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令和3年度 第2回生研サロンの開催報告

 2021年10月4日(月)の夕刻より、令和3年度2回目の生研サロンがオンラインにて開催されました。今回は東京都市大学との学術連携の一環として開催され、東京都市大学から三木 千壽 学長をはじめ約20名が出席されました。本所からは約50名の教職員が参加し、岡部 徹 所長の開会挨拶の後、本所と東京都市大学が交互にそれぞれ2件の話題提供を行い、相互の交流を図りました。

 本所からは人間・社会系部門 中楚 洋介 特任講師が「植物科学と建築構造の交わり」と題し、生育樹木を積極的に建築に用いることへの挑戦について、植物科学者たちとの協働事例が紹介されました。持続型エネルギー・材料統合研究センター 八木 俊介 准教授からは「無限の可能性を秘めた蓄電池の研究」と題し、再生可能エネルギーの出力安定化・平準化、エネルギーの有効活用のために余剰電力を貯蔵できる蓄電池(二次電池)について、その可能性を探求した研究成果の一部と考え方が紹介されました。

 東京都市大学からは、理工学部 自然科学科 西村 太樹 准教授が「加速器実験で求める材料と加速器実験を利用した物性研究」と題し、加速器を利用した物性研究としてベータ線を利用したβ-NMR(核磁気共鳴法)やPIXE(粒子励起X線放出)法などを紹介され、現在の不安定原子核実験において研究を発展させるために求める材料についての提示と議論を頂きました。総合研究所 石川 亮佑 准教授からは「グラフェンの太陽電池応用」と題し、超アモルファスシリコン太陽電池の透明電極やペロブスカイト太陽電池の電極材料にグラフェンを応用した事例のほか、最近取り組まれているグラフェン以外の原子層材料の太陽電池応用についても紹介頂きました。

 オンラインという性質上、対面開催に比べると参加者同士の一体感はやや希薄だったかもしれません。しかしながら、本所からの話題提供には東京都市大学から、東京都市大学からの話題提供には本所からの質問があり、専門分野の垣根なく自由に意見交換が行える生研サロンならではの交流が行われました。

 サロンの最後には東京都市大学の三木 千壽 学長から、とても有意義な時間を過ごすことができたことや、学術連携による人事交流が東京都市大学の研究活動の活性化につながっているというご挨拶を頂きました。

 東京都市大学との学術連携事業として、来年度は東京都市大学にてサロンの開催が予定されています。今後もサロンやシンポジウムをはじめとした連携事業を契機に東京都市大学と新たな共同研究等が始まり、双方の教育研究活動が活性化されることを願っています。

(リサーチ・マネジメント・オフィス 室長・教授 町田 友樹、技術専門職員 前橋 至)

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岡部所長挨拶、中楚特任講師、西村准教授

生研サロン2.png
八木准教授、石川准教授、三木学長ご挨拶

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