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【報告】東大OHOW・ダッカ大学第1回合同学生セミナー(開催日:2022/8/3,4)

 ワンヘルス・ワンワールド連携研究機構(OHOW)は、8月3日(水)、4日(木)にウェビナー形式でThe 1st Joint Student Seminarを開催した。本所はバングラデシュの工学系大学のトップ校であるバングラデシュ工科大学(BUET)にリエゾンオフィスを設置しているが、今回は医学部を有する国立ダッカ大学と初めて連携をした。

 OHOW機構長である本所 竹内 渉 教授の開会挨拶ののち、本学 医学系研究科 橋爪 真弘 教授(国際保健学)、バングラデシュのMinistry of Health and Family Welfare (MoHFW)のDr. Iqbal Kabir教授(疫学と気候変動)、本所 南 豪 准教授(超分子材料デザイン)、ダッカ大学の研究担当副学長Dr. ASM Maksud Kamal教授 (災害マネジメント)が招待講演を行なった。学生の発表は、バングラデシュからはダッカ大学や私学の雄North South Univ.などから26件、インドは2件、日本は本学から6件の、合計34件あった。うち21件が女子学生による発表であったことが印象的で、8分という短い発表時間にも関わらず、皆工夫して他分野の聴衆にもよく分かる素晴らしい発表であった。具体的には、顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases, NTDs)に対する気候変動の影響評価、ベンガルトラなど野生生物と人間とのコンフリクトに関する調査研究、ダッカ市内での交通・建設起源の大気汚染悪化と健康被害の関連分析、EV車普及に向けたマテリアルフローとライフサイクルアセスメントに関する研究、衛星リモートセンシングを用いたベンガル湾のマングローブと海面変動計測、プラスチックごみによるブラマプトラ川・ベンガル湾海洋汚染のモニタリング、日本における気候変動と精神疾患との関連分析、河川堆積物内のマイクロバイオーム・ゲノム分析、バングラデシュの生態系保全とエコシステムサービスの歴史的変遷に関する研究、日本での地中レーダー(GPR)を用いた埋設物の健全性評価手法、などが話題となった。ワンヘルス・ワンワールドという概念が対象とするヒト・動物・地球環境から社会が直面している様々なリスクについて理解するとともに、これらに対応するために関連学術分野を総合的・協調的に発展させるための有意義な議論が行われた。

(人間・社会系部門 教授 竹内 渉)

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集合写真

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橋爪教授、Kabir教授、南准教授、Kamal 教授の特別講演

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セミナー後、今後の研究に関しての意見交換
上段左 竹内教授、Kamal 教授、下段左 南准教授、橋爪教授

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