフロンティアリサーチラボラトリー)、 #東大生研 の藤井 輝夫 教授(研究当時、現東京大学 総長)、アントニー ジュノ国際研究員は、miRNA 分子を入力とする新たな計算回路として「分子ニューラルネットワーク」を構築しました。DNAコンピューティングに酵素反応を組み込むことにより、低濃度のmiRNA入力パターンの分類を可能にしました。また、多数の極小の液滴内部で反応を行い、それぞれ濃度の異なるmiRNAに対する反応結果を網羅的に捉えることで、計算回路の性能評価を行いました。本手法に基づいて、miRNAを始めとするがんを含む疾患のバイオマーカーを対象とする分子ニューラルネットワークを設計すれば、低侵襲の早期診断や予後診断に用いることができます。
2022.10.11 プレスリリース 【記者発表】アモルファス物質の疲労破壊の機構を解明 田中 肇 東京大学名誉教授(東京大学 先端科学技術研究センター シニアプログラムアドバイザー)と東京大学 大学院工学系研究科の黒谷 雄司 博士課程大学院生(研究当時)らは、アモルファス物質に繰り返し荷重を与えることにより起きる疲労破壊の物理機構を、流体力学の基礎方程式の理論解析・数値シミュレーションにより示しました。臨界ひずみ振幅、すなわち元の形状には戻れない変形の始まりは、疲労破壊と単純破壊で同じである可能性を示しました。単純変形による破壊の始まりを詳細に調べることで、長時間の疲労破壊試験を行わなくても疲労破壊の臨界ひずみ振幅を予測できる可能性が示され、様々なアモルファス材料の長期安定性の予測に役立つことが期待されます。
2022.10.11 プレスリリース 【共同発表】世界初、ミュオグラフィによる台風の観測(発表主体:国際ミュオグラフィ連携研究機構) 東京大学国際ミュオグラフィ連携研究機構は、同大学大学院新領域創成科学研究科、生産技術研究所( #東大生研 )、大気海洋研究所、および英国シェフィールド大学、英国ダラム大学、イタリア原子核物理学研究所、イタリアカターニャ大学、ハンガリーウィグナー物理学研究センター、チリアタカマ大学、フィンランドオウル大学と共同で、世界で初めて台風の透視に成功しました。ミュオグラフィを用いることで遠方の台風の内部構造をイメージングできるため、将来、台風の早期警報システムへの応用が期待されます。
2022.09.22 プレスリリース 【記者発表】結晶系を揃え、原子スケールで乱れのない超伝導体/半導体の接合に成功~新機能を持つ窒化物半導体デバイス開発への一歩~ #東大生研 の小林 篤 特任准教授、上野 耕平 助教、藤岡 洋教授、大学院工学系研究科 修士課程の紀平 俊矢 大学院生(研究当時)、博士課程の武田 崇仁 大学院生、附属スピントロニクス学術連携研究教育センターの小林 正起 准教授、物質・材料研究機構の原田 尚之 独立研究者の共同研究グループは、窒化ニオブ超伝導体と窒化アルミニウム半導体の結晶系を揃える技術を開発し、原子スケールで乱れのない高品質な異種機能材料接合を実現しました。本研究グループは、精密な薄膜成長技術と構造評価技術を駆使することで、1,200℃を超える高温で窒化ニオブが窒化アルミニウムと同じ六方晶系に結晶化することを発見しました。また独自に発展を遂げてきた窒化物半導体と窒化物超伝導体のエレクトロニクスを融合させました。今後、新構造量子ビットや単一光子制御素子の社会実装に向けて、材料評価やデバイスプロセスの開発を進めていきます。